国会での活動報告詳細

2010年10月20日
【委員会質疑】 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

○山谷えり子君

自由民主党、山谷えり子でございます。
前原大臣、拉致バッジをお付けくださいましてありがとうございます。
是非、外務省の職員の皆様あるいは外国におられる大使の皆様にもブルーリボンのバッジをお付けいただきながら、救出を訴えながら活動をお願いしたいというふうに思います。塚田委員提出のこの北朝鮮による日本人拉致問題のパンフレットでございますが、実はこれは私たち拉致議連の有志が最初はポケットマネーで、自費で作っていたものなんですね。そうこうするうちに、やはり国際社会との連帯がどうしても必要だということで、英語、フランス語、中国語、韓国語などなど各国の言葉で翻訳をいたしまして、自民党が政権時代は自民党の議員が外国に行くたびにそれぞれの外国の言葉でこのパンフレットを見せながら説明をしてきたところでございます。
また、国連で拉致問題が議題になることがございます。
私も、アフリカ諸国一か国一か国このパンフレットを持ってアフリカの大統領や外務大臣にお会いして、この拉致問題、日本の立場を説明をしてまいりました。
アフリカの国々ではまだ御存じない方たちもいらっしゃいました。
改めまして、政権交代、このパンフレット、各国に訳されていますパンフレットを持って大使の方が、それぞれの国の外務大臣や大統領、首相にお会いしてこの拉致問題を説明していただきたいと思いますが、前原大臣の意気込み、私の提案、いかがでございましょうか。

○委員長(白眞勲君)

ちょっと待ってください。速記止めてください。〔速記中止〕

○委員長(白眞勲君)

じゃ、速記を起こしてください。

○国務大臣(前原誠司君)

山谷委員の今の御意見、しっかりとお聞きをさせていただきました。

○山谷えり子君

塚田委員が自民党の、外国での急変事態のときに邦人救出、拉致被害者の救出どうするかというような法案提出について防衛政務官からいろいろなお答えがございました。
枠組みでは外務大臣が安全が確保できる状態であれば邦人の輸送を行うことができるというふうになっているんですけれども、これ自民党政権時代に本当に成立させたかった法律なんです。
しかし、あの周辺事態法のときも野党を始め多くの反対がありまして、なかなか本当に、自国の国民を救い出すことすらままならない状態で今現在いるということは本当に申し訳ない、国会としての不作為だというふうに思っております。
民主党の政策集インデックス二〇〇九には、自衛権はこれまでの個別的、集団的といった概念上の議論に拘泥せずということがありますので、是非自民党の出した法案に議論、のっていただきたいというふうに思います。
先ほど防衛政務官のお答えを聞いておりましたけれども、やはり本当に官僚たちによってまだコントロールされていて、前に進んでいないですね。
本当にもしも何かがあったら、どうやって私たちは被害者を救出することができるんでしょうか。
武器の使用も緩和されておりません。
そして、必ずしも安全な状態でないときに、今外務大臣は命令ができないことになっているわけですから、本当に、在日米軍に協力をお願いするにしても、自国の国民を守れない今の状況というのは、私は国家としてはあってはならない状況ではないかというふうに思っております。
米韓両国は既に急変事態に備える政治的、外交的、軍事的準備を進めているわけでございますけれども、この辺も、やはりまず我が国が法整備をきちんとしなければ日米韓の連携ということも幻になってしまいますので、是非自民党提出の法案を具体的な御審議、そして、修正あっても構いません、成立、今国会でやっていただきたいというふうに思います。
今年の三月、北朝鮮による魚雷の攻撃で韓国の哨戒艦が沈没して四十六人が死亡されました。
十月十四日、大量破壊兵器拡散防止構想に基づく海上封鎖訓練、海上訓練、日米韓豪の四か国で行われました。
また、十三日には、外交、インテリジェンス、輸出統制など議論がございまして、こちらにはフランスやカナダ、トルコなど十か国が参加をいたしました。
どのような報告を柳田大臣はお受けになられましたでしょうか。
答えられる範囲で結構でございます。

○国務大臣(柳田稔君)

その辺の報告は受けておりません。

○山谷えり子君

是非お受けになられて、そして、どのような救出方法があるのかということをしっかりと頭の中に入れていただいて、そして、できれば、この特別委員会で自衛官の方の出席を求めて、可能な範囲でその演習の説明等々をいただきたいんですけれども、委員長、御検討いただけますでしょうか。

○委員長(白眞勲君)

後刻理事会で協議いたします。

○山谷えり子君
よろしくお願いいたします。
これも塚田委員からの質問の再質問というような形になりますけれども、柳田大臣は先ほど、対話と圧力、圧力が大事だというような方針で臨むと、報道各社の質問にもそのようにお答えでございますけれども、その圧力という部分が全部政府の行政文書から抜けてしまっているんですよ。
これが本当に不思議なんですね。行政文書というのは、私も政務官をやったり総理補佐官をやったりしておりましたので分かります。
一単語一単語でもう何時間も議論するときがあるんです。
もう大変なんです、それ一単語を入れるか入れないかということで。
ところが、例えば旧方針にありました、例えば人道支援の凍結措置、万景峰号92号の入港禁止を含む諸措置、北朝鮮のミサイル等に関連する資金の移転防止等の措置、すべての北朝鮮籍船の入港禁止やすべての品目の輸入禁止を含む諸措置など、あるいは、朝鮮総連などの違法行為に対する厳格な法執行を引き続き実施、そういう部分が削除されているんですね。
先ほど柳田大臣は、これも含めてまたもう一度きちんと書き加えて、当然の、つまり政策変更はないんだという、政策変更があったということを北朝鮮が勘違いされると困りますので、ないんだということをきちんと行政文書で表現するために検討をなさるというふうに先ほどお答えくださいましたけれども、今私が申しましたこういう具体的なことを申し上げておりますので、その辺もう一度よろしくお願いいたします。

○国務大臣(柳田稔君)

山谷大先輩のおっしゃることでございますので、お話を十分賜りましたので、私もほぼ同感でございますから、頑張りたいと思います。

○山谷えり子君

今申したのは圧力の部分でございますけれども、この拉致被疑者の引渡しという、これも当然入るわけですね。

○国務大臣(柳田稔君)

六項目引き継いでおりますので、その方向で検討いたします。

○山谷えり子君

これ、パンフレットですね、自民党政権時代と民主党政権時代なんですが、本当にすべての拉致被害者の安全確保と速やかな帰国、真相究明、拉致被疑者の引渡し、この部分がごっそり抜けてしまっているんです。
こういうことは普通あり得ないんですね。
だれが抜いたのか、どんな会議があったのか。
今多分言えないと思いますけれども、もし言える範囲がありましたら。いかがですか。

○国務大臣(柳田稔君)

私の姿勢はもう御理解をいただいているものと、そう思いますので、その方向で進めたいと思います。

○山谷えり子君

是非、柳田大臣、しっかりと取り組んでいただきまして、この行政文書を書き直すのはそんなに時間が掛かりません。
恐らく一週間ぐらいでできると思います。
是非、次回の拉致特別委員会では、こういうふうに変えましたと、今回のこの委員会を受けて報告できるようなスピードでもって対応をお願いしたいというふうに思います。
それから、中井大臣が最後の記者会見で、拉致被害者について幾人かの方々のほぼ間違いない生存状況も確認されつつあるというふうにおっしゃられたんですね、退任の記者会見で。
これ公式発言でございますから、今、柳田大臣のこの発言の中に中井前大臣から引継ぎを受けというふうにおっしゃられています。
この引継ぎは受けられましたでしょうか。

○国務大臣(柳田稔君)

中井前大臣、ブルドーザーのごとくいろんな動きをされまして、いろんな情報も収集されておりました。
たくさんありまして、今それを引き継ぎまして鋭意精査中でございます。

○山谷えり子君

そうしますと、この幾人かの方々のほぼ間違いない生存状況の確認というのは、これは事実なんですか。

○国務大臣(柳田稔君)

莫大な資料がありまして、今一つずつパズルみたいに突き合わせながら、何がどうなのだろうかという作業をしないといけませんので、その作業中なんです。
一つだけぽつんとあって、これが本当だとも思えませんので、いろんなものをパズルみたく合わせましていろんな精査をしている段階なので、今御答弁するのは控えさせてもらえれば有り難いんですが。

○山谷えり子君

これは退任のときの公式発言ですから、やはりこれが事実かどうかというのを次回の委員会にまた説明をしていただければというふうに思います。
続きまして、朝鮮学校への高校授業料無償化の適用についてでございますが、報道各社のインタビューに柳田拉致担当大臣は、教科書に我々が承服できない内容が書かれており、訂正してもらわなければならないというふうに言われております。
これ実際に使われている教科書をちょっと読んでみましたけれども、柳田大臣もおっしゃられているように、例えば金元工作員の爆破事件について、でっち上げで大々的な反共和国騒動を繰り広げなんというふうに書かれておりますし、拉致事件なども日本当局が極大化というふうなことを書いております。
本日、民主党の内閣部門会議・文部科学部門会議合同部会が開かれまして、無償化の方向へかじを切ったという、明日、玄葉政調会長の下に正式に決まるそうですが、この状況の中で、柳田大臣、御意見があればお聞かせください。

○国務大臣(柳田稔君)

お話しのとおり、今朝、会合があったのは承知いたしております。
私の発言もおっしゃるとおりでございます。
多分、必ず私の意見を言う場もあるかと思いますので、私は同じことを申し上げたいと思います。
ただ、このことがすべて無視だということにもなるのかどうなのか、民主党ともいろいろと議論をしてみたいと、そう思っております。

○山谷えり子君

中井前大臣と川端前文部科学大臣のときも同じような形だったんですね。
そういうパフォーマンスでは困るんですね。
もう既定路線で無償化ありきで進んでいると、ただ拉致担当大臣はちょっと言っておかないと駄目だよというような、そういうふざけたスタンスはやめていただきたいというふうに思います。
大臣にお互い就任なさいまして、高木文部科学大臣とこのことについてお話をされましたか、柳田大臣。

○国務大臣(柳田稔君)

一月たちまして、いろいろと委員会もございまして、まだお会いをして話をしたことはございません。

○山谷えり子君

これは大変な驚きでございます。
拉致問題の解決に私たち国民がもう必死になっているときに、これは実は大きな問題なんです。
これをどのような形にかじを取っていくかということによって、北朝鮮側に、ああ、もう拉致問題はいいんだなと、軟化したんだなと日本が思われるか思われないか。
そして、国民の、日本国民の理解ということもございます。柳田大臣は頑張っていただきたいと思います。
また、柳田大臣は税金が必ず教育に使われているかはっきりさせねばならないともっともなことをおっしゃられていますけれども、経理の透明化なんてそんなことは要求できるんですか。
要求してもやってくださいますでしょうかね。どうなんでしょう。いかがでしょう。

○国務大臣(柳田稔君)

会って話をしてないと申し上げたのは、正式な場でお話をしたことがないと申し上げただけで、立ち話でよかったらちゃんと申し上げております。
ただ、立ち話ですから、立ち話は立ち話と言われたらおしまいなんですが、私の考えは申し述べておる次第であります。
できるかできないかと問われたら非常に返答に困るんですが、私は、言ったことを主張してまいると、それしか今のところは御答弁できないかと思っております。

○山谷えり子君

立ち話で結構で、結構ではないんですけれども、立ち話のやり取り、どのようなやり取りでございますか。

○国務大臣(柳田稔君)

朝鮮学校の教材の問題と、経理をしっかりしないといけないと、これは譲らぬよという話だけはお伝えしました。

○山谷えり子君

そして、高木文部科学大臣はどのようにお答えになられたんでしょうか。

○国務大臣(柳田稔君)

考えますと。答えを出すのは最終的には文部科学省だと思っておりますけれども、私の意見はしっかりと聞いてもらったと、私はそう感じました。

○山谷えり子君

最終的に判断なさるのは、決定なさるのは文部大臣なんですよね。
八月の末に専門家会議が開かれまして、そして教育内容については基準としないというようなことの報告書でございました。
しかしまた、川端前文部科学大臣は、第三者委員会をつくるんだのつくらないだの、よく分からないことをおっしゃっていらっしゃる。
そして、第三者委員会というのはこの専門家会議のメンバーと同じなのか違うのか、これもよく分からないというような、もう全く分からない意思決定のプロセスなんですね。
本当に民主党あるいは今の政権というのはどのような政権なのか、非常に疑問に思っております。柳田大臣はしっかりと取り組んでいく決意を示されておりますので、期待をいたします。今日は横田滋様、早紀江様など傍聴にお見えになっていらっしゃいます。
私も内閣府の担当政務官として、横田早紀江さんのアメリカでの公聴会でのときも、後ろの席に座りましてサポートをいたしたりいたしました。
また、早紀江さんとブッシュ大統領との面談、これも非常に心の通うものでございました。
またそのような状況をこの今の政権でおつくりくださいまして、日米の連携、そして国際社会に訴えていく、この発信を強めていただきたいというふうに思います。
拉致被害者全員が日本の土を踏む日が来るまで、本当に頑張り続けたいと思います。
よろしくお願いいたします。

〜質疑終了〜