国会での活動報告詳細

2012年7月25日
【委員会 質疑】 参議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会

参議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会
平成24年7月25日
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 まず冒頭、今朝の新聞各社も報じておりますけれども、この社会保障と税の一体改革の特別委員会、非常に順調に充実した審議が進んでいて、今週末にも四十四時間、また、来週末には採決の環境が整うというところまで来ていますけれども、誠に遺憾ながら、衆議院の方の国対委員長、城島さんが採決を先送りするような趣旨の発言をしたと、まず手前で特例公債をやってくれと。
 これ、三党合意に反するんですけれども、政治生命を懸けるこの関連法案を採決先送りというのは一体どういうことなんでしょう。野田総理に伺います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 決して先送りをしようという考えはありません。参議院における審議における煮詰まり具合等々で、これはやっぱり参議院の理事間でこの日程については基本的にはお決めいただくものと承知をしています。
○山谷えり子君 三党合意では、まずこの関連法案を速やかに合意、成立させるということになっています。それにもかかわらず、国対委員長は全く違う方向の発言をなさったんです。
 城島国対委員長にどのように注意をなさるおつもりですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) しっかりした審議をした暁に採決をするという意味において、私と国対委員長の認識にそごがあるとは思っていません。(発言する者あり)
○委員長(高橋千秋君) 御静粛にお願いします。
○山谷えり子君 そうは言っていないのが今の国対委員長の発言なんですね。これは、衆議院で七十二人もの造反が民主党で出ました。参議院でも出るんじゃないかという、そういう疑心暗鬼から、輿石幹事長あるいは野田総理が城島さんに指示したんでしょうかね。そんなふうに読む人もいると思いますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 何か特に指示をしたということはありません。
○山谷えり子君 三党合意の信義に反するという自覚をお持ちいただきたいと思います。誠意を持って、参議院での審議なんですから、採決の環境が整えば採決していくということであります。それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もちろん、そういう環境が整えば採決ということだというふうに思います。
○山谷えり子君 続きまして、子ども・子育て関連法案でございますが、まず野田総理にお伺いしたいんですけれども、今大切なことは、親がしっかりと家庭で子供を育てられるその時間、環境をつくることだと思います。家庭教育支援というのは非常に重要だと思いますが、家庭教育支援の意義あるいは今後の進めていく方向性、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは本当かどうか分からないんですが、教えていただきたいと思うんですけれども、教育の教という、教えるという字の語源なんですが、父という字を書いて、その下に子を入れて、右に交わると書くという語源の説もあるそうなんです。すなわち、親子の交わりが教育の出発点というか原点。まさに生活習慣を身に付けたり、あるいは心身のバランスの取れた発達というのは、これはやっぱり家庭が基礎だと思うんです。その意味では家庭の教育というのはやっぱり基本であり、大事だと思いますし、改正された教育基本法の中にもきちんと位置付けられていると思います。
 問題は、その基本となる家庭教育でありますが、核家族化の進展等々いろいろあって、その基盤を実現をすることが難しい場面も出てまいりましたので、そのことを社会やあるいは様々なレベルでサポートをしていくという、その家庭教育の基盤をきちっとつくっていくことが大事だと思います。
 なお、事業としては、相談事業であるとか情報提供とか、そういうことをきめ細やかにやっていくことが大事だというふうに考えております。
○山谷えり子君 ところが、子ども・子育てのこの支援の充実、消費税から七千億円ぐらい使いたいということなんですが、まず一丁目一番地にあるのは保育園児、ゼロ歳、一歳、二歳児を増やしていく、もう五年後には五割増しにしていくということなんですね。これに三千億円以上掛けられているんじゃないかというふうに思います。
 ゼロ歳はまず家庭で、できる限り親子で育てたいというのが国民の願いです。三歳まで親が家庭でしっかりと見た方がいいという、人口問題基本調査では二十代、三十代の国民の八割がそう思っていらっしゃるんです。四十代から六十代では九割がそのように思っていらっしゃるんですね。ところが、今の民主党政権の考え方というのは、ゼロ歳児、一歳児、二歳児の保育園児を人工的に増やしていくという目標値を勝手に設定しているんです。この目標値設定の根拠は、保育所に預けたいですか、将来働きたいですかという全くいいかげんな、統一されていない調査を基に積算をしたんです。
 ワーク・ライフ・バランス、親が家庭でまずできるだけ長時間子供に寄り添うことができる、この予算は全くこの七千億円の中に含まれていません。野田総理、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の子ども・子育て支援の七千億円は、今、山谷委員がおっしゃったような使い方をするということではございません。〇・四兆円は量的拡大ですが、これは必ずしもゼロ、一、二歳だけではございませんで、放課後の児童も含めて全体に量を増やしたいということです。あとの三千億円は質を上げたいということでございます。
 委員がおっしゃるように、もちろん家族が、両親が子供を育てるというのは基本中の基本です。ただ、これはワーク・ライフ・バランス、今の働き方も変えていかなければなりませんが、働き続けること、また仕事の種類によりましても、ゼロ歳児、一歳児、二歳児を預けたい、預けなければならない人もいるので、そういう中で今必要に応じて、そこの今待機児さんが一番多いところを充実しようということなので、決して家庭での教育を否定するものではございませんし、子供を持つことと、あるいは仕事を続けながら自分らしく生きることと、そういう希望が両方ともかなうような形を整えたいと、そういうことでやっている施策でございます。
○山谷えり子君 まあ民主党の議員さん拍手していらっしゃいますけど、本当にこの資料を読んでいらっしゃるんですか。子ども・子育て支援の充実のための七千億円の内訳、一丁目一番地に来ているのが、ゼロ歳、一歳、二歳を五年後に五割増しで上げていくと。放課後児童クラブ、今、小宮山大臣がおっしゃったのなんか百億円しか付いていないじゃないですか。全く数字根拠なく、イメージだけ良さそうな、そうしたものをばらまいているんです。待機児童解消ではなくて、ゼロ、一歳、二歳の保育園児を人工的に増やしていくというこのお金の使い方、これをきちんとこれから私たちは改め直していきたいというふうに思います。
 ちなみに、保育園、一か月、ゼロ歳の赤ちゃんに幾ら国と地方と保護者で掛かっておりますでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) お答えの前に、これは三党合意でやった内容でございますので、御党の提出者にもお聞きいただければと思います。
 今のお尋ねでございますけれども、平成二十三年度の保育所運営費予算に基づき保育所を利用するゼロ歳児一人当たりの費用を試算いたしますと、月額でおよそ十七・一万円になります。
○山谷えり子君 私が示した資料は三党合意の前なんです。そして、三党合意後も政府は引き続きこの資料を使い続けているということが問題なので、法律が成立した後は予算の付け替えをさせていただきたいと思います。
 一か月にゼロ歳児一人当たりの赤ちゃんに十七万円、これは財政基盤が最も弱い地域のことをおっしゃられました。自民党は、各市町村に電話をして聞き取り調査をいたしました。財政力の豊かなところでは、一か月、ゼロ歳児一人の赤ちゃんに五十六万円掛けているところもあります。大体平均三十万円ぐらいなんです。三十万円、一人のゼロ歳児、一か月、赤ちゃんに掛かっているんです。それで子供は幸せですか。親は幸せですか。家庭基盤が充実しないと、二十年、三十年後の日本国はどんな国になりますか。そうしたことを考えたことありますか。
 お金の掛け方、フェアでしょうかね。もし、最低の十七万でもいいですよ、お母さんたちに、それはお金を配るというのは良くないかもしれないけど、十万、十数万、ああ、そうしたら働きに出るのをやめるわという方もいらっしゃるかもしれない。幾らコストが掛かっているかということもしっかりと踏まえていただきたいというふうに思います。
 さて、幼稚園にとって移行しやすいのが幼稚園型認定こども園であります。これ、認可の権限は都道府県ですが、実際、市町村の合意がなければいけないということで、これ、市町村が合意しないんですよね。非常に恣意的運用がされているのではないかと。
 小宮山大臣、政府は具体的な基準を示すとか透明化を図るとか、答弁ではおっしゃっていらっしゃるんですよ。でも、ここまで審議が進んだのですから、どのような具体的な客観的基準、方向性を示すのか、そのくらいはちょっとお答えいただきたいなと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) これまで、委員が御指摘のように、それぞれの市町村によりまして基準を満たしていても認可をしないというような裁量が利いていましたので、今回、新しい制度では、地域の学校教育、保育のニーズを把握するに当たって参酌すべき標準などを国の基本指針で定めます。また、三党合意に基づく修正によりまして、職員配置や居室の面積などの客観的な認可基準を満たして欠格事由に当たらない場合は原則認可をするということにするなど、認可制度の透明化を図ることにしています。さらに、地方自治体で円滑に実施が図られるように、国の基本指針や関係政省令の策定、これを可能な限り速やかに進めて、準備期間を十分に取りたいと思っています。
 こうした制度改革の趣旨ですとか利点が正確に理解されるように、地方公共団体と丁寧に意見交換をしながら進めていきたいと考えています。
○山谷えり子君 認定こども園への財政支援、安心こども基金というのがございます。これが平成二十年から補正でスタートしまして、期間延長、期間延長で来ておりまして、二十四年で終わるということになっているわけですね。
 この今議論している関連法案が最速でスタートしても平成二十七年です。ブランクができてしまいます。これ、安心こども基金の延長、拡充、お考えでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 子ども・子育て関連法案に関する衆議院での附帯決議で、「制度施行までの間、安心こども基金の継続・充実を含め、子ども・子育て支援の充実のために必要な予算の確保に特段の配慮を行うものとすること。」とされています。
 このような衆議院での御意見も重く受け止めまして、安心こども基金については、これは本当に子ども・子育ての支援の充実のために重要な役割を果たしてきていますので、まずは平成二十五年度の予算編成過程で財源を確保するように最大限努力をしたいと思いますし、その後、それ以降の取扱いにつきましても、ここは必ずつないでいけるように努力をしていきたいというふうに考えています。
○山谷えり子君 この安心こども基金というのは、一歳以上を受け入れなければならないというルールがありますね。ところが、幼稚園は三歳以上ですから、この一歳以上というルールは非常に現実に合っていない部分があると。例えば三歳以上にするとか、年齢の緩和というのはどのように今後お考えですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在の安心こども基金では、待機児童対策を進めるという観点から、幼稚園型の認定こども園の保育機能部分に対する支援を行う場合に、待機児童の七割を占める一、二歳児の保育を行うことを支給要件としています。これは、平成二十二年にこの基準も年齢要件を全年齢から一歳以上へと緩和をしたものです。
 認定こども園に対する取組を進めること、これも必要ですけれども、育児休業をできるだけ長く取得しやすい環境づくりを進める上で、やはりゼロ歳児の間は特に、先ほどから委員もおっしゃっているように、なるべく親子寄り添って育てた方がいいということもございますので、一歳児の受入れ体制の推進というのは特に重要だと考えていますので、御指摘の点も含めまして、今後の検討課題としたいというふうに思います。
○山谷えり子君 自民党はこの法案の八条二項で、一歳未満の子供に保護者が寄り添う育児の促進と書いたんですが、民主党の反対で削られてしまったんですね。そうなんですよ、民主党というのはそういうところなんです。とにかく社会で育てよう。それはもう哲学の違いとしか言いようがないですけれども、本当に基本を大切にしてほしいと思います。
 私立幼稚園の皆さんが非常に戸惑っているのがこの今回創設された施設型給付の創設でございますけれども、個人の頭割りという形になっていきますと、経営実態をよく調べていただければ分かると思うんですが、小規模の幼稚園、あるいは地域によってはいろいろ経営の実態が違います。ですから、この機関補助型のサポートというものも含まれるような、幼児教育の質の担保のために、そうした考え方というのは検討いただけないものでしょうか。
○衆議院議員(馳浩君) 山谷委員にお答えをします前に、先ほどからのやり取りを拝聴しておりました。私も、やっぱり衆議院で小宮山大臣にこの点の、社会で育てるという言葉の意味について御指摘をさせていただきました。大臣からは、やはり特にゼロ歳児においては保護者が責任を持つべきであり、特にお母さんが責任を持って育てるべきであるけれどもと、こういうふうな観点からの指摘があったところでありますし、その三党合意があった後の質と量を拡大するための数字についてはコンクリートされたものであるとはまだ考えておりませんし、今後、三党合意を踏まえ、同時に、推進法案にあります国民会議などにおいてきちんと検討されてなされるべきものであるというふうに私は考えております。
 その上でお答えしますけれども、この認定こども園、幼稚園、保育所、施設型給付という新たな制度についても、これはやっぱり幼稚園の皆さんが心配されるように、小さな、いわゆる規模の、定員の少ない幼稚園あるいは大都会の幼稚園などが、頭割りでお金が決まって、それを、じゃ払いますよというふうな形では安定的な経営をしていくことはできません。公の性質を持つという以上は、やはり一定の機関補助的な考え方の下に制度設計がなされるべきであると思いますし、この制度設計についても国民会議において十分な議論の上で定められるべきであると、こういうふうに私たちも考えております。
○山谷えり子君 小宮山大臣にお伺いいたします。
 今まで、幼稚園というのは教育、そして保育園というのは福祉ということで、財政支援のベースがもう本当に格段、保育園の方に重点化されていたわけですが、今回、公的な性格を持たせる、幼稚園にですね。そして垣根を低くしていくということで、お互い、相互の財政支援の再調整というんですか、整合性を図るというんですか、そうした取組があってもいいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、親の働き方にかかわらず、全ての子供に学校教育、保育をということから、基本的には委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。
 新しい制度では、認定こども園、幼稚園、保育園、これに共通する給付として施設型給付を創設をします。この施設型給付では、三歳以上の子供には標準的な学校教育の時間に対応する給付を保障します。そして、保育を必要とする子供には、保護者の就労時間などに応じた保育に対応する給付を保障することにしています。具体的なその額などにつきましては、制度施行までの間に、施設基準などとの関係も考慮しながら、全体として整合性の取れた給付になるように、子ども・子育て会議での議論を経て検討をしていきたいというふうに考えています。
○山谷えり子君 新制度ではまた幼稚園に縛りが掛かるんじゃないかという不安を持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。なぜならば、今回、市町村が幼稚園、公定価格というようなものを決める、それから入園者も義務付けるというような、希望者。そうしたことがあると、建学の精神を生かした、あるいは特色ある幼稚園としての取組ができなくなるんではないかと。
 この規制の在り方、自由な取組を守るという、その理念についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 新しい制度の下では、幼稚園も含めて施設型給付の対象であるということの確認を受けることができるということです。その場合は、保育料については、質の確保された教育、保育を提供するために必要な水準として設定された公定価格がこれは基本になります。また、施設型給付の支給認定を受けた子供の保護者から利用の申込みを受けたときは、正当な理由がなければこれは拒んではならないという応諾義務もあるということになります。
 ただし、保育料につきましては、現在の幼稚園が保護者との自由契約によって独自に保育料を設定している、このことも考慮をして、一定の要件の下で保育料の上乗せ徴収、これを認めることにしています。また、応諾義務につきましても、定員に空きがない場合などを除いて受入れを拒否できないことになりますけれども、定員以上に応募がある場合は、抽せん、先着順といった選考方法に加えまして、従来どおり、建学の精神に基づく設置者が定める選考も可能となるようにしてあります。
 今回の新制度の仕組み、全ての子供たちに教育、保育に係る給付を保障するという考え方と私立学校の建学の精神との調和、それを図ったものだと考えています。
 なお、どうしてもその公定価格や応諾義務を受け入れることができないという幼稚園の場合は、施設型給付の対象であるという確認を受けずに従来どおり私学助成を受けて施設を運営するという選択肢も残されているということです。
○山谷えり子君 柔軟な対応の確保に心を砕いていただきたいと思います。
 今、小宮山大臣もおっしゃられたように、詳細はまだ決まっていないと。平野文部科学大臣にお伺いしたいんですが、詳細がまだ決まっていないから従来の私学助成制度でうちの園はやろうと、しかし、何年後かに、ああ、こういう形なら新しい制度の形に移ってもいいかなと思う幼稚園もあると思うんですね。それはもちろん可能なんでしょうね。
○国務大臣(平野博文君) 山谷さんの御指摘ですが、確認制度を今回取っておりますので、数年間今の私学助成を受けて幼稚園をやってきたと、しかし、今回これに入るということについては十分可能な制度になっております。
○山谷えり子君 六月の内閣委員会でも小宮山大臣とやり取りしたんですが、実は今、少子化というんですけれども、あるメーカーの千人の二十五歳から四十歳までの調査でなぜ子供を産まないんですかと聞いたら、何と四九%が妊娠しないから。経済的負担が掛かるというのは二六%だったんですね。出産適齢期ってありますかと聞きましたら、厚生労働省の方が、二十代。三十五を過ぎると非常にリスクが高くなると。確かに、お医者様たちの調べでも、三十五を過ぎると自然流産率が二〇%、四十歳を過ぎると自然流産率は四〇%になると。
 つまり、産みどきがあるんだということをもっと丁寧に若い人たちに知らせる必要があると思うんですね。欧米では、タイムクロック・キャンペーン、バイオロジカル・キャンペーン、人間の女性の体には特に妊娠・出産適齢期があるんだというようなキャンペーンをしていると。日本もそうしたキャンペーンをした方がいいのではないか、産婦人科学会などと連携しながらですね。フランスはもうそれ積極的にやっていると、私、直接聞きに行きました。
 小宮山大臣は検討しますとおっしゃられたんですが、その後一か月たちましていかがでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃること、大変重要だと思っています。特に、最近言われている、卵子が老化をするとか精子の力が落ちていくとかいうことが余り知られていなかったという、そのことは、若いときからの教育も含めて、そういう事実があるということは知る必要があるというふうに思っています。
 今、大体六組に一人が不妊ということなので、持ちたい子供が持てるようには、やっぱり、一時、マル高とかいうのをなくして適齢期はないような形が広がったというのは、ちょっとそこは誤ったことだったのかなというふうに思います。
 ただ、幾つになっても産めるということは必要ですけれども、最もいい状態の中で産むということについては、どのようにするかというのは今検討をしているところでございますので、また御意見もいただきながら、より良い形でそうしたことの知識を広げていくということも重要だというふうに考えています。
○山谷えり子君 消費税法の方に移ります。
 ここには景気条項というのがあって、附則十八条、随分この委員会でも議論をされているところでございます。名目三%、実質二%の経済成長、そのために第二項として、防災、減災、成長戦略というものに対して政策的な検討をしていくということなんですが、政府が出しましたこの前の成長戦略見ても、何だか頼りないなというような感じがするんですね。
 自民党は、国土強靱化、もう大変な議論の末にまとめました。実は、欧米もそうなんですが、橋や道路や港や下水道や、様々なインフラが今更新時期を迎えているんですね。日本は科学技術立国です。こうしたことを、いや、ばらまきではありませんよ、不必要なものを造るという意味ではありません。そうではなくて、必要なものを必要なところに造っていくという中で、科学技術、技術革新も進む、イノベーションも進む、そうすると、そうしたインフラをセットで海外に輸出して新たな富をまた生むこともできるというふうに考えております。それから、少子高齢化。本当に地方では過疎化が進んでいる。新しい多機能の都市、地方分散化、そうしたグランドデザイン、大きな絵をかいていくということも必要であります。
 ところが、民主党政権にはこの成長戦略というのが、医療、環境、何とか頑張りますとは言っているんですが、イノベーションも頑張りますとは言ってくださっているんですが、実はやっていることがまた違うんですよね。
 例えば、二番じゃ何で駄目なんですかと言ったスパコン、あれ、また一位に戻りましたよ。だけど、今また二位になっちゃっているんですね。
 それから、「はやぶさ」。国民の全てが感動して、そして世界中の学者が驚きましたよ。このイトカワからキャッチして戻ってくる。物すごい発想ですし、技術です。で、二年後に「はやぶさ2」というのを打ち上げようと思っている。この二年後を逃すと、軌道の関係で十年先まで飛ばないんです。
 ところが、この予算がとんでもないんですよ。探査機の開発、製作で、それから打ち上げ、全部で二百九十億円ぐらい掛かるんです。ところが、去年と今年で三十億円ずつしか付けていないんですよ。宇宙航空開発研究機構、大変な予算をお願いしているのに、もう絞め殺すような予算しか付けていないんですよ。専門家は、諦めろということかと、そこまで言っているんですよ。
 JAXAは寄附を集めます。ところが、一千万円しかこの「はやぶさ2」、まあインフォメーションが足りないんでしょう。
 それよりも何よりも、やっぱり国家プロジェクトなんですから、二年後、どうするんですか、あと二百三十億円。ちゃんと八月の概算要求には入れていただけるでしょうね。野田総理、いかがですか。
○国務大臣(平野博文君) 「はやぶさ」の部分につきましては、私は、帰還したということは国民に大きな感動を与えたというふうに、私自身も非常に喜んだところでございます。
 今、山谷さんから御指摘ございました、じゃ、「はやぶさ2」についてどうするんだ、今回の二年後を逃せば十年先ぐらいになってしまう、こんな話もあることは、科学技術的にあることは事実でございます。現実には、御指摘のとおり、予算措置につきましてはそれだけの予算がきちっとやれているのかということでございますが、ただ、先行して開発すべき探査技術等については六十億円、これをやっぱり付けていることは事実でございますので、御懸念のところについては十分踏まえて、私としても、「はやぶさ2」については実現できるようにしっかりと担当大臣としては頑張りたいと、かように思っております。
○山谷えり子君 何かすごい情けない、頑張りたいとか。大臣はイトカワの模型を机の前に飾っていらっしゃるのを知っていますよ、この前お部屋行ったとき。悲しいですね。予算付かないんですよね。
 野田総理、いかがですか。これ成功させましょうよ、「はやぶさ2」。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、全体として科学技術振興費、平成二十四年度で一兆四千億付けていますので、未来への投資の科学技術というのはしっかりこれからも私どもはきちっと力を入れていきたいと思います。
 その上で、宇宙に関することですが、信じてもらえないかもしれませんけれども、私は宇宙基本法の起草者の一人でありまして、日本のフロンティアは海だけではなくて宇宙もあると思っています。ロケット、衛星を飛ばす技術、しっかり持っていますし、有人飛行も、これは国際協力の下で飛行士も育ってまいりました。射場も持っています。その意味においては、私は、日本は宇宙先進国に頑張ればなり続けることができると思っています。
 その中で、「はやぶさ2」、今予算の話がありましたけれども、これ文科省ともよく相談をしながらいきたいというふうに思いますし、国民が相当成功で勇気を得たことは間違いありません。十分その意義も、探査の意義も承知をしているつもりでございます。
○山谷えり子君 ありがとうございました。二年後の成功、本当に今見えてきたような気がいたします。
 今、総理は海のこともおっしゃられましたね。そうなんですよ、日本は資源小国だと思っていたら、実は資源大国なのかもしれない。二百海里の排他的経済水域の面積は世界第六位という海洋国家ですね。そしてまた、最近、南鳥島の周辺にレアアースの泥が、これが二百年からもしかしたら二万年分ぐらいあるかもしれないという、まだ分かりません。こうしたことも、自民党は資源確保の推進法案出していますけれども、資源確保についての方針、野田総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本の国土面積は世界で六十番目です。余り大きい方ではありません。ただ、今御指摘のあったとおり、海に目を転じてみれば、海から、ピンチになることもありました、この間のような大津波のように。だけれども、逆に海をチャンスに生かしていかなければいけない、そういうフロンティアだと思います。管理できる水域、面積はこれ世界で六番目です。でも、海は立体です。体積でいうと世界で四番目です。五千メートル以上深い海は世界一持っている国です。そこには水産資源ももちろんあります、鉱物資源もあります、レアアース等々、御指摘のところあります。
 そういうものをしっかりと掘り起こしていってそれをやっぱり使っていくというのは、私は国益になると思いますので、今回、南鳥島の問題についても、南鳥島周辺も含めてでありますけれども、今年度から鉱物資源探査船「白嶺」を用いて資源量の評価に着手するとともに、海域から試料を採取、分析し、新規鉱床の発見につながるレアアース鉱床の形成メカニズム等の科学的調査を実施をしております。
 これからも我が国の海のレアアースの開発に向けて関係省庁連携の下、これレアアースだけではなくてレアメタルもありますので、そういうものも含めて強力に、メタンハイドレートもあります、そういうものの探査もしっかりやっていきたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 役所の皆さんに聞くと、やっぱり資源確保推進法というような大きな法案があった方がやりやすいんだということで、自民党出しています。政府も是非出していただきながら、今おっしゃられた野田総理の言葉が実現するように、お互い頑張ろうじゃありませんか。
 それから、国に冷たいと、これも民主党の特徴なんですね。新規国家公務員の採用なんですけれども、二十一年度の実績に比べて、平成二十三年、新規の国家公務員ですね、採用三七%減、二十四年は二六%減、平成二十五年五六%減。これ何なんですか。ええっ、党内でどんな議論を。これもう国家を弱体化、衰退させるための積極的なやり方、信じられませんよ、こんな悪魔的なことをするのは。いかがですか。
○国務大臣(岡田克也君) かつては自民党も小さな政府ということを言われたことがあると思います。私は、小さな政府という言葉は私は好きではありませんが、やはり効率的で機能する政府にはしなければならないというふうに思っております。そこで、やはりそれを実現していくためには総論賛成各論反対であってはならないというふうに考えております。全体の国家公務員の数を純減する、減らしていくということについてきちんと進めていかなければなりません。
 そこで、もう一つ新しい要素があるということを御説明しなければいけないと思います。つまり、定年を六十歳、これを六十五まで働けるようにすべきだということは国として各企業にお願いをしているところです。人事院から定年は六十五歳に延長すべきだというお声をいただきましたが、私は、それは民間の実態を見るときに、六十五までの定年延長は避けるべきだと考えて六十歳定年、しかし、その後再任用するということにいたしました。
 六十五まで働けるようにするということは、それだけ数も増えてまいります。これを定員の外に置くという考え方もありますが、私はやはり定員の中に入れてきちっと進めていかなければいけないというふうに考えております。そういうふうに考えますと、やはり相当なスリム化ということは避けられません。私は、採用の問題だけではなくて、やっぱり四十代、五十代の公務員の皆さんに何らかの形で早く辞めていただいて、我々はあっせんはいたしませんので、自らの判断で辞めていただいて、第二の人生を歩んでいただくということも強力に進めていかなくてはならないというふうに思います。そういった総合的な対策の一環としての新規採用の抑制であることを御理解いただきたいと思います。
○山谷えり子君 るる御説明いただきましたが、お聞きになられた国民はそんなふうには受け取らないと思いますよ。
 平成二十三年マイナス三七%減、次が二六%減、今度マイナス五六%減、こんなことは本当にあり得ない。自民党が政権に戻らせていただいたら、是非国家の力をしっかりとさせるというふうにまたかじを切り直したいと思います。
 民主党政権になってから、領土領海問題、北方領土、竹島、尖閣、波高くなってきております。特に尖閣、我が国の領土であることは当然でございますけれども、私は、領土議連という国会議員九十六名、民主党の議員さんも随分参加していただいています超党派の議連の会長を八年ほどやっております。八重山や石垣、宮古の漁業組合の皆様と尖閣の付近に行ってお魚も捕ってきて食べていたりして、有効活用、経済活動を活発にしようと。本当においしいんです、マグロもカツオも。すし職人さん、わあ、身の締まりがいいなと、こんなに五割増し大きいのにすごいな、これ、ブランドだよって。尖閣マグロ、尖閣カツオ、ブランドだよと言っていらっしゃるんですよね。
 それで、八月の十八日、十九日、領土議連、そして地方議員連盟、そして関係者と尖閣に参りまして慰霊祭を行おうというふうに計画しております。昭和二十年の七月三日、石垣から台湾に疎開船が行きましたけれども、米軍の爆撃機によって大破されて、漂着したのが尖閣です。戦争が終わってやっと助けに行けたんです。八月の十八日です。尖閣に助けに行って、もちろん尖閣でたくさんの方既に亡くなっておられました。十九日、石垣にお運びすることができました。亡くなられた人数は数十名、いや、百名と言う方もいらっしゃいます。
 是非、関係者は慰霊祭をしたい。上陸申請をしております。先週いたしました。そうしたら、昨日、こういう書式で出してくださいねと官邸の方から詳しい説明がございました。ということは、上陸許可していただけるんでしょうね、野田総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政府としては、これは従来から、原則として政府関係者を除き何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針を取ってきております。
 そこで、先ほど、昭和二十年の七月のまさに石垣から台湾へ疎開をしようとしていた船が二隻米軍に襲われて、一隻はたしか沈没をして、もう一隻は魚釣島に漂着をして、約、私は八十人ぐらいの方が亡くなられたというふうに承知をしています。そのための慰霊を望まれている御遺族がいらっしゃる、そのお気持ちは重く受け止めなければならないと思います。
 その上で、慰霊祭を行うための上陸申請、昨日書式は御覧になったということでございますが、事実関係を確認の上で、尖閣諸島の平穏かつ安定的維持管理のためという政府の賃借の目的等を踏まえて、内閣においてその対応を判断をさせていただきたいというふうに思います。
○山谷えり子君 土曜日にもこの地権者の方とお話しいたしまして、遺族の方からもお手紙をいただいたり、以前は尖閣で上陸して慰霊祭ができていたんだから、もし政府の許可が下りれば、どうぞ気を付けて、山谷さん、行ってきてくださいというふうに地権者から言われております。
 自民党は、私が法案提出責任者になりまして、無人国境離島を守る法案を六月に国会に提出をしております。これ、各役所との調整も済ませておりますので、政府案が、もしお出しになるなら私は是非出していただきたいと思うんですが、合意できる内容だと思います。これは、自民だ民主だというのではなくて、成立させるべき法案だと思います。
 すなわち、無人国境離島、調査がまだ済んでいないんですよ、尖閣だけではなくて。まず調査する。そして、内閣が基本方針を定めて、そして灯台や護岸工事や、あるいは定期巡回、自然保護などをしていくと。特に管理が必要な島は国が収用することができるという法律でありまして、各政党の委員会の責任者にも法案を説明しております。石原都知事のところにも説明に参りました。地権者にも説明をいたしております。ここには有効活用、利用計画につながるものが書かれておりますので、是非成立させてほしいと。
 政府は、国有化おっしゃっていらっしゃいますが、利用計画、具体的に尖閣の場合、どういうふうに考えていらっしゃるんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、ちょっと二つの御質問でしょうか、提出をされようとしている法案の評価とですね。
 平成二十一年に政権交代あったときに、平成二十一年度の最初の補正予算を我々組ませていただきました。そのときに、気付いていただかなかったかもしれませんが、南鳥島と沖ノ鳥島をより島らしくするための予算を付けたんです。そういうように、無人の離島の適切な管理を進めていくという問題意識については、これは私は御党と共有できるところがあるというふうに思っております。
 その中で、これらの離島やその周辺海域について平素から関係機関による情報収集に努めるとともに、その時々の情勢に応じて海上保安庁の哨戒体制を強化するなど、監視、警戒を厳正かつ的確に実施をしていきたいと思います。
 また、今国会には、遠方離島で発生した犯罪に海上保安官が対処できる仕組みを導入する法案を提出をしており、我が国の領土領海においてより一層迅速かつ円滑に法執行を図るための体制を整えたいと考えております。
 御党から国会に提出をされている無人国境離島の適切な管理の推進に関する法律案については、国会における御議論を政府としても注視をしてまいりたいと思います。
 なお、尖閣についてのお尋ねでございましたけれども、あくまで、これはもう我が国の歴史的に見ても国際法に見ても間違いなく固有の領土であり、有効支配をしておりますが、その中で平穏かつ安定的に維持管理をする、そういう中で様々なレベルで様々な接触をしているというのが現状でございます。
○山谷えり子君 国家の成長のためには国家の名誉を守ることが欠かせません。そこで、慰安婦問題についてお伺いいたします。
 先日の、三月の予算委員会、テレビ中継入りで、ニュージャージー州のパリセイズパーク市の公共図書館の敷地内に、二十万人の女性と少女を日本軍が拉致して慰安婦にしたというとんでもない記念碑が建ってしまったと。野田総理は、数値、経緯、根拠がないのではないかとおっしゃられましたが、その後政府は動こうとしませんでした。
 そこで、自民党は部会で決議をして、代表者四名、私も参りましたが、パリセイズパーク市に行き、市長、市議会議長、図書館長などに会って、英語できちんと、政府の文書、当時の新聞記事、民間業者が慰安婦さんを募集して、そして給料もこんなにお支払いしていたと、政府、軍は、警察、むしろ悪い業者が悪いことしないように取締りをしていたという、そうしたものを英文に直してお届けをいたしました。
 日本軍は強制連行していませんね。野田総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、今の米国における慰安婦像撤去を求める動きでありますが、政府としてもこれについては重大な関心を持ってフォローをしてきております。在外公館を通じて地元のしかるべき関係者に対して慰安婦問題についての我が国の一貫した立場を説明をしつつ、申入れを行っているということでございますので、何もやっていないという御指摘は当たらないと思います。
 それから、慰安婦問題における政府の関与については、平成五年の河野談話を発表したときの、あのときの調査を踏まえて既に考え方は公表しているところでございます。
○山谷えり子君 私たちが五月六日に行くというから、慌てて五月一日に総領事は行ったんですよ。もういいかげんなことをおっしゃらないでください。
 強制連行したとは河野談話には書いてありません。そして、平成十九年三月の閣議決定、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらないということですが、これは閣議決定を踏襲なさいますね。強制連行、見当たらなかった、していないということですね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 軍や官憲による組織的な強制連行を直接示す公文書等はなかったということは、それは調査の結果であります。
○山谷えり子君 ホワイトハウスには、この撤去と、それから国際的な嫌がらせ、インターナショナルハラスメントに加担しないでほしいという署名が一か月に三万三千以上集まったんです。二万五千以上集まるとホワイトハウスは動かなければいけません。ですから、今ホワイトハウスは動かなければいけないんです、撤去に向けて。そのためにもきちんと英文で資料を作って、私は、玄葉外務大臣にも藤村官房長官にもきちんと作って早く説明してほしいと言っているんですが、まだ説明していませんよね。だから、六月にもニューヨーク州に今度は性奴隷にしたというとんでもない、また記念碑が建ったんですよ。
 野田総理、もうちょっと真剣に撤去に向けて動いてください。そして、ホワイトハウスに正しい情報を届けてください。いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これは、平成五年の河野談話は閣議決定していませんが、その後の政権はその基本的な考え方を基本的には踏襲をしてきています。その踏襲をしている中で、先ほど言った直接軍が関与したといういわゆる文書、資料は見付からなかったということでありますけれども、その河野談話においては、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧によるなど、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになったということもあったということは、ちょっと事実としてこの河野談話の背景の調査のお話はしておかなければいけないと思います。
 その上で、その河野談話を踏まえた我々の対応であるとか、あるいはその後の女性基金をつくっての対応であるとか、そうした私どものこれまでの姿勢というものは常に御説明をしていかなければならないと思いますし、これからもやっていきたいと考えております。
○山谷えり子君 河野談話は強制連行したとは書いてありませんので、きちんと対応していただきたいと思います。
 終わります。