やまたにの活動報告詳細

2011年3月7日
【プレスルーム】「杜に想ふ」(神社新報) 平成23年3月7日

 鎌倉の鶴岡八幡宮、春の光の中に大銀杏のひこばえ(切り株や根本から生える若芽)が二メートル余の枝を輝かせていた。その圧倒的な清らかさに思わず息を呑んだ。
 樹齢一千年余といわれる御神木の大銀杏は、昨年の三月十日、雪交じりの強風を受け根本から倒れた。その後、八幡宮の深い祈りと適切な対応により驚くほどの生命力でひこばえが育っている。倒れた直後二ヶ月間設けた記帳所には約六万五千人が訪れたというが、私が参拝したその日も、しめ縄が張られたひこばえの周囲は多数の人が笑顔で、或いはまた沈黙の中に涙をうかべながら祈られていた。
 生命の声は声なき声。しかし耳を澄ませばしっかりと聞こえる声であり、その声を聞くことを無上とする人がこんなにも多いのが日本の国柄であるとも感じた。
 古事記では、伊邪那岐、伊邪那美が島々をお生みになられた後、海、川、水、風、木、植物などを象徴する神々を生み出される。私の祖母は私と散歩しながら「良い木から神様の気をもらって」と言いながら木に手をかざし、祈っていたことが懐かしく思い出された。
 ところで、春の光の中の国会は“生命の歓びいっぱい”とはいかない状況にある。参議院予算委員会は、連日大嵐で、無責任なバラマキ四K(子ども手当、高校無償化、高速道路無料化、農家の個別補償)を続ければ財政破綻と共に道義国家日本人の背骨も破壊されてしまう。ネットでは「タイガーマスク伊達直人と菅直人の違い」が出回っている。「子供達にランドセルを背負わせたいのが伊達直人、子供達に借金を背負わせたいのが菅直人」「施設にランドセルを送るのが伊達直人、中国・ロシア・韓国にランド・セール(国を売る)するのが菅直人」。ロシアは北方領土の投資を中国、韓国に向けて呼びかけ、韓国は竹島の北西一キロに海洋基地建設を準備中であるというのに前原外相は先月の日韓外相会談・日露外相会談で十分な抗議をしなかった。
自民党は、責任与党として政権を取り戻すべく、現在、積極的に法案提出を行っている。すでに森と水源地を守るための二法案を提出し、国防上重要な土地を外国資本などから守るための法案も私が会長となって取りまとめを始めた。
四月二十八日を主権回復記念日に制定する議員連盟も先月末に五十四名の国会議員で設立させた。来年は主権回復六十年にあたる。六年八ヶ月の占領下で何が行われたか、主権回復とはどういうことかを考える政府行事や学校で学ぶ機会を広げたい。
領土を守る気概も能力もない現政権下で、国民は国家主権のあり方を根本的に問い直し始めている。今も引きずる占領下日本“オキュパイドジャパン”から脱却し、本来の国の姿と心を取り戻したい。