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2011年5月23日
【プレスルーム】「中国「国防動員法」の脅威」 夕刊フジ5月23日(月)

中国「国防動員法」の脅威
中国が昨年施行した「国防動員法」の危険性が指摘されている。有事の際、民間人も徴用する法律で、日本に住む中国人までもが「民兵」となる恐れがあるうえ、中国で活動する日本企業や日本人が資産や技術の提供を強要されかねない。東日本大震災から2カ月、一時帰国した中国人は徐々に戻りつつあるが、大丈夫か。
「中国は戦略的に着々と進めてきているが、菅直人内閣には危機感が薄すぎる。国益や主権を守る意識がないとしかいいようがない」
自民党の山谷えり子参院議員はこう語る。震災直前、3月8日の参院予算委員会で、国防動員法の脅威を取り上げたが、外務省の伴野豊副大臣らは「中国の法律でして・・・」「中国に照会したが回答がない」などと答えるだけだった。
昨年7月に施行された同法は、有事(=国家非常事態)の際、中国政府と中国人民解放軍が、民間の人的・物的資源を動員・徴用する法律。範囲は18歳から60歳までの中国人男性と、18歳から55歳までの中国人女性に加え、金融機関から交通機関、報道機関、インターネット、港湾施設、郵便、建設、医療、食糧、貿易など幅広い。
日本にとって脅威なのは、日本に住む中国人も「民兵」として動員・徴用の対象となるうえ、中国国内で活動する日本企業や日本人も資産や技術提供の対象となるーとみられること。
山谷氏は2月にも政府に対し、《(国防動員法を)どう分析しているのか》《日本政府の防護策はあるのか?》などという質問主意書を提出したが、政府は《他国の法律であることから、同法律の個々の規定の解釈について、政府としてお答えすることは差し控えたい》と答弁。まるで尖閣沖漁船衝突事件を思い出させるような弱腰なのだ。
ただ、答弁書では、日本に住み、国防動員法の対象となる中国人男性は約26万人、中国人女性は約35万人で計約61万人と公表した。あくまで震災前のデータだが、これは日本の陸海空自衛隊定数約25万人の2・4倍以上という驚くべき数字。
一方、中国在住の日本人は約12万6000人(2008年、外務省HPより)。この脅威を放置していいはずがない。
「日本が中国の『自治国』になる」(産経新聞出版)の著書があるフィクション作家の板東忠信氏は「国防動員法は『国家非常事態』について、戦争だけでなく金融危機も含めており、解釈次第で広がる」といい、こう続けた。
「中国人は人的ネットワークが強く、日本国内でも組織化されている。2008年の北京五輪の聖火リレーでは、数千人の中国人留学生が長野に集結し、一部が暴徒化した。イザというとき、『民兵予備軍』がいることは深刻な脅威だ。一方、中国国内にいる日本人や日本企業は人質となりながら、さまざまな協力を強要される恐れもある。菅内閣は『他国の法律』などと軽く考えてはならない」
前出の山谷氏も「一刻も早く、中国の意図を見極め、日本として対応を決めなければならない」と語る。
中国については最近、同国大使館が、東京・港区の一等地を国家公務員共済組合連合会(KKR)から60億円強で落札していたことが発覚し、国会で問題となっている。したたかな隣国には気を許してはならない。