国会での活動報告詳細

2010年11月17日
【委員会質疑】 参議院 予算委員会

○山谷えり子君

自由民主党、山谷えり子でございます。
北澤防衛大臣の民間人への言論弾圧に対する恐ろしさを全く認識していない答弁、非常に驚きました。
また、柳田法務大臣の、国会では二つの言葉で対応すればいいんだと、法と証拠に基づいて適切に、あるいは個別事案については答えるのを差し控えたいという、本当に国会軽視であります。
そしてまた、仙谷官房長官の密室的、強権的なやり方、国益を損なう内閣、本当に聞いていて悲しくて情けなくて、御先祖様からお預かりしておりますこの日本国、どうなってしまうんだろうかと多くの国民が思っていると思います。
朝鮮学校の無償化についてお聞きします。
朝鮮学校に日本の税金を入れる、国民の多くが不適切と思っております。
高木文部科学大臣は十一月五日に無償化を決めました。教育内容は問わないということを言っている。
この教育内容について高木文部科学大臣は、一般的認識あるいは政府見解と異なる教育が一部行われていることについて私は遺憾に思っておりますと、大臣自らが遺憾に思っておりますと言っている。
そして、具体的な教育内容についての懸念される実態については、申請があれば、留意すべき事項としてこれは自主的な改善を促していく、この努力を我々は今決意をいたしております。
決意をするのは御自由なんですけれども、これは法的根拠はあるんでしょうか。

○国務大臣(高木義明君)

山谷委員にお答えをいたします。
朝鮮学校の件につきまして、今無償化を決めたと、こういう御発言でございますが、まだその段階ではございません。
去る十一月五日に決定いたしましたのは、審査をする基準であります。朝鮮学校については、我が国の政府の方針あるいは国際社会の一般的な見解と異なる部分があることは御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては、この申請があるならば、基準に沿ってしっかりその実態を調査をしていくことにいたしておりまして、留意すべき事項ということで自主的な改善を促す、このことにしております。
言うまでもなく、朝鮮学校は都道府県が所管する各種学校であります。
私学の自主性を尊重する観点からも、基本的には学校が自ら是正を行うものと私は思っております。懸念される事項が改善されない限り、繰り返し私どもはその懸念を伝えて、強く改善を促していくことにいたしております。
なお、提出された書類に疑義がある場合においては、これまた繰り返し資料の提出や説明を求めてまいりたいと、このように思っております。

○山谷えり子君

法的根拠が全くない中でどのような改善を促すのか、これは北朝鮮と拉致問題の関係を長く我が国はやってきているわけですから、今の答弁は全くのうてんきな答弁だというふうに思います。
無償化について、拉致被害者の家族の会とそれから北朝鮮に拉致された日本人を救う会全国協議会は、無償化は拉致を棚上げしようとする朝鮮総連と朝鮮学校の政治活動を公認し支援するものとなる、国庫補助の実施は北朝鮮に対して拉致問題で日本が軟化したという間違ったメッセージとなる危険性が大きいとはっきり言っております。
しっかりと取り組んでいる人たちはそういうことなんですよ。
柳田拉致問題担当大臣、どのように思われますか。

○国務大臣(柳田稔君)

山谷先生、日ごろから拉致問題に大変熱心に取り組まれておりまして、いろんなことで私に対するお話も聞かせてもらっております。
その中にも高校無償化のお話もありましたし、拉致被害者家族会のお話もございました。
また、国民世論のこともいろいろとお話を聞かせてもらっております。
そういった中で、そういった点も高木大臣にはお話しし、その上で、教材の内容、記述、問題があるのではないか、そういったことと、経理の透明性、問題がありますということを御指摘させていただいて、対応方、お願いしたところであります。
拉致被害者の家族会の皆さんは、先生おっしゃるように、大変強い思いを持っているということは私も同様に認識をさせてもらっております。

○山谷えり子君

これも本当にアリバイづくりのための答弁だというふうに思います。
朝鮮学校で使われている教科書を取り寄せてみまして、例えば拉致事件についてどう書かれているか。
日本当局が極大化して、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げと書いておりまして、これは被害者家族はもう本当に耐え難いというふうに言っております。
それから、大韓航空機の爆破事件については、南朝鮮当局はこの事件を北朝鮮工作員金賢姫が引き起こしたとでっち上げ、大々的な反共和国騒動を繰り広げというような、こういうところに国民の税金が行くんですね。これは、我が国の教育基本法の下に日本にある外国人学校も置かれるんですけれども、「国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」という、教育基本法にあります、それを全く無視しているんですね。
本当に菅内閣というのは法治国家をずたぼろにして壊していっているんですよ。本当に恥ずかしいです。
国際社会で立派な日本国がこのような状況になっている。恥ずかしいことです。
公安調査庁、朝鮮学校と朝鮮総連の関係をどうとらえているか、思想教育、内容についての見解を教えてください。

○政府参考人(北田幹直君)

お答え申し上げます。
朝鮮総連は、朝鮮高級学校などの朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線と位置付け、北朝鮮、朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に励んでいるというところでございます。
そして、朝鮮総連の影響は、朝鮮人学校の教育内容、人事、財政に及んでいると、このように承知しております。また、思想教育という点、お尋ねでございます。
教育内容には、朝鮮人学校におきます教科書を見てみますと、朝鮮総連の傘下事業体であります学友書房が作成した教科書を用いて、北朝鮮の発展ぶりあるいは金正日総書記の実績を称賛する内容が含まれていると、このように承知いたしております。

○山谷えり子君

朝鮮学校は、朝鮮総連が人事と財務を握っていると。
会計検査院は朝鮮総連をチェックできません。
ということは、経理に関しても内容に関しても全く何もできない、そこに税金を投入するということを事実上決めたんですよ。(発言する者あり)
ええ、そうなんですよ。菅総理、この今の公安調査庁の見解は、菅総理の見解、政府見解と同じですか。

○国務大臣(柳田稔君)

法務大臣としてお答えをさせていただきます。
今、長官のおっしゃったとおり、法務大臣としても認識をさせてもらっておるところでございます。

○山谷えり子君

民主党の支援団体であります日教組、この日教組が、かつて日教組新聞に拉致問題についてこう書いてあります。
拉致問題、民族排外主義、新たな国家主義の宣伝、扇動などに対して議論せよ。
つまり、拉致問題は人権侵害、主権侵害であるにもかかわらず、民族排外主義につながるから、拉致問題教えるなというようなことを日教組はずっと言っていた。
あるいは、かつて、日教組の委員長は北朝鮮の親善勲章第一級をお取りになったというふうにも報道されております。こうした民主党と支援団体との関係から、もう初めに朝鮮学校無償化ありきで密室の中で行われた茶番劇だったというふうに思っております。
無駄な税金、カットすると言いながら、こういう本当に訳の分からない使い方をするのが民主党政権だというふうに思っております。
主権、国益、考えていただきたいというふうに思います。
今月の一日、二日、韓国で拉致の国際会議が開かれました。
私は、そこに出席をいたしまして、韓国の与党の幹部あるいは国会議長、元議長あるいは政府高官と意見交換をしてまいりました。そのとき印象に残ったのが、元国会議長が朝鮮半島の統一は雪崩のようにやってくると言われた。しかし、日本の今の自衛隊法では、拉致の被害者を救出することができません。
今の自衛隊法では安全が確保されているという条件のときのみ輸送ができる。
ですから、有事のときは、急変事態のときは自衛隊は行けない。
だれに頼むんですか。アメリカ軍に頼むんですか、韓国軍に頼むんですか、そんなばかな。朝鮮半島の日本人を救出しなければなりません。
自民党は六月にこの救出ができるための改正案を出しているんですが、民主党政権は衆議院にぶら下げて塩漬けにしたまま下ろさないんですね。
日本人の命を何と考えているんですか。早く下ろして審議に応じてください。

○委員長(前田武志君)

高木文部大臣。

○山谷えり子君

どうして、違います。
今、防衛の問題です。聞いていません。(発言する者あり)

○国務大臣(高木義明君)

山谷委員の御質問であります。
朝鮮学校についてでございますが、私として申し上げたいことがございます。(発言する者あり)

○委員長(前田武志君)

委員長の指示に従ってください。簡潔に。関連して、簡潔に。

○国務大臣(高木義明君)
拉致……(発言する者あり)
拉致問題についてもこれは国家の重要な課題でございます。当然にして……(発言する者あり)

○委員長(前田武志君)

高木文部大臣、結構です。(発言する者あり)

○国務大臣(高木義明君)

拉致問題は、当然にして我々は国家的な問題として重要に取り組むことは承知です。
この朝鮮学校の件は、そもそも、いわゆる国際人権A規約、少なくとも……

○委員長(前田武志君)

簡潔に答えてください、文部大臣。

○国務大臣(高木義明君)

高校生の学校の無償化について、これは国際的流れである、そのことも我々は多くの様々な意見の中から参酌しなきゃならぬと思っております。
いずれにいたしましても、まだ申請も出ておりません。
申請が出た段階できっちり審査をしてまいりたいと思っております。(発言する者あり)

○委員長(前田武志君)

山谷えり子委員、どなたに御質問ですか。

○山谷えり子君

自衛隊法の改正を早く自民党が出しているものを審議に応じてほしいという注文です。
北澤大臣、北澤大臣。(発言する者あり)

○国務大臣(北澤俊美君)

これは私に聞かれても、国対を通じて議運でやっていることでありますから、私にはお答えする能力がありません。

○山谷えり子君

同じ問題意識を菅総理にお伺いいたします。

○内閣総理大臣(菅直人君)

自民党の方からそういう法案が提出をされているという今の山谷議員からのことでありますので、大いに私は一般的に言えば議論をすればいいと思いますが、ただ、国会の扱いについて、私が今どういう状況かということはちょっと答弁できる状況にありません。

○山谷えり子君

国会の対応ではなくて、民主党政権として日本人を救出してほしい、それに早く審議に応じてほしいということを申しております。
私は、領土議連という八十一名の自民、民主、たちあがれ日本、無所属議員で構成されております領土議連の会長をしております。
長年にわたりまして、例えば対馬、自衛隊の基地の横が外国資本に買われている、あるいは自衛隊の独身寮の横が外国資本に買われていく、あるいは森や水源地といったようなところが外国資本によって買われている。そこで、安全保障上、あるいは天然資源、地下資源の保存上、重要な場所を外国人、外国資本が買う場合にはいろいろな許可が要るというようなルールづくり、法整備をすべきではないかということを長年提案してきておりました。
十月十五日、参議院の予算委員会で菅総理は、法規制について研究してみたい、法務大臣に勉強させ一つの考えをまとめたいというふうに言われました。
法務大臣は、総理からどのような御指示を受けて、今どのように動いていらっしゃいますか。

○国務大臣(柳田稔君)

山谷委員の御指摘のように、防衛省の関係もありますし、水資源といったことも関係がありまして、法務省単独というわけではありませんけれども、関係府省庁が連携して検討していかなければならないと、そういうふうに考えておりまして、法務省としては、総理の指示を踏まえて、外国人土地法については従前の経緯、そして諸外国の類似の法制度等について調査をお願いし、着手しているところでございます。

○山谷えり子君

そのような調査の資料等はもう領土議連にありますから、是非お尋ねいただきたいと思います。
また、自民党の森と水を守る議員連盟では、森を守る法律、そして水を守る法律、この二本の法律を今国会に提出したいというふうに思っております。
これも、菅総理が法規制について研究してみたいとおっしゃられているわけですから、閣法を作るなら閣法をお作りになってよろしいでしょう。
しかし、自民党は自民党の党として、森を守る法律、水を守る法律を国会に提出しようとしている。このスピードでやっておりますので、菅総理、この研究を急いでいただきたいと思うんです。
是非来年の通常国会で一緒に議論し合おうじゃないですか。いかがですか。

○内閣総理大臣(菅直人君)

私は、森林についてある時期から興味を持って、林業再生本部というものを民主党の中で私が本部長としてやったこともあります。
もちろん、水も森とある意味では一体のものでありますので、そういうことを積極的に進めることは、私、大変好ましいことだと思っておりまして、それは国会の場で大いに議論をしていくべき課題だと思っております。

○山谷えり子君

外資に買われますと、買い戻すというのは大変難しゅうございますので、いろいろな国々でもう、そのような法律が整備されているわけですから、グローバリゼーションの中で、安全保障上、天然資源、地下資源の保存上大事な場所は、主権、国益の点から守り抜いていただきたいというふうに思います。
続きまして、岡崎トミ子大臣に、第三次男女共同参画基本計画が今大臣の下で、十二月、閣議決定に持ち込まれようとしております。
これも仙谷官房長官がエッジを利かせろ、エッジを利かせろと物すごくプッシュをしたものでございまして、五年ごとの見直しですから、これから五年間の政府の公約になる、そうした基本計画でございます。
男女が仲よく家庭で、社会で、職場でお互いに生き生きと持ち味を生かし合って支え合う、活躍し合う、これは当たり前のことです。
女性差別をなくしていく、これも当たり前のことです。
しかし、そうした表看板と違って、この第三次基本計画の中には家族解体の思想、具体的な提言がずらずらと並んでおります。
普通の人が見たらきっとびっくりすると思うんですが、配偶者控除の廃止・縮小、税制の見直しというのが書いてありますね。
民主党は子ども手当をばらまいて、扶養控除を廃止しました。
その上に配偶者控除を廃止されたら、マイナスになっちゃう家庭もあるんです。これ詐欺政権ですね。そして、家族解体の思いを込めた扶養控除の廃止、配偶者控除の廃止、なぜこんなことを考えていらっしゃるんですか。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

委員にお答えいたします。
選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法改正等の問題につきましては、以前から男女共同参画会議基本問題・計画専門調査会で長い期間にわたりましてこの議論を行っていただいてまいりました。
そして、その議論も踏まえて今回の答申をいただいたものと理解をしております。
この答申の取りまとめに当たりましては、公聴会やあるいはパブリックコメントなど、国民の皆さんの意見を伺っておりまして、その結果につきましては基本問題・計画専門調査会の方に事務局の方から説明を行いまして、その上で審議が行われ、答申が行われたということでございます。
共働き世帯の増加などの家族形態が大変増えておりまして、変化しております。
また、ライフスタイルも多様化しているという状況の中で、この状況を受けて、男性片働きのことを前提とした世帯単位の社会制度・慣行というものをライフスタイルの選択に中立的なものに変えていく、そして、男女が共に、今、山谷議員がおっしゃいましたように、仕事や家庭をしっかりと共に支え合ってその役割を果たしていくことができる社会が重要であるというふうに考えておりまして、このようなことの見直しが家族の崩壊につながるとは考えておりません。

○山谷えり子君

私は、今配偶者控除の廃止を聞いたので、選択的夫婦別氏制度まで聞いておりません。
しかし、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要であると言い切っているんですね。
これ問題ですね。世論調査をしますと、それはおかしいという声の方が多いんです。
そして、パブリックコメントでもそっちの声の方が、反対の方が多かったんです。
にもかかわらず、私は先日、質問主意書を出しましたら、閣議決定されてきました。夫婦別姓は親子別姓になりますよ、ファミリーネームがなくなるということで、子供の育ちにどういう影響がありますか、結婚制度が弱体化しませんか、いろいろ聞きました。そうしたら、閣議決定で返ってきたものは、そのような意見は述べられていないと。
つまり、何にも議論をされていなくて、もう初めにこの親子別姓ありきで皆さんは、民主党はお進めになられたということでございます。岡崎大臣は、十月二十一日の内閣委員会で私の質問に対して、反対の意見もあったということを踏まえて、変更する必要はないと言っているんですね。
これすごいことですよね。反対意見が幾らあろうとも、自分たちのことをやりたい、家族解体法案をやっていくと。傲慢だと思いませんか。今守るべきは家族ですよ。
社会の最小単位家族、この愛の共同体をしっかりと応援していく、保護していくことで子供が健全に安心して育っていくことができるんです。全く哲学が違うと思います。
 国民は無駄を省いてほしいとは思いましたが、主権、国益、国柄、家族を壊してほしいとは思いませんでした。
今国民は気付いています。
最初感じた違和感から拒否感、もう暴走はやめてくれ、御先祖様からお預かりしたこの美しい国、美しい国柄、家族、これを壊さないでくれと今悲鳴が上がっているんですよ。
もっと謙虚に国民の大きな声に、そして日本のすばらしい土壌、民族性、これに着目したまともな政策を出してください。傲慢だと思いませんか、いかがですか。

○委員長(前田武志君)

時間が迫っております。簡潔に御答弁ください。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

お答えいたします。
これまでにも国民の皆さんの多くの声を聴いてまいりました。
そのパブリックコメント、公聴会、そうした内容を踏まえて、そして、長い期間、私はこの問題について議論を続けてきたということで、その結果につきましても、是非、法律を改めても構わない、夫婦別氏制度の問題についても三六・六%の人がそういうふうに答えており、男女ともに四〇%を超えているという状況で、いや、改める必要はないという人が三五%で、また通称使用ということで、婚姻前の氏を通称として使えるようにということで、これは二五%ございました。私は、今、山谷議員がおっしゃったように、本当に家族を大事にしていきたいというふうに考えております。国際家族年のときのことを思い出しますと、家族の中での男性と女性が民主的であること……

○委員長(前田武志君)

時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁ください。

○国務大臣(岡崎トミ子君)

そこにもし障害を持つ人がいたらそういう皆さんを大事にしていくこと、お年寄りを大事にしていくこと、家族の中の民主的なそうしたやり方を私はしっかりと行っていくことが、家族が大事にされることにつながっていくというふうに思っておりまして、世帯単位から個人単位に変えましても、そういう点をしっかりと私は努力をしながらつくり上げていきたいというふうに考えているところでございます。

○山谷えり子君

論理的に整合性のない答弁をなさらないでください。
国民の心と思いと逆走するような暴走内閣は即刻皆さん辞任していただきたいと思います。
ありがとうございました。

〜質疑終了〜