国会での活動報告詳細

2012年2月1日
【委員会 質疑】 参議院 予算委員会

参議院予算委員会
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 民主党政権になってから二年四か月、閣僚五十三人任命されました。そしてまた、野田政権になって四か月、五人の閣僚が替わりました。
 今の田中防衛大臣と佐藤正久議員のやり取りを聞いておりましても、これは沖縄の皆様のみならず、日本国民、いや国際社会での日本の地位を低下せしめるという意味で本当に大きな問題だというふうに思っております。経済界の皆様も本当に心配していらっしゃるんです。国は大丈夫か、国債の格下げにもつながっていくかもしれない、日本に投資して大丈夫か。私はある国の大使から真顔で尋ねられました。日本というのは、防衛大臣、素人で済む、そういうポストなんですか。世界ではそういうふうに日本の国を見てしまっているということでございます。
 佐藤議員の質問にまだ田中防衛大臣お答えになっていらっしゃらない部分で、沖縄海兵隊の存在の意義、本州に海兵隊が移ったらどうか、その考え方、駄目なのかいいのか、それから存在の意義ですね、教えてください。

○国務大臣(田中直紀君) 我が国は日米安保を持っておるわけでございまして、その中で、先生も御存じのとおり、米軍が日本に駐留しているところでございます。
 陸海空がありますが、アメリカの場合、海兵隊も大きな戦力でございますし、また沖縄で長年活動をしていただいているわけでありますので、日本の抑止力、そしてまたアジア太平洋の安全というものからして沖縄の海兵隊が必要であると、なくてはならない状況にあるということは間違いないと思います。

○山谷えり子君 なぜ本州では駄目なんでしょうか。

○国務大臣(田中直紀君) 地政学上の問題が当然あると思います。しかし、今は日米合意をいたしておりますから、大前提でこの今の移設の問題については取り組んでいくということは御理解をいただきたいと思います。

○山谷えり子君 抽象的で。ちょっと具体的な理由で教えてください。

○国務大臣(田中直紀君) じゃ、こういうお答えでよろしいんでしょうか。沖縄は、米本土やハワイなどに比較し朝鮮半島や台湾海峡といった潜在的紛争地域に近い位置であると同時に、我が国の周辺諸国との間に一定の距離を置いているという地理上の利点があることでございますので、沖縄が最適であるというのが長年の状況でございます。
○山谷えり子君 本当にもういろいろ複雑な気持ちです。

 南スーダンのPKOで、二十メートル先の日本人を助けられるか、助けられないか。防衛大臣は助けられないというふうに言われました。まあそのとおりなんです。非常に国際スタンダードでない形で日本はオペレーションを強いられているわけですが、では、南スーダン、どこの軍隊が日本というかその施設部隊を守ってくれているんでしょうか。

○国務大臣(田中直紀君) お答えいたします。
 現地で国連と連絡を取ってきておるところでありますが、今のところどこと一緒にやっていくかということは決まっておりません。

○山谷えり子君 決まっているはずですから、役人さん、教えてさしあげてください。

○副大臣(渡辺周君) 今、現状は、バングラデシュの部隊等に警護をお願いしているというところでございます。

○山谷えり子君 みんな体を張って物すごい覚悟で行っているんです。

○国務大臣(田中直紀君) バングラデシュが撤退するというお話もあったわけでありますが、今、隊が到着をいたしましてバングラデシュと一緒にやっておるということであります。その後の対応はまだ決まっておらないということでございます。

○山谷えり子君 自分の間違いの答弁を今言い繕ってカバーしたわけですが、発言撤回してください。間違えましたというふうに認めていただきたいと思います。(発言する者あり)

○委員長(石井一君) それじゃ、ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(石井一君) 速記を起こしてください。(発言する者あり)
 静粛に願います。

○国務大臣(田中直紀君) 訂正をさせていただきます。
 今はバングラデシュ等に警護してもらっておるというような状況でございます。

○山谷えり子君 陳謝はいかがでしょうか。

○国務大臣(田中直紀君) そこまで理解をしておらなかったことは大変申し訳なく思っております。

○山谷えり子君 TPPについて野田総理にお伺いいたします。
 TPPに関してはもう最初から本当に訳が分からなくて、つまり、全ての物品、サービスを自由化交渉のテーブルにのせると野田総理は言ったとアメリカのホワイトハウスは発表したわけですが、野田総理は言ってないと言って、そしてホワイトハウスの発表もいまだに訂正してもらえていないという、これはやっぱり国際社会では言ったということになるわけですし、国内という視点でも私たちは言ったというふうに理解せざるを得ないわけでございます。それから、交渉参加に向けて協議に入ることも、閣議で決定もしてなければ、報告もしてなければ、何の文書もないんです。あの東日本大震災のときに、原発事故のときに政府にたくさんの会議が立ち上がりましたが、何と大事な会議の十の会議に議事録がないというのとこれは同じことなんですね。
 本当に、交渉、説明して、そして納得していただくとお話しになられました。先月、アメリカの通商代表部の方がいらっしゃいまして経済産業省の通商政策局長とお話しなさった。それから、内閣府の副大臣もシンガポールに行ってお話しなさいました。それから、これに関する事務局体制七十人、もう既にできています。そして、関係閣僚会議も開かれています。
 でも、議事録あると言うんですが、細かいことは何にも発表されていないんです。少し説明していただけますか。どんな進行状況になっているんでしょうか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、関係国との協議の状況でございますけれども、一月十七日にベトナム、十九日にブルネイ、そして二十四日にペルー、二十五日にチリにおいて、我が国から派遣をされた関係省庁、関係者がそれぞれ政府のTPP交渉担当者との間で交渉参加に向けた協議を行いました。これら四か国の協議は全体として非常に前向きなものであり、我が国のTPP交渉参加への関心を歓迎する旨の表明がございました。
 そのほか、例えば米国との関係でございますが、米国との間でも二国間経済関係全般について随時意見交換を行ってきているというところでございます。
 それで、関係閣僚会議に関するお尋ねもございましたけれども、例えばTPPに関する関係閣僚会合については、昨年の十二月十三日に第一回目を開催をいたしました。同会合では、TPP協定交渉に関するマレーシアからの情報収集の結果報告であるとか、TPP交渉参加に向けた関係国との協議のための体制などについて議論をしまして、議事録についても作成をさせていただいております。

○山谷えり子君 いつどこで何があったかということと議題しか発表されてなくて、中身まで発表、十分じゃないんですね。
 例えば、米国から、先日、軽自動車の規格廃止、日本は優遇しているからそれをやめろとか、それから米国車輸入枠の設定、これを求められたというふうにありますが、それは事実ですか。

○国務大臣(枝野幸男君) TPPの関連で正式にそうした申入れはいただいておりません。

○山谷えり子君 そうすると、あの報道は間違いということなんでしょうかね。それとも、非公式にあったことを報道はしたということなんでしょうかね。

○国務大臣(枝野幸男君) 米国国内においても様々な御意見があるようでございまして、そうしたことについて米国内でいろいろと御議論がなされているということ、それからTPPとは別の問題として、二国間の通商問題として従来から様々な御意見があること、それは承知をしております。
 ただ、TPPに関して、具体的にその前提条件などということでお話を受けたことはございません。

○山谷えり子君 TPPの交渉参加条件として、現在の交渉参加国が既に合意したことはそのまま受け入れること、現在の交渉参加国で設定した自由化の水準を下げないことというのがあります。これでは日本が幾ら主張しても、もう決まったことについてはお手上げだということですね。
 以前の野田総理の説明とは違うと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(玄葉光一郎君) 現在、今御指摘をいただいたことについて参加国間で合意がなされているという事実はないというふうに私自身は承知しています。そういう情報収集結果でございます。

○山谷えり子君 政府の役人が言っていて、報道されていて、それを全部否定していくって、もう議論にならないですよ。
 だって、情報を公開して皆さんと議論しましょうって十一月におっしゃったでしょう、昨年の。こんなのおかしいです。誠実に答えてください。

○国務大臣(玄葉光一郎君) いやいや、現時点でですね、全ての参加国が今指摘をされた二つの点について全て合意をしているというふうには、まだ我々の情報収集の中ではそういった情報は得ていないということでありまして、そのことは現時点では事実でございます。
 ただですね、ただ、このTPPという交渉が、確かに基本的には全ての物品をテーブルにのせる、交渉の中で本来勝ち取るべきは勝ち取り、あるいは守るべきは守ると、そういう類いのものであるということは一般的には言えるというふうに思います。

○山谷えり子君 アメリカと韓国のFTAの合意内容をめぐって、今、韓国は揺れているんですね。こんなはずじゃなかった。李明博の政権基盤も危なくなるんじゃないかというぐらいのものでございます。
 例えば、年間輸入台数が二万五千台以下の場合、米国の安全基準だけ満たせば問題がないというようなものも入っております。それから、米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していなくても、米国政府が米国企業の代わりに国際機関に対して韓国を提訴できるとか、とてもとても不平等条約なんですね。
 例えば、特区を三つつくってアメリカの病院がそこに病院を建ててアメリカの自由診療できると。それに対して、アメリカが不利益を被った場合、保険会社がですね、米国は提訴できるという意味の分からないことまであって、これはISD条項ですが、毒素条項というふうに韓国では呼ばれておりまして、本当にこのようなことが日本で行われるのではないかということを心配しておりますので、私たち議会人としては、今どの程度のことが行われているのか説明していただかなければ、あなたたちの交渉能力にもかかわってくるんです。政府の交渉能力を高めるために私たち議会人は議論しようじゃないかと言っているんですから、野田総理、今の態度でよろしいと思っていらっしゃるんですか。野田総理にお伺いします。総理です。

○国務大臣(枝野幸男君) まず、米韓の関係については、当事国でございませんので、それについての評価は避けたいというふうに思いますが、我が国に一方的に不利になるような不平等な条約を結ぶつもりは全くございません。
 それから、今交渉参加している九か国から順次情報収集を始めておりますが、例えば、アメリカとはまだやっておりません。そして、当然アメリカの国内において様々な御意見があるということは報道等でなされていることは承知をしておりますが、正式にアメリカから何か我が国に対してTPPに向けて具体的な提起をされているものではございませんので、したがって、何か報告をできることがあるわけではございません。それぞれの各国との間で情報収集したことについては、これただ、外交交渉でございますので相手国との関係で公開できる部分と公開できない部分ございますが、最大限公開できるように努力をしてまいります。

○山谷えり子君 今の答弁、本当に官房長官時代に原発の事故の後の答弁を思い出して涙が出そうでございます。
 年次改革要望書というのを自民党政権時代もずっとアメリカは送ってきました。本当に厳しい要望書でございました。それを、私たち自民党は巧みな交渉能力できちんと国益を守るためにやってきたんです。だから日本の富が保たれている。(発言する者あり)

○委員長(石井一君) 静粛に願います。

○山谷えり子君 しかしながら、民主党政権では交渉能力がない、あるいは議事録もない、そうした政権に今の状態を任せるのは非常に不安だということをお伝えさせていただきたいと思います。
 それから、一月二十四日、野田総理の施政方針演説の中で気になる表現がございます。日朝関係については、引き続き日朝平壌宣言に則って、核、ミサイルを含めた諸懸案を包括的に解決しとおっしゃられて、拉致という言葉が抜けているんです。これは、小泉内閣から菅内閣まで、拉致、核、ミサイルを含めた諸懸案を包括的に解決しと、これはキーワードだったんです。なぜ抜いたんですか、拉致を。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) よく読んでいただきたいんですけれども、その前のパラグラフに特出しをして拉致問題を書いています。拉致問題は、我が国の主権にかかわる重大な問題であり、基本的人権の侵害という普遍的な問題です、被害者全員の一刻も早い帰国を実現するため、政府一丸となって取り組みますと。いわゆるパッケージで書くよりも、その前に拉致問題を重視する形で書いていると。諸懸案の中には、核、ミサイルと拉致が当然入ってくるということは、これ解釈として成り立つということでございます。

○山谷えり子君 野田総理はそういうふうに官僚にだまされたんです。
 六者会合の議題は、拉致、核、ミサイルと三つなんです。ですから、ここから拉致を抜くということは、六者会合でもう拉致を議論しなくても日朝国交正常化交渉のそこの部分に入っていいんだという、そういうメッセージなんですよ。それが分からないんですか。野田総理にお願いします。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) それは相当な誤解であります。むしろ、拉致を特出しをして前に書くように指示したのは私でございます。私の施政方針演説でございますので、私がそう主張した中で書いた文章であります。

○山谷えり子君 ですから、やっぱり国際政治に疎くていらっしゃるんですよね。
 ですから、拉致、核、ミサイルと、これはもう一度確認させていただきます。そういう思いなら、そういうことですね。そして、六者会合の議題から拉致は決して抜かないとここで明言してください。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) そのとおりでございます。山谷委員の御指摘のとおり、六者会合の中でしっかりと拉致の問題も対応していくということでございます。

○山谷えり子君 拉致、核、ミサイルを包括的にという、今、もう一度おっしゃってください。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 拉致も含むと申しましたのは、核、ミサイル、拉致ということでございます。

○山谷えり子君 金正恩体制に対して、北朝鮮に対してですね、日本から拉致した被害者全員の身の安全図るべしという決意をおっしゃってください。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) まさに新しい体制へと移行いたしましたけれども、当初に私も指示をいたしましたが、徹底した情報収集を行うということと関係国との協議を行うということ、そしていざというときに万全な体制で臨むと、こういうこと、不測の事態を含めて、この指示をしておりますが、関係国との協議の中では、特に中国等についても邦人の安全確保についていわゆるサポートの要請をしたりしました。我が国として、邦人の安全、しっかりと守っていきたいというふうに思っております。

○山谷えり子君 北朝鮮に対して身の安全を守れとおっしゃってください。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 直接今交渉していることではありませんが、当然、この国会の審議で今申し上げる中で、しっかりと邦人の安全確保は強く要請をしたいというふうに思います。

○山谷えり子君 朝鮮半島でもしも有事が起きた場合、拉致の被害者を、邦人を日本の自衛隊は救出することができません。
 自民党は拉致の被害者あるいは韓国にいらっしゃるいろいろな日本人を救出するための自衛隊法の改正を出しておりますが、何年たっても審議に応じてくれません。今おっしゃったということは、今国会で審議に応じてきちんと成立させるということですね。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 在外邦人の安全確保は、もちろんこれは国として大変重要な課題でございます。責任だと思います。平素から関係省庁と連携をして、事態に応じて速やかに在外邦人の安全確保を図ることができるように、その体制につき不断に検証する必要があると考えております。
 在外邦人の保護に関し、自衛隊が派遣先の外国においてどのような活動を行うかについては、これは様々な観点から議論し検討することが重要であると考えております。

○山谷えり子君 それでは先送りでちっとも答弁になっていないんです。北朝鮮、いろいろ体制変わっております。
 防衛大臣、いかがですか。

○国務大臣(田中直紀君) 今総理がお話ししたとおりでございます。

○山谷えり子君 日本は海洋国家でございます。EEZという国連海洋法条約で決められた二百海里、三百七十キロの基点になる島が九十九あります。そのうち三十九に名前が付いてなかった。私、何回も内閣委員会で指摘しまして、やっと三十九の島に名前を付けようということになった。
 一月十六日、藤村官房長官が記者会見したその次の日に、中国の共産党機関紙人民日報は、それは核心的利益を損なうことだというふうに言った。そしてまた、昨日、中国の外務省の報道官も、もしも日本が、尖閣諸島の付近にまだ四つ島の名前が付いていないのがあります、この四つの島に三月末までに名前を付けるならば、それは違法で無効な行為だというふうに報道官が言われました。
 これに対して、野田総理はどういうふうにお考えですか。

○国務大臣(玄葉光一郎君) 言うまでもなく、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であります。しかも、実効的に支配していると。更に言えば、領土問題は存在しないというのが我が方の立場であります。
 おっしゃったとおり、中国側からの外交上の申入れがありましたけれども、それは中国側の独自の見解に基づくものでありまして、日本国政府としては、日本国政府の立場を伝え、当然中国からの申入れについては拒否していると、そういう状況でございます。

○山谷えり子君 しっかりと名前を付けていただきたいと思います。
 そしてまた、自民党は、国境離島、特定離島に関する、あるいはEEZの基点に準ずる島を守るための法律を今出そうとしております。これも是非、民主党は審議に応じていただきたいというふうに思います。また、尖閣諸島、東シナ海、五島列島まで領海侵犯来ておりますので、領域警備に関する自衛隊法の改正も出そうとしております。
 この三つの法律は大変に重要な法律だと思いますので、野田総理、前向きに私たちの議員立法を受け止め、あるいはむしろ閣法で出してほしいんですよ。いかがですか、その辺は。政府はなぜそういうことをやらないんですか。姿勢をお聞かせください。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政府としても、我が国の周辺海域における情勢の変化に対応いたしまして、海上保安庁が担う領海警備業務を的確に遂行するための法案を今国会に提出をすることとしております。
 領海侵犯については、今般の法改正によって、領海で停留あるいは徘回等の不審な行動を取る外国船舶に対して迅速に退去を命ずることが可能となるものと考えており、更なる措置の在り方については、今の御提起の問題も含めてでありますが、改正法の運用状況を勘案をしながら関係省庁と引き続き検討を行っていきたいというふうに思います。

○山谷えり子君 今の法改正は、野田総理がおっしゃられたのは、例えば尖閣諸島に七人の中国人が島に上陸したことがあった、そのとき海上保安庁は何もできなくて沖縄県警にお願いして逮捕してもらったということがあるので、海上保安庁もそれができるようになる、あるいは立入検査なくても退去命令が出せる、その程度の改正なんですよ。これは今の現状に全く合ってないんです。ですから自民党は、自衛隊法の改正で、領域警備、きちんと守る法律を提案しているわけでございます。
 それから、野田総理は、以前、質問主意書で、A級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではないというような質問主意書を提出していらっしゃいますけれども、この根拠を教えてください。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 根拠といいますか、そのいわゆるA級戦犯と言われている人たちの法的な立場の確認をすると、そういう趣旨の質問主意書を出したことがございます。それは、いわゆる国内法的にはこの問題は私は決着を付いてきたんではないかという意識があったものですから、当時、小泉総理が靖国を参拝されたときに、そのときに改めてその法的な立場を確認をしたいという趣旨から主意書を出させていただきました。そこから出てきた政府の答弁というものを、今私は政府の立場でございますので、尊重していきたいと考えております。

○山谷えり子君 菅総理はA級戦犯は戦犯だとおっしゃられたんですが、私は野田総理がおっしゃられることが正しいというふうに思います。サンフランシスコ講和条約で日本が主権を回復した後に関係諸国ときちんと法的な問題は整理し終わっている、また、国会決議でも戦犯ではないという形で整理し終わっているわけですから、野田総理はいみじくもこのままA級戦犯と言い続けるのでは人権侵害だとまでおっしゃられているわけですから、その思いを強く持ち続けていただきたいと思います。
 しかしながら、一方で、内閣総理大臣の靖国神社参拝は国際政治的な利害を踏まえて最終的な判断がなされるべきと言っているんですね。そうなんでしょうか。追悼、慰霊というのは国際政治的な利害を超えたものだと思います。なぜこのようにお考えになられるんですか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国際関係を含めて諸般の事情を考えた中で、やはり合理的な判断をせざるを得ないということだと思います。

○山谷えり子君 追悼、慰霊は主権的な問題でございます。今の答えは全く総理としての資格がないというふうに思います。
 今年は、古事記千三百年、主権回復して六十年でございます。(発言する者あり)

○委員長(石井一君) 静粛に願います。

○山谷えり子君 四月二十八日、私たちは主権回復六十年をお祝いする、これもまた自民党は議員立法を出しております。これに対しても審議に応じていただきたいというふうに思います。
 日本人はすばらしい民族でございます。自立心にあふれ、周りの幸せを感じる、考える、まず考える、自分のことよりも。しかしながら、民主党は依存的で隠蔽体質でばらまきで、このような政策を進めていったら日本の国柄が壊れてしまう、大変に心配しております。今国会、充実した審議をしながら心して日本を守っていきたいと思います。
 ありがとうございました。