国会での活動報告詳細

2010年12月7日
【質問主意書】朝鮮学校への高校授業料無償化適用に関する質問主意書

・朝鮮学校への高校授業料無償化適用に関する質問主意書
(内閣参質176第123号)
(平成22年11月26日提出、政府答弁書12月7日)

 平成二十二年十一月九月二四日、文部科学省は北朝鮮による韓国延坪島砲撃を理由として、朝鮮学校への高校授業料無償化適用手続きを当面停止する方針を決定した。
 朝鮮学校への高校授業料無償化については、拉致問題未解決の現状やわが国の教育基本法の理念から大きく外れた思想教育や反日教育が行われている実態を踏まえた上で教育内容を不問とし、さらには、朝鮮学校と朝鮮総連の関係においては、十一月十七日の予算委員会で公安調査庁が「朝鮮総連は、朝鮮高級学校などの朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線と位置付け、北朝鮮、朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に励んでいるというところ。朝鮮総連の影響は、朝鮮人学校の教育内容、人事、財政に及んでいると承知している。朝鮮人学校における教科書は、朝鮮総連の傘下事業体である学友書房が作製した教科書を用いて、北朝鮮の発展ぶりあるいは金正日総書記の実績を称賛する内容が含まれていると承知している」と答弁しているにもかかわらず、政府の強硬な方針で進められてきた事案である。
 今回の砲撃事件を機に一転、停止した理由につき、高木文部科学大臣は「平和の根底を揺るがす問題」と述べている。
そこで、次のとおり質問する。

一 北朝鮮による日本人拉致事件は、許し難いわが国の主権侵害、また国民の生命を脅かす人権問題であると考えるが、現内閣においては「平和の根底を揺るがす問題」にはあたらないということなのか、政府の見解を示されたい。

(政府答弁)
一について
北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、その早期解決は、最大限の努力を尽くさなければならない課題であると認識している。



二 北朝鮮は、平成十八年に日本海にむけミサイルを発射、同年十月には核実験をするなど、これまでも世界平和・協調とはかけ離れた国であり、今回の砲撃事件を発端とし初めて「世界の平和を脅かす行為」と非難し、停止決定を判断した政府には対応や判断の遅れを指摘せざるを得ない。この点についてどのように考えるか。
   
三 なぜ、即刻「中止」という判断ではなく、「停止」なのか

四 今後、どのような状況変化があった場合、「停止」判断を撤回するのか

五 十一月二十五日、参議院予算委員会において菅総理大臣は、停止の撤回について「今後の推移を見守りながら・・・」としか答えられなかった。基準を示せない、すべて場当たりの政治を恥と思わぬか。

(政府答弁)
二から五までについて
今回の北朝鮮による砲撃は、我が国を含む北東アジア地域全体の平和と安全を損なうものであり、政府を挙げて情報収集に努めるとともに、不測の事態に備え、万全の態勢を整えていく必要があることに鑑み、現時点で、公立高等学校に係わる授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則(平成二十二年文部科学省第十三号)第一条第一項二号ハの規定に基づく指定の手続きを一旦停止することとしたものであり、「対応や判断の遅れがあった」との御指摘当たらないものと考える。また、当該手続きを再開する時期については、今後の事態の推移を見極めながら判断することとなるものであり、現段階でお答えすることは困難である。