国会での活動報告詳細

2012年3月28日
【委員会 質疑】 参議院 予算委員会

参議院予算委員会 平成二十四年三月二十六日
○委員長(石井一君) 次に、山谷えり子さんの質疑をお願いいたします。山谷さん。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 今日は外交防衛の集中審議でございますが、私、午前午後とわたりますので、よろしくお願いいたします。
 集中審議の前に一点確認したいことがございます。それは皇室制度に関する有識者ヒアリングなんですけれども、民主党政権というのは本当に、天皇陛下、御皇室の皆様、国柄への理解というものが、敬意というものがないと思います。数々の御無礼をお働きでございます。
 それで、現在、今上陛下、百二十五代でいらっしゃいます。お父さん、お父さん、お父さん、お父さんとたどっていくと第一代の神武天皇にたどり着く。万世一系、男系でずっとつないできているこの美しい国柄を重く受け止めるというふうに野田総理は何回か答弁でお答えになっていらっしゃいました。
 その一方で、女性宮家創設ということも言っていらっしゃるんです。女性宮家と言った場合、皇位継承の問題に絡んできます。私はその点を詰めまして、先週、藤村官房長官は、宮家という定義は曖昧だし、今後使わないようにしたいというふうにお答えになられたんですね。野田総理も同じお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 女性皇族が御結婚をされた場合の話でどうしようかという議論をしてきて、昨年の十一月ぐらいですか、女性宮家という形で報道で扱われるようになりました。それに沿って私どもも言葉を使った嫌いがあると思います。その点は山谷委員から先般、官房長官に御指摘ございましたが、私もその点はよく十分注意して、言葉遣いを気を付けていきたいというふうに思います。
○山谷えり子君 内閣官房参与に任命なさいました園部逸夫さんですね、ヒアリングにも同席なさる、この方は元々、女性・女系天皇論者でありまして、十七年の有識者会議でもそのような報告書を座長代理としてまとめられた。また、昨年の末にも新聞のインタビューに答えて、女性宮家を創設した場合、女性皇族の配偶者や女系となるその子供を皇族に含めるかどうかの議論が生じるだろう、これは難しい問題だと。確かに難しい問題です。そして、その後、仰天しました。だけど現段階で議論する必要はないと。こんなむちゃくちゃな方はおかしいと思いませんか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 園部先生については、小泉内閣のときにもいろいろ御見識を示されていたとは承知をしておりますが、今回は様々なお立場の方から公平にお話を聞いていただくということが園部先生の今回の役割でございますので、その点は私は踏まえていただけるものというふうに思っております。
○山谷えり子君 そうしますと、政府としては野田総理は女性宮家創設という言葉は使わないし、宮家とは全く関係ない問題だと。
 そもそも宮家というのはどういう法的な存在なんでしょうか、どうなんでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 法的な制度としては位置付けられていないというふうに私は思っています。独立して一家を成す皇族に対する一般的な呼称だというふうに思います。
○山谷えり子君 それはどなたのおぼしめしによりそのようなことになるのでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おぼしめしといいますか、これ天皇陛下のおぼしめしによって皇族に対してその宮号というのは賜るものであるということで理解をしていますし、その意味では現在は六宮家だということでございます。
○山谷えり子君 今、野田総理は全く理解していらっしゃらなくて、後ろから答弁書をもらってお答えになられたんですね。
 本当にその程度の内閣でございますので、国論を二分するような議論にはなさらないように、慎重に、敬意を持って、私どもは自民党政権のときにこのような本当に重い問題はしなければならないと思っておりますので、全く理解のない民主党政権は議論を進め過ぎるべきでないというふうに思っております。そのことを御自覚いただければというふうに思います。
 さて、先ほど佐藤同僚議員が、グーグルマップに竹島は韓国の領土として書かれていると。竹島の日というのは閣議決定されていますでしょうか。総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 北方領土の日というのは閣議決定されていますけれども、竹島の日というのはそういう閣議で決めたということはございません。
○山谷えり子君 政府はオールジャパンで竹島問題の解決に取り組んでいくと言っていらっしゃいます。それならば、二月七日北方領土の日、閣議決定、二月二十二日島根県が決めた竹島の日、これを早速に閣議決定していただきたいと思います。いかがですか、総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは、そういう日をこれまでも、島根県はそういう日をつくりました、国としてその議論はまだ十分されていないと思うんです。というのは、北方領土は間違いなく領土の四島の帰属の問題があります。だけど、この竹島についてはもう我が国固有のまさに領土である、歴史的にも国際法的にも。ということを踏まえると、どういう考えに持っていくかということはちょっといろんな議論があるのではないでしょうか。
○山谷えり子君 そういう答えをするから実効支配、韓国が強化してくるんですよ。昨年一年間、何が起きたんですか。竹島でファッションショーは開かれるわ、音楽会は開かれるわ、四十人泊まれる宿泊施設は造られるわ、ヘリポートは造られるわ、今大きな防波堤と海中公園まで造ろうとしていますよ。それから、竹島の横一キロには海の上に十五階建ての海洋科学基地を今組み立てているところですよ。閣議決定するのは当たり前じゃないですか。もう一回おっしゃってください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 竹島の日を設けてそれを閣議決定すべきであると、こういう御提案だと思います。一つの考え方だと思いますけれども、どうしたらこの竹島という、まさに我が国固有の領土ではあるけれども、領土問題、これは存在をしています。この領土問題を平和的に解決していくかということについて、まさに最終的なそういった目標、そのことから踏まえてどういう手段がいいかということでそれぞれ総合的に検討していかなきゃいけない課題だろうというふうに考えています。
○山谷えり子君 民主党はさきの衆議院選挙で在日大韓民国民団の皆様にポスター張りをしてもらったり証紙張りをしてもらったり、物すごい、物すごい……(発言する者あり)そうです、外国人地方参政権、選挙権までお約束して、そして千葉の民団の会でも野田総理は、皆様の御支援でもってこういうことになった、つきましては政権交代を機に両国の関係を深めたいと言ったんです。深めたいということは、向こうに引っ張られるということなんですか。
 四月十一日に憲政記念館で竹島問題の早期解決を目指す東京集会を開きます。それは、今の政権が全くオールジャパンの体制をつくってくれないからなんです。主催は、私が会長をしております超党派の領土議連九十六名。民主党も三十数名入ってくださっていますよ。それから、竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議ですね。
 招待状を出して、届いていると思いますけれども、来てくださいますね。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 政府の対応については検討中でございます。
 おっしゃるように、それぞれ超党派でそういった御案内をいただいているということは承知をしていますけれども、先ほど申し上げましたように、最終的な目標を達成するためにどういう形がよいのか、そのことを踏まえて考えていかなければならない。私自身も、外交演説も大平外相以来だということでございましたけれども、あえてああいう形で触れたわけです。
 それぞれがそれぞれ、どういう方法がよいかということは、それは様々な御提案をいただければと思います。今の点については政府で検討中だということでございます。
○山谷えり子君 溝口善兵衛島根県知事は、閣僚がこの四月十一日、憲政記念館に来てくださってお話をしてくださることが重要だと言っていらっしゃるんですね。近いですよ、本当に。三分も掛かりません。是非、四月十一日、憲政記念館でこの閣僚の皆様と総理とお会いをしたいと思います。
 さて、人工衛星と称する弾道ミサイルが北朝鮮から発射されようとしております。昨日の韓国当局の発表では、ミサイル本体が東倉里の発射基地に運ばれた。日本政府も当然把握していらっしゃると思います。発射台はもう五十メートルという物すごい大きさなんですよね。
 これ、燃料注入の準備が始まるときはどのように、田中大臣、把握されますか。
○国務大臣(田中直紀君) 防衛省といたしましては、情報本部があります。それで、発射台の状況についてはいろいろな手段で把握をするところでありますし、その把握はこれからできるんではないかと思います。
○山谷えり子君 東倉里の発射基地の燃料補給の装置はどこの場所にありますか。
○国務大臣(田中直紀君) 今までの基地ではない基地でございますが、その近くに補給するというものはあるんではないかということは考えられるわけでありますが、具体的なことについては今お話しする状況ではございません。
○山谷えり子君 そこの場所は偵察衛星で捕捉できる場所ですか。
○委員長(石井一君) 渡辺副大臣、あなた分かるか。渡辺副大臣。(発言する者あり)いや、私、ちょっと指名させてください、これはやや細部にわたることですから。どうぞ。
○副大臣(渡辺周君) 報道は承知をしております。地下にいわゆる燃料補給基地があるということを報道されていることは承知をしておりますし、また、ここから先は防衛機密に触れる部分ですから大臣が申し上げたように詳細には申し上げられませんけれども、当然、五十メートルの東倉里の発射台にそのような弾道ミサイルが立てかけられて、どのような形で進行しているかということについては、様々な周辺情報を我々としては最大限把握をして、その前兆をつかめるように最大限の努力をしていくところでございます。
○山谷えり子君 そうなんです。燃料注入は地下で行われるという最新式。しかも、短時間で自動で行われるという。
 田中大臣、私、事前通告これしてるんですが、なぜ副大臣が代わりに。私、副大臣は要求しておりません。おっしゃってください、今の。何でこうなるんでしょう。
○国務大臣(田中直紀君) 私からどの程度のお話をしていいかということは、防衛省としての立場もございますが、先生には、そういう話がございましたら、私も相談をして先生には御説明を申し上げるという機会を設けたいと思います。
○山谷えり子君 そうしますと、副大臣は答えられるけれども大臣は答えられないということなんですね。ちょっと意味が分かりません。
 今の燃料注入に関しては、佐藤同僚議員がおっしゃられた、自衛隊法第七十六条の、我が国にミサイルなどが飛来するおそれがあると認められる場合で武力攻撃に当たると認められる場合というふうに解釈してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(田中直紀君) 今のところ、攻撃の意図があるというふうには認識をしていないわけでありますので、防衛出動をするということは今のところ考えておらないのが状況でございます。
○山谷えり子君 今のところ、弾道ミサイルなどが我が国に飛来するおそれがあるとは認められないから七十六条ではなく八十二条の三の三項でいくということなんですね。この判断はどうしてなさったんですか。
○国務大臣(田中直紀君) これからの判断だということになります。
 前回の場合には、八十三条の、二条でありますが、今は三条の三項ということになりますが、これからの状況でございますけれども、万全な体制を組みつつ、そしてまた手順を踏んで、そして判断をしていくということでございます。
○山谷えり子君 八十二条の三の三項でやるという方針であるようでございますが、では、いざというときにこの迎撃の命令を下すのは、どこでどなたがなさるんでしょうか。
○国務大臣(田中直紀君) 私が判断をすることでございます。
○山谷えり子君 PAC3、イージス艦のSM3が失敗してPAC3、これを大臣が命令なさるんですか。瞬間的なことを言っているんですよ。
○国務大臣(田中直紀君) 前回もそうでありますが、航空総隊司令官が、私から指示をいたしておきまして、そして判断をするということになるわけでございます。
○山谷えり子君 そうなんです。航空総隊司令官がなさるんです。当然、いろいろな打合せをお話しなさっていらっしゃると思います。今、どこからその命令をなさいますか、その方は。
○国務大臣(田中直紀君) 齊藤という司令官とお会いしております。そしてまた、今、府中でございますが、今月中に横田に異動するということでございますし、私は大臣室から直接ないしは幕僚長を通じて話をするということにも準備をいたしております。
○山谷えり子君 先日は島尻議員の質問に十分に答えられなかったんですね、田中大臣は。今日は答えられると思います。
 必要と判断するという根拠を教えてください。
○国務大臣(田中直紀君) やはり、実際に必要なということは、我が国の領土に、領空にその侵犯があるというような判断の下に判断をするところでございます。
○山谷えり子君 それは内局の方あるいは制服の方、どのような状況の中でその判断なさるんですか。
○国務大臣(田中直紀君) 先ほど、航空総隊司令官が指示するわけでありますが、このBMD、統合任務部隊司令というものを設置をして、そして兼務をしていただくわけでありまして、その統合任務部隊と内局との連絡もございますし、省内としてはいろいろなチャンネルで連携を取りながら、実動部隊と、そしてまた内局と、そしてまた統幕長傘下と、そしてまた私ども政務三役が連携を取るわけでありますが、最終的には私が判断をして指示をするということになります。
○山谷えり子君 本当にちょっとよく分からないんですが、もう一回すっきりと国民に分かるように御説明ください。
○国務大臣(田中直紀君) 今、外交努力をいたしておりますし、周辺の状況あるいは北朝鮮の状況などを、政府としてあるいは防衛省として総合的に判断をして、必要な場合には対処するということになるわけでございます。
○山谷えり子君 何を見て状況として判断するのか、背広、制服組、どのような役割を果たしているのかと、整理を聞いているんです。
○委員長(石井一君) それじゃ、一度、渡辺副大臣。
○副大臣(渡辺周君) 第一義的には、早期の警戒衛星が、これ当然監視をしています。そして、赤外線を探知して、その赤外線を探知したもので当然瞬時にその軌道、角度等を計算しますから、そうすると、どの飛翔経路を通ってどこに着弾するであろうかということについては、コンピューターでかなり早い時間に計算できますので、当然その飛翔の航路を計算して所要の措置をとることが考えられます。そのときには、当然、在日米軍それから日本の航空総隊司令部と情報を共有して、イージス艦や南西諸島等に配備されているPAC3とも情報を共有しますので、それによって対応をすることが検討をされております。
○山谷えり子君 今フラッシュがばばっと光っているんですが、本当に大臣の代わりに副大臣が御答弁になる。フラッシュが万光放つ委員会、総理一人は孤独にありて。人事を丸投げするからこういうことになるんですよ。恥ずかしいと思いませんか。党内融和がこの結果なんですか。いかがですか、責任は。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 決して人事、丸投げをしたということはございません。私なりの適材適所の判断をしました。その責任については、私が任命責任は負っておりますけれども、私の判断でございます。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) ちょっと静粛にしてください。
○山谷えり子君 本当に適材適所という、もう一回辞書を調べて私、本当に理解したいと思います。理解できません、今の状態では。
 一昨年、私、拉致議連の副会長をしておりまして、韓国でみんなで、仲間で行きました。そして、政府の幹部、国会の幹部、そして与党の幹部、いろいろな方と議論いたしまして、朝鮮半島で雪崩のようなことが起きるかもしれないというふうに言われました。救出のための自衛隊法改正の御検討をお願いいたします。──いや、それでは、次にいたします。午後にいたします。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) それでは、午前の議論はこの程度にいたします。
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することにいたします。休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十四年度総予算三案を一括して議題とし、外交及び安全保障等に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。山谷えり子さん。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 田中防衛大臣にお伺いします。午前からの積み残しなんですが、朝鮮半島で雪崩のようなことが起きた場合に、拉致の被害者を助け出さなければなりません、また、韓国にいる日本人を輸送しなければなりません。今の自衛隊法では、外務大臣が要請し、総理が承認し、防衛大臣が命令を下すということになっている。ところが、安全が確保された場合という条件が付いているんです。これは非常に矛盾がありまして、安全じゃない、必ずしもないからこそ自衛隊が輸送に行くわけでありますから、自民党は自衛隊法の改正案を出しております。田中防衛大臣は、現行法を改正しなければ、自民党案を今検討していただけているとは思いますけれども、いかがお考えですか。
○国務大臣(田中直紀君) 防衛省・自衛隊は、自衛隊法第八十四条の三に基づき、邦人等の輸送の依頼が外務大臣から防衛大臣に対しましてありましたときに、輸送の安全が確保されているということを認められた場合に在外邦人等の輸送を行うことができるという、先生の御指摘のとおりだと思います。
 自民党案につきまして改正案は承知をしておるところでございますけれども、在外邦人の保護に関し、自衛隊が派遣先の外国においてどのような活動を行うかについては様々な観点から議論し検討することが重要だと思っておりますし、先生御指摘のような北朝鮮の情勢あるいは韓国との関係、こういうことをこれからも議論をさせていただきながら自民党案のことは理解はしていきますけれども、今のところ、この法案について賛成するということはできない状況でございます。
○山谷えり子君 自民党はそれでその法案を出しているんですよ、改正案を。見殺しにするということですか、今の答弁では。日本人救い出せない、見殺しにするということですか。
○国務大臣(田中直紀君) 見殺しにするということではございません。もっと運用を考えていくことは必要だと思いますが、例えば先般の東日本大震災がございました。中国の皆さん方が東北におられましたけれども、民間の新潟空港から皆さん方は一時避難されたわけであります。
 そういうふうに、官民一体で各国との友好関係なり、あるいはその関係を活用しながら最大限努力をしていくということで現在は対応してきておるところでありますが、先生の御指摘のことは国会でも大いに議論をしていく必要のある課題ではないかと私は認識をいたしております。
○山谷えり子君 田中防衛大臣、あの有名な一文がありますね。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」、このことに関しては共感なさいますか、それともおかしいなと思われますか。
○国務大臣(田中直紀君) 憲法の平和主義を前文でうたっておるということでございますし、その前提というものを理解をしつつ、憲法が成立をしておるわけでありますが、しかし憲法議論の中では、前文においてもそれぞれこの必要性については、あるいはこの認識ということについては憲法学者でも議論があるわけであります。
 これから憲法調査会の中でいろいろと議論をされることではないかと思います。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) あなたの見解を問うておるようであります。どうぞ。
○国務大臣(田中直紀君) 憲法を尊重いたしますが、防衛大臣といたしましては、万が一の緊急のことについては常に念頭に置いて対処をしていかなければいけないというふうに認識をいたしております。
○山谷えり子君 平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して。北朝鮮は弾道ミサイルを発射する、拉致をした、そして今の自衛隊法では、朝鮮半島で雪崩のようなことが起きても、田中防衛大臣は助けに行くための法改正をする気がないということですね。
 いいです、田中大臣に聞いているんです。
○国務大臣(田中直紀君) 国会で大いに議論をしていくべき課題だと思っておりますので、私もその認識を持って臨みたいと思います。
○山谷えり子君 大臣は、せっかくその大臣のポストにいらっしゃるんですから、問題意識をしっかり持って議論をリードしていただきたいと思います。ただ座っていればいいというものじゃないんですよ。
 尖閣に関して、EEZ、排他的経済水域の基点となる九十九の島のうち残り三十九の島の名前を付けてくださいました。そして、二十三を国有台帳に記入してくださいました。しかし、尖閣の周りの四つ、これがまだ未記入で登記は済んでおりません。総理、これ登記早く済ましていただけますね。
 いや、総理です。
○国務大臣(前田武志君) 今の事実関係だけ申し上げます。
 山谷委員の御指摘でございます。昨年八月に実施した離島の国有財産化は、要するに当該離島の周辺に所有者が明確な離島がない無主のものについて実施したものであります。
 ただし、久場島の周辺の三島と、それから大正島の一島ということだと思いますが、久場島の所有者である民間人が久場島の一部として所有していると認識しておりますし、また、大正島の一島についてはこれはもう国有しておりますから、その国有財産と認識をしているわけでございます。大正島周辺の一島については、以前は名称がなかったため国有財産の台帳上には載っておりませんでしたが、三月一日の名称付与を受けて、国有財産であるということを明確にするため、三月二十三日に台帳に明記したところでございます。
○山谷えり子君 それでは、もう早速に四島明記してくださったということで、ありがとうございます。
 ところで、昨年十一月、玄葉外務大臣は、大変仲の良い記者たちとの懇談会で、尖閣は中国に差し上げればいいとおっしゃられた。これを山本一太さん、国会で追及なさいまして、一〇〇%事実無根、週刊新潮を訴える、謝罪してもらう、謝罪がなければ訴えると、法的措置をとるとおっしゃられましたが、週刊新潮は謝罪しましたか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今やり取りを行っておりまして、謝罪しておりません。
○山谷えり子君 そうしたら訴えればよろしいじゃないですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 全て用意してございます。
○山谷えり子君 謝罪してほしいというのは一回しか言ってこなくて、全然その後リアクションがないということは、これは事実なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 一〇〇%、そういったことはございません。
○山谷えり子君 訴えてほしいと思います。証人がいらっしゃるんです。私、その証人からお話聞きました。今日来てもいいというふうにおっしゃられましたので、また次回、機会がありましたら参考人としてお呼びしたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 是非連れてきてください。もうどんなことあっても言っていませんので、全ての記者が否定しております、そこにいた記者ですよ、十七、八人か十人くらいいたんじゃないでしょうか。全員に聞き取っていただいて結構でございますし、どうぞその方を連れてきていただければと思います。
○山谷えり子君 十七、八人もおりませんし、ではそれは、じゃ、後ほどまた引き続きやりたいというふうに思います。
 それから、中国の日本の大使館が建築基準がちょっとおかしかったということで、なかなか建築許可が下りなかったと。そこで、中国は日本大使館に口上書というものを出すように求め、その口上書を外務大臣はオーケーして出させたと。他の国に対してこんなことやっていません。その口上書というのは、中国は公邸、領事館を造るのに広い土地が欲しい、東京や新潟や名古屋の土地について便宜を図ってほしいと。まあ新潟は既に売られてしまって、玄葉さんがどうしてこんなに広いのが必要なのかと今更ながら言っているという間抜けな状況でございますが、二月二日、衆議院の予算委員会で土地の要請はあったと、中国から、答弁していらっしゃるんですよ。具体的にどんな要請でしたか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、中国側から、在日公館施設のための土地の取得も含め種々の要望が出されていたということであります。ただ、そういったことに対して私は絶対に駄目であるという指示をいたしております。したがって、これはたしか二〇〇八年、政権交代前のことでありますけれども、通報しなければいけなかったそのミスに付け込んだのかどうなのか分かりませんけれども、様々なかなか物事が進んでいないという中で、まさに今おっしゃったように口上書は出しましたけれども、この口上書というのは他国に対するものと全く同じ立場を表明しているということでありまして、関連の国際法に従って国内法令の範囲内で協力する。ですから、例えば、じゃ、中国以外の国から同じように口上書を出してくれと言われれば出したいというふうに思います。他国と同じ扱いをしているということであります。
○山谷えり子君 ほかの国には出していない、中国にだけ出した、しかも土地に対しての要請があった、断ったにしてもあった。それでは、その具体的な口上書を出していただきたいと思います、文書を。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、衆議院の委員会にしっかりその中身については出させていただいております。口上書そのものを、つまり、これは外交上の政府間の文書のやり取りでありますけれども、そのまま出すということはこれは普通考えられないことは御理解いただけるとおりでありまして、ですから、他国に対するものと同じことをしていると。
 先ほど申し上げましたけれども、元々これは政権交代前にいろんなことがあった、それに対して付け込もうとした、だけれども、付け込まれるようなことをしなかったというのが私は正しい認識じゃないかというふうに思いますよ。
○山谷えり子君 尖閣に是非、港を造り、あるいは自衛隊が常駐をして守ってほしいんですが、今の口上書の件は今の答弁じゃ納得できません。是非、理事会でお諮りいただきたいと思います。
○委員長(石井一君) その御提案の件は理事会で協議いたします。
○山谷えり子君 田中防衛大臣にお伺いします。三月十六日に尖閣付近で中国の国家海洋局の調査船海監五〇が領海侵犯をいたしました。このとき、自衛隊は何をしていらっしゃいましたでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 田中防衛大臣。(発言する者あり)速記をちょっと止めて。
   〔速記中止〕
○委員長(石井一君) 速記を起こして。
 ただいま大臣席で答弁をしたのでなく、私語を発しております。閣僚席で私語を発するのはやめてください。(発言する者あり)
 それじゃ、恐縮ですが、外務大臣、今の件について一言御発言を願います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) いわゆる、そのものではありませんけれども、その内容について記したものを参議院の予算委員会の理事会にも出させていただきたいというふうに思います。
○山谷えり子君 本当に座ったまま、お行儀悪いんですよ。衆議院に出したからいいじゃねえかと。それ、やっぱり立派な外務大臣の態度とは思えませんですね。
 さっきの質問は田中防衛大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(田中直紀君) 中国の海監五〇の領海侵犯事案についての防衛省の対応でありますが、防衛省・自衛隊としては、引き続き我が国周辺海域における警戒監視活動に万全を期してきておるわけでございますし、海上保安庁を含む関係省庁と緊密に連絡して、遺漏なきように対応してきたところでございます。
 一般的に、他国の船舶が法令に違反して領海に侵入した場合には、第一義的には海上の安全と秩序の確保を任務とする海上保安庁において対処することとなっておりますが、平素から我が国周辺海域において警戒監視を強めるという形で来ておるところでございます。
○山谷えり子君 そういう質問はしておりません。
 三月十六日、尖閣周辺、海監五〇が領海侵犯していた間、自衛隊は何をしていましたか。
○国務大臣(田中直紀君) 私はたしか衆議院の安保委員会に出席をいたしておりました。それで、私がこの領空侵犯の事案というものを報告を受けましたので、直ちに私は指示をして、海上保安庁から、連絡を取りながら、警戒監視を強めるように、そしてまた空からの監視もするということで対応をしてきたわけでありますので、御質問の趣旨に合うんだと思いますが。
○山谷えり子君 空からは何で見ていらしたんですか。
○国務大臣(田中直紀君) P3Cでございます。
○山谷えり子君 しっかり守っていただきたいと思います。
 さて、お手元に資料があると思います。
 アメリカのニュージャージー州に設置されたいわゆる従軍慰安婦記念碑に刻まれているものでございますが、軍と下半身というのはいつの時代でもどこの国でも大変に悩ましい問題でございます。歴史に対して謙虚でなければいけませんけれども、しかし事実でないことにはきっちりと説明、発信していかなければならないと思います。
 野田総理、恐縮でございますが、これ外務省の仮訳なんですが、四行ほどお読みいただけますでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっと仮訳をそのまま読めということでございますので、そのまま読ませていただきますが、一九三〇年代から四五年までの間、日本帝国政府の軍によって拉致された二十万人以上の女性と少女を記憶にとどめ、慰安婦として知られる彼女たちは、誰も見過ごすべきではない人権の侵害に耐えた、我々はこのような人類に対する罪の恐ろしさを忘れまいというふうに記されております。
 この碑が立ったということについて、我々もしかるべき関係者の皆さんに申入れを行いました。この市は、一万七千人くらいの町なんですけれども、三分の一は韓国系であると。これは全米で一番多い町であります。ですから、これから引き続き状況を注視しながら適切に対応したいというふうに思っています。
○山谷えり子君 総理に伺います。日本帝国政府の軍によって拉致された二十万人以上の女性と少女、軍によって拉致されたと、これは事実でしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本政府の軍によって拉致された二十万人以上、こういう数値とか経緯とか含めて根拠がないのではないかと思います。
○山谷えり子君 根拠がなければ、ワシントンにロビイストがいないのは日本だけなんですよね、韓国は精力的にやっていらっしゃいます。これ、外交戦略の中できっちりと事実を説明していくというような外交を考えていただきたいと思います。
 続いて、二枚目なんですが、これはソウルの日本大使館前に造られた平和の碑という少女の像の前なんですが、文章はこうなっています。
 二〇一一年十二月十四日、日本軍性的奴隷問題を解決するための水曜デモが、一九九二年一月八日に日本大使館前で最初の集会を行ってから千回目を迎えた。この平和の碑は、水曜デモの精神と深い歴史を記念して立っているものであると。
 この水曜デモには、民主党の国会議員さんたち、入れ替わり立ち替わり参加していらっしゃるんですよね。
 それで、民間事業者が当時一般紙にも広告を出して、慰安婦募集、月給は幾ら幾ら、行き先はどこどこ、年齢はこのぐらいというようなことはございました。しかし、拉致、アブダクションということもありませんでしたし、セックススレーブということはなかったんですね。ジャパニーズ・ミリタリー・セクシュアル・スレーバリーって、こういうのはあったんですか、総理、お答えください。外務大臣じゃないです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経緯とか実態についてはいろんなお話がありますけれども、このことが正確なことを記されているかというと、大きく乖離しているというふうに思いますし、この碑を建てたことについては、大統領にも早く撤去するように私の方からも要請をいたしました。
○山谷えり子君 ところが、大統領は、昨年十二月十七日、京都の日韓首脳会談で、第二、第三の像ができるぞと言われている。どういうふうに説明なすったんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 相手の大統領がこの慰安婦の問題についての懸念を私に伝えたことは事実ですが、どれぐらい何を言ったかということはこれはコメントを控えたいというふうに思いますが、我が国は、法的にはもう決着しているというその立場は明確にお伝えをしております。
○山谷えり子君 法的に決着しているというのは、一九六五年の日韓基本条約のことをおっしゃっていらっしゃるんですね。今、うなずいていらっしゃいます。
 しかし、それでも道義的にはどうかということでアジア女性基金というのがつくられて、民間の皆様が寄附なさって、そして女性の皆様にお金をお渡しすることができました。歴代総理、何代にもわたって謝罪をしております。この認識は同じくしていただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一貫して、その一九六五年の日韓基本条約によって法的な立場はもう決着していることは歴代政権申し上げてきています。
 その上で、一つの考え方、人道的な支援として、アジア女性基金、かつての政権下の中で民間の御協力もいただいてつくり、そして今もそのフォローアップをしてきているということは事実でございます。
○山谷えり子君 それから、軍や官憲による強制的な連行という資料は見付からなかったんです。平成九年の国会の答弁でも内閣官房外政審議室長が言っていらっしゃいます。それから、平成十九年の政府答弁もそうでございます。
 今の野田内閣も同じでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 政府がかつて調査をいたしましたその調査結果を基本的に踏まえていると。
 おっしゃるように、証拠は出ていないけれども、ただ否定はできないと、こういうことだと思います。
○山谷えり子君 証拠は出ていない、どういうことですか、それ。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 河野官房長官談話はどういうことを書いてあるかといえば、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められる事例が数多くあり、さらに、官憲等がこれに加担したこともあったことが明らかになったと。当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われたというふうに河野官房長官の談話には記してあるというふうに承知しています。
○山谷えり子君 本当に、証拠はないけど否定できないって、おかしな答弁はなさらないでください。国家の名誉を守ることが大事でございます。
 いろんな大臣つくっていらっしゃるんだったら、国家名誉回復担当大臣をおつくりになられたらいかがですか、野田総理。
○委員長(石井一君) それじゃ、最後に、玄葉大臣、一言で総括してください。先ほどのあなたの発言に対して。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 政府の基本的な立場は、河野官房長官談話のとおりでございます。
○山谷えり子君 では、終わりにします。
○委員長(石井一君) 以上で山谷えり子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)