国会での活動報告詳細

2011年9月5日
【質問主意書】国境離島の保全に関する質問主意書

・国境離島の保全に関する質問主意書
 (内閣参質177第273号)
(平成23年8月25日提出、政府答弁書9月2日)

歴史的事実に照らしても、国際法上においても、明らかにわが国固有の領土である竹島における韓国の不法占拠は年々エスカレートし、看過できない事態となっている。
また、北方領土においては、昨年十一月にメドヴェージェフ・ロシア大統領、同十二月にシュワロフ・ロシア第一副首相、本年一月にブルガコフ・ロシア国防次官とロシア政府高官が相次いで上陸し、韓国の国会議員がロシアの許可を得て上陸しているなどの実態がある。
さらに、尖閣諸島周辺のわが国領海では、近年、度重なる中国船の進入が行われている。
このように、わが国の領域を脅かす枚挙にいとまがない事態につき、以下質問する。

一 定期観光船での竹島上陸、ヘリポート建設や数十人規模の宿泊所竣工、標識の設置などの韓国による竹島の不法占拠の実態に関して、政府として把握している韓国の建造物を具体的に示されたい。また、これらの状況を政府としてどのように捉え、対策を講じているのか。

二 本年四月二十八日、松本外務大臣は、竹島における総合海洋科学基地の建設工事を即刻中止するよう韓国政府に抗議したが、その後の同基地の建設状況はどうなっていると把握しているか。

(政府答弁)
一、二及び四について
お尋ねの件について、事実確認に努めているが、外交上の個別のやり取り及び事実確認詳細について明らかにすることは、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。政府としては、お尋ねのような大韓民国の行動は、わが国の立場に照らし遺憾であることから、これらの件に関し、平成二十三年七月二十三日の日韓外相会談において、松本剛明外務大臣から金星煥外交通商部長官に対して申入れを行う等、累次にわたり竹島問題に関する我が国の立場を明確に申し入れてきている。

三 本年八月一日、竹島近くの韓国・鬱陵島視察を計画していたわが国国会議員が、韓国に入国拒否された。今回は一般人も観光する鬱陵島の視察が入国の目的であったにもかかわらず入国拒否されたが、入国拒否の理由については納得のいくものではなかった。今後、更に政府として韓国政府に対しどのように説明を求めていくつもりか。また、今後のわが国国会議員の訪韓時の対応について、韓国政府に確認したのか、それに対して韓国政府からどのような回答があったのか示されたい。

(政府答弁)
三について
 お尋ねの「入国拒否の理由」及び「訪韓時の対応」について、現時点で、大韓民国政府からの回答は得られていないが、回答を得るべく、今後とも粘り強い外交努力を行っていく考えである。

四 竹島において韓国国会の「独島領土守護対策特別委員会全体会議」の開催が計画されているが、政府は中止の申し入れを行ったのか示されたい。

五 竹島を領有するわが国の正当性を訴えるため、竹島の領有権問題について国際司法裁判所への付託を早急にすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

(政府答弁)
五について
 竹島問題の解決に関しては、ご指摘のような手法を含め、様々な意見があると承知しているが、引き続き、同問題の平和的解決を図る上で、有効な方策を不断に検討していく考えである。

六 現在、北方領土問題に関しては内閣府に「北方対策本部」が設置されているが、竹島、尖閣諸島などの問題を担当する組織は政府に設置されていない。これらわが国領域への外国からの脅威に対し、正当性を有するわが国の毅然とした姿勢を示すためにも、国境離島全般の保全に関する「領土保全対策室」といった組織を政府に設置すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

(政府答弁)
六について
 御指摘の「国境離島」の意味するところが必ずしも明らかではないが、離島は、我が国の領域、排他的経済水域等の保全等に重要な役割を担っており、離島を適切に管理していくことは極めて重要であることから、そのための有効な方策を、体制整備の面を含め、不断に検討していく考えである。