国会での活動報告詳細

2010年10月21日
【委員会質疑】 参議院 内閣委員会

○山谷えり子君

自由民主党、山谷えり子でございます。
九月二十四日、国辱記念日と多くの国民が思っております、尖閣諸島沖の海域で公務執行妨害をした中国漁船の船長さんが処分保留で釈放されたと。
那覇地検は、普通ですと法と証拠に基づいてというふうにおっしゃられるはずですけれども、そのことはおっしゃられずに、国民生活への影響、そして日中関係を思ってというような極めて政治的なことをおっしゃられた。
つまり、政治的な圧力が掛かったということを暗に示しているのではないかというのが普通の解釈ではないかというふうに思っております。
法治国家としての我が国のありよう、また主権国家としての我が国のありよう、それからこうした大切な問題について、訳の分からない判断をする国家として、やはり国際社会から、日本はどういう国なんだという本当に不名誉なレッテルを張られたというふうに思っております。
中国では、我が国の巡視船に中国漁船がぶつかってきたんですけれども、逆であると。日本の巡視船が中国の漁船にぶつかってきたというふうに報道されていて、それが十分に訂正されない。
であるならば、やはり真実を公開すべきであり、一般の方にビデオを見せるべきだというふうに思います。
先ほど岡田委員の質問に対して仙谷官房長官は、公益上の必要、相当性があればというふうにおっしゃられましたが、これはまさにそういうことではないでしょうか。いかがでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

先ほど岡田委員の質問にお答えしたとおりでございまして、付け加えることは何もございませんが、改めてもう一度時間を取ってでも申し上げた方がよければ申し上げます。よろしいですか。

○山谷えり子君

同じ文章を読まれるなら結構です。全く納得しておりません。
これは真実を国際社会に知らせて我が国の立場というものを明らかにすべきことだというふうに思いますので、公益上の必要性から、一刻も早く一般にビデオテープを全面公開していただきたいというふうに思います。
中国の行政当局が中国の漁業監視船を再び尖閣沖に向かわせたという報道がありますが、昨日、二十日の午後の官房長官の記者会見では、視認、目で見て確認していないとの報告を受けているとありますが、今日はいかがですか。

○国務大臣(仙谷由人君)

現時点でも全く視認できていないようであります。
それから、御承知のように海域の気象状況が大変厳しい状況になっていることが何らか影響しているのかも分かりませんが、全く現時点では視認をしていないということであります。

○山谷えり子君

私は、日本の領土を守るため行動する議員連盟の会長をしております。
十数年前から活動を続けているいわゆる領土議連でありまして、超党派でございます。
自民党、民主党、たちあがれ日本、無所属のメンバーで、この六年間は私が会長をおあずかりしております。
先週の土曜日、十六日に領土議連の会長といたしまして沖縄の宜野湾で行われた集会に参りました。
四百人ぐらいと思って予定をしていたようですが主催者側は、七百人集まっておられました。
石垣市の市長さん、宮古島の市長さん、与那国の町長さん、議長や議員さん、そして那覇市の沿岸漁業組合長、与那国漁業組合長など漁業関係者もたくさん、また地域の生活者の声もたくさん聞いてまいりました。その中で、尖閣諸島における有効支配の強化をしてほしい、はえ縄漁業なんかをやっていても縄を中国船がばあっと切っていってしまうんだと、もう安全な操業はできない状況にあるということをお聞きいたしました。
そのための具体的なものとして、灯台の設置、海が荒れますから避難港の整備、ヘリポートの設置、これは森山運輸大臣時代に実は少し仮設のような状態でヘリポートございました、レーダーサイトの設置、そのようなことを国はどのようにお考えでございますか。要請がありました。

○国務大臣(仙谷由人君)

新たな灯台の設置につきましては、通行船舶の状況、海難の発生状況等を総合的に勘案をして、政府全体で慎重に検討することが必要と考えております。以上でございます。

○山谷えり子君

二〇〇五年に灯台を国の管轄に置いて海図にも書きました。
それは町村外務大臣でございます。
今の答弁ですと、それよりも何か後ろに退いているような感じがいたしますけれども、灯台は当然じゃないでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

だから、灯台は維持管理をしているということでございます。
前々内閣、その前の内閣、あるいはその前の内閣から、この尖閣諸島についての取扱いはその方針を踏襲をしているということでございます。

○山谷えり子君

以前は二台ありましたが、ちょっと台風等々の関係で今灯台が一台になっているんです。
しかも、今の状況ではこのような灯台では心もとない、もっとちゃんとしたものを設置してほしいということの要望でございますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

先ほどから申し上げておりますように、政府全体として慎重に検討することが必要と考えております。

○山谷えり子君

港の整備についてはいかがでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

周辺海域の気象、海象条件あるいは周辺の航行船舶の避難対応の需要、船舶における安全確保等を総合的に勘案して、政府全体で慎重に検討したいと考えております。

○山谷えり子君

ヘリポートの設置はいかがでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

全く同様でございます。

○山谷えり子君

ふざけないでくださいよ。
慎重にって何ですか。やらないってことじゃないですか。
有効支配を強化してほしいと、県民の皆さんたちが。あるいは、海は広いけど漁場は狭いんだと。ここには九州からも四国からも北陸からも漁業関係者が来ているんだと。安全操業ができないんだと。我が国の領海ですよ。もう一回答弁やり直してください。

○国務大臣(仙谷由人君)

漁業については、おっしゃいますけれども、少なくとも沖縄の関係者にも実態を、そしてトラブルがあるとすればトラブルの実態を教えてほしいし、こちらの方も調査をしなければならないというふうに考えているところでございます。
当然おっしゃるように、これはこの地域には領土問題は存在をしない、我が国の領海が厳然として存在するわけでありますから、おっしゃるような領海侵犯の違法操業というのがあれば適宜、適切に毅然とこれを取り締まるというのは、これは当然の話でございます。

○山谷えり子君

取り締まられているような状況じゃないということで要望を預かってきたわけです。
ここには各党の代表もおられまして、中津川議員が民主党の代表としておられまして、要望書を預かっていらっしゃるはずですので、官房長官、是非漁業の関係者の声をお聞きくださって前向きにスピードを持って御検討をいただきたいと思います。
昨日、沖縄県の石垣市議会は、尖閣諸島に上陸して視察を求める決議を全会一致で可決いたしました。
これは、自然環境、生態系の現状把握や漁船の避難港整備に向けた調査などが目的でございます。
十六日の会合にも中山石垣市長がいらっしゃいまして、尖閣諸島は石垣市の行政区なんですが、市長も上陸できないんだと、これを早く国は認めてほしいと言っておられますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

御存じのように、尖閣諸島は元々私有地でございまして、平成九年の四月、所有者から、国の機関を除き上陸等を認めない、また第三者による権利侵害に対して厳重な対処を求める旨の要請がございました。
平成十四年四月、これは二〇〇二年の四月でありますから小泉内閣だったと思いますが、政府が尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を図ることを目的として、この所有者から賃借を、つまり賃貸借契約を結んで賃借りを開始しておるわけでありますが、この所有者の意向を踏まえて、かつ賃貸借の目的に照らして、原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めないという方針を取ってきているところでございます。
その方針を現時点では菅内閣も踏襲をしているということでございますので、御理解をしていただければと思います。

○山谷えり子君

状況が変わってきておりますので、改めて所有者の方と意見を交換なさってその結論に至ったということでございましょうか。

○国務大臣(仙谷由人君)

私は、多分十年ぐらい前からは状況が大きく変わってきていると。
この数年も、全体としては、先ほど申し上げました安全保障環境や中国のある種の台頭というものが、これについてはよく考えてみなければならないなと思っておりますが、尖閣周辺の状況が劇的に平成十四年以降変わっているというふうには考えておりません。

○山谷えり子君

それは国民の理解とは全く違うというふうに、認識が違うと思いますね。
特にこの一年、民主党政権になってから、領土、領海、主権を守るというその態度がはっきりしないものですから、例えばロシアは択捉で千数百人の軍事演習をいたしました。
メドベージェフも今度北方領土に行くということを言っている。
それから、竹島の北一キロのところでも韓国はボーリングを始めていますね。そのことに対して私は質問主意書を出しましたら、政府答弁、閣議決定された政府答弁でございましたが、報道では承知しているが政府としては確認をしていないというふざけた答弁書をよこしてきているんですね。
沖ノ鳥島は島ではなくて岩だと言って中国の艦船十隻が長い間演習をしてきた。
それに対しても十分抗議をしなかった。
それから、奄美大島の沖で日本の調査船が調査をしていたのを中国の船がやってきて向こうに行きなさいと言った。そのときも十分に注意しなかった。
そして、今回のことになってきているんですよ。一連なんですよ。
この一年が特になんですよ。それに対して今の認識というのは余りにも現実と国民の思いとに懸け離れているというふうに思いますが、再度御答弁お願いします。

○国務大臣(仙谷由人君)

山谷先生とはそういう意味での見解を異にします。

○山谷えり子君

それは答弁をずらすときのテクニックの一項目に挙げられているやつですね、見解を異にいたします。
もっと謙虚になって、国民の思いと現実認識を改めて考え直していただけるように……(発言する者あり)答弁になっていないです。確かにそうです。
見解を異にしますでは、もう国会の審議、成り立ちませんね。
もう少し誠実にお答えいただけますか。

○国務大臣(仙谷由人君)

そもそもの認識、評価が違うわけでありますから、例えば、先生、国民と、こういうふうにおっしゃいますけれども、その国民というのは一億二千万人のうちどのぐらいの人なのか、だれとだれなのかというふうにいえば、これは国民すべてが先生がおっしゃった認識、評価をされているというふうには私は思っておりませんし、少なくとも私はそういう評価をしていないということであります。

○山谷えり子君

時間がありませんので、そういう本当におかしな答弁に納得しているわけではないということをお伝えしたいと思います。
そのような官房長官の答弁が国民に今だんだん違和感を持たれているんですよ。
そのことを御認識いただきたいというふうに思います。
領土議連といたしましては、国境離島特別離島振興法、あるいは振興策、予算の充実なども考えておりますので、その方は前向きに検討していただき、また、現地の声の要望もいま一度、議事録をもう一回読み直しまして、私の言っていることに理があると思う部分は謙虚に御検討し直していただきたいというふうに思います。

○委員長(松井孝治君)

ちょっと速記を止めてください。〔速記中止〕速記を起こしてください。

○山谷えり子君

私が、ロシア、韓国、中国、今いろいろな事例を、この一年間のことを申しました。
仙谷官房長官はこれまでと同じだというふうにおっしゃられるならば、具体的な事案でそれをお示しいただきたいと思います。

○国務大臣(仙谷由人君)

尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであります。
ここには領有権をめぐり解決すべき問題はそもそも存在しておりません。
領土問題は我が国の主権にかかわる極めて重要な問題であると認識をしております。例えば北方領土問題と、こういう問題であります。
このような認識の下に、政府としては今後とも精力的に領土問題の解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。以上です。

○山谷えり子君

恐らく答えられないからそういう全く答えになっていない文章を読み上げられたんだというふうに思います。
これ答えられないんだったら、後刻調査して報告いたしますとか、そういう答えで結構ですから、いかがですか。

○国務大臣(仙谷由人君)

山谷議員が指摘された個別のようなケースについては、適時適切に外交当局その他、あるいは海上保安庁、対応していると確信をいたしております。

○山谷えり子君

この一年とそれ以前、こんなことがありましたかということを聞いているんです。

○国務大臣(仙谷由人君)

少なくともこの一年だけに発生して、それ以前、つまり自民党内閣時代に、そういうある種、何というんでしょうか、領土領海をめぐって漁船が拿捕されたりあるいは工作船が近寄ってきたり、その種のことがなかったというよりは、時々はそういう案件があったというふうに私は理解しておりますが。

○山谷えり子君

そういうレベルのことはそれはそうなんですが、例えば北方領土で演習がありましたか。
竹島の横で海洋基地のボーリング、韓国始めていましたか。
そして、白樺ガス田、海の色が変わりました。中国は掘り始めているんです。
こういうことがありましたかということを聞いているんです。

○国務大臣(仙谷由人君)

例えば白樺のガス田で、掘っておるのかどうか知りませんが、海面が濁ったということはありますけれども、そもそも白樺のガス田にあのようなボーリングの仕組みを造ったということは、別にこの内閣になって行われたことではないと承知しております。
樺太ですか択捉島ですか、択捉島の実習が何ゆえ行われたのか、これはロシアの方にたださないといけませんけれども、それまでに一切のロシアの軍事的な施設や要員がいなかったのかどうなのか。
つまり、民主党政権ができてから初めて択捉島にその種のものが持ち込まれたのかどうなのか、これはこれから調べてみたいと思っております。

○山谷えり子君

白樺ガス田の横に本格的な掘削のいろいろな施設ができたのは、麻生内閣の末期といいますか、衆議院選挙に突入するその時期をねらって中国がやり始めているわけでありまして、だからこそ現内閣は本腰を入れてきちんとやってほしいということを申し上げているわけでございます。
国境離島を守るための振興の法律、政策、そうしたことも積極的にお作りいただきたいというふうに思っております。続きまして、岡崎大臣に「第三次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」についてお伺いします。これはお読みになりましたよね、もちろん、岡崎大臣。

○国務大臣(岡崎トミ子君) 

はい。

○山谷えり子君

これは五年ごとの見直しですから、今後五年間の政府の公約とすることが可能になるものですけれども、仙谷官房長官も、議事録読ませていただきましたが、全然エッジが効いていないというふうにかなりあおっておりまして、私読みましたところ、非常に違和感がある。
国民的なコンセンサスとは全く違うことが書かれている。
そして、審議会の委員に聞きましても、いや、審議会ではそんなことを話していない、多分ワーキングチームだったんだろうというようなこともあります。また、パブリックコメントでも反対意見が物すごく多かったのに別のことが書かれていたり、手法とこのまとめ方に、まとまったものに関して非常に疑問がございます。
最初は秋のパブリックコメントをやると言っていたんですが、七月に突然秋のパブリックコメントをやめると言ったんですが、これなぜですか。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

まず、この第三次の男女共同参画基本計画につきましては、本年七月に男女共同参画会議から内閣総理大臣に出された答申に沿って策定することとしておりまして、この答申を取りまとめるに当たって公聴会とそして意見募集を行いまして、国民からおよそ一万三千件もの様々な意見を既にいただいております。さらに、政府が第三次基本計画の原案を作成するに当たって、できる限り早い段階で国民から意見をいただくということが計画案の策定作業に資するという考えの下で、八月に第三次基本計画に盛り込むべき具体的施策に関する提案募集を行いました。今度は、提案募集で国民からいただいた提案も踏まえて、男女共同参画会議や基本問題・計画専門調査会の委員にも意見をいただきながら第三次の基本計画の策定を進めてまいりたいというふうに考えております。

○山谷えり子君

八月の提案募集は、これに賛成するものしか扱ってもらえていなかったんですね。
そして、一万三千件のパブリックコメント、そのとおりです。
しかし、例えば十五ページの、第二分野、男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革というページで具体的な取組と書いてありまして、配偶者控除の縮小・廃止を含めた税制の見直しの検討を進める、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要である、言い切っているんですね。これ驚きですね。
第二次基本計画は私が担当いたしましたので、全く違います、これは。
また、時代の変化等に応じ、家族法制の在り方について広く課題の検討を行うとあります。そして、一万三千件パブリックコメントございましたが、実は事務局の方が、選択的夫婦別姓の法制化反対とか、男女の違いを尊重すべきではないか、専業主婦の立場から特定の生き方を押し付けるものではないかという御意見が特に多かった分野ですと言っているんですよ。
じゃ、賛否、何割何割だったんですかと私が聞きましたところ、数えていませんと言うんですよ。
ふざけないでほしいんですね。
私、教育再生担当の総理補佐官、もうパブリックコメントいっぱいやりましたが、全部数えましたよ。
カテゴリーで分けましたよ。たった一万三千、数えてないと言うんですよ。
しかも、この反対は非常に多かったと事務局は説明している。にもかかわらず、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要であると言い切っているんですね。国会審議も経ずにですね。
こんな独裁、暴走、エッジを効かせたんですか、仙谷官房長官は。何でこんなことが許されるんですか。もしお答えいただければ。

○国務大臣(仙谷由人君)

パブリックコメントの分類、分岐の状況がどうか分かりませんが、民主党は従来から選択的夫婦別姓をしっかりとマニフェストにも掲げ、これを党の方針にしてきたところでございます。
私どもは、山谷議員のような有能かつ優秀な女性が日本の社会において適切な処遇をあるいは社会的な地位を得ていないと、このことが日本の、とりわけこの二十年、三十年の施策の誤りの最も大きな原因であるというふうな基本認識があるものですから、やはり、今どんな国家試験を見ても、会社の入社試験を見ても、成績上位の者は女性の方が圧倒的に多いと、こういう一般的なことがよく伝わってまいります。
あるいは、海外で活躍をされている方々も実は女性の方々の方が圧倒的に多いのではないかということも、私どもよく耳にします。
しかし、国内は、例えば女性管理職の数、パーセンテージを見ましても、非常に資格を持った女性の方々がいらっしゃっても、この方々が働きながら子供を育て、家庭を夫婦で一緒に運営、経営する、このことがどうも日本の社会ができないということが最大の問題であるというふうに認識しておりまして、ここを改革しない限り日本の成長も、あるいは我々の、ワーク・ライフ・バランスとよく言いますけれども、そういうことも良くならないと、そういう思いの下で多分こういう男女共同参画基本計画の中の文章が作られたと思います。

○山谷えり子君

男女のイコールオポチュニティーは当たり前の話でありまして、そのことを聞いているわけではないんです。
世論調査でも、最近は選択的夫婦別姓反対の方が増えているんですよね。
国民の意識と違うことを、パブリックコメントとも違うことをなぜやるんですかというふうに聞いています。
岡崎大臣には、ちょっとこれも重ねて聞きたいんですが、時間がないもので。
実は質問主意書を出しまして、政府から八月二十日に閣議決定で答弁いただいています。
夫婦別姓は親子別姓家族になる。民間団体の調査では、両親が別姓になったら嫌だと思う、変な感じという中高生が都内で六割いたと。
男女共同参画会議の中で、この導入が家族崩壊につながっていないかなどの意見は出されたか。
あるいは、ファミリーネームがなくなることで子供の育ちにどのような影響があるか。
この点について男女共同参画会議ではどのような議論があったか。
あるいはまた、社会の基礎単位である結婚制度を弱体化していくのではないかということに対する議論がなされたか具体的にお示しくださいというふうに聞きましたところ、御指摘についての意見は述べられていないと。
つまり、議論されてないんですよ。
家族がどうなるか、ファミリーネームということによる家族のきずなのことが全く議論されていないんです。
仕事上、結婚して氏が変わることで不利を被るという主張があるが、現実には通称使用が現場などで柔軟に認められるケースが増えている、むしろそちらを進めていくべきではないか、政府の方針と見解を示されたいという私の質問主意書に対して、政府答弁は、御指摘のような意見があることは承知していると。まあひどい答えですね。これも含めまして、この議論、福島みずほ大臣の当時ですから、岡崎大臣はまた違うお考えをお持ちかもしれない。
あるいはもう一回これは検討し直してもう一度文章を練り直さなければ国民の思いと違うものがあるんではないかと。どうですか、その辺は。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

まず、先ほど国民の皆様から御意見を一万三千件いただいたというふうに申し上げました。
国民の意見はしっかり聴いておりますけれども、その中身は、賛成か反対かというだけではありませんで、意見を述べているというものもございます。
しかも、この一万三千件につきましては、七百三十六種類に類型化して公表いたしております。
改めて数を集計することは意義が薄いものと思っておりまして、この意見募集を受けて提出された意見は大変多いところで、具体的な賛否を集計することは作業上も非常に困難であるということで、実はこの基本問題・計画専門調査会におきまして事務局から説明を行いまして、委員の皆様に御議論をいただきましたけれども、この民法改正に関する記述につきましては、修正をすべきという議論はありませんで、答申におきましても中間整理と同様の記述となったものでございます。
つまり、反対の意見もあったということを踏まえて、なお変更する必要はないという、そういう結果になったわけでございます。
そして、家族のことに関しましては、確かにいろいろな御意見があることを知っております。
時代の変化に応じて家族法制の在り方について広く検討を行っていこうというような、そういう幅広く検討を行っていく、そういうような今状況でもございますので、これからそういうものについてはなされていくというふうに思いますけれども、是非山谷委員におかれましても、幅広い観点から物事を考えていく。反対の意見があったとしても、私どもの政策におきましては、長くずっと政権を取りましてからでも民法改正の方向に向けてやっていくということでございますので、これまで委員の皆様の御議論を聞きましても、そうしたことについての議論はなかった、反対の意見があってもこれは進めていくべきであるということを直接にも伺っているところでございます。

○山谷えり子君

幅広い観点から議論をしてほしいというのを、私はそれを言っているのでありまして、ですからもう一回考え直してくださいということを言っているんですね。
この中には非常におかしな、今日もう本当は細かく言いたかったんですが、また後に譲ります。例えばリプロダクティブ・ヘルス/ライツ、性と生殖に関する健康と権利の考え方が認識されてこなかったというふうにも書いてあるんですが、実はこれ第二次基本計画で落としているものなんです。
第二次基本計画ではどういうふうに書いているかというと、人工妊娠中絶について刑法及び母体保護法において規定されていることから、それらに反し中絶の自由を認めるものではないというふうに明記したんですね。
しかし、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、このライツの解釈は幅があるんですね。
つまり、中絶を女性の基本的人権、幸福追求権と考えるというような考え方がありまして、これはイスラム圏やカトリック圏ではもちろん認められません。日本でも法制上そういうふうにはなっておりません。
しかし、ワーキングチームの議事録を見ますと、例えば、中絶の自由を認めるようにちょっと踏み込んでほしいというような意見もあるんですね。
それに対して福島大臣が、中絶の自由を認めるものではないというのは論争のあるところで、むしろ立法を含めて検討をするというふうにやった方がいいんじゃないかというふうな形で、書きにくいことではありますが早期に制度的法整備をすべきだということは書いてほしいとか別の委員が言っている。
つまり、これどういうことかというと、中絶を女性の権利として書いてほしいと。それはどういうことかというと、中絶をするのに一時金を支給できるような、もう既に革新自治体ではそういうことをないしょでやっている自治体もあります。そういうことも含んでのことなんですね。
これも国民の意識と全く違うことだというふうに指摘したいというふうに思います。それから、例えば、家事、育児、介護、ボランティア活動などの無償労働の把握というふうに書いてあるんですが、家事、育児、介護は無償労働ではありません、愛の営みです。そういうふうに非常に違和感のある部分があります。あるいは、性的指向、異性愛、同性愛、両性愛を理由として困難な状況に置かれている場合、人権尊重の観点からの配慮が必要であると。
異性愛を性的指向というふうに言っているんですね。
異性愛によって人権侵害どんなものが起きているのか、これも私は全く分かりません。
これ議事録を読みましたけれども、突然出てくるんですね。
何の議論もなく突然出てくるんですね。非常に違和感あります。
これもう一回謙虚に、岡崎大臣のリーダーシップの下で、それこそ幅広く国民の意識、国民の思いに立った計画の練り直しをしていただきたいと思います。
十二月末に閣議決定ということですが、今後五年間の基本方針になるものでございます。
これがそのまま通ったら家族の破壊あるいはまたジェンダーフリー運動が行われていくでしょう。子供たちの教育にも影響がございます。重大な問題でございますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

いろいろな観点から今おっしゃいましたので、今の内容の変更ということで答弁すればよろしいでしょうか。

○山谷えり子君

もう一回考え直すという。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

これは、答申の取りまとめに当たりましては、公聴会や多くの皆さんの意見の募集を行って国民の意見を聞きながら議論を進めてきたということがございまして、先ほど申し上げた本年七月に内閣総理大臣に答申された内容で、政府としてはできる限りこの答申の内容に沿って基本計画を策定していくということでございますので、基本計画はこれから五年間ですね、具体的な施策を取りまとめるということになっておりまして、位置付けが異なるもの、その違いにも留意しながら策定していくということは申し上げたいというふうに思います。

○山谷えり子君

これは本当に国会審議にかけながら国民の理解が得られるものにしていくプロセスを本当に取っていただきたいというふうに思います。
これまた続けてやりたいというふうに思います。
済みません、蓮舫大臣、時間がちょっとなくなってしまったんですけれども、事業仕分についてお伺いしたいと思います。
私は教育再生担当の総理補佐官をしておりました。
すべての子供たちに高い基礎学力とそれから豊かな心、教育基本法改正でも豊かな心、情操心、道徳心を高めるということが入っておりますし、それから地域間格差をなくする。
つまり、日教組の支配が強いところは全国学力調査をやってみたら下の方に並ぶんですね。
沖縄とか北海道とか大阪とか高知とか三重とかね。大阪の橋下知事は、大阪の子供たちに申し訳ない、大阪の子供たちがばかなんじゃないんだ、大阪の先生たち、そしてくそ教育委員会悪い、自分はしっかりやるということで、補習をする、宿題を出す、物すごいやったんですよ。
その結果、もう本当に、二年目、三年目、どんどん上がってまいりまして、もう算数でいえば大阪は最後の三回目は二十二位まで行っているんですよね。
つまり、全国学力調査で順位付けるのが目的じゃないんですよ。どこをどう頑張ればいいかというのが現場でしっかりと分かるんです。そして、頑張る首長は物すごく結果を出しているんです。
高知だって頑張っています。沖縄も読書活動をやって読解力上がってきているんですよ。
この全国学力調査を、サンプル調査にしちゃったんです。これではもう駄目なんです。
日教組が大手を振ってまた緩み教育、ゆがみ教育しちゃうんですよ。
子供たちがかわいそうですよ。良心的な蓮舫さん、そんなこと許せますか。大臣、いかがでしょう。

○国務大臣(蓮舫君)

山谷委員がまさにこの国のすべての子供たちの教育力であるとかあるいは体力の向上に向けてどうやって努力をすればいいのかこれまで頑張ってこられたことは私はそれは勉強さしていただいております。
今御指摘いただいた日教組の問題は私は因果関係はよく分かりません。
そこは通告もいただいていないので今答弁はできませんけれども、ただ、すべての子供たちがひとしく学ぶ権利を保障すると同時に、持てる力を最大限引き伸ばすために、国、都道府県、市区町村が一体となって、あるいはその地域の保護者、大人が一体となって育てていくという考え方に私は全く違和感はございません。

○山谷えり子君

全く同感でございます。
だからこそ全国学力調査、悉皆調査が必要なんです。
教育長、首長の七割はやってほしいと言っている、そして希望したら、たくさんの方がやられましたね。
つまり、お金のないところはやれない、あるいは日教組の強い地域はやれないという今状態になっているんです。
だからこそ悉皆調査が必要なんです。もう一度見直しできませんか、これ。

○国務大臣(蓮舫君)

確かに、調査するしないによって、それが結果として恣意的にデータが使われるというのは私はあってはいけないことだと思っています。
ただ、先生、昨今のこの国の経済事情を是非お考えをいただきたいと思うのは、潤沢な税収があれば、すべての地域、すべての子供たちの体力、学力、全部調査をして、どういう対抗措置、政策をとればいいのかを、私もさせていただきたいんですが、それよりも仕分をして思ったのは、調査に費用、これは三十億ということがございました、掛けるのであれば、実際に学力をどのように上げるかの政策に有効に税金を使わせていただきたいという議論もさせていただいたところでございます。

○山谷えり子君

全国学力調査に掛かった費用は五十七億円です。
そして、サンプル調査によって節約できる金額はたったの二十四億円ですよ、たったの二十四億円。
子ども手当、何兆円ばらまいているんですか。
農家の戸別補償も一兆円ですか、あればらまいて、そういうばらまきをするよりは、しっかりとしたデータを基に、サポート先生も置くようにしたんです、麻生内閣で。だから上がってきているんです。
そういうめり張りの利いた、困難を抱えている地域を応援していって地域間格差をなくす、そのためには全国学力調査が、悉皆調査がどうしても必要なんですよ。現実を分かってください。

○国務大臣(蓮舫君)
熱い思いはよく分かります。
ただ、やはり学力テストの経年調査ができないような形で、四〇%の抽出で三十六億円の予算が本当に適切なのかどうなのかは、我々は、事前ヒアリングも含めて、民間有識者、特に現場で教育に携わっていただいている方にも評価者として入っていただいて、丁寧な議論をしました。
そこは是非誤解のないようにお願いをいたします。

○山谷えり子君

議事録を読みましたけれども、そのような印象を私は受けることができませんでした。
それから、道徳教育も半分になっているんですね。
事業仕分で、節約してはいけないことを節約してしまったんです。
なぜ二番じゃ駄目なんですかも同じなんですよ。
もう一度、必要なもの、見直したらいかがでしょうかね。

○国務大臣(蓮舫君)

私の発言は、是非前後も含めて読んでいただければと思うんですけれども、事業仕分は、先生がおっしゃっているような税金で行っている事業の理念や目的は一切否定はしていません。
ただ、その目的を達成する手段として適切な税金の使われ方がしているかどうかを、外部有識者、評価者の目も含めてそれは丁寧に見直しを行ってきたところでございます。

○山谷えり子君

もう時間ですからやめますけれども、目的のために手法をどうするかということの手法によってやはり見方が違うということを申し添えたいと思います。(発言する者あり)

○委員長(松井孝治君)

よろしいですか、終わりで。

○山谷えり子君

時間でございますので。(発言する者あり)
 港に関して国土交通政務官がお答えになられると聞いてはいたんですが。いかがでしょうか、時間は来ていますが。手を挙げなくて、なかったんですよ。

〜質疑終了〜