憲政記念館にて武道議員連盟総会に出席。
議連会長 高村正彦先生、財団法人日本武道館 会長松永光先生よりご挨拶をいただいた後、文部科学省より武道振興施策(平成24年度から完全実施される中学校武道の必修化等)についての報告、日本武道協議会より現場のご意見を頂戴いたしました。
その後、武道議員連盟、日本武道協議会、日本武道館共催による「武道振興大会」が開催され、以下の要望が決議されました。
[決議]
我が国は、明治維新以来、驚異的な勢いで近代史に確かな足跡を残し世界有数の経済大国となった。その一方で、近年、青少年層を中心に倫理道徳の退廃が著しく、自他の尊厳や義務感の欠如等、規範意識の低下が社会問題の多発につながり、国家の将来を暗いものにしつつある。
この危機的状況にあって、国は国家再生へ向け、「公共の精神、生命、伝統や文化の尊重」を盛りこんだ教育基本法の改正を実現した。誠に、ご同慶の至りである。
翻って、武道は、国民精神の根源、即ち武士道の真髄を基調とする、体・徳・知を一体としてはぐくむ我が国固有の伝統文化で、文武両道、質実剛健を旗印とする国家、社会の平和の繁栄に寄与する人間形成の道である。
よって、ここに、青少年の健全育成を主眼とする中学校武道必修化を成功させるとともに、武道のさらなる進行発展が図られるよう、左記事項の早期実現を強く要望する。
記
一 平成二十四年四月に完全実施される中学校武道必修化へ向け、教育効果の上がる充実した授業ができるよう、施設、用具、指導者の条件整備に必要な予算措置を講じ、各都道府県へ指示を徹底し、準備に万全を期すること。
二 特に、指導者については、武道学科卒業の新卒教員を採用するよう都道府県教育委員会に強く働きかけを行うとともに、二人一組で指導ができるよう人格、指導力ともに優れた社会人の外部指導者を各中学校に配置し、指導に万全を期すること。また、全国一万余校の中学校体育教員を対象とした武道指導者講習会を、関係武道団体の協力を得て、向う二ヵ年のうちに二十時間以上の内容で実施すること。さらに必修化に当たっては、武道ならではの教育効果が上がるよう、授業の始めと終わりに「礼」の実践を徹底すること。これに関わる武道九種目の指導者研修会や指導法研究、指導書作成等、関係団体の諸活動に必要な支援、助成を行うこと。
三 将来の小学校における武道授業の実施へ向け、実践校における実践研究をより積極的に展開し、発達段階に応じた武道九種目の指導法研究を行い、準備を推進すること。
四 全国的な武道の普及振興をより確かなものとするため、全国都道府県立武道館協議会の活動に対する支援と、各都道府県武道協議会の設置促進に必要な支援を行うこと。
五 武道の国際的普及振興を確かなものとするため、日本武道代表団や武道指導者の海外派遣事業をより一層推進し、必要な支援、助成を行うこと。
六 武道の源流である一千数百年の歴史を有する古武道の保存、継承を図るため、文化財指定について所要の措置を講ずるとともに、必要な支援、助成を行うこと。
七 武道場の整備については、国の補助制度を拡充するとともに、日本武道館の諸施設を更に充実し、将来予定される武道博物館・同図書館の創設も視野に入れた計画を推進し、必要な支援、助成を図ること。
以上、武道議員連盟・日本武道協議会・日本武道館三者によって共催する武道振興大会の名において決議する。
平成二十二年三月三日