国会での活動報告詳細

2011年10月27日
【委員会 質疑】 参議院 内閣委員会

179-参-内閣委員会-2号 平成23年10月27日

○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 各大臣、御苦労さまでございます。
 山岡国家公安委員長にお伺いいたします。
 午前中、大野委員も、防衛省それから機密保持の在り方について丁寧なやり取りがございましたけれども、サイバーインテリジェンスに対する取組に全力を尽くしますと公安委員長として御発言をなさったわけでございますが、警察からいただきました資料によりますと、サイバーインテリジェンスとは、情報通信技術を用いた活動で、機密情報が取られれば我が国の治安、外交、安全保障、社会経済活動等に重大な影響が生じるおそれがある、最も安全で安価なスパイと書いてあります。
 このスパイ行為というのは犯罪ですね。

○国務大臣(山岡賢次君) おっしゃるとおり、スパイは大きな犯罪行為だと思っておりますし、特にサイバーインテリジェンスというものを通して、最近の三菱重工等々に対して安全保障に関するそういう行為、事件というのは大きな問題だと思っております。

○政府参考人(西村泰彦君) 若干補足させていただきますが、標的型メール攻撃が犯罪であるかどうかというお尋ねだと存じますけれども。

○山谷えり子君 そうではありません。

○政府参考人(西村泰彦君) サイバーインテリジェンスでございますよね。

○山谷えり子君 いいえ、違います。スパイ行為はです。

○政府参考人(西村泰彦君) 失礼いたしました。

○山谷えり子君 スパイ行為という定義、それからそれを防止する法律あるいは罰則、そうした法律はございますか。

○政府参考人(西村泰彦君) その行為の具体的な内容に応じて判断すべきものと考えております。スパイ行為一般を取り締まる法律はございません。

○山谷えり子君 スパイ行為を取り締まる法律がないということは、合法ではないですけれども犯罪だというふうに言えるんでしょうか、国家公安委員長。

○国務大臣(山岡賢次君) いろいろな犯罪があると思いますが、そのうちの、インテリジェンスの最近のものでいえばかなりのものがスパイ行為と言えるというものもあると思います。しかし、警察としてそれを取り締まっていくことにおいては、それはスパイ行為だからという定義ではなくて、一つ一つの事件がこういう事態に対して侵害をしているからと、こういうことで、それは結果的にはスパイ行為の一部と、こういうことは言えると思います。

○山谷えり子君 法治国家として今の説明は全くなってないんですね。つまり、スパイ防止法というのが日本にないという大欠陥を残したまま今日まで来ているということでございます。
 山岡委員長は平成六年に自民党を離党なさいましたけれども、実は昭和六十年に自民党は、国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案、これを出しておりますが、成立しておりません。これを是非成立させてほしいんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(山岡賢次君) 私が国家公安委員長の立場として、はい、承知しましたと、こう申し上げるわけにはいきませんが、それは個人的には重大な大きな提案だと思って真剣に考えたいと思っております。

○山谷えり子君 それでは、是非、検討委員会をつくられて、次期通常国会にお出しいただきたいというふうに思います。そうしないと、これ国際連携しなければならないんですが、スパイ防止法も定めていない日本国とどうやって国際連携できるんだと、そういう国々があるわけですね。そうしたことを重く受け止めていただきたいと思います。
 官房長官、いかがですか、うなずいていらっしゃいますが。

○国務大臣(藤村修君) おっしゃることごもっともで、日本がどうも外国から見ても非常に情報に関していいかげんな国ではないかという見方が一部あるということも聞いております。
 そこで、今検討をとおっしゃったんですが、もう既に検討しておりまして、仮称、情報保全法というものをできれば来年通常会に出したいという準備に掛かっております。

○山谷えり子君 情報保全法という形で、また対症療法ではなくて、スパイ行為とは何か、それは絶対あってはならないんだと、そういう根幹をきちんと押さえた法律にしていただきたいというふうに思います。
 山岡委員長は対日有害活動対策の強化も発言なさいましたけれども、この対日有害活動をしていると思っている対象国、幾つか挙げられますか。

○政府参考人(西村泰彦君) 過去の研究事例等を踏まえますと、日本に対して対日有害活動を行ってきた国は、ソ連、それから中国、北朝鮮等であります。

○山谷えり子君 さきの通常国会の予算委員会で、私は、七月二十一日のテレビ中継入りの予算委員会でもこのことを話させていただいたんですが、民主党の国会議員、地方議員が拉致の実行犯容疑者の親族周辺関連団体に、菅前総理は六千二百五十万円、鳩山さんも一千万円、それから民主党の地方議員、国会議員で二億円以上にわたるお金が、献金が行っていたということがございます。
 公安委員長として、これについてどんな御感想をお持ちですか。

○国務大臣(山岡賢次君) 御指摘の趣旨はよく理解できますが、民主党議員の個々の政治活動に関して国家公安委員長の立場でコメントすることは差し控えさせていただきます。

○山谷えり子君 個別具体には答えられないって、辞められた柳田法務大臣と同じ無責任な答弁だというふうに思いますが、平成十九年から二十一年にかけて二億円以上のお金が渡っていると。このとき山岡委員長は、民主党の財務委員長だったんですね。御存じなかったんですか、これだけの巨額のお金が動いていったことに対し。

○国務大臣(山岡賢次君) 確かに財務委員長でございますが、私がこの支給を実施したと、私の意思でしたという意味ではありませんがですね、私は直接管理する者として、支給をしたところにはそういうものはありませんでした。ですから、その先のことについては承知しておりませんでした。

○山谷えり子君 そうすると、財務委員長の目の届かないところでそのお金が行ったということなんですね。

○国務大臣(山岡賢次君) 一般論ですけれども、党としてはいろいろなお金を党員の皆様にお配りをすることがありますが、それから先はその個人個人の責任において政治資金規正法にのっとって的確に対処していただくということを期待をしてというか、当然そうあるべきと思って支給をしているものでございます。

○山谷えり子君 その後、小宮山さんが財務委員長になられて、毎日新聞のインタビューに、財務委員長としていろいろなことを調べ直したいと、しかし発表したら党が潰れるからふざけるなと上から圧力が掛かったということを暴露していらっしゃるんですが、それはそのことなんでしょうかね。

○国務大臣(山岡賢次君) 私はそういうことはないと思っています。
 毎年しっかりと監査を入れて確認をしていることでございますし、党の金といえども公金でございますから、当然、財務委員長はその職務をきちっと果たしていかなきゃならないということでございました。私は、小宮山先生がそういう御発言があったということは知りませんが、それは、この報道による別な意味での伝聞ではないかと、私は思います。

○山谷えり子君 この拉致容疑者親族周辺団体から現在も民主党の国会議員は公設秘書を送ってもらっているんですね、何人か。そのことは御存じですか。

○国務大臣(山岡賢次君) それは承知してはおりませんでしたが、最近マスコミ等々で報じられているということは見ました。

○山谷えり子君 菅前総理は、私の指摘に対して七月二十一日ですが、確認していないというふうなことをおっしゃられたんですね。調べてほしいんです。三か月もたっているんですね。数人ですからもうすぐ分かる話なんですけれども。
 国家公安委員長として対日有害活動対策の強化をすると、北朝鮮はその対象国だと、そしてまた北朝鮮の拉致の実行犯、容疑者、それに深い関係のある団体にお金が流れ、そのときは財務委員長でいらした、山岡さんは。そして今、拉致問題担当大臣でもいらっしゃるわけですよね。そして、その実行犯、容疑者、その団体から秘書を今も受けていると。これはどういうふうに自分の中で整理付けていらっしゃるんですか。

○国務大臣(山岡賢次君) 先ほど申し上げたように、私が担当しておりました財務委員長の範囲においては、そういう御指摘を受ける者については、少なくとも私は管理の中にはなかったということと、また、国家公安委員長の立場として申し上げさせていただきますと、いろいろな推測等々はあるとは思いますが、しかし私たちは、そのことに対しては法に基づいて、証拠に基づいて対処するものであり、動くものであると心得ております。

○山谷えり子君 菅前総理の資金管理団体からそのお金がそうした団体に流れている、その帳簿がでたらめだったんですよね。ですから、帳簿が適正に管理されているということは全くないということを申し上げたいというふうに思います。
 それから、今も民主党に公設秘書が何人かいる。こんな簡単なことはですね、やっぱり国家公安委員長としてきちんと、基礎データですから押さえられて、そして対日有害活動対策を強化するって冒頭でおっしゃられたんですから、自分の言葉に責任持っていただきたいと思いますが、これお調べして次の委員会でお答えいただけますね。いかがでしょう。

○国務大臣(山岡賢次君) そのことは調べるまでもなく、それが違法であるということが判定をされておりませんので、そういうものに対しては今対処はいたしません、できないと思いますし、また、具体的な問題についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

○山谷えり子君 拉致事件で国際手配されている拉致容疑者親族周辺団体から秘書を送ってもらっているということは違法か違法でないかということを言っているわけではないんですよ。これでいいというふうに思っていらっしゃるんですか。

○国務大臣(山岡賢次君) 国家公安委員長の立場としては、そのことに対してのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

○山谷えり子君 今の答弁は国民は驚かれると思います。国家公安委員長という本当に責任のあるお立場で、国の安全、そうしたものを守るお気持ちがあるのか、もう姿勢に疑問符が付くというふうに思います。
 適材適所だと先ほど藤村官房長官は、捜査中の選挙買収疑惑、真岡市長への金銭要求、岡田委員が言われたことですね、それから今、江口委員がマルチ企業とのいろいろな関係、いろいろ報道されたことは知っていると、しかし適材適所だと言い張られる根拠というのは何なんですか、官房長官。

○国務大臣(藤村修君) 総合的に判断してということで、かつ、その人事の判定に関して、それはプロセスの話でありますのでつまびらかにするわけにはいかないというところでありますが、ただ総合的には判断いたしました。

○山谷えり子君 プロセスを聞いているわけではなくて、なぜ総合的にもう山岡委員長以外にはいないんだと判断されたのかということを聞いているんです。

○国務大臣(山岡賢次君) この問題は、誰であろうと個別の事案にはお答えいたしかねます。

○山谷えり子君 先ほど違法ではないと個別の事案にお答えくださって、今また個別の事案にはお答えできませんというような、発言が変わったわけですけれども、とにかくやはり調べるだけは調べていただかないと、国民の信頼というのが全く今失われている状態だということを御認識いただきたいと思いますが、再度、姿勢について、取組方についてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(山岡賢次君) 先ほど申し上げたように、私は法に違反しているものであればとか、あるいはそういう届出があるとか、そういうものについては一般的に言うと捜査に入るという一般論を申し上げたわけでございますが、こういう個別の事案についてはお答えをいたしかねると、こういうふうに申し上げております。

○山谷えり子君 適材適所というような言葉が、今のやり取りの中で国民もそう思ってくれたかどうかということを私は非常に疑問に思っております。
 山岡大臣、次の委員会があるということでございますので御退席いただいて結構でございますが、これは引き続き、やはり本当に謙虚になって、調べるべきことは、きちんとポストにいらっしゃるわけですから調べていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○委員長(芝博一君) 山岡大臣、どうぞ御退席ください。

○山谷えり子君 続いて、藤村官房長官にお伺いいたします。
 四月二十八日というのは何の日でしょうか。

○国務大臣(藤村修君) 昭和二十七年の四月二十八日、サンフランシスコ講和条約が締結された日かと思います。

○山谷えり子君 締結されて、発効して主権回復をした日なんですけれども、来年の四月二十八日で六十年目になります。
 自民党は、この日を祝日として、主権回復記念日として、国民が主権回復をしたとはどういうことか、そして六年八か月の占領時代に何が行われてきたのか、そうしたことを振り返る日にしたいというふうに考えておりまして、もう法律は提出しております。超党派で多くの党に呼びかけておりますが、民主党は応じてくれておりませんけれども、この占領時代、何が行われたかということで、官房長官が、ああ、こういうことが行われたな、まだ宿題が残っているなとか、いろんな御感想あると思うんですが、一言、二言、言っていただければと思います。

○国務大臣(藤村修君) これは超党派で出されたのだと思いますが、今年八月二十六日に国会に提出された法律と伺っております。その中に、苦難の占領期を経て主権を回復したことを記念しと。その苦難の占領期ですね、占領されていた時期のことを今お尋ねかと思います。
 私は、個人的には昭和二十四年生まれでございます。三年間その時期であったと。これは、ですから親から聞く話としては様々、もちろん配給であるとか一般の日常生活にも、私はまだ小さかったわけで、ミルクに事欠いたとか、そういうことは聞いております。なかなかつらい時期であったというふうに想像をいたします。

○山谷えり子君 占領時代にGHQが深くかかわって、憲法と教育基本法が制定させられました。時代も変わってきておりますし、教育基本法は改正されましたけれども、憲法はまだ自主憲法制定というところには至っておりません。やっと審査会が開かれまして、改正の発議ができるようにみんなで頑張っていきたいというふうに思うんですが、吉田茂総理が当時、主権回復記念の日に、国を守る決心がなければ独立も有名無実に終わるというふうに記者会見をしているんですね。
 藤村官房長官は、領域保全に的確に対応してまいりますと、百七十九国会の冒頭でおっしゃられましたけれども、民主党政権というのは領土を守る気概があるんだろうか、意思も能力もないのではないかと国民の多くは残念ながら見ているというふうに思います。
 尖閣諸島の付近で海上保安庁の船にぶつかってきた船長、捕まえたのに処分保留で釈放してしまう、また日韓首脳会談、外相会談でも、竹島で近々起きている大変なひどいことに対して何の具体的な抗議もしていないわけですね。そして、非常に片務的な朝鮮儀軌の図書の返還をやってしまうというような形で、いろんなところで主権侵害を自ら招くことをやっているわけですが、竹島で例えば今年何が、どんなことが起きていたか、記憶にある中で挙げていただけますでしょうか。

○国務大臣(藤村修君) まず、韓国政府が竹島で今、住民宿舎を造り、それを何か拡張しているということ、また、韓国政府が今着手している建設事業として、総合海洋科学基地、それから防波堤事業、それからヘリポート改修工事があるというふうに今承知しております。

○山谷えり子君 そのとおりなんです。春にヘリポートの改修が終わりました。そして、四十人泊まれる宿舎が完成して、泊まればお金がもらえるという奇妙な宿舎でございます。サーファーたちがどんどん送り込まれてサーフィンをしている絵柄が発信されております。それから、竹島の横一キロには海上に十五階建ての海洋基地を造る、入札が終わって今もう組立てが韓国の中で始まっております。それから、今年の年末には水中公園、防波堤、こうした設計図ができ上がることでございまして、外務省は写真を全部持っているはずですね。いろんな写真。
 これを私は、官房長官の記者会見で写真を見せながら国民に竹島の不法占拠、このような形で強化されてきているんだということをお示しいただきたいと思います。広報発信、情報発信、これは僕の役目だと官房長官おっしゃっていらっしゃいますが、いかがですか。

○国務大臣(藤村修君) 先ほどの質問で、日韓の外相会談では竹島問題は取り上げておりますので、そこだけは申し上げたいと思います。
 そして、日韓首脳会談、この前の李明博大統領との会談においては、両首脳が大変良い雰囲気の中で、首脳レベルの言わばシャトル外交の活性化、そしてできるだけ李明博大統領の訪日もお願いしたと、招聘したということでありまして、非常に大きな観点からあの首脳会談というのは行われたということであります。
 それで、これはそれぞれの政権において、いわゆる外交の問題というのはそれぞれの考え方でもって判断していくと。ですから、どこまでどう発信するかというのもやっぱりそれぞれの政権の考え方だと思います。
 そういう意味で、竹島の領有権に関する問題は、実は既に国際司法裁判所に付託することというのも提案をしておりますが、これは今韓国側が拒否し、現在に至っているというところでございます。

○山谷えり子君 日韓外相会談では竹島の問題を言うことは言ったんですが、例えば海洋基地の工事中止してくれとか、具体的なことを言ってないんですね。
 民主党政権というのはいつもそうなんですよ。具体的なことを詰めていかないんです。そういう政権の未熟さというのを自覚していただきたいと思いますが、竹島の国際司法裁判所提訴、これはどんな今状況にあるんですか。韓国が応じないではなくて、まだ外務省はその作業に入ってないと思いますよ。

○国務大臣(藤村修君) 過去に、これまで一九五五年及び六二年に竹島の領有権に関する問題を国際司法裁判所に付託することを提案ということで、これはこのときに拒否されています。
 政府としては、我が国政府の真剣な懸念を韓国政府に伝えるべくあらゆる手段を取っているところと、この問題の平和的な解決を図るためにはやはり粘り強い外交政策、外交努力を行っていき、引き続きより有効な方策について検討をしてまいりたいと思います。

○山谷えり子君 国際司法裁判所提訴は島根県議会が全会一致で、民主党も賛成して採択しているんですね。
 この件で、私は今週、外務副大臣にお会いしました。外務省の人間も陪席しておりましたが、この話を詰めていったときに、むしろ松本剛明外務大臣の時代より発言はトーンダウンしているんですよ。今の説明と全然違いますよ。
 そうすると、ありとあらゆることをやっていくと、国際司法裁判所提訴の視野も入るんですか。松本剛明大臣は、ありとあらゆる、そこまでは言ったんです。だけど、先日の、今週の対応ではそうではなかったんです。

○国務大臣(藤村修君) 松本外務大臣がお答えしているのは、領土問題は我が国の主権にかかわる極めて重要な問題であり、オールジャパンであらゆる情報や知恵を集め、それを基に問題解決に当たっていくべきだと考えると、そのようにお答えになりまして、さらに、私としては、これ松本さんですが、私としては、この竹島の問題を是非とも解決するために、韓国側とどのような交渉を行うのか、話合いを行うのか、あらゆる手段、手だてを考えなければいけないということを申し上げてまいりましたが、ICJへの提訴を含めて、それぞれの手段について、今、行うかどうかということを、私がここで回答することは差し控えたいと、こういう答弁だったと思います。

○山谷えり子君 だから、民主党政権らしく、何も言ってないことと同じなんですよ。じゃ、もう松本剛明大臣はいいです、前外務大臣ですから。
 今、官房長官としてどう思っていらっしゃるんですか。

○国務大臣(藤村修君) これはその時々の、外交というのは二国間においても多国間においてもやっぱりそれぞれのそのときの状況を総合的に判断しつつ、幾つもの問題があることは事実でありますので、それは外交努力によって一つ一つ解決していくと、そういう姿勢だと思います。

○山谷えり子君 外交努力してないから、その一つの象徴として国際司法裁判所の提訴をおやりくださいと言っているんです。
 過去二回やられたのは知っていますよ、昭和二十九年と三十七年にね。だけど、今、どんどんどんどん建物は建っていくわ、ヘリポートはできるわ、サーファーたちは行くわですね、こんなんで、あと何年もしたら、国際司法裁判所提訴して韓国が受けたとしても、いや、竹島は韓国のリゾート地じゃないですかって、そんなふうな判決が出るかもしれないんですよ。だから今なんです。だから今提訴しなきゃいけない。そして、なぜ韓国が受けないのかということを国際社会に訴えなきゃいけないんです。それが今やるべきことです。いかがですか。

○国務大臣(藤村修君) 政府として、我が国が真剣な懸念をまず韓国政府に伝えるべくあらゆる手段を取っていくということであります。
 それから、これは紛争の両当事者がICJにおいて解決を求めるという合意があって初めて動き出すということでございますので、一方的にする、すると言ってみても、そのまさに相手側の合意を得るという努力が必要だと思います。

○山谷えり子君 そんなことは全部分かっていますから。とにかく提訴の行為に向けて進んでいただきたいということでございます。
 それから、枝野官房長官、前官房長官時代に私がお願いしたことなんですが、日本には島が六千八百あります。名前の付いていない島が二千二百あります。登記もまだ十分とは言えません。したがいまして、名前を付けて登記をきちんとしてほしいということを申しました。枝野官房長官は、登記については安全保障上重要な島からやっていきたい、そして国土地理院に対し、二千二百の名前のない島、名前を付けていきたいと、こういうふうにお答えになられたんですが、官房長官も引継ぎを受けて、今そのような方向で頑張っていらっしゃると理解していいんでしょうか。

○国務大臣(藤村修君) 枝野官房長官の時代のときの先生の御質問の答弁などは読ませていただいております。
 それで、離島の名称付与につきまして、まず我が国のEEZの外縁を根拠付ける離島について最優先して取り組んでいきたいと思います。EEZの根拠となる離島は、九十九の島のうち名称のないのが今四十九で、ここで調査を行って、十については本年五月に名称を決定しました。残る三十九の島について、平成二十三年度内に名称を決定することを今目標にして手続を進めているところであります。さらに、我が国の領海の外縁を根拠付ける離島について、その離島により確保される領海面積の大きさ等の優先順位を考えながら、できるだけ早く確定させていきたいと思います。

○山谷えり子君 中国は去年、海島保護法という法律を成立させているんですね。中国の島だという島、まあ尖閣も中国は中国の島だと勝手に言っているわけですけれども、名前を付けて、そして標識を立てていっている。海洋権益の保護と海上防衛の前線を築くためというのが法の趣旨であります。今年の五月、フィリピンの島に中国は自分の島だという標識立てちゃった。三週間後、フィリピンは軍隊を出して、その標識取り払いました。
 尖閣に中国が自分の島だと標識立てに来たらどうするんですか。早くEEZの根拠になる九十九の島に名前を付けて標識を立てて、尖閣諸島の五つの島はもちろんそうです、そういう行為をなさいますか。いかがですか。

○国務大臣(藤村修君) 今おっしゃったその中国の海島について承知をしておりますが、我が方としては、いわゆる国有財産にすると、こういうことかと思います。法律で何か島を規定するということではないと思いますが、標識を立てるかどうかということにつきまして、この前も御提案いただいたので、貴重な御意見として参考にさせていただきたいと思います。

○山谷えり子君 日本の海島保護法、あるいは港湾、港を守る、安全保障上重要な土地を守る、そうした法律を今、自民党、議員立法で作っておりますので、是非政府でも御検討いただきまして、来年の通常国会に出して、お互いに良い形で成立をさせていきたいなというふうに思っております。
 民主党は、在日大韓民国民団の方たちから選挙応援をしていただいております。元選挙対策委員長の赤松元農水大臣が民団の新年会で、皆様方のおかげで三百八議席、政権交代ができましたと、つきましては、皆様とのお約束であります外国人地方参政権、これを成立させていきたいと挨拶をなさっていらっしゃいます。
 民主党は、結党の基本政策であります、外国人の地方参政権。また、今回、野田内閣で極めてその活動に熱心な方たちが八名、十七名の閣僚のうち八名任命されたんですね。藤村官房長官、川端総務大臣、平岡法務大臣、中川文部科学大臣、小宮山厚生労働大臣、前田国土交通大臣、一川防衛大臣、そして、お辞めになりましたが鉢呂経済産業大臣でございました。
 これ、例えば、私は領土議連の会長をやっていますが、与那国に行きました。もう与那国が心配なんだと、台湾まで百十キロ、尖閣まで百四十キロ、中国の調査船のような船も来ると、自衛隊誘致してくれということで、平成二十一年の選挙で、自衛隊誘致してくれという町長さん、勝ちました。六百十九票です。もう一方の候補者、平和な島に自衛隊は要らないと、五百十六票で負けたんですが、その差は百三票差だったんですね。
 私は、与那国に自衛隊の駐屯地をつくってくれとずっと言っておりまして、やっと今度百人規模のものがつくられるのではないかという、予算が付いたというふうに、調査費が付いたというふうに聞いてはおりますけれども、例えば中国が与那国に百人ちょっと移住させれば、日本国与那国ではなくて中国与那国になってしまうわけです、外国人地方参政権が成立すればですよ。
 主権を守るという意味で、この外国人地方参政権、今でも藤村官房長官は賛成なんですか。

○国務大臣(藤村修君) 永住外国人の地方参政権につきまして、民主党の基本政策ということで私も当初それに賛同した一人であります。
 その後、しかし、党内様々な意見があることは更に確かでありまして、これは相当各党にも議論があるというふうにも聞いておりますので、今後は各党各会派においてしっかり議論していっていただきたいと。そのような議論の中でその取扱いを決めていくということで結構だと思っております。

○山谷えり子君 主権侵害を招くようなそうした政策というのは本当に早急に見直していただきたいと思います。
 民主党は、党員、サポーターも外国人オーケーというふうになっております。社民党、共産党は、でさえと言っていいのかどうか分かりませんが、日本人に限るんですよね。民主党が、党員、サポーター、外国人オーケーということは、今回は野田さんは簡単な方法で総理、代表になられましたけれども、次は外国人党員・サポーターが民主党代表、すなわち日本国の総理を選ぶ選挙に参加できるんですね。これ、ずっと鳩山内閣ができたときから問題になってきていました。
 ところが、今年の夏、川端さんが座長になって取りまとめをしたんですが、先送り、やっぱり外国人党員・サポーター認めるという形になっているんですね。これはどうしてそういうふうになったんでしょうね。

○国務大臣(藤村修君) 民主党は、結党に際して、政治資金規正法あるいは既成の各政党の規約等も検討させていただいた上で、入党に際して規約上まず禁止規定は設けていないということ、それから、サポーターというのは代表を選ぶ投票権のみでございますが、これについては、実は今年の初めから、いわゆる代表選挙規則というものを改正しようという議論が始まりました。今、山谷さんおっしゃった八月というのは取りまとめの中間段階でございました。来年の九月が次の代表選ということを想定し、この件についても慎重に今から議論がされるものと、政党の方で、思っております。

○山谷えり子君 ですから、外国人を認めないということ、結論を得ることができなかったので中間報告という形で先送りした。これが民主党の実態でございまして、主権侵害をやすやすと招くこの構造的、体質的な問題にきちんと目を向けなければ、領域保全に的確に対応してまいりますという官房長官の発言というのは、一体何を言っているのという、寝言を言っているんじゃないよという話になってくるんではないかと思います。
 今、北方領土に二十億円、竹島に関しては二千万円弱の予算しか付いておりません。もう余りにも開きがあり過ぎます。是非、内閣府に領土を守る部署をつくって、領土、領海を守るという形で予算を使えるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(藤村修君) 沖縄あるいは北方に関しては確かにあるわけですよね、組織的には。その他領土というときに、例えば尖閣は領土問題ありませんですよね。そういう意味で、それぞれにやっぱり個別の事情があるということで、私の下で、各省関係のところの様々な意見があるとした場合には、取りまとめ役としては私が今後も取りまとめ役をしていくと、こういう立場ではございます。

○山谷えり子君 内閣府にきちんと部署をつくっていただいて、グローバリゼーションの中で主権を守るということは容易なことじゃないんだということを、土地が、例えば森とか水源地が買われているなどという問題もございますので、きちんと現実を認識していただいて、新しい形をつくって取り組んでいただきたいというふうに思います。
 続いて、蓮舫大臣に少子化対策についてお伺いいたします。
 少子化対策として幼保一体化ということを言われておりますが、これ保育所の整備偏重という、子育ては負担というメッセージとセットになってずっとここのところ少子化対策としてやられてきたことが、深刻な実は誤りといいますか勘違いだったんではないかというふうに私は思っております。
 家族の価値というものをもっときちんと言うべきであり、また、命を育む尊さ、それが文化的にも伝承されていく、生命的にも伝承されていく家族の価値、これに対してはどう思っていらっしゃいますか。

○国務大臣(蓮舫君) 家族の価値であるとか命の尊さを代々脈々と続けていく、その考えを伝えていくという大切さは私も重要だと思っております。

○山谷えり子君 今、自民党有志は、三世代の近居とかいろいろな優遇税制があってもいいんじゃないかと、配偶者控除、扶養控除を外す民主党の政策なんかとんでもないって。これは自民党全ての議員の思いだというふうに思いますけれども、配偶者控除の縮小、廃止ですね、もう政府の税調で話合いを始めているということですが、これ民主党の基本政策にも載っています。それから、蓮舫さんがお進めになられるという第三次男女共同参画基本計画にも載っていますね。
 小宮山厚生労働大臣は就任のインタビューに答えられて、専業主婦を税優遇する配偶者控除についてどう思うかと聞かれて、女性も男性も機能しないとこれからの世の中はもたない、女性も男性も機能しないと。どういう意味か分かりません。専業主婦が機能していないということなんでしょうかね。この発言はどうなんでしょうね。

○国務大臣(蓮舫君) 是非、小宮山大臣に直接聞いていただきたいと思いますけれども、それはある意味で女性も男性も機能しないというのは、専業主婦が機能していないという前提で言ったんではないんだと思います。

○山谷えり子君 男女共同参画基本計画の中では、配偶者控除の縮小、廃止を含めた、つまり世帯単位の慣行、制度から個人単位に移していくんだと、家族の価値を認めないで個々ばらばらにしていくんだという哲学の下にこの政策があるんですよ。首かしげていらっしゃるけど、そういうことじゃないんですか。

○国務大臣(蓮舫君) 御指摘の第三次男女共同参画基本計画においては、世帯単位から個人単位の社会制度、慣行の見直しと確かにあります。
 ただ、これは、共働き世帯の増加など家族形態の変化であるとかライフスタイルの多様化に対応するため、男性片働きを前提とした世帯単位の社会制度、慣行を見直すという趣旨でありまして、これがすなわち女性が仕事をする、しないといったライフスタイルの選択に対して中立的に働くような制度構築の必要性の観点から見直しの必要性を指摘したものであって、決して家族を崩壊させるものではありません。
 また、山谷委員御存じかと思いますけれども、世帯の割合なんですが、随分長いこと、昭和五十五年からのデータを見ておりますと、男性雇用者と無業の妻から成る世帯がもう大多数でした。そのときは共働き世帯というのは非常に少なかった。それが平成八年に逆転をしまして、ちょうどトレンドとしては逆張りに働くようになって、現段階では、男性雇用者と無業の妻から成る世帯は七百九十七万世帯。逆に、共働き、雇用者の共働き世帯は千十二万世帯となりまして、その差は二百十五万世帯になりました。多様なライフスタイルがある中に合わせて、やはりこうした基本計画もその時々の時代背景に合わせた見直しを行っていきたいというのが私どもの考えでございます。

○山谷えり子君 そうした個人が大事という消費主義的な時代環境、そしてまた自民党もきちんとそれに対して家族を守るという政策を出さなかったというのはいけなかったと思いますよ。私はずっと自民党政権時代、自民党の中でそれを言っておりました。
 今、住宅メーカーなんかに聞くと、実家の近くに家を建てる娘たちが増えているとか、どこの住宅メーカーへ行ったって聞くんですよ。それであるならば、例えば同居、近居の優遇とか、まだ水面に出ていないけれども、ざわざわざわざわ感じますよ、皆さんの本能を、家族の価値をもって子育てをしたいという、育児、介護というのは家族が一番なんだという、そこをやっぱりきちんと押さえて政策をつくっていただきたいと思います。
 先日、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査で晩婚化が進んでいると、出生意欲も低下しているというような、いろんな統計があるんですが、子供の数が理想を下回る理由として、子育てや教育にお金が掛かり過ぎるからというのが六割なんですね。
 それで、安倍内閣の教育再生で、私たちは塾に行かなくてもいいように、教育費というのは授業料じゃなくて塾のお金が掛かるんですよ。だから、全国学力調査をやって、読書活動や、それから体力づくりや農業体験、職場体験、文化伝統体験、全部物すごい予算付けたのに、蓮舫さんがそれ事業仕分でカットされちゃったんですよね。やっと文科省も全国学力調査はやっぱり必要だと、現場の声を聞いて今度やるようですけれども、やっぱり教育をきちんとやるということが大事なんですよ。保育所対策だけじゃないんです。
 それから、高年齢で産むのが嫌だからという人が三十代以上ではとても多くて、三人に一人なんですね。
 私、参議院の少子化の調査会でフランスとドイツに行きました。フランスでは、やや出生率が上がりつつというか下げ止まり、止まったと。大きな理由は何ですかと聞きましたら、小児科や産婦人科の先生たちにキャンペーンをしてもらったんだと。やっぱり若くして出産適齢期ってあるんですよということを言ってもらったら、あっ、そんなのがあるんだということで、二十代からそのような気持ちになったことが大きいというふうに言っているんです。
 晩婚化は止められないとか、単身世帯が増加していますって、そんな統計ぺらぺら読んでいたって政策としては何の意味もないですよ。知恵がないですよ。その辺、蓮舫さん、頭がいいんですから、これまでとは全く違う切り口を考えながら提案をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(蓮舫君) まさに切り口を変える、これまでの少子化対策であるとか、あるいは育児支援という形ではなかなか少子化の流れは止めることができませんでした。だからこそ抜本的な考え方を変えたい、チルドレンファーストという考え方を私たちは提案してまいりましたが、私は何も山谷委員がおっしゃっているように、家族を大切にするとか、晩産化を推奨するとか、世帯から個人へということを何も推し進めるという立場ではありません。それよりも、一人一人ができれば早く産みたい、早く結婚したいという幸せを実現するために、今なかなかそれが実現できない阻害要因が労働条件であるとかあるいはワーキングプアであるとか、総合的な政策を一体的に見直すことによって、結果として少子化が進まないような施策を進めていきたいとは考えています。

○山谷えり子君 生命尊重センターという、おなかの赤ちゃんを応援するボランティア団体があります。遠藤周作さんの奥さんが代表を務めていらっしゃるんですが、被災県でこの十月二十五日までいろんな相談を受けて七十人の赤ちゃんが生まれたんですね。夫が失業しちゃった、産めるだろうか、病院に行くまでのタクシー代がないけれども、あるいは出産費用がないけれども、そんなことで電話相談を受け、また具体的な金銭の応援もしながら、七十人の赤ちゃんが生まれているんですね。
   〔委員長退席、理事大久保潔重君着席〕
 ところが、この妊娠葛藤といいますか、妊娠して産めるかどうかというその悩みを吸い上げる場所が全くないんです。熊本、京都、兵庫、石川には行政の中にそれがあるんですが、これは是非四十七都道府県に広げていただいてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(蓮舫君) 子ども・子育てビジョンにおいては、三つの大切な姿勢の一つに、まさに命と育ちを大切にするを掲げております。議員御指摘のとおり、小さな命をどうやって大切にしていくのか、そのための相談体制というのも極めて重要だと感じております。
 そこで、関係省庁と連携をしまして、妊娠、出産、人工妊娠中絶等の悩みを抱える方々に対して、女性健康支援センター等で相談援助体制の整備を今まさに進めているところです。現段階において、平成二十二年度、全国で四十か所設置、三十七か所が平成二十一年度だったので、微増ではございますが、できればこの増加の速度を進めるための努力はしていきたいと思っております。

○山谷えり子君 本当に、総合的なということはそういうことでございますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 公務員制度改革について、岡田委員も人事院勧告との関係というようなことをおっしゃられましたが、報道によりますと、古賀連合会長が野田首相に直談判して、政府の人事院勧告、〇・二三%国家公務員給与を下げるというのを受けるべきではないと。なぜならば、自律的労使関係の確立に展望が開けたからと言われたという報道があります。
 国家公務員制度改革関連四法案が提出されておりますが、この中で労働協約締結権を公務員に付与するという、つまり労働組合が団体交渉ができるようにするわけですが、これは交渉できる内容の範囲というのはどういうものなんでしょうか。

○国務大臣(蓮舫君) 前段の報道に関しては私は全く承知していないので何ともお答えはし難いんですけれども、自律的労使関係を措置するという労働基本法の流れに沿いまして、前回の通常国会のときに、私たちは、御指摘のように国家公務員制度改革四法案を提出させていただきました。
 労働条件というのをやはり協約締結権で話し合うことができるようにという内容になっておりますが、大前提としては、先生、憲法がございますので、財政民主主義並びに勤務条件法定主義ということになって国会のコントロールというのが利くような形になっています。

○山谷えり子君 給与のほかに勤務時間、それから昇格とか転勤とかその他の条件全てと。ということは、もう全てのことが労使交渉に委ねられると。
 ただ、民間の企業と違って国は、親方日の丸は倒産しないんですよね。かつての国鉄のスト、あるいはいろいろ今のヨーロッパで公共部門が止まって大変なことになって、むしろ財政がめちゃくちゃになっているというようなことがありまして、これは、この労働協約締結権を入れれば給与を下げられるといいますかカットできるんだって、これは全く人間性を見ていない、あるいは、いろいろな事例、失敗例を見ていないことだと思いますが、蓮舫さんはこれでうまくいくとお考えなんですか。

○国務大臣(蓮舫君) 締結権を新しく設ける主な目的は、人件費の削減ではなくて、公務員が働きやすい環境を整え、労使双方共に相対的にお互いの勤務条件を決める、そうした新しい枠組みを設けることによって行政サービスの向上をさせようというものでございます。うまくいかせるために最大限の努力をしたいと思っております。
   〔理事大久保潔重君退席、委員長着席〕

○山谷えり子君 人件費の削減が目的ではないって、そうなんです。むしろ人件費は上がっていくだろうと思いますね。
 それから、民主党を支援している国公連合、今何万人いますか。

○国務大臣(蓮舫君) 済みません、今把握しておりません。

○山谷えり子君 六万人なんです。それから、共産党を支援している国公労連、これが四万数千人いますね。そして、組合としては全部で千六百六十九ぐらいあると言われております。この方たち、プロですよ、労使交渉の。それが公務員庁と、総理がトップなわけですけれども、労使交渉を始めるって、そんな、それでうまくいくと思っていらっしゃるんですか。もう血みどろになりますよ。火だるまになりますよ、日本国は。やめてください。これは本当に冷静に考えてください、どうなるか。

○国務大臣(蓮舫君) まず山谷委員に御理解をいただきたいのは、私どもは通常国会で国家公務員制度改革関連四法案を提出しました。これは、自公民がまさに議員修正をして提出した基本法に基づいて自律的労使関係を措置した内容を含む法案を出しておるのですが、是非国会の場所で議論をさせていただいて、国民の皆様方に見える形で懸念あるいはそうではない部分において堂々と議論をさせていただきたいと思っております。
 また、労使交渉と言いますけれども、水面下で何が行われているのか分からない形で結果だけを出そうというものではなくて、団体交渉の手続、あるいは団体協約の効力の発生、その議事の概要、その全てをインターネットその他の手段を用いて情報を公開することによって国民の皆様方にもしっかり見ていただく。税金によって公務員の給料というのは賄われているわけですから、税金を納めていただく国民に分かる、そういう制度を提案しているつもりでございます。

○山谷えり子君 自民党が合意したこととこの国家公務員制度改革関連四法案の一つの法案の部分とは全く違いますので、同じだというような説明はなさらないでいただきたいと思います。いずれにしましても、国会審議でお互いに理解が、国民にとって一番いい形で実るようにしていきたいというふうに思います。
 細野大臣にお伺いいたします。
 文部科学省がSPEEDI所管で、SPEEDIというシステムを持っていますね、気象庁のデータによって七十九時間後まで放射能がどういうふうに分布されていくかと。これを発表しなかったと。そのとき細野さんは原発担当の総理補佐官でいらしたんですけれども、なぜ発表なさらなかったんですか。

○国務大臣(細野豪志君) 正確には、私は当初、社会保障担当の補佐官だったんですが、海江田大臣を補佐するという意味で当初から官邸に入って主にこの仕事をしておりました。
 今、個人的にということも含めての御質問だったと思いますので申し上げますと、私がSPEEDIのデータを初めて見たのは三月二十三日、このときに避難の範囲をどうするかということで議論になりまして、そのときに初めてSPEEDIのデータを見ました。これはやはり公開すべき情報だろうということで、そのときにあったものを公開をしたということであります。
 その前、なぜ公開しなかったということに関しては、四月に入りましてから会見をするようになりまして、やはりそのときのSPEEDIのデータのことが気になっていたものですから、とにかくあるものは全部出そうということで私の方で提案をいたしまして、四月の終わりごろから公開するようになったということであります。

○山谷えり子君 これは本当に官邸の誰が止めたのか分かりませんが、この情報が公開されなかったがゆえに放射能の強い地域に逃げていかれた方もいる。あるいは、爆発した後、飯舘村の人たちはみんな外に出て雪かきをしていたと。そしてまた、福島県は発表したかったんですね。ところが、福島県災害対策本部に発表するなといった圧力が掛かったと。これはどこが圧力掛けたんですか。もし言えるんならおっしゃってください。

○国務大臣(細野豪志君) 福島県とのやり取りは、済みません、私、全く把握をしておりません。

○山谷えり子君 情報公開、国民の生命を考えながらきちんと対処をこれからしていただきたいというふうに思います。
 ホットスポットに対して、今、モニタリング、除染、一次仮置場から今月中に中間貯蔵施設を決めるということなんですけれども、今月中といったらもう終わりですけれども、どういうふうに決める方向でいくんでしょうか。

○国務大臣(細野豪志君) 除染が今最大の課題になっておりまして、除染をした土をしっかりと保管をするという意味で仮置場を造っていきたいということで、個別の市町村と相談に乗りながら場所の選定を現在しております。
 幾つかの自治体についてはめどが立ちましたけれども、まだ立たないところもございます。これがなぜ立たないのかというと、一次仮置場がどれぐらいの期間そこに置いておかれるものなのかということが分からない以上は受け入れられないという方がいらっしゃるわけですね。これはお気持ちはよく分かりますし、政府の責任としてしっかりとお伝えをしなければならないというふうに考えました。
 そこで、この間、相当の専門家との議論と様々な調整を行ってまいりまして、月内ですから来週の月曜日が最後の日ということになりますので、そこまでに提示をしたいというふうに思っております。

○山谷えり子君 自治体関係者にもいろいろ聞きましたが、次から次へと人が来ると。大臣も、細野大臣、小宮山大臣、平野大臣、それ熱心でいいんですが、何回も同じことを説明させられて、そして、結局は決めてもらえないで先延ばしされていると。今、今月中に中間貯蔵施設を決めると言うけれども、これも実は本当にそうなんだろうかと、最終処分場になってしまうんではないかというのが多くの自治体関係者の不信感なんですね。そういうようないろんな思いは聞いていらっしゃると思います。それから、世田谷などは自主的に測量が始まりましたし、広く、千葉や神奈川や東京、もういろんなところで計測が始まっておりますね。
 これ、一兆一千億円の財政措置ということなんですが、これはどういう形の、どういう項目でどう使うというのは分かっているんでしょうか。

○国務大臣(細野豪志君) この一兆一千数百億円の予算というのは、ある程度のそれぞれの地域の状況というのを勘案をして積み上げたお金でございます。
 既にモデル事業も始まりつつありますし、また地域でも除染が始まっておりますので、その費用は国が負担することになっております。ですから、予算の実質的な執行はもう既にスタートしておりまして、拡大をする中で、まずは一兆一千数百億円でどこまでやれるのかということに挑戦をしてみたい。広がれば広がるほどお金が掛かるわけですが、これは今の福島の状況を考えれば、むしろそれで進んでいるということだと思います。ですから、これで足りないということになれば、そこは予算の積み増しも含めて考えていかなければならないと思っております。

○山谷えり子君 本当に困難な作業が続くと思いますけれども、大きな目標、方向性だけは決めながら、地元の方たちと丁寧に進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、藤村官房長官に質問をさせていただきます。
 実は、これも枝野前官房長官と私とのやり取りの中での引継ぎなんですけれども、今年の六月に内閣委員会で携帯電話についてお話をさせていただきました。五月三十一日に、世界保健機関、WHOの専門組織国際がん研究機関が、携帯電話の電磁波に発がん性のおそれがあると指摘しました。五段階のリスク評価で上から三番目に当たるとの報告でございますが、耳に当てて通話を長時間、長期間いたしますと、脳腫瘍や聴覚神経がんの可能性、毎日三十分間の携帯利用十年間で神経膠腫、危険性も四〇%上がるというような報告でございましたと私が言いまして。
 そして、各国のいろんな取組を調べたんですね。特に子供は電磁波に大変に弱いということで、もう十五年ぐらい前から海外で言われておりまして、電磁波過敏症に対してはいろいろな保険適用もされている国もあります。携帯電話でいえば、例えばロシアの国立非電離放射線防護委員会は、十六歳以下の子供は携帯電話を使うべきではない、イギリスの国立放射線防護委員会は、八歳未満の子供には携帯電話を使わせないように、カナダのトロント市公衆衛生局は、八歳以下の子供たちは固定電話を使ってください、アイルランドのアイルランド医師環境協会は、十六歳以下の子供には携帯電話を使用させないようにというようなことをいろいろ言っているんです。
 そのほか、ロシア、フランス、フィンランド、ドイツ、イスラエルなどでも制限あるいは禁止というような、子供の携帯の使用に関して様々な勧告、禁止が出ておりますけれども、枝野官房長官は、この私の指摘を受けて、予防原則が重要で、特にお子さんについては課題だというふうに思います、私の方からも厚生労働大臣に要請しておきますというふうに答えられたんですね。これはその後どうなっていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(藤村修君) 国立がん研究センター、IARCですね、によって、この五月三十一日の発表において、携帯電話の使用については人に対して発がん性があるかもしれないと分類されたと。その分類については、この会合においては、高周波電磁界を発がん性があるかもしれないグループ、これはグループ2Bというところに分類されたようであります。その分類の中には、例えば漬物であったり、ガソリン、それからガソリンエンジン排気ガス、クロロホルム、鉛、そしてその高周波電磁界などというグループに属しているそうです。
 それで、枝野前官房長官の答弁内容についても承知しております。その後、我々としては、携帯電話の使用による子供の健康影響に関し、総務省において行われている疫学調査など、今後、国内外の研究機関等で得られた研究成果や各国の対応状況について、情報収集の結果を踏まえ、子供の携帯電話の使用に関しての必要な対応を行っていくと、こういう方針でございます。

○山谷えり子君 総務省が取りまとめ役をするとこれは駄目なんです。厚生労働省がやらないと、決して子供たちを守るような方向には参りません。
 今日は厚生労働省の参考人がいらっしゃる、どうですか、いかがです。

○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 総務省の方で研究しているというのは、今官房長官の方から御説明がございました。事実でございます。小児・若年期における携帯電話使用に関する疫学調査等の調査が行われているということでございます。それから、私ども厚生労働省についてでございますけれども、先般先生の方から御質問がございましたので、それを受けまして、二十三年七月、本年の七月から、電磁波の発がん等の健康影響リスクの情報提供に関する研究というものを開始しているところでございます。
 それから、八月になりまして、環境省主宰の電磁界関係省庁連絡会議というのがございますけれども、こちらの方で専門家の方の出席を求めましてIARCの報告等を聴取いたしておりますし、関係省庁と意見交換をして共通の認識を醸成するということで情報共有をしております。

○山谷えり子君 子供にはまさに予防原則、重要でございますし、各国が根拠を持ってこのような規制や勧告をしているわけですから、是非、厚生労働省がリーダーシップを持って取りまとめていただきたいと思います。
 そして、藤村官房長官は責任を持ってチェックしながら、ちゃんと早く結論が出ていくようにまとめていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。