国会での活動報告詳細

2011年7月19日
【質問主意書】携帯電話の電磁波対策に関する質問主意書

・携帯電話の電磁波対策に関する質問主意書
 (内閣参質177第225号)
(平成23年7月7日提出、政府答弁書7月15日)

一 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関が、携帯電話の電磁波に発がん性のおそれがあると指摘したが、政府はこの報告をどのように受け止めて、今後どのような対策を取っていこうと考えているのか。

(政府答弁)
一について
  国際がん研究機関(以下「IARC」という。)が本年五月三十一日に発表したプレスリリースのナンバー二百八においては、無線周波電磁界の発がん性に関するこれまでの研究諸文献の評価の結果、携帯電話の使用については、発がん性の証拠は「限定的(limited)」又は「不十分(inadequate)」で、「ヒトに対して発がん性があるかもしれない(possibly carcinogenic to humans)」と分類されたが、IARCが設置した作業グループは「そのリスクの定量化はしなかった」とされていると承知している。
同プレスリリースにおいて、IARCの幹部が、携帯電話を長期間にわたり長時間使用することについては更なる研究を行うことが重要であると指摘していること、また、同プレスリリースの発表後、本年六月に改訂された、世界保健機関が携帯電話についての正式見解を示したファクトシートのナンバー百九十三においては、携帯電話の使用による脳腫瘍のリスクが上昇することは立証されていないものの、携帯電話の使用と脳腫瘍のリスクについての更なる研究が必要である旨の見解が示されていることから、携帯電話による健康影響について、関係省庁が連携しながら科学的な検証を進めるとともに、これにより得られた研究成果等を国民に情報提供してまいりたい。。


二 イギリス、カナダ、アイルランド、ロシア、フランス、フィンランド、ドイツ、イスラエルなどで子供の携帯電話の使用に関して様々な規制、勧告、要請が出ているが、各国はなぜこうした規制、勧告、要請を行っていると政府は判断しているのか。

(政府答弁)
二について
  ご指摘の国のうち幾つかの国において、子供の携帯電話の使用について、助言や法律による規制等が行われていることは承知しているが、「なぜこうした規制、勧告、要請を行っている」かを含め各国の状況については、今後、一層の情報の収集に努めてまいりたい。

三 平成二十三年六月十六日の参議院内閣委員会での子供の携帯電話の使用についての私の質問に対し、枝野幸男官房長官は「まさに予防原則が重要な特にお子さんについては課題だというふうには思います。したがいまして、厚生労働省においては、各国の状況、そしてその基になっている根拠、理由等についても十分に把握をして、健康を守るという観点、特にお子さんについての健康を守るという観点からの積極的な対応が望ましいというふうに思いますので、私の方からも厚生労働大臣にもそうした要請をしておきたいというふうに思います。」と答弁したが、枝野官房長官は厚生労働大臣にどのような要請を行ったのか。また、その要請に対し厚生労働省ではどのように対応していくのか。

(政府答弁)
三について
  厚生労働大臣は、御指摘の枝野内閣官房長官の答弁について報告を受けており、厚生労働省においては、その答弁内容を踏まえ、関係省庁と連携しながら、各国の状況等について情報の収集に努めるとともに、携帯電話の発がんリスクについて、科学的な検証により得られた研究成果等を国民に情報提供する等、必要な対応を行ってまいりたい。

四 子供の携帯電話の使用について、環境省、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、消費者庁などの関係省庁でプロジェクトチームを作って検討を進め、早急に対応策を講じるべきと考えるが、政府は今後どのように対応していくのか。

四について
  子供の携帯電話の使用による影響調査を含む無線周波電磁界の健康影響に関する科学的な検証や、その研究成果等の国民への情報提供などについて、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省及び環境省で構成する電磁界関係省庁連絡会議等を通じて関係省庁が連携しながら対応してまいりたい。