国会での活動報告詳細

2012年3月26日
【委員会 質疑】 参議院 内閣委員会

参議院内閣委員会 平成二十四年三月二十二日
午後一時三十分開会
○委員長(芝博一君) ただいまから内閣委員会を再開をいたします。休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 まず、皇室制度に関する有識者ヒアリングについてお伺いいたします。
 第一回目、二月二十九日、陛下の御入院中でございましたけれども、この日程を決めたのはどういう経緯でしょうか。
○国務大臣(藤村修君) 有識者ヒアリングにつきましては、一回目、二月二十九日、開催をいたしました。それは、今年の初めのころに、お願いをする有識者についての御都合を聞きながらこの日になったというふうに聞いております。
 今後の日程を決める際にも、やはり来ていただく方の都合というのが第一になるかとは思います。
○山谷えり子君 しかし、陛下が御入院なさったわけですから、日にちをずらすべきだったのではないかと思います。事務方に聞きましたら、今谷明帝京大学特任教授、田原総一朗さん、ジャーナリスト、お忙しい方だから日程変更することができなかったという、本当に意味不明の説明をなさったんです。
 天皇陛下、日本の国柄への敬意、あるいは基本的知識が今の内閣にはないのではないかというふうに思うんですね。
 先ほど、午前中に岡田広同僚議員が藤村官房長官に、追悼式、三月十一日の式典の直前に説明を受けて会場に入ったとおっしゃられました。実は私、安倍官房長官の政務官をしていた時代は、政府主催の式典というのはもう事細かく事前にチェックしますね、官房長官が忙しいのなら官房副長官とかですね。これあり得ないですよ、動いているさなかに耳打ちされて入ってしまったと、そして、あれっ、どうして座ったままなのかしらって。こんなこと、本当に基本的に統治能力がないというか、あり得ないことだというふうに思います。
 今後起立してお迎えすべきだと思われませんかと岡田議員がお聞きになられたら、藤村官房長官は適切に対応というお答えでした、午前中。適切とは起立してお迎えをするという意味ですね。確認です。
○国務大臣(藤村修君) 適切は適切でありまして、過去の経緯、それから、その時々のその式典等の内容、あるいはそれが屋外か室内かなど様々、あるいはお集まりの人数がどうかなど、多分様々なことを考えながら適切にというのがまず午前中の答弁でありました。
 過去の例でいうと、多分、この四年間で調べますと、五三%は着席、四七%は起立という、やっぱりその式典、式典によって趣が違うということは考慮に入れて今後考えていくべきだとは思います。
○山谷えり子君 事務方の説明ではそういうことだと思います。だんだん略式化されていっているんです。これを今回を機にもう一度きちんとした、敬意を持ってお迎えするという、政治主導でそれはお戻しいただきたいというふうに思います。
 十一月二十三日は宮中では何が行われましたでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) 大嘗祭、秋季皇霊祭ではなかったかと思いますが。新嘗祭、新嘗祭。
○山谷えり子君 大嘗祭は御代替わりのとき、秋季皇霊祭は秋分の日ですから、新嘗祭なんです。
 この新嘗祭というのは一年の収穫に感謝する。これに、夕方六時からと十一時からと二回あるんですけれども、その十一時からの儀式に参列したのは衛藤征士郎衆議院副議長と長浜官房副長官でしたね。農水大臣は二つとも欠礼なんです。これあり得ないと思いますよ、新嘗祭に農水大臣が参列しない。これ説明なかったんですか、事務方から。
○国務大臣(藤村修君) 特にございませんでした。
○山谷えり子君 ですから、大変に感度が鈍いというか、もうほとんど日本の国柄へのわきまえがない内閣なんですよ。認識が全くない、これを御自覚いただきたいと思います。
 そこで、皇室制度に関する有識者ヒアリング、大体一回に二名、三十分聞いて十分質疑応答という形で、一回目は官邸の三階の会議室で、ペンの新聞記者たちがだあっと周り囲んでのオープンのヒアリングなんですね。私はこの形も何かオープンを装っているけれど非常に何か違和感を持っております。そして、ヒアリングに立ち会う方が長浜参議院の官房副長官、齋藤衆議院の官房副長官、そして竹歳官房副長官、事務方ですね、それから園部逸夫内閣官房参与、この方は皇室典範に関する有識者会議座長代理で女性・女系天皇を柱にした報告書を平成十七年にまとめた方です。そして、そのときだけではなくて、つい昨年の十二月十六日にも毎日新聞で女性宮家の創設の可能性を探るべきと言っていらっしゃる。初めに結論ありきで、もう仕組まれたもののような気がいたします。
 これから合計何回ぐらい、どういうメンバーに聞いていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) まず、何か仕組まれたというふうに今おっしゃったんで、そうではなくて、今回のヒアリングというのは、ちょっと長々申しませんので簡単に申しますと、今後皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下の御負担をどう軽減していくかが緊急性の高い課題という認識の下で、一方、皇室の御活動や皇室の在り方については国家の基本にかかわる象徴天皇制度を支えるものであるから、広く国民の理解と支持を得られるものでなければならず、また、憲法や法律はもとより、我が国の歴史や伝統、文化等と深く関与するものであると、こういう趣旨でスタートをしたところで、何か最初にこういう方向で結論があるということではございません。
 有識者ヒアリングは、先ほど申しました、一回目が二月二十九日でございました。今後、次は三月末に第二回目、それから四月中には多分一か月のうち二回ぐらいのヒアリングをしていきたいと、このように今計画しておりますが、まだ最終的に第何回まで、そして何人の方々にお尋ねするかということを全て決めているわけではございません。
○山谷えり子君 新聞報道では櫻井よしこさんの名前や百地章先生の名前や市村先生のお名前が出ておりました。ヒアリング事項として、今後の皇室の御活動維持の観点に絞り緊急課題として議論することについてどう考えるかという事項があるんですね。百地先生とか櫻井よしこさんは、この観点に絞って緊急課題として議論することそもそもがナンセンスではないのかというような意見を以前からお持ちで、いろんなところに書いたりお話しなさったりしていますね。つまり、皇位継承の安定的確保を確かにする土壌をつくること、これが本質的問題ではないかというわけでございますけれども。そうしますと、どうなるんでしょうね。いろんな幅広い意見がありますね。どういうふうに取りまとめていらっしゃるつもりですか。
○国務大臣(藤村修君) 単に有識者のヒアリングにとどまらず、この国会でまず今、山谷委員からの御議論いただいているこういう議論も大変重要だと思います。さらに、それらがマスメディア等で報道をされたり、もちろんメディアはメディアの考え方も時々に社説等でも書くわけです。そして、何よりやはり広く国民各層の御意見が、今後更に様々な御意見が出てくるという中で、今回は一応限定的には、女性宮家と通称言っていますが、こういうことについて、これは皇室典範の改正も必要となってくることから、その改正をするのかしないのかなど、そういう方向性というか、その方向で今御議論をいただいている最中で、ただ、最終的にどうするかというのは今からの議論に懸かっているかとは思います。
○山谷えり子君 今年秋の臨時国会にも法案提出という報道がありましたが、これは、では事実ではないと。
○国務大臣(藤村修君) 女性皇族の問題というのはそんなに悠長に考えていいことではないと思いますが、しかし、国民各層のやはり議論というものが沸き上がってこないとそもそも何か法改正をするということにはならないと思いますので、今後ろを切って何か皇室典範の改正をするという目標を持ってやってはいるものではありません。ただ、それなりにスピード感を持ってやることは事実だとは思います。
○山谷えり子君 野田総理は、だらだら議論するのではなく早く結論を出すとおっしゃっていらっしゃるんですね。そうしますと、秋の臨時国会ではなくても来年の通常国会とか、そのくらいの時間間隔で言っていらっしゃるんですか。
○国務大臣(藤村修君) 今この時点で確かにそうだということではありませんが、そんなにだらだらと議論していくことではないとは思っています。
○山谷えり子君 マスコミなどでは盛んに女性宮家創設問題というようなことで書かれているわけですけれども、正式には皇室制度に関する有識者ヒアリングということでありまして、そもそも女性宮家なる言葉はどなたが言い出した言葉なんでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) 私も会見等で使ったことは多分ないと思いますが、マスコミがつくっている言葉かとは思います。
○山谷えり子君 会見では確かにおっしゃっていらっしゃいません。しかし、議事録を見ましたところ、野田首相も、女性宮家創設という考え方と、女性宮家ということを言っていらっしゃいます。藤村官房長官も、女性宮家のヒアリングをお願いしていると言っております。
 ということは、これ訂正なさいますね。以後は女性宮家とは言わないと、今まで言っていたことも間違いだと、こういう訂正でよろしいですね。
○国務大臣(藤村修君) 現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻されたときに皇族の身分を離れることになっているわけですが、そうでない場合に宮家が創設されるということはあるわけですね。
 今おっしゃったのは、要は、女性宮家なる言葉というのは、昨年これは十一月に新聞報道で多分初めて使用されたように思います。女性宮家の定義というのは必ずしも明らかではなく、人によって様々な考えがあるものと承知していますので、政府としてはこの女性宮家という言葉は、これはいわゆるとか新聞報道によればという、そういう使い方でしか多分ないと思います。
○山谷えり子君 女性皇族で御結婚後も御皇室の活動を担っていただくと、それは、そういう考え方は多くの国民も思っていらっしゃるかもしれない。しかし、女性宮家って、今ちょっと答弁よく分からなかったです。それを女性宮家活動と言うんですか。そういう意味ではないですよね。結婚後、女性皇族として御活動いただくことが女性宮家としての活動ということではないですよね。
○国務大臣(藤村修君) 要は、宮家を創設することができるようにすると。その際、今、皇室典範上は、皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れるということになっていますので、そうすると、宮家創設ということは、ここでは、その時点で終わるわけですよね。ですから、ここのところをどうするかということが今一つの議論の焦点かなと思っています。
○山谷えり子君 女性宮家を創設しなくても、結婚後、女性皇族だった方が皇室活動はできますよね。それ、もう一回、確認です。
○国務大臣(藤村修君) 必ずしも宮家の創設ということと直結しているわけではなくて、皇族としての、つまり婚姻した段階で皇族から離れるということ、このことをどう考えるかというのが今の議論だとは思います。
○山谷えり子君 そうしましたら、女性宮家という言葉はもう政府は使わないということを記者会見でもして徹底された方がいいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 確かに、女性宮家の定義が明らかでないものですから、余り明らかでない言葉を使わないようにしたいとは思います。
○山谷えり子君 なるべくではなくて、使わないように決定していただきたいと思います。
 宮家という場合、皇位継承者としての宮家ですよね、これまでの考え方では。その辺はいかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 宮家というのは、これ天皇陛下のおぼしめしにより皇族に対して賜るものというふうに考えておりますので、必ずしも宮家の号を有していない皇族もいらっしゃるということかとは思います。
○山谷えり子君 それはどういうケースなんでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) これ、言葉がだんだん難しくなるので、きちっとちょっと答えさせていただきます。
 宮家は、法定の制度ではなく、独立して一家を成す皇族に対する一般的な呼称ということかと思います。今現在、宮家というのは六宮家あるようであります。
 今、先ほど私申しましたのは、宮の号と、宮号ですね、これは先ほどの説明をしましたように、天皇陛下のおぼしめしにより皇族に対して賜るもので、皇室内部のことであり、これは法律に基づいている制度ではないと、このように記載されています。
○山谷えり子君 そうすると、前の答弁、ちょっと違うんじゃないでしょうかね。御訂正なさった方がいいと思います。
○国務大臣(藤村修君) 宮家と、それから宮の号、宮号というんですか、これとは違います。先ほどのはちょっと勘違いしていました。
○山谷えり子君 六宮家と今おっしゃいましたが、お名前をおっしゃってください。
○国務大臣(藤村修君) 秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家、寛仁親王家、桂宮家、高円宮家だと思います。
○山谷えり子君 寛仁親王殿下であって、それを三笠宮とまた、もう二つで数えていらっしゃるんですか、今。
○国務大臣(藤村修君) いや、寛仁親王家であって、ここは宮の号を有しておられないので寛仁親王家と言ったんですが。
○山谷えり子君 そうですよね。それで六つになりますか。
○国務大臣(藤村修君) あれ、一つ足りない、六つ言ったような。
 もう一回、じゃ言います。秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家、寛仁親王家、桂宮家、高円宮家、六つですね。
○山谷えり子君 寛仁親王殿下はよく、三笠宮ではないのでなんて半分御冗談ぎみにおっしゃるんですが、寛仁親王殿下であって、宮家じゃないですよね。
○国務大臣(藤村修君) 寛仁親王家ということですね。
○山谷えり子君 園部逸夫さんは、昨年末の新聞に、女性宮家を創設した場合、女性皇族の配偶者や女系となるその子供を皇族に含めるかどうかの議論が生じるだろう、これは難しい問題だと認識を示していらっしゃいます。確かに難しい問題なんです。しかし、現段階で議論する必要はないと。
 こんな無責任な方に取りまとめをお願いしちゃってよろしいんですか。配偶者、どのようになさるのか、親子、どのように身分がなさるのか、難しい問題なんです、まさにそこが本質なんですから。しかし、現段階で議論する必要はないって、こんな乱暴な、これまでの長い長い万世一系の、日本は最古の歴史を持つ国ですね、統一国家として。いいんですか、こういう方。この議論のというか問題設定について違和感感じませんか。
○国務大臣(藤村修君) 園部参与が新聞等で書かれている記事は承知していますが、園部さんは皇室制度全般についての優れた識見をお持ちであり、また今回、課題を緊急なものに絞って検討するとの政府の考え方を十分理解をいただいたということから今御助言をいただいているという形でありまして、園部さんがヒアリングの際に何か持論を述べると、こういうことではなく、むしろ聞き役に回っていただいていると聞いています。
○山谷えり子君 それは当然のことだと思います。
 元々、女系天皇容認の考え方を持っていらっしゃる園部さんでありまして、女系天皇導入を、裏から入って、この女性宮家創設ということによって成し遂げようとなさっていらっしゃるのかというような気がいたします。
 天皇皇后両陛下の御公務の御負担の軽減と皇室活動の安定化を図ると、野田総理は度々おっしゃられるわけですが、天皇陛下の御公務、国事行為、公的行為、その他の行為、どういうイメージで分担を考えていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) 今おっしゃっていただきましたように、天皇陛下の御公務のうち、内閣総理大臣の任命など憲法の定める国事行為については、国事行為のこれは臨時代行に関する法律に基づいて、摂政となる順位に当たる皇族に委任がされた場合、代行が行われることになっています。
 一方、国事行為以外の御公務である様々な公的行事への御出席、被災地のお見舞い、福祉施設の御訪問、国際親善のための御活動、伝統文化の継承に係る御活動などについては、そうした法的手続を経ることなく御分担をいただいていくことが可能であると。
 これらの御公務の御分担について、現在具体的な方針が検討されているわけではありませんが、例えば天皇陛下の御公務の一部をある皇族殿下が担われた場合において、そのまた皇族殿下の御公務の一部を更に別の皇族殿下が担われるなど、これは女性皇族を含めた皇族全体で皇室の御活動が維持されていくという意味での御公務の分担をしていけるのではないかという考え方はあります。
○山谷えり子君 そうしますと、国事行為はできないと。公的行為の中で福祉活動とか伝統文化継承の活動や外国の御訪問とか、そういったイメージで今考えていらっしゃるということですね。
 今年は西暦二〇一二年、これはキリストが生まれた年だというふうにされておりますけれども、皇紀何年ですか。
○国務大臣(藤村修君) 二六七二年だと思います。いわゆる西暦よりまだ六百六十年前に神武天皇が即位された、ここを多分紀元としているんだと思います。
○山谷えり子君 第一代神武天皇御即位から今上陛下百二十五代まで男系で万世一系で継承されてきたと、そのような中で、女性宮家創設になったら、もう必然的に皇位継承とは切り離せない問題が出てくるんですよ。それを藤村官房長官は切り離す、切り離すとおっしゃっていらっしゃるんですが、これは知的怠惰というか想像力の欠如というか、どういう論拠で切り離せるとお考えなんですか。
○国務大臣(藤村修君) そこは、今有識者からもまさに様々御意見をお伺いしているところでありますので、私がこうするとかああするとか、こうしたいとかああしたいということは、これは今発言すべきではないと思います。
○山谷えり子君 でも、藤村官房長官は皇位継承と検討は切り離す、野田総理もそういうふうにおっしゃっていらっしゃるんですが。園部さんは、御皇族の意見も反映することは望ましいと言っていらっしゃいますし、秋篠宮殿下は、去年の十一月、私若しくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあってもよいというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、御皇室の御意見を聞く努力といいますか、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) 皇室制度というのは、法律すなわち皇室典範で定められた制度の問題であります。広く国民各層の議論を踏まえた上で、これは政府と国会において決めるべきものだと考えています。
 将来の皇室の御活動の在り方などについては、お考えをお酌み取りするような努力というのは必要かとは思いますが、何よりその皇室の方々が国政に関与したと受け取られないように、これは十分に配慮していく必要はあると思います。
○山谷えり子君 もちろん十分な配慮はしなければなりません。しかし、平成十七年、皇室典範に関する有識者会議ですね、小泉内閣のときにつくられた、というふうに言われているんですが、実はこれ、橋本内閣時代に、古川官房副長官に橋本総理が指示をなさって、内々に内閣官房と内閣法制局と宮内庁が非公式検討会をつくって、平成十六年五月に極秘文書ができていた。それがそのまんま平成十七年の有識者会議、それ多分御存じないと思いますよ。私は、そのとき安倍官房長官の政務官で、準備担当室の担当でしたから。
 それで、橋本総理がこういうことを言っていらっしゃるんです、新聞のインタビューに答えて。
 有識者会議の議論をどう見るか。プロセス、手順に非常に不満を持っている。私は皇室の中にも幾つかの意見があることを知っていたので、古川君に皇族方の意見を聞くよう勧めたが、答えはノーだった。私は諦めが悪いので、さらに、皇室の全員から聞けなんて言っていない。しかし、せめて皇室の最長老の三笠宮様ぐらいからは聞くべきではないかと勧めたが、聞き入れられなかった。三笠宮様は戦前の皇室も、占領行政下の皇室も、旧十一宮家の臣籍降下も知っておられ、今日までずっと皇室を見ておられた。少なくとも三笠宮様の御意見は伺っておくべきだったと思う。私だったら、あんな見え見えの形で有識者会議をつくり、座長に皇室の意見は聞かないなんて言わせない。無礼であり、少なくとも非礼だ。果たしてあの人たちが本当に国民を代表する人選だろうかと。
 これ、どう思われますか。
○国務大臣(藤村修君) このときは、これ、有識者会議という形で、この有識者の皆様が様々議論をされ、こういう最終的に多分平成十七年十一月に報告書を出されたという会議でありました。今回は、こういう会議体をつくらずに、様々な御意見を広くお伺いするという今やり方で、このときのやり方とは大分趣が違うと思います。
 それは、そういうヒアリングをする中で、あるいは国会での様々な御議論も生み出される、あるいはメディアを通しての国民各界各層の御意見も集まるということを今期待しているところでございます。何か取りまとめをするということではございません。
○山谷えり子君 ですから、平成十七年のときは、有識者会議が報告書を出す前に、既に平成十六年の五月に内閣官房と内閣法制局、宮内庁非公式検討会でもうつくられていたんです。そして、その流れをくんで、今もまた園部さんが同じ流れの中でやろうとしていらっしゃるんですよ。これ、十分に注意しないと。
 秋篠宮妃殿下が御懐妊後も、強引にこの皇室典範改正準備室は報告書のとおりにやろうとしたんですよ。それで、私答弁見ていましたけれども、こんな答弁じゃ駄目だとか、記者会見でも安倍官房長官はそのペーパー読まなかったですよ。そういう、事務方が何か意図を持って何かをしようとしているという可能性があるわけですから、非常に注意深く官房長官としては目配りをしていただきたいと思います。
 皆様のお手元に資料があると思うんですけれども、参考資料、自民党山谷えり子、出典宮内庁と書いてあるこの資料を見ていただきたいと思います。
 これは、羽毛田長官が野田総理に持っていらした資料なんです。「皇室の系図」というのが一枚目に書いてあります。そして、「皇室の構成」ということで、皇族方の御年齢などが書いてありますね。それから「皇室典範」、それから「皇室典範問題について」といって報告書等々が書かれているんですが、一番最後のページに、現在、皇太子殿下、秋篠宮殿下の次の世代の皇位継承資格者は、悠仁親王殿下お一方であり、安定的な皇位継承を確保するという意味では、将来の不安が解消されているわけではないと書いてありますね。ですから、ここを議論しなければいけないんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) ですから、今回、女性皇族の皇室離脱ということについて主に御議論をいただくところではありますが、ただ、検討をいただく対象としては、例えば象徴天皇制度と皇室の御活動の意義について、あるいは今後皇室の御活動の維持が困難となることについて、それから皇室の御活動維持の方策について、それから女性皇族に婚姻後も皇族の身分を保持いただくとする場合の制度の在り方について、皇室典範改正に関する議論の進め方についてなど、ヒアリング事項についてはこれら掲げまして、それで、それぞれの項目について全員がそれぞれ御発言をしていらっしゃることではないかとは思いますが、このそれぞれのテーマそれぞれについて、またそれぞれの方が御意見を開陳されていると、このように聞いています。
○山谷えり子君 ですから、羽毛田長官が野田総理にお持ちになられたペーパーの中に、安定的な皇位継承を確保するという意味では将来の不安が解消されているわけではないと書いてあるわけですから、この安定的な皇位継承を確保するというこの視点を本質的な問題としてとらえて、これからいろいろなことを進めていただきたいと思います。
 それから、もう一つの、旧宮家系図というのがございます。これは、いろいろな報道で出たものを私の事務所で作成し直したものなんですけれども、昭和二十二年の宮家皇籍離脱の際の当主は太字枠で書かれております。GHQの方針で離脱させられた十一宮家でございます。この山階宮、賀陽宮、久邇宮、梨本宮、朝香宮、東久邇宮、竹田宮、北白川宮、伏見宮、閑院宮、東伏見宮、たまたまこれ、右から読んでいるんですけれども。
 これ、よく見ていただきますと、旧宮家のうち、竹田、北白川、朝香、東久邇の四家の御当主様は、それぞれ明治天皇の皇女と御結婚されておられます。昭和天皇は、久邇宮家から皇后をお迎えになられておられます。東久邇家には昭和天皇の第一皇女が嫁がれておられます。旧宮家と現在の皇室は御親族としてとても近い血縁関係にありますし、もちろん適格性、妥当性、いろいろなことを考えていくことは大切でありましょうが、旧宮家のある方々に復帰していただく、あるいは、女性しかおられない今現在の現宮家の中に旧宮家の男系男子が養子にお入りになられるのはどうかというような御意見をお持ちの方もいらっしゃいますが、その辺の検討はいかがなりますでしょうか。
○国務大臣(藤村修君) ですから、この検討を政府がないし何か内閣官房がリードするわけではなしに、今は様々な御意見をいただいているという段階でございます。その検討の内容としては、先ほどもちょっと申しましたように、皇室の御活動維持の方策についてということにおいては、様々今後のことについて御意見が今賜れると思っています。
○山谷えり子君 私のふるさとの福井、足羽神社という、私がちっちゃいころ、遊び場でした。第二十六代継体天皇のお像がございます。子供心に不思議に思っておりました。
 継体天皇のことを質問、事前通告しておりますので、ちょっと説明をしていただけますか。
○国務大臣(藤村修君) これだけ細かくなりますと、事前通告をいただいて述べたいと思います。
 継体天皇は、第二十六代天皇であるが、先代の第二十五代武烈天皇が崩御されたときにお世継ぎがなかったので、第十五代応神天皇の五世の孫であった継体天皇が迎え入れられ、即位されたと、このように聞いております。
○山谷えり子君 武烈天皇からは十親等、二百年の時があります。しかし、そうしても、とにかく万世一系、男系をつないでいくんだという様々な工夫がこれまであったわけです。この圧倒的に美しい伝統文化を守ろうとする、君臣一体になった思いですね、これは本当に大切にしなければいけないことだと思います。
 皇籍を離脱するときに当たって、昭和二十二年ですね、当時の加藤進宮内次官は、万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとの御自覚の下で身をお慎みになっていただきたいとの言葉もあったと言われております。ところが、平成十七年の有識者会議では、旧皇族は、既に六十年近く一般国民として過ごしており、また、今上陛下との共通の祖先は約六百年前の室町時代まで遡る遠い血筋、国民の理解と支持を得るのは困難と、こう根拠なく決め付けているんですね。アンケート、国民の世論調査でも、やはりそうした議論はすべきではないかという人の方がむしろ多いんですよね、今の現段階の。
 ですから、やはり様々な視点から、安定的な皇位継承を確保するというこの議論をきちんと同時に、本質的な議論なんですからしていただきたいと思いますが、再度御答弁お願いします。
○国務大臣(藤村修君) 今、山谷委員のおっしゃること、それは有識者の中からも多分出てくる案件だと思います。
 昭和二十二年に十一宮家、五十一方ですか、が皇室を離脱されたということで、その離脱された方々がかつての、今さっき歴史を言っていただきましたが、かつてにも離脱されてまた復活されたというふうなケースもありますし、それらは今後、様々な有識者の御議論、御意見を聞いていくことになろうと思います。
 私が今ここでこうすべきだ、ああすべきだと言う、また言うべきでないと思っています。
○山谷えり子君 御皇室のいやさか、繁栄が永遠に続くようにというのが国民の願いでございます。国論が二つ、二分されるようなことがあってはなりません。敬意と慎みを持って議論をしていただきたいと思います。今の本当に民主党政権のいろいろな行動を見ておりますと心配でなりませんので、本当に慎重に敬意を持って行っていただきたいと思います。
 さて次に、海洋政策にお話を移させていただきます。
 日本というのは、面積は世界で六十番目ですが、排他的経済水域、資源とか漁業ができる排他的経済水域、二百海里、三百七十キロですね、それを入れますと世界第六位の海洋国家でございます。それで、その排他的経済水域、EEZと言われていますが、それの根拠になる基点の島が九十九あります。ところが、三十九、名前が付いておりませんでした。
 私は領土議連の会長として、九十六名の超党派の議連なんですが、八年ばかり会長をやっておりまして、名前付けてくれ付けてくれと。藤村官房長官は今年、三十九、命名をなさっていただいたというか、まあ海洋政策局がやったんですけれども。
 三月二日に尖閣の近く、尖閣の諸島の中の四つの島を命名なさいましたけれども、この四つの島の名前をおっしゃってください。
○国務大臣(藤村修君) 久場島周辺の北西小島、それから北小島、それから北東小島と、それから大正島周辺の北小島の四島かと思います。
○山谷えり子君 そうしましたら、中国はすぐに七十一か所を命名してまいりましたし、また以前から中国は、日本のこの名前を付けるという行為は違法で無効だと言っていたわけでございます。しかし、日本の島なんですから、名前を付けるのは当然であります。
 今後、EEZ基点付近の島もたくさんあるわけですから、これ幾つぐらい、それは数え方によって何千あるいは万を超える、そういうレベルだと思いますけれども、どのぐらいのスケジュール感で名前を付けていらっしゃるおつもりですか。
○国務大臣(藤村修君) 私も領海の、つまり外縁を根拠付ける離島というものは、これは非常に重要な日本の今後のまたテーマになっています。
 今何千とおっしゃいましたが、多分二千数百に及ぶのかなということを聞いております。
 平成二十四年度以降もこのEEZ、離島と同様に名称を確認し、不明なものについては地図、海図に記載する名称を決定していく予定としたいと思います。現在その、まだ対象数が二千幾らというのが確定をしておりませんので、その確認、それから今後のスケジュールなど検討に入ったところであります。
○山谷えり子君 その二千数百なのか数千なのか、それは次々と段階を踏んで、まず優先順位からやっていただきたいというふうに思うんですけれども。
 昨年八月、政府は離島の二十三か所を国有化というか、台帳にきちんと記載したと。ところが、尖閣の四つの島については記載しておりません。これはなぜですか。
○国務大臣(藤村修君) 今お尋ねは国有化についてですね。
 離島の基本方針及び平成二十二年七月に閣議決定しました排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する基本計画というものに基づいて、排他的経済水域の安定的な保全に資することを目的に、EEZの基礎となる離島の低潮線周辺の土地について当該離島の近傍の航路標識又は水路測量標を根拠に、海保庁がこれ行政財産として二十三地区を所有する手続は、これ昨年八月に完了いたしました。
 今の国有化、国有財産化という場合に、EEZの基点とする離島のうち当該離島の周辺に本土又は所有者が明確な離島がない国内法上無主、主がない、無主のものについて実施したところであります。
 久場島周辺の小島、あるいは久場島の所有者に久場島の一部として既に所有されているという認識になっていまして、また大正島周辺の離島については大正島の一部として従来からこれ国有財産であるため、今般の国有財産化の対象とならなかったものであります。
○山谷えり子君 それは、平時ならそういう定義でいいんですよ。しかし、尖閣は違います。中国が自分の島だなんてとんでもないことを言っている島々なんですから、今命名した四つの島ですね、北小島、北西小島、北東小島、北小島、これはやはりきちんと台帳に記載すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 所有権が明確になっているということから、今記載をしていないところでありますが、所有権が明確になっていないものについてもこれ無主、主があるかどうか確認をこれ慎重に行った上で無主、主がないと判明した場合は台帳登録を行っていきたいと考えます。
○山谷えり子君 そうしますと、三月に尖閣諸島の四つのEEZの基点の島に名前付けましたね。それは誰か個人所有しているんですか。
○国務大臣(藤村修君) 三月一日に名称を確定させた尖閣周辺四島につきましては、まず久場島周辺三島、それから大正島周辺一島でありますが、久場島の土地は私有財産、それから大正島の土地は国有財産として不動産登記がされているところであります。
 久場島周辺の離島は久場島の所有者に久場島の一部として、これ先ほど言ったことと重なりますが、所有されているという認識です。また、大正島周辺の離島については、大正島の一部として従来から国有財産であるという認識であります。
○山谷えり子君 それは個人所有者に確認なさいましたか。
○国務大臣(藤村修君) これから確認いたします。
○山谷えり子君 そうなんですよ、何にもしていないんですよ。だから聞いているんです。
 本当に中国は一昨年、海島保護法というような、島の名前をだあっと付けて防衛の最前線、環境資源の最前線つくっていくんだって、だあっと名前を付けていってるんですよ、今。昨年なんかはフィリピンの島に中国の島だって標識立てちゃったんですよ。三週間後、フィリピン軍は標識引っこ抜きに行きましたよ。どうするんですか、日本は、そんなことになって。ちゃんと四つの、尖閣諸島の付近の今命名した四つの島ですね、これちゃんと台帳に記載するか、本当に個人所有なのか確かめて、そんなことないと思いますよ。これ国有化で記帳すべきだと、記入すべきだと思いますね。
 もう一回。
○国務大臣(藤村修君) 貴重な御意見として承りました。
○山谷えり子君 また是非、後日、記入したということを確かめたいと思いますので、記入したら記者会見で発表していただきたいというふうに思います。
 北方領土の日は二月七日ですが、竹島の日は何日でしょうか。
○副大臣(山根隆治君) これは、島根県が条例の中で竹島の日を二月二十二日というふうに定めていると承知しております。
○山谷えり子君 なぜ閣議決定しないんですか。
○国務大臣(藤村修君) 北方領土問題と、これは二月七日ですが、竹島二月二十二日、これは県が命名したということでありますが、それぞれの今日までの経緯、あるいは状況等を踏まえて、それぞれの問題についてこれは十分に慎重に対応しているというのが現時点であります。
○山谷えり子君 全然説明になっていないんですけれども、予算も、北方領土に関して二十億円、竹島に関しては二千万円と、もう全然予算の規模が違うんです。
 内閣府に領土、領海を守る部署をつくって、そして竹島の日をすぐにでも閣議決定していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 竹島問題に対する我が国の立場というのは一貫しています。それで、領土問題というのが我が国の主権にかかわる極めて重要な問題で、オールジャパンであらゆる情報や知恵を集めて、それを基に問題解決に当たっていくべき問題と、このようにとらえております。
 そうした考えに基づき、御指摘の体制整備という面も含めて、我が国の立場を確保し主張していく上でより有効な方策について政府として不断に検討していきたいと考えております。
○山谷えり子君 今のは答弁になっていないんですよ。オールジャパンの体制になっていないから閣議決定してオールジャパンの体制をつくってくれって言っているんですから。いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 不断に検討してまいります。
○山谷えり子君 そんなこと言ったら韓国は、そうか、竹島、独島は韓国のものだって日本政府は認めたんだなと思われますよ、今の答弁。撤回してください。
○国務大臣(藤村修君) 竹島については我が国の立場は一貫しており、引き続き、かかる立場に基づいて、韓国側に対しては受け入れられないものは受け入れられない旨しっかり伝えて、これは粘り強く対応してきているところであります。
○山谷えり子君 国際世論を味方にするために国際司法裁判所にもう一回提訴し直す時期だと思います。昭和二十年代、三十年代に一回ずつやっておりましたけれども、今提訴すべき時期だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) おっしゃっていただいたとおり、一九五四年とそれから六二年に竹島の領有権に関する問題を国際司法裁判所に付託することを提案しましたが、これは双方が受け入れないとそのまさにテーブルにのらないということで、いずれも過去二回の場合、韓国がこれを拒否して現状に至っている状況でございます。
 今おっしゃったのは、だからまた今やるべきというお考えなので、貴重な御意見としてお受け止めしたいと思います。
○山谷えり子君 だから、今もう一度提訴して、なぜ韓国はのらないんだということを国際世論に訴えるときだと思います。
 昨年一年間も、民主党政権になって竹島の実効支配、韓国は強化するばかりですね。ファッションショーは開かれる、音楽会は開かれる、サーファーを送って竹島の前でサーフィンさせて、竹島、独島は韓国のすばらしいリゾート地だなんて宣伝はするわ、宿泊施設四十人のはできるわ、ヘリポートはできるわ、今度、海中公園まで設計する。それから、竹島の横一キロに、海の上に十五階建ての海洋科学基地、今、組立て、韓国の国内でやっていますよ。だからこそ、今国際司法裁判所に提訴して我が国の立場を言う、そしてなぜのってきてくれないんだ、韓国はということを命懸けで訴えるべきじゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 例えば、昨年十二月に行われました首脳会談の前日、十二月十七日には、玄葉外務大臣から千英宇青瓦台外交安保首席秘書官に対し、韓国国会議員の竹島訪問やあるいは韓国による施設の構築の中止を申し入れたところであります。
 また、この一月の玄葉外務大臣による外交演説においては、最近の竹島をめぐる状況を踏まえて、我々が受け入れられないものは受け入れられないと竹島問題に係る我が国政府の基本的な方針を改めて述べたところであります。
 政府としては、このような努力を引き続き粘り強く行っていきたいと考えます。
○山谷えり子君 本当に質問に答えていなくて、もう韓国政府は笑っていますね、きっとこの今の委員会のやり取りを聞いて。
 四月十一日、憲政記念館で竹島問題の早期解決を求める東京集会が、私が会長を務めております領土議連と竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議との共催で予定しています。なぜこれをやるか。オールジャパンにするためなんですよ、政府がやらないから。だから、憲政記念館で竹島の日を全国展開するために集会を開くんです。韓国の実効支配の強化をこれ以上許してはなりません。
 昨年八月一日、自民党議員三人が鬱陵島に行こうとしたものの、入国を拒否されました。そのとき日本政府は、入国拒否の法的根拠を示せ、今後いろいろな旅行で入国する場合も入れないのか、それから前例、過去にも他国の国会議員などが入国できなかった事例があるのか、この三点を説明しろと言いましたね、昨年の八月一日。
 説明もらいましたか、韓国から。
○副大臣(山根隆治君) まず第一点の入国拒否の法的な根拠でありますけれども、これにつきましては、韓国の立場から、韓国出入国管理法第十一条に基づく措置であるという回答を得ております。
 また、将来、入国を拒否された三人の議員の方が韓国に別目的で入国しようとする場合、入国することはできるのかと、こういうことにつきましては、これは議員交流などのために韓国を訪問するのであれば韓国への訪問は問題がないという述べ方をされているところでございます。
 そしてまた、入国拒否の前例についての質問については、これについては明らかにする必要はないという立場を明らかにしているところでございます。
 以上でございます。
○山谷えり子君 入国拒否の法的根拠として十一条を挙げられましたが、十一条の法文、読んでください。
○副大臣(山根隆治君) ちょっとお待ちください。法務部長官は、次の各号の一に該当する外国人に対しては入国を禁止することができるという規定がございまして、この中で、大韓民国の利益や公共の安全を害する行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者という記述がございます。
○山谷えり子君 韓国の利益と公共の安全ですか、を害する……
○副大臣(山根隆治君) 大韓民国の利益や公共の安全を害する行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者という記述でございます。
○山谷えり子君 それはテロリストのような方たちのことを言うのであって、我が自民党、自民党の国会議員三人、日本政府として、それ認めちゃうんですか。
○副大臣(山根隆治君) 非常に私どもとしても、今、山谷委員がお持ちの思いというのを共有しているものがございまして、これらについては私たちが了解するものではありません。
○山谷えり子君 最初からそういうふうに答弁してほしかったんですよ。こんな法的根拠を理由に入国拒否した、あってはならないと抗議し続けなきゃいけないんでしょう。最初の答弁、何ですか、あれ。全くやっていないということじゃないですか。
 これから抗議していくんでしょうね、撤回させるまで。いかがですか。
○副大臣(山根隆治君) 私たちの立場は同じで、最初に申し上げた答弁は、このような回答があったということを申し上げたものであります。
 これを我々は了としているわけではございません。非常に遺憾な韓国の措置だというふうに思っております。これからも、いろいろな場を通じまして、こうした問題についても私たちの思いというのを伝えていきたいというふうに思っております。
○山谷えり子君 そうしましたら、今日、こういうやり取りがあったんですよ、山根副大臣。韓国の大使館へ行って、全部議事録見せて抗議してきてください、そして回答を下さい。よろしくお願いします。
○副大臣(山根隆治君) 今直ちにその旨抗議してというのは、いろいろなルートがあるわけでございますから、そうした場を通じてということで、今の御提案は御提案として受け取らせていただきますけれども、今後とも、様々な場面で私たちの思いを伝えていくというつもりであります。
○山谷えり子君 去年の八月は、もう抗議すると言ったんですね。あれから七か月たって、もうトーンダウンしちゃって、諦めちゃっているんですよ、今の答弁ね。情けないですね。頑張ってください。今、立場上この場ではそういう答えしかないかもしれないけれども、頑張ってください。
 本年二月二十二日の竹島の日の案内を、島根県で行われる案内状を、官房長官、外務大臣、文科大臣など、農水大臣などにお出ししましたんですけれども、島根県が。公務の日程などの都合により欠席、また代理も欠席。浅野議員の質問主意書で答弁しておりますが、この四月十一日の憲政記念館での東京集会は公務の間ででも出席できると思います。案内状をお出しいたしますので、是非御出席いただきたいんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤村修君) 既に案内をいただきました。総理、官房長官、外務大臣等、政府関係者が今招待を受けているというふうに承知しております。政府としての対応というのは、過去の様々な集会等、そういう政府としての出席実績などなど、様々これは検討が必要だと思います。
○山谷えり子君 溝口善兵衛島根県知事も、閣僚が会場に来て話してもらうことが重要だとおっしゃっていらっしゃるんですよ。さっきもオールジャパンで取り組んでいくって答弁なさいましたでしょう。これは今の答弁からいえば、必然的にこのオールジャパンの集会に竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議と超党派の領土議連の主催なんです。是非来ていただきたいと思います。民主党の議員さんもいっぱい入っていらっしゃいます。いかがですか。
○国務大臣(藤村修君) 検討させていただきます。
○山谷えり子君 それでは、四月十一日、憲政記念館でお会いしたいと思います。
 次に、遺骨収集についてお伺いします。
 三月十四日、硫黄島で二年ぶりに日米合同追悼式が営まれました。硫黄島は第二次世界大戦の激戦地で、日本兵約二万人、米兵約七千人が戦死しました。硫黄島だけではなく、まだ世界各地に帰国できていない御遺骨がたくさんございます。
 私は、硫黄島の作業にも参りましたけれども、御遺族が父さんを探したいと言ってもう一生懸命やっていらっしゃるんですね。御遺族や関係者も御高齢となりまして、昨今の遺骨帰還事業は困難を極めております。速やかに全ての御遺骨が祖国日本に帰れるよう万全の体制をお願いしたいんですけれども、帰還事業の予算、重点地域、方針等々ございましたら、お願いします。
○政府参考人(森岡雅人君) さきの大戦での戦没者の御遺骨の帰還につきましては、国の責務として全戦域にわたって実施することが必要と考え、事業を実施しているところでございます。
 平成二十四年度の予算案におきましては、十三億一千八百四十八万円の予算を計上しているところでございまして、特に硫黄島につきまして、硫黄島からの遺骨帰還のための特命チームで昨年十一月に策定されました硫黄島からの遺骨帰還プランに基づきまして、御遺族やボランティア等の参加を得まして集中的に遺骨帰還を実施するということとしているところでございます。
 また、ソ連抑留中死亡者の遺骨帰還につきましても、いわゆるシベリア特措法に基づきまして、昨年八月閣議決定いたしました強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針に沿いまして、民間団体等の協力も得ながら積極的に遺骨帰還に取り組むということにしているところでございます。
 その他の戦域につきましても、地域の実情に応じ、民間団体等の協力も得ながら、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○山谷えり子君 フィリピンにおける日本人戦没者でない方が混じっていたという、御遺骨の中に、その後はどうなりましたか、疑惑については。
○政府参考人(森岡雅人君) フィリピンの遺骨帰還事業におきまして、旧日本兵以外の遺骨が混入しているのではないかとの疑惑に関しましては、細川前厚生労働大臣の御指示によりまして、職員や法人類学者の専門家を現地に派遣し、調査するなどの検証を行いまして、昨年十月、検証結果を報告したところでございます。
 検証結果におきましては、これまで帰還しました御遺骨にフィリピン人のものが混入しているという事実は認められなかったところでございますけれども、今後疑惑が持たれるということがないよう見直しを行うということにしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、現在遺骨帰還事業の再開に向けましてフィリピン当局と事業の見直しにつきましての協議を行っているところでございまして、できる限り早期に事業を再開したいと考えているところでございます。
○山谷えり子君 ニューギニアの方の帰還事業も困難を極めておりまして、御遺族の方あるいは戦友の方たちからお話聞きましたけれども、これはほかの地域のみんなそうだと思います。それぞれの困難があります。
 効率的に帰還事業を行うため、情報収集や事前調査に必要な専門職員を外務省は所要の大使館に配置してほしい、また、各国大使は当該国と交渉して、全戦域の関係地方行政組織を通じて情報が入手できるようにしてほしい、また、人員、地域、回数、期間の増加と、へき地、遠隔地へのヘリコプターや船の積極的な利用など、効率的に事業が進むよう図られたいというような要望が多数寄せられておりますが、これは外務省、厚労省、それぞれ何か答弁できるところがあれば教えてください。
○政府参考人(森岡雅人君) まず、厚生労働省の事務方から先にお答えさせていただきます。
 東部ニューギニアにおきましては、残存遺骨情報が少なくなってきたということから、平成十八年度から未送還遺骨帰還情報収集事業を活用しまして、民間団体の協力も得ながら一柱でも多くの御遺骨を帰還できるよう努めているところでございます。また、今度の平成二十四年度予算案におきましては、東部ニューギニアでの遺骨帰還に結び付けられますよう、オーストラリアの公文書館等に情報があるということが判明しておりますので、そういったところに存在する戦勝国の保管資料等についても調査したいというふうに考えているところでございます。
○副大臣(山根隆治君) 遺骨収集のための専門職員の配置という問題もあろうかと思いますけれども、これについては、定員をめぐる状況が非常に厳しい昨今でございますけれども、人員配置に伴う困難は大きいわけでありますが、引き続き適正な配置ができるように努めて、努力をさせていただきたいと思っております。
○山谷えり子君 本当に世界各地に行動する山根副大臣であります、行動の副大臣でございますので期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 古川科学技術政策・宇宙開発担当大臣、済みません、お待たせいたしまして、「はやぶさ」についてお聞きしたいと思うんです。
 二〇一〇年六月に帰還した「はやぶさ」、あの映画も見ました。幾つかありますが、私が見たのは、「はやぶさ遥かなる帰還」という渡辺謙さんの主演のものでございましたけれども、映画館の中で皆さん感動して泣いていらっしゃいました。
 ところが、その次の「はやぶさ2」プロジェクトが非常に難航している、理由はお金がないからだということなんですが、二〇一二年度の予算の要求と結局付いた額、それぞれお答えください。
○政府参考人(加藤善一君) 御説明いたします。
 文部科学省、それから宇宙航空開発研究機構、JAXAでございますけれども、では、世界で初めて月以外の天体からサンプルの回収に成功しました「はやぶさ」、先ほどございました「はやぶさ」初号機の成果を発展させまして、生命の材料となった水、それから有機物の起源を探るプロジェクトとして「はやぶさ2」、御質問ございました、の開発に取り組んでございます。
 この「はやぶさ2」につきましては、到達を目指している小惑星との位置関係がございまして打ち上げ機会が限られてございまして、平成二十六年度に打ち上げる必要がございます。そのため、平成二十四年度予算案につきまして、「はやぶさ2」の探査機の開発、それから地上設備の整備に必要な経費として三十億円を現在計上しているところでございます。
○山谷えり子君 二〇一二年度の予算要求、七十三億円なさったんですよ。ところが、付いた金額は三十億円だったんです。しかも、文科省枠ではなくて日本再生重点化措置という枠だったんですね。打ち上げは、今おっしゃられましたように二十六年度、もう時間ないですよね。それに対して、探査機の設計・製作費に百六十億円掛かると見られている、打ち上げ費に百億円掛かると見られている。それなのに、あと二年後を目指して打ち上げようというときに、これどうやって三十億円でやれるんですか。関係者はやめろと言うのに等しいっておっしゃっていらっしゃいますよね。どうしてこんな世界のみんなが息をのんだプロジェクト、その「はやぶさ2」、次のプロジェクトですね、なぜこんなむごい仕打ちをするのか。
 古川大臣、我が国の宇宙開発技術の中でプロジェクトが、「はやぶさ2」が占める意義について教えてください。
○国務大臣(古川元久君) 山谷委員も映画を御覧になられたというふうにおっしゃいましたけれども、私も見ました。それに、私は、宇宙に行った山崎飛行士やあるいは古川飛行士と同じように、「ウルトラセブン」を見て、あるいは「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道スリーナイン」を見て、ああいうのに憧れて大きくなった人間でございますから、やっぱり宇宙があの「はやぶさ」に象徴されるように大変国民に自信と希望を与えると、そういった意味では、宇宙開発の意義というものは、これは「はやぶさ」によって再認識されたんだと思います。
 この国会にも私どもまさにこの宇宙開発、そして宇宙の利用というのを国家戦略としてしっかり取り組んでいく、そのための体制を強化する、この法案も提案をさせていただいております。これは、元々超党派の議員立法でできた宇宙基本法、それをベースにしているものでございます。そういった意味では、私どもは、この今回の「はやぶさ」の帰還というのが非常に日本の優れた宇宙科学の技術というものを示したと。そういった意味では、こうした強みをしっかり今後とも生かしていく、そしてまた世界に対して発信をしていくということが極めて重要なことだというふうに認識をいたしております。
 そういった意味で、先ほど文科省からも御答弁がありましたが、この「はやぶさ2」についてはしっかり二十六年度には打ち上げをできるように、それは今後の中で予算措置もとっていきたいと思っています。
 来年度について申し上げますと、これは山谷委員も御存じかと思いますけれども、昨年の震災のときに大変役に立ちました地球観測衛星、陸域観測技術衛星「だいち」ALOS1というのが、これが今ちょっと壊れちゃっていまして使えない状況にあります。そういった意味では、この後継機のALOS2、これをやっぱり、今、地震があってまたいつ、これ日本、どこで、これこそ私の地元の東海地方も、委員長も地元でございますけれども、首都圏直下型も含め、いつまた大きな地震あるいは津波というものが起きるか分からないと。そういう中では、こういうのを、このALOS1の後継機、これを相対的に優先すべきだろうと。予算の作成作業の中でそういう判断を政府・与党として行って、そちらの方を重点化したわけでございますけれども、「はやぶさ2」については、これは平成二十二年の八月に宇宙戦略本部の下でしっかり実現をしていこうということは決定をいたしております。
 この「はやぶさ2」プロジェクトについては、委員も御承知だと思いますけれども、この平成二十六年の打ち上げ時期を逃すと、これは十年先にならないと打ち上げにとって好ましい適切な時期がないというような状況でありますから、そういった意味では、ちゃんと平成二十六年に打ち上げられると、そこはやっぱり守っていかなければいけないと思っています。
 多分、映画の中でも、川口先生の役をやっていた渡辺謙さんの多分述懐のところじゃなかったかと思いますけれども、せりふだったんじゃないかと思いますが、宇宙にかかわっている方でいうと、大体これ宇宙のこういうプロジェクトって十年計画ですね、短くても。そういうことを考えますと、一生にかかわって打ち上げられるのは三つぐらいだと、衛星で言えば三機ぐらいだと、そういう話がありました。そういうものでありますから、やっぱりこれ決めたことはきちんと実現をしていかなければいけないと思っています。
 そういった意味では、今申し上げたように、来年度予算については、文科省の当初の要求どおりには付きませんでしたけれども、しっかり二十六年度に予定どおり打ち上げができるように、これは責任を持ってやってまいりたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 本当に意味が分からないです。
 「はやぶさ2」が目指す小惑星1999JU3、この小惑星と地球の軌道があるので二年後には打ち上げないともう十年間は打ち上げられないと、そのとおりなんですね。そして、二年後に打ち上げたいから、もう削って削って七十三億円要求したんですよ。それを三十億円に削られちゃったんですよ。大きな意義が「はやぶさ2」にはあると言いながら、一方でALOS1が壊れちゃったからって、理由になりませんよ、そんなの。何の関係もないじゃないですか。それはそれ、これはこれですよ。ALOS1のそれは後継機造ればいいですよ。だけれども、「はやぶさ2」は「はやぶさ2」ですよ。このイオンエンジンがどれだけの世界中にインパクトを持ったか。あるいはバッテリー技術ですね。これはイノベーションそのものですよ。世界のバッテリー変えていくかも分からないんです。
 古川大臣は、イノベーション、イノベーション、イノベーション、もう山のようにイノベーションなんていう言葉を使っていますが、イノベーションという意味を教えてください。
○国務大臣(古川元久君) イノベーションというのは、科学技術だけじゃなくて、様々な、要するに発想を変えていく、いろいろな、異質なものが混ざり合っている、新たな考え方を変えると。言ってみれば、アウト・オブ・ボックスな発想の中で新しいものが生まれていく。
 そういう意味で、日本語で簡単にこれ訳せないからそのままイノベーションという言葉を使っているわけでありますけれども、相当幅の広い意味だというふうに考えております。
 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、ちゃんと二十六年に打ち上げができるように、そこはしっかり私どもとしてもやってまいりたいというふうに思っております。そういう意味では、いろいろ御心配をしていらっしゃる皆さん方もいらっしゃるかもしれませんが、ここは政府として責任を持って二十六年には打ち上げられるように準備を行ってまいりたいと思いますので、御理解をいただきたいと思っております。
○山谷えり子君 根拠なく言われても、御理解なんかできません。
 JAXAの関係者、報道によれば、現在の予算額では優先順位から考えるとやめろという回答に近いと言っているんですよ。二年後に打ち上げる探査機の設計、製作費に百六十億円掛るんですよ。それを今年三十億円でどうやってやるんですか。全て成功するとは限りません。試行錯誤の中で二年掛けてやっていこうという中で、今年三十億円で手足縛っちゃったら何にもできないんですよ。じゃ、来年百三十億円付けるんですか。そういう問題じゃないんです。今年付けなきゃいけないんですよ。補正予算で、補正で上乗せすべきだと思います。日本再生重点化措置ですからね。工夫すれば予算付きますよ、今からでも。工夫してください。いかがですか。
○国務大臣(古川元久君) 御意見として承っておきたいと思います。
○山谷えり子君 今の答弁は全くやる気がないということですから、今までずっとしゃべってきた十五分、一体何なんですか。
 アメリカは、オシリス・レックス計画って、これ二〇一六年に飛ばそうとしているんですね。もう世界の競争の中で日本は負けちゃいますよ。科学技術に国境はない、しかし科学者に祖国はあると、これは有名なパスツールの言葉ですけれども。日本、日の丸のプロジェクト大事にしてください。そういう気持ちはないんですかね。
 イノベーションというのは、確かにそうですよ。科学技術の単なる革新じゃなくて、それが社会的、経済的、文化的、様々な総合的な乗数効果が高い、そういうものなんですよ。そしてこの「はやぶさ2」がまさにそれなんですよ。それを見殺しにするというのはどういうことですか。
 もう一回答弁お願いします。
○国務大臣(古川元久君) ですから、先ほどから申し上げておりますように、きちんと二十六年に打ち上げできるようにやってまいりたいというふうに申し上げておるわけでございます。
○山谷えり子君 今年三十億円でどうやって二年後に、この全部で二百六十億円、打ち上げ費まで入れて、二年後に、どうやってやるんですか。予算付けるんですか。
○政府参考人(加藤善一君) 御説明いたします。
 私どもといたしましても、その「はやぶさ2」につきましては大変重要なプロジェクトと考えてございまして、平成二十四年度の予算案につきましては、要求に対して満額の措置ではございませんでしたけれども、開発スケジュール等の調整などによりまして平成二十六年度打ち上げが可能であるというふうに私ども現在考えてございます。
 いずれにしましても、文部科学省といたしましても二十六年度の打ち上げが実現できますように、あらゆる努力をしてまいりたいと考えてございます。
○山谷えり子君 今、小惑星イトカワから取ってきたカプセルが全国を回っておりまして、八十三万人の来場者がいる。もうみんな老若男女、特に若者は科学技術立国日本への思いをはせているわけですよ。ここでこの「はやぶさ2」のプロジェクトを殺してしまうということはあり得ないと思います。事業仕分で何で二番じゃ駄目なんですかと言ったそれと同じ発想なんです、皆さんは。国益を損なうことが平気なんです。鈍感なんです。我らの祖国日本に対して冷た過ぎます。意味が分かりません。根拠なく平成二十六年度の打ち上げ予定どおりやりますって、意味が分かりません。
 分かるようにもう一回、古川大臣、お願いします。
○国務大臣(古川元久君) 私ども、もう繰り返しになって恐縮でございますが、きちんとこれは、「はやぶさ2」については、戦略本部でも決めて、そして二十六年度打ち上げに向けて進めていくということでございますので、それをしっかりやってまいりたいというふうに思っております。
○山谷えり子君 「はやぶさ2」が目指す小惑星1999JU3というのは、イトカワより遠くて火星に近くて、水があったのではないかと思われている。ジャガイモに似た形で、イトカワはピーナッツみたいでしたけれども、ジャガイモに似た形で、九百メートルぐらいの小惑星だと言われています。有機物を含むので、宇宙空間から生命誕生の謎に迫れるかという、こういうすばらしいプロジェクトです。
 そして、技術面でも、エンジンやバッテリーの技術、様々な部品ですね、イノベーションの可能性が一つ一つにある、そうしたプロジェクトなんです。
 立場上、今の委員会ではそういう木で鼻をくくったようなお答えしかできないかもしれませんけど、役所に戻って情熱を燃やして、この日の丸プロジェクト、「はやぶさ2」が成功できるように、欧米に負けないように。世界中の科学者がもうひっくり返ってびっくりしたんですよ、日本って何てすごい国なんだ。負けないように、古川大臣、これは大臣だからこそできる仕事でございます。頑張ってください。
○国務大臣(古川元久君) 御激励ありがとうございます。
○山谷えり子君 何のために政治家になったか、今それをやるべきときなんですよ。頑張ってください。
 ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上をもって山谷えり子君の質問は終了いたします。