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2011年2月4日
【質問主意書】緊急避妊剤(モーニングアフターピル)に関する質問主意書

・緊急避妊剤(モーニングアフターピル)に関する質問主意書
(内閣参質177第28号)
(平成23年1月26日提出、政府答弁書2月4日)

緊急避妊剤(モーニングアフターピル)の「ノルレボ錠〇・七五mg」(以下単に「本剤」という。)が近く医薬品製造販売承認されるといわれている。
本剤の添付文書(案)には、「本剤投与により完全に妊娠を阻止することはできない」、「避妊措置に失敗した又は避妊措置を講じなかった性交後に緊急的に用いるものであり、通常の経口避妊薬のように計画的に妊娠を回避するものではない」と記載されている。
また、すでに承認され一般用医薬品として販売されている低用量ピルについても、(一)子供の安易な性交を助長する、(二)副作用や性の責任を女性だけが負うことになる、(三)環境ホルモンの影響、(四)エイズ予防に逆行、(五)確実な避妊にならない、などを指摘する声があがっている。
そのような中、厚生労働省は、平成二十二年十一月十日から三十日間、本剤に関するパブリックコメントを実施した。
そこで以下のとおり質問する。

一 医薬品の承認についてパブリックコメントが実施されることは過去に例がない。今回、本剤についてパブリックコメントが実施された経緯を示されたい。

(政府答弁)
一について
お尋ねのパブリックコメント手続については、薬事・食品衛生審議会規程第五条の既定に基づき定められた「薬事分科会における確認事項」中「医薬品等の承認申請等のうち審議会に諮問するものの取扱い」の十一において、「分科会審議の案件のうち、「社会的関心の極めて高い医薬品」については、部会における審議終了後、分科会における審議に際して、主要資料(主要な臨床試験成績の概要及び公表文献リスト)を公表し、一般からの意見を収集し、これを添えて分科会における審議の参考とする必要なものを決定する。」こととされており、平成二十二年十月二十九日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品第一部会において、ノルレボ〇・七五ミリグラム(以下「ノルレボ錠」という。)については、社会的関心が極めて高いことから、パブリックコメント手続を実施することが適当であるとの結論が得られたことを踏まえ、実施したものである。
なお、製造販売承認に係る薬事・食品衛生審議会薬事分科会における審議に際して、パブリックコメント手続を実施した医薬品は、ノルレボ錠が初めてではなく、過去にパブリックコメント手続を実施した例としては、平成二十年十月十六日に承認されたサレドカプセル一〇〇並びに平成二十二年一月二十日に承認されたアレパンリックス(H1N1)筋注及び乳濁細胞培養A型インフルエンザHAワクチンH1N1「ノバルティス」筋注用がある。

二 前記パブリックコメントの結果について示されたい。

(政府答弁)
二について
お尋ねのパブリックコメント手続においては、承認すべきとの意見が四百六十三件、承認すべきでないとの意見が百十四件、子宮筋腫の治療薬として必要である旨の意見が一件寄せられたところである。

三 本剤は医師の処方が必要な医療用医薬品として販売される予定である。しかし、子供たちの間で「性交しても緊急避妊剤があるから大丈夫」と安易な風潮が拡大することが懸念されるが、本剤承認後の適正使用対策について示されたい。

(政府答弁)
三について
 お尋ねについては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において、ノルレボ錠の製造販売業者である株式会社そーせいに対し、ノルレボ錠の適正使用を図るため、パンフレット、ホームページ等を作成し、関係学会等との協力等により医療施設等に適切な情報提供を行うよう指導している。同社においては、パンフレットやホームページを活用して医師、薬剤師、看護師等の医療関係者、ノルレボ錠を服用する患者、関係学会等に対し、適正使用に関する情報提供を行う予定であると承知している。