国会での活動報告詳細

2012年4月17日
【委員会 質疑】 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

平成二十四年四月十六日
参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。両大臣、誠に御苦労さまでございます。
 四月十三日朝七時四十分、北朝鮮はミサイルを発射いたしました。本日、参議院の本会議でミサイル発射に抗議する決議を全会一致で採択をいたしました。国際社会の明確な意思を示すために国連安保理決議を目指すように、そしてまた我が国独自の追加制裁ということも記されております。
 朝七時四十分に発射されたときに、アメリカの早期警戒情報、SEWがその兆候をキャッチいたしました。日本はこれ持っていないんですね、残念ながら。そして、アメリカから防衛省の幹部たちに、いろいろなところから情報が行っていると思います、同じ時刻に、イージス艦にもPAC3にも空自のレーダーにも入ったというふうに思っています。宮古島は照明弾を発射いたしました。八時になりますと、アメリカや韓国のニュースが当局の発表としてこのことを知らせました。
 しかし、日本の政府は誠に間抜けなことに、八時三分になりまして、全国の自治体に流すエムネットというものの中で、北朝鮮が人工衛星と称するミサイルを発射したとの一部報道があるが、我が国としては発射を確認していませんと八時三分にわざわざ誤報を流したんですね。それで、野田総理のところに情報が行ったのは八時十六分ですね、正しい情報が。つまり、三十六分掛かっているわけです。そして、広野委員もおっしゃったように、空白の四十二分と言われていましたが、田中防衛大臣が記者会見したのが八時二十三分ですね。そして、その七分後に官邸で藤村官房長官が記者会見をした。
 その午後に、私は拉致問題の自民党の特別委員会の事務局長として、官邸で藤村官房長官にお会いしました。最初のシミュレーションでは、官房長官が官邸で記者会見するのが初めの記者会見だとしていたのに、何で田中防衛大臣が先にやっちゃったのかなと言っていましたね。これ段取りはそうだったんじゃないですか。なぜ田中防衛大臣は暴走して、暴走して官房長官の前に記者会見をしたんでしょうか。
 今日本当は大臣、副大臣に来てほしかったんですが、政務官からということですので、誰が記者会見しようよと判断したんでしょうか。いかがですか。
○大臣政務官(下条みつ君) 先生の方からの記者会見行うことについて御質問でございますが、当時は、私も大臣共々、第一報を受けて、防衛省にある指揮所といいまして、下の方に入りまして、その段階の中で、非常に緊迫した段階の中で官邸と連携を取ってきたというふうに認識しております。
 政府全体としては一元的に官房長官が会見されるものと認識しておりますが、発射確認後、我が国の領域への影響は一切ないということをできるだけ早く公表したいという、その結果として、防衛省の所掌の範囲内で防衛大臣の記者会見を行わさせていただいたと、そういうことと認識しております。
○山谷えり子君 四十三分後というのはちっとも早いと思いませんね。それから、最初に官房長官が記者会見をするというお約束を田中防衛大臣は破ったといいますか、全くそういう認識が政府として統一されていなかったという、本当にこの内閣は危機管理ができるんだろうかということを、国民全体というか世界にその愚かな状態をさらしてしまったんではないかと思っております。深く反省していただきたいと思います。
 さて、四月十三日の午後、官邸に、官房長官に、自民党の拉致問題対策特別委員会、私、事務局長として、追加制裁についていろいろ要請をしてまいりました。このペーパーは当然、松原大臣お持ちですよね、事前にレクをしておりますので。その中で、新たな安保理決議の採択を目指すこととか、あるいは北朝鮮に持っていくお金、今届出ですが、下限額、その金額を引き下げること、また一回当たり及び年間の上限額を設定することというのが記されておりますけれども、松原拉致問題担当大臣は制裁というのは非常に有効であると、そして追加制裁も考えていくべきであるというような考えをお持ちと報道で発表されております。それから、お金に関しても何か言及があったと報道では言われているんですけれども、この報道は、首かしげていらっしゃいますけれども、余り正しくないんでしょうかね。
○国務大臣(松原仁君) 制裁という議論でありました。
 北朝鮮に対する措置は、核、ミサイルのほか、北朝鮮が拉致問題への誠実な対応を取っていないことも含めて、従来は制裁の理由として実施をしてまいりました。今回の事態を受け、拉致問題担当大臣として、私としては、追加制裁を求める拉致被害者の御家族の気持ちも踏まえ、発射が行われた十三日の閣僚懇談会の場において、追加制裁を行うべきと、総理、官房長官を含む閣僚の皆様に強く申し上げたところであります。
 いずれにしても、今回の事態は国連安保理決議への違反であり、国際社会の動きを主導しながら連携し、政府全体として北朝鮮に対する対応を総合的に勘案して最終的な判断を行うことになると考えております。
 なお、私としては、御質問の、おっしゃっている意味は再入国の不許可の拡大と携帯持ち出しのことだろうと思っておりますが、こういったことについても内閣全体で検討されるものと考えておりますが、拉致問題に関する戦略分科会、今回七つの分科会できておりますが、その場においても議論をしていきたいと考えております。
○山谷えり子君 松原大臣は以前、拉致議連の事務局長でいらっしゃいましたから、私たちが追加制裁について事細かく分析しながら、メニューもきちんと出しながら議論しているそのプロセスに事務局長としてかかわられているんですから、是非対策本部での議論をリードしていただきたいと思います。
 今、私はお金のことを言いましたが、再入国の不許可のことはまだ言っておりません。これから言います。
 再入国不許可の範囲を北朝鮮当局と密接な関係にある朝鮮総連副議長五名にも拡大することというこの追加制裁ですけれども、これに関してのお答えはいかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 今既に申し上げましたが、これに関しても、内閣全体で検討されるものと考えておりますが、戦略分科会において議論していきたいと思っております。
○山谷えり子君 この場ではそのような答えしかできないのかもしれませんけれども、是非、大臣、せっかく大臣になられたんですから、しっかり私たちがこれまで行動してきたことを実現していただきたいと思います。
 玄葉外務大臣は先ほど、何をすべきかと、まずは更なる挑発をさせないことだということで、国連安保理決議に明確な厳しい文言を入れたものを働きかけるというようなことに関してはかなりトーンダウンされた物言いをなさったような気がいたします。
 安倍内閣と麻生内閣のときは、核実験、ミサイルの発射に関して、武器の禁輸とか北朝鮮に出入りする船の貨物調査とか、それから金融制裁とか、具体的なことを書いて、関係各国は何をすべきかまで書いたんですよ。これ、安倍内閣のとき、私は補佐官で官邸にいました。あの日のことはよく覚えています。前々からもうシミュレーションをして、みんな緊張していました。シーファー大使に来ていただこうとか、細かいことを全てきちんとやり遂げて、そして、外務省は実は安保理決議の文案に反対したんです、こんな厳しい文案出したら中国が乗ってくるわけがない、拒否権発動されるよと。しかし、日米の連携の中で、いや、このボールでいってくれということで働きかけたんですよ。まず外務省は最初邪魔するんです、失敗すると恐ろしいから。
 ですから、そうした経験値に基づいてのことかもしれませんけれども、やはり政治判断、政治決断でリードしていくのは外務大臣のお役目なんですから。さっきの答弁を聞いていたら、全く外務省にほにょほにょほにょと抱き締められて、これ決議まで持っていこうという気概があるのかどうか不安になりましたけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 現実にどういう外交的働きかけをしているか、どういう例えば安保理で形式、内容、タイミングについて我が国の主張をしているかということについて、私は外で具体的に語ったことはこれまでありません。国際社会で発射が強行されれば明白な安保理決議違反であるわけだから、適切に安保理も含めて対応するんだと、しかるべく対応するんだと、このことをずっと繰り返して申し上げてきたわけです。その姿勢に全く変わりはありません。
 そういう意味では、私として求めてきたこと、求めているものというのは変わりません。ただ、今まさに安保理において、国際社会で確固たるメッセージを出すべく調整が行われているということでございます。
○山谷えり子君 拉致問題を抱えている日本でございます。一番最初にリードし、一番高い球を投げながらリードし続け、実現させてほしいと思います。議長声明では全くぬるい、効果がありませんので、きちんとした安保理決議を目指していただきたいと思います。
 北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査というのが安保理決議に入れられていたんですけれども、日本としては、この北朝鮮に出入りする船舶のリスト、どのようにどう動いているか、これがあるんでしょうか。松原大臣、お答えください。
○国務大臣(松原仁君) そのリストに関しては、現在ここには持ち合わせておりません。
○山谷えり子君 ここに持ち合わせていないのは、それはそれでいいんですけれども、しっかりと、これ、船の名前ころころ変わったり、私どもも一部はフォローしておりますけれども、フォローし切れない部分があります。ですから、政府として、きちんとリストをいつも持ちながら貨物検査、アメリカなどはよくやっております、そうしたことも、拉致問題を抱えている我が国でございますから、しっかりと機能させていただきたいと思います。
 さて、野田総理は二十九日から訪米なさると聞いております。松原大臣も三十日ぐらいから訪米を考えているとも聞いておるんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(松原仁君) まだそういう話にはなっておりません。
○山谷えり子君 毎年のように、拉致議連、家族会、救う会、訪米しております。拉致議連、家族会、救う会、今回は五月の六日ぐらいからまた訪米しようと思います。
 去年は松原さんは事務局長として一緒に行ってくださいました。あのとき、内閣府の東祥三副大臣が同行をしてくれました。今年も是非私たちと一緒に、松原大臣、アメリカに行ってほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 私は、今まで行ける機会は必ず行ってアメリカ側に日本の拉致問題に関する基本的な立場を説明し、また様々な事柄について、例えばテロ支援国家指定解除のときには、御案内のように、クリストファー・ヒルとも激しい議論をしてまいりました。その思いは変わりませんが、あとは日程上の問題で今調整をしているところであります。
○山谷えり子君 そうなんです。去年一緒に行ったときも、松原大臣は舌鋒鋭くアメリカ当局、議員たちに迫っておられました。財務の担当者には、金融制裁がいかに効くものであるか、更にもっとやろうじゃないかと。あるいは、テロ支援国家の再指定やってほしいというようなことを外交委員長などにも訴えた。あるいは、食糧支援というのがいかに機能しないかと、むしろ幹部のぜいたくや核、ミサイルの開発に使われてしまうんだから、食糧支援やめてほしいなどと私たち働きかけてきました。そして今回、ミサイルの発射です。
 その後に訪米なさる、これは改めてこの路線で恐らく松原大臣は働きかけを強めてくださるものというふうに思いますけれども、今の答弁はそういうことでございますね。
○国務大臣(松原仁君) どちらにしても、まだ未定の話でありますので、それ以上申し上げられません。
○山谷えり子君 今年も「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民大集会」、四月二十八日開かれます。これも毎回のように私も松原大臣も出席しているところでございますが、今年はデービッド・スネドンというアメリカの青年ですね、中国雲南省で拉致された疑いがあるということで、このワシントンの北朝鮮人権委員会、拉致の報告書にも書かれております。ケント・ギルバートさんもアメリカに行ってスネドンさんの御両親にいろんな状況を聞いてきている。このアメリカの北朝鮮人権委員会でスネドンさんを拉致ではないかと認定している。これをリードしたのがチャック・ダウンズという首席担当官です。松原さんも私も非常に懇意にしながら議論を進めてきた人でございます。
 アメリカ、このスネドンを政府として正式に認定していくという、この働きかけというか意見の交換はなさいましたでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) チャック・ダウンズ氏とは、この間も例の「Taken!」という雑誌のときに来られましたが、このお話は承ってはおりません、直接には。
○山谷えり子君 もしアメリカに行かれるなら、是非スネドンさんの御家族ともお会いして、といいますか、この集会に実はスネドンさんの兄弟二人が来日なさいます。二十七日から三十日までいらっしゃいますので、是非日本でお会いになられて、そして、もしワシントンにいらっしゃるならば、この件を是非テーマとして働きかけをしてほしいと思っていますが、いかがでしょうか。いらっしゃるときにはお会いくださいますでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) スネドン氏については、米国NGOによる報告書において、その失踪に北朝鮮が関与していることが強く疑われる旨指摘されております。スネドン氏の両親は米国政府に捜索を依頼していることも承知しております。
 これまでも日本以外の国の方で北朝鮮によって拉致された被害者がいることは明らかになっており、従来から各国との間で綿密な連携をしているわけでありますが、この四月二十九日、そのときにいらっしゃるのであれば、時間が合えばお会いしたいというふうに思います。
○山谷えり子君 かなり細かくいろいろフォローして委員会としては認定したので、アメリカに働きかけて、アメリカ人も拉致されているんだということを詰めていただきたいと思います。
 松原大臣はこの特別委員会で、今年は勝負の年であると、特定失踪者に特に言及をなさって、拉致の可能性を排除できない事案、特定失踪者、三回にわたって、短い発言の中で三回にわたって言及をしていただきました。また、今月末でしょうか、納品が、「すべての拉致被害者の帰国を目指して」という政府拉致問題対策本部のパンフレットに特定失踪者をきちんと書き記していただいた。大変な進み方だと思っています。
 是非、更に進めて、政府に専門調査会、拉致対策本部に特定失踪者を調査する専門調査会という部署をつくってほしいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) これまで政府として、北朝鮮当局による拉致の可能性を排除できない事案について、国内外の捜査、調査を進めております。御指摘の点については、現在、認定分科会において、特定失踪者問題についても関係府省間で情報交換、意見交換をしているところであり、その中で関係者等からの意見の聴取も検討してまいりたいと思います。私自身、先般、荒木さんが集めて、特定失踪者の御家族の方と意見交換をしたところであります。
 また、委員御指摘の専門部署の設置については、御指摘の趣旨を強く受け止め、まず特定失踪者問題を専属的に担当する職員を指名することというふうに考えております。今日から指名していきたいと思っております。その上で、今後の組織の在り方については引き続き研究、検討してまいりたいと、このように思っております。
 いずれにしても、拉致問題対策本部事務局、警察等の関係機関が連携を図りつつ、事案の真相解明のために取り組んでいきたいと思います。
○山谷えり子君 特定失踪者の家族の皆様から面会の様子を聞きまして、大変に心強かったと感謝していらっしゃいました。
 その上で、さらに、三組ぐらい家族を、三組ぐらいを三か月に一回ぐらいきちんとしたヒアリングをしていただける場所をつくっていただけないかということですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) そういう機会を、頻度の問題や具体的なスケジュール感というのは全体の中で考えなければいけませんが、そういう機会は私もつくる必要はあろうかと思っております。
○山谷えり子君 特定失踪者が二十四人、人権救済申立てというのを三月二十三日までに行っておりますが、これは野田総理と松原拉致問題担当大臣に対して行っているわけですけれども、せめてこの二十四人は、例えば山本美保さんも入っていらっしゃいますし、青森の木村かほるさんとかも、本当にこれまでずっといろんなことを積み上げてきた方たちが入っていらっしゃいますので、せめてこの二十四人全員はヒアリングをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) いわゆる十六人、平成十六年に十六人が、最初に荒木さん等によって日弁連を含めて救済申立て、行われたわけであります。御案内のとおり、十六人のうちの三人は、一人は松本京子さんで、二人は朝鮮籍の姉、弟ということで、十六分の三は日本の警察によって拉致認定をされておるわけであります。国籍問題がありますので、いわゆる認定被害者とは違う扱いが二人おりますけれども。
 したがって、私は、この十六名というのは確率からいって極めて拉致事案の様相が濃いものであるという認識を持っておりまして、それだけのものを特定失踪者調査会の方で絞り込んで、今度は二十四名、プラス八名でということでありますから、今委員御指摘の点については、前向きにというよりはもう是非個別に、五人、六人の少人数の割当てにしても会っていきたいと、このように思っております。
○山谷えり子君 力強い答弁、ありがとうございました。
 それから、家族が高齢化していることから家族のDNAデータを取っておいてほしいというような要望があるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 現在、特定失踪者も含め北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案について、拉致問題対策本部事務局は、警察等の関係機関と綿密に連携を図りつつ調査を進めているところであります。DNA鑑定のためのサンプル提出を御家族に求めることについては、警察の捜査等の状況も踏まえ、個別の事案に即して検討しているところであります。
 そして、国家公安委員長として、今後とも、これは個別の事案になりますが、捜査上の必要性を勘案し、試料採取を行っているのが現状でありますが、今後とも、告訴・告発事案を中心に、拉致の可能性を否定できない方の御家族からDNA型鑑定のための試料を収集することについて最大限取り組むように指導してまいりたいと思います。
 別の表現を使うならば、御家族が拉致の可能性を否定できない中で、試料を提供され、告訴、告発をされたときには、特定失踪者等の本人確認のためにDNA型鑑定をするように、国家公安委員長として警察庁を指導していきたいと思います。
○山谷えり子君 期待しておりますので、どうぞスピードを持ってお願いしたいと思います。
 それから、以前から自民党は自衛隊法の改正案を出しているところでございます。朝鮮半島で雪崩のようなことが起きたときに、これも実は松原大臣とは、おととしの十一月ですか、延坪島の砲撃の前でしたけれども、韓国に行きまして、韓国に説明してまいったところでございます。今の法体系ですと、外務大臣が総理の承認を得て、防衛大臣が自衛隊、安全である場合、確認して輸送に出すというようなことになっておりますけれども、必ずしも安全でないからこそ自衛隊の輸送機で日本人を輸送しなければならないと。拉致の被害者、あるいは韓国でビジネスしていらっしゃる方、今四万五千人ぐらいいらっしゃるんでしょうか、観光客一万五千人ぐらいいらっしゃるんでしょうか、どのように輸送するか、どうしても自衛隊法の改正が必要でございます。
 拉致議連として働きかけましたところ、民主党政権としてはなかなかやってくれないんです。菅総理は、大いに議論しようじゃないかと拉致の被害者家族の皆さんの前で言って、みんなすごく喜んだのに、一週間か二週間後に撤回してしまいました。今回こそは是非これを成立させたいんです。
 拉致議連といたしましては、先日、民主党の中井拉致問題対策本部長が是非説明に来てくれと言うので、私参りましたけれども、自衛隊法の改正、これ是非内閣として乗って、今国会で成立させたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) その問題意識は、今の法体系からすると、私は理解をいたします。その上で、今、現時点、私たちは、そういった事態になったときに遺漏なきようにどうするかということで今対策を考えていると。これは韓国にしても北朝鮮にしてもということだと思います。
 自衛隊法改正全般をどうするかということについては、今私の責任でお答えをするというわけにはまいりませんので、政府の中で検討していかなければならないだろうと、そういうふうに思います。
○国務大臣(松原仁君) 自民党から自衛隊法改正案が提出されていることは承知をしておりますが、拉致問題に関しては、いかなる場合においても拉致被害者を含めた邦人の安全確保が極めて重要であります。
 政府としては、状況に応じた対応に遺漏なきを期すのが当然であると考えておりまして、そのおっしゃっている意識は非常に理解をするところであります。
○山谷えり子君 松原大臣も理解する、そして玄葉大臣も法体系から理解できるところだということですので、期待しております。
 イラン・イラク戦争が起きたときに、サダム・フセインが、四十八時間以後、この上空を飛ぶ飛行機は撃ち落とすと言った。各国は輸送機を出して、あるいはいろんな航空機を出して自国民を自国にそれぞれ連れ戻したと。しかし、日本は自衛隊機を出せなかった。つまり、この自衛隊法の改正がないと出せないわけですね。そして、民間機も嫌がったと。結局どうしたかと。トルコの民間航空機が、二百五十人でしたか、日本人を乗せて日本にお届けくだすったんですよ。こういうことをずっとほっておいたということはもう本当にあってはならないことですし、今まさに北朝鮮状況、このような状況でありますので、法律をお通しいただきたいと思います。
 朝鮮学校の無償化に関しては、これはもう延坪島砲撃以前に戻ったどころか、もう完全に言語道断な話だということで、もうないことになったと私は理解しますが、拉致問題担当大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(松原仁君) 朝鮮学校無償化に関する問題に対しては、私は、拉致被害者御家族の切なる思いを踏まえ、これまでも慎重に対応すべきであるということを述べてまいりました。今般の北朝鮮によるミサイルと見られる飛翔体の発射を受け、私としてはその思いを更に強くしているところであります。
 いずれにしても、朝鮮学校無償化に関する問題については、総理から指示を受けて文部科学省が厳正な審査を行っているところであり、その結果を踏まえ政府全体として適切に判断されることになるものでありますが、本件は閣議にかかる事項ではありませんけれども、政府として判断される際には私としても意見を述べさせていただく所存であります。
○山谷えり子君 しっかりと意見を述べていただきたいと思いますし、もう二十四年度予算に朝鮮学校の無償化が満額入っちゃっているんですよね。しかし、全くあり得ないということを主張していただきたいと思います。
 先ほどの自衛隊法の改正ですが、今日、防衛政務官がいらしてくださっていますので、今の自衛隊法ですと安全を確認して防衛大臣が命令するということになっておりますが、必ずしも安全でないから輸送機を派遣するわけですから、この自衛隊法の改正案についてどのようにお考えか、お聞かせください。
○大臣政務官(下条みつ君) 先生おっしゃっているとおりでございますし、また御党から提出いただいたいろんな自衛隊法について、十分に私どもも吟味させていただきながら対応させていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
○山谷えり子君 今回のミサイル発射で、韓国の分析によれば七百億円ぐらい掛かったと。これは北朝鮮の八割の人々の最低の一年間の食料を賄えるだけのものです。本当にとんでもない、平和を乱すことをしたわけでございますし、私たちは拉致問題を抱えているわけでございます。しっかりと国際社会に向けて、リードする立場で拉致問題の解決、そして核・ミサイル問題の解決へ向かっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。