2012年5月6日
訪米その1 「拉致問題解決に向けて」

毎年、北朝鮮による日本人拉致事件の「家族会」「救う会」「拉致議連」合同で訪米し、拉致問題を訴えています。今年もワシントンを訪れます。
出発前に空港で記者会見を行いました。

毎年行っていますが、早く全面解決しなければなりません。
横田夫妻は年令、体調の面で訪米が難しくなっており、飯塚代表も73才です。

拉致事件は、北朝鮮による主権侵害、テロ行為で、2002年の小泉―金正日との日朝首脳会談で金正日が拉致を認め、被害者5人が帰国しました。
しかし、全体の解決はまだまだです。

拉致問題解決に取り組んでいる仲間の調査によると被害国は12か国にのぼります。
2006年にアメリカの下院公聴会で被害者の母、横田早紀江さんが発言し、ブッシュ大統領との面談が実現した。
アメリカの人々もこの問題を認識なさったと思います。
下院公聴会での横田早紀江さんの証言はこのようなものでした。

『 本日はこのような貴重な機会を与えて下さったリーチ委員長、スミス委員長を初めとする米国議会の先生方に感謝いたします。
 私は今から29年前、1977年11月に13歳で北朝鮮に拉致された横田めぐみの母、横田早紀江でございます。めぐみが中学校からの下校途中に行方不明になってから、どうしていなくなったのかわからない長い長い二十年間の苦悩の日々を過ごして参りました。めぐみが北朝鮮の工作員によって拉致をされたという情報が入ったのは、1997年のことでした。
 私たちはめぐみが生きていたのだ、すぐにでも会える、という思いで大変喜びました。けれども北朝鮮にいることがわかって、それから9年以上が過ぎたのにまだ救出出来ません。なぜ助けられないのか、悔しくて、悲しくてたまりません。
 金正日は2002年9月の日朝首脳会談で一転して13人だけの拉致を認めました。北朝鮮が拉致した日本人は13人どころではありませんが、彼らは数多くの被害者について、いまだに拉致したことさえ認めていません。拉致の疑いのあるケースは450人以上あります。
 娘めぐみと、本日家族がこの席に来ています田口八重子さん、増元るみ子さん、市川修一さんら8人は死亡と通告されましたが、めぐみの骨とされるものなど北朝鮮が8人の死亡の根拠として提供したものは、日本政府の精査の結果、全て信じるに値しないものでした。
 これは1年半前にニセ遺骨と一緒に日本政府に提供された拉致直後のめぐみの写真です。めぐみは歌の好きな明るい少女でした。この淋しそうな顔見て私たちは思わず写真をなでながら、「めぐみちゃん、こんな所にいたの? どれほど不安だったでしょう。まだ助けてあげられなくてごめんなさい」と話しかけました。
 めぐみの娘、私たちの孫であるキム・ヘギョンさんの存在が明らかになり、今年4月にヘギョンさんの父親が韓国の拉致被害者キム・ヨンナムさんであることがDNA鑑定で証明されました。ヨンナムさんは16歳、高校生で拉致されました。北朝鮮による拉致被害者は日本、韓国だけでなく、中国、タイ、レバノン、フランスなど12ヶ国に及んでいます。
 亡命工作員の証言によると、娘めぐみは工作船の暗い船底に閉じこめられて、「お母さん助けて、お母さん助けて」と壁をかきむしって絶叫し続けて暗い海を運ばれたと言います。
 めぐみたちはまだ元気であちらにいるのです。本当にもう心身疲れ果てておりますけれども、子供達が助けを求めている間は、どんなことがあっても倒れることは出来ません。
 子供達の失われた年月は取り戻せません。世界各国から拉致された全ての被害者たちを助け出し、これからの人生を自由の地で過ごさせてやりたい。ひどい人権侵害に苦しんでいる北朝鮮の人々も助けなくてはなりません。
 世界が心を合わせて、「拉致は許せない。全被害者をすぐ返しなさい。それがないなら経済制裁を発動します」とはっきりと言っていただきたいのです。それが私たち家族の心からのお願いでございます。
 米国議会、政府、国民の皆様のお力添えをお願いします。
 本当に今日はありがとうございました。』

今、アメリカの青年、デイビッド・スネドンさん(当時24才)が中国雲南省で2004年に拉致されたのではないかという疑いが濃厚となっています。
スネドンさんのご両親が4月28日に来日され、アメリカ政府の認定を求めたい、と訴えられました。
日米で拉致問題解決のため連携しましょう。