国会での活動報告詳細

2012年8月28日
【委員会 質疑】 参議院 予算委員会

参議院予算委員会 平成24年8月24日
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 八月十五日、尖閣、魚釣島に香港の活動家たちが不法上陸したこと、誠に遺憾であります。日本としては、そのようなことが二度と起きないように体制をしっかりつくり直さなければならないと思います。
 羽田国土交通大臣にお伺いします。八月十七日に記者会見でビデオを公開しないと言ったんですね。二年前の教訓が全く生きていない。香港のテレビ局が映像を公開したからビデオを、じゃ公開しますと言いながら、今編集作業に入っている。何日掛かっているんですか。いつ公開していただけるんですか。
○国務大臣(羽田雄一郎君) ビデオについては、海上保安庁の手法等が明らかになるということについて、しっかりと精査しなければならないというふうに思っておりますが、官房長官からも指示をいただきました。情報公開については私も大変重要だというふうに考えておりまして、そういう意味では、ビデオについて今鋭意出せるように努力をさせていただいておりまして、早急に出したいというふうに考えております。
○山谷えり子君 来週の早々と考えてよろしいですね。いかがですか。(発言する者あり)
○国務大臣(羽田雄一郎君) 近いうちに出させていただきたいというふうに思っています。
○山谷えり子君 総理、近いうちとはいつですか。
○国務大臣(羽田雄一郎君) そういう意味では、今編集をさせていただいております。そして、皆さんに理解をしていただけるようなことも含めてしっかりと精査をさせていただいておりまして、今、海上保安庁、現場においてしっかりと精査をさせていただいておりまして、なるべく早く出すように指示をさせていただいております。
○山谷えり子君 海上保安庁の皆さんは悔しがっていらっしゃると思いますよ。そして、今の答弁も本当にやる気が感じられません。
 八月十五日、羽田さんは靖国神社にお参りなさって、私もその斜め後ろで一緒にお参りいたしました。それから戦没者の追悼式典にお出になられて、それから御自宅に帰ってしまわれたんですね。八月十五日、香港の民間活動家が領海侵犯する、分かっていながらこれはどういうことでしょうか。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 八月十五日でありますけれども、靖国神社、今御指摘いただいたように御一緒に参拝をさせていただきました。また、平成二十四年全国戦没者追悼式に出席をさせていただいた後、登庁をしませんでしたけれども、その後、実は政務、公務がなくて休暇だったんですが、在京待機という形にさせていただいておりまして、必要なときにいつでも連絡ができるような状況を整えたというところであります。
 海上保安庁からは現場における対応について適切に報告を受け、また、私から海上保安庁長官に対し、法令にのっとり適切に対処という基本的な方針を直接指示をしたところであり、登庁していなかったことに問題はなかったというふうに考えております。
○山谷えり子君 危機管理上、大いに問題があったと思います。そして、民主党の政治主導というのはこの程度のものかというふうに思います。
 吉田おさむ国土交通副大臣、海上保安庁の担当ですね、彼も登庁していなかったんです。国会の答弁で、地元にいたと、海上保安庁長官から来なくていいと言われたから地元にいたんだ。これが現実なんですね。あり得ないと思います。もしかしたら、政務三役が登庁していたらかえって混乱するから、そういう判断があったのかもしれません。非常に残念な状況でありました。
 とはいえ、国土交通大臣に期待していますよ。概算要求でしっかり海上保安庁の予算取って、巡視船の増加、いろんなことを考えてほしいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 先ほどのお話ですけれども、国土交通大臣は、海上保安庁法の規定によって海上保安庁長官を指揮監督できますけれども、司法警察職員たる個々の海上保安官に対して指揮監督を行うことや海上保安庁が行う個別の案件について指揮を行う立場ではありません。ですから、海上保安庁長官にしっかりと法令にのっとりやるようにというふうに直接指示を出したところであります。そして、報告を受けてきたということであります。
 そして、海上保安庁の強化ということについては、私もしっかりと考えております。
○山谷えり子君 海上保安庁長官とともに役所できちんと危機管理に当たってほしかったということを申し上げたいと思います。概算要求では本当に頑張っていただきたいと思います。
 大臣、もう結構でございますので。ありがとうございます。
○委員長(柳田稔君) 羽田国土交通大臣は御退席いただいて結構です。御苦労さまでした。
○山谷えり子君 八月十八日、十九日、魚釣島の洋上で慰霊祭を行ってまいりました。
 テレビを御覧の皆様にちょっと御説明したいんですが、国会にはいろいろな政党を超えて政策目標を実現するために様々な議員連盟というのがあります。我が国の領土を守るために行動する議員連盟、十年ほど前につくられまして、教科書にきちんと領土の問題、主権国家としての領土教育を入れようじゃないか、竹島は日本の領土だと書こうじゃないか、NHKにお天気マークを、竹島、北方領土、付けてほしい、郵政省に、記念切手、発行しようじゃないか、いろんなことをやってきました。今、国会議員、自民、民主、たちあがれ日本、新党きづな、生活が第一、その他多くの国会議員九十八名で活動しております。八年前から私が会長を務めております。
 そして、日本は島国です。六千八百五十、島があるんです。そのうち有人島は四百二十です。国境離島の島々が今どんなふうになっているか。地方議員の皆様も本当に深刻に心配していらっしゃる。だから、地方議員連盟、領土を守るために行動する地方議員連盟というのもできております。
 そこで、二年前、中国の漁船が日本の巡視船にぶつかった。あれから日本の沖縄の、石垣の、宮古の、与那国の漁業関係者がむしろ日本の海なのに出ていくことができにくくなっているんです。中国や台湾の漁船は百隻、二百隻来て漁業をしている。かつては日本の漁業関係者は年間十五億円ぐらい漁獲量があったのに、今は全くそういうことができなくなっている。こういう状況の中で、これでいいのかと、国会議員連盟、そして地方議員連盟の皆々が地元の漁業組合の方たちと一緒に集団漁業活動をやろうじゃないかと。八月十八日、十九日は十回目だったんです。
 そして、八月十八日、十九日というのは特別な日です。昭和二十年の七月三日、石垣から台湾に疎開船が出ました。米軍の機銃掃射を受けて一隻は沈没、一隻は非常な状態の中で魚釣島に漂着して、多くの方が、八十名とも百十名とも言われております、亡くなられた。戦時中ですから迎えに行くことができません。やっと戦争が終わって、八月十八日、そして十九日に石垣に救助することができました。
 かつては、魚釣島で慰霊祭が行われたこともある。しかし、そういう状況でなくなって、昨年、石垣市長は、是非遺族の心を酌んで上陸して慰霊祭をさせてくれ。これに対して民主党政権は一年二か月返事をしていないんです。失礼な話です。
 私たち領土を守るために行動する議員連盟、そして地方議員連盟の仲間たちも、今回、上陸して慰霊させてくれと申請書を出しました。八月の十三日、却下されました。野田総理はテレビ中継で私に対して、慰霊は大事だとおっしゃられたじゃないですか。なぜ許可してくれなかったんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政府としては、従来より、原則として、政府関係者を除き何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針を取っております。その上で、御指摘の慰霊祭を魚釣島で行いたいとの領土議連の要請については、私、官房長官を含め政府部内において、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理のためという政府の賃借の目的を踏まえ、検討を行った結果、上陸を認めないとの結論となりました。
 ちなみに、御遺族のお気持ちというお話がございました。今回の上陸申請に関し遺族会の意向を確認をしたところ、遺族会におかれては、尖閣諸島が平穏な状況であることが大切であるなどとして領土議連からの上陸に対する同意要請を断ったと承知をしております。
○山谷えり子君 それは間違っております。遺族会の心を酌んで石垣市長が昨年の六月に上陸申請しているんです。私は遺族会の方に、今回一緒に申請なさいますかと聞いたら、私たちは昨年の六月に石垣市長が私たちの気持ちを酌んで申請してくださっているんだと、もちろん上陸して慰霊をしたいと、しかし政府が認めないのなら私たちはどうすることもできないと、そういうことだったんですよ。何をそういう答え言わせているんですか。恥ずかしいと思ってください。
 さて、そこで私たちは二十一隻の船をお借りして、約百五十人で夜八時半に石垣の港を出ました。朝五時に魚釣島の灯台の前に着きました。灯台の高さは五・六メートル、海岸端にあります。五秒ごとにちかっちかっと、日本の光です。しかし、いかにも頼りない、もっと立派な灯台を上の方にこれから造るべきじゃないかと思いました。御来光が朝六時十六分、みんなで拝み、そして沖縄の大きな三つの神社さんから神職が来てくださいまして、洋上で慰霊祭を行いました。この洋上慰霊祭に対してすら中国はするなと言ってきた、日本政府に。
 玄葉外務大臣、抗議してくださいましたね。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 確かに中国側からは中国独自の主張がありました。それに対してそんな申入れは当然受け入れられないと、我が国のきちっとした立場を述べたということでございます。
○山谷えり子君 私たちは出港前に、今年上陸しての慰霊祭を認めない政府の判断は間違っていると。しかし、間違っていても、その判断を仕方がない、受け入れながら、洋上慰霊祭にする。しかし来年には、上陸して慰霊できるような内閣、政権をつくりましょうということで出港したんです。しかし、七時、神事が終わって自由解散して、それぞれの皆さんが漁業活動に入られた。夕方三時か五時に港で会いましょうと言って別れた後に、十名の方が思いあふれて泳がれてしまって、上陸されたということなんですね。地方議員がそのうち五名、これは思いは察することができるというふうに思います。
 総理は、どんなふうにお考え、お感じになられましたか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の御質問の前に、遺族会について、私どもが何か仕掛けているような、圧力を掛けたようなお話がございましたが、そういうことは全くありません。真摯に声を聞いておりますし、この事案が起こった後に、慰霊祭を洋上でやられた後に、いろんな混乱が起こった後の翌日の地元の新聞を見ても、遺族会の会長の方は大変困惑をされておりました。これが私は事実ではないかと思いますので、それは正確に申し上げたいというふうに思います。
 その上で、飛び込んで上陸をされた方がいらっしゃることについての感想でありますが、先ほども申し上げたとおり、政府としては、政府関係者以外はこれ何人も上陸をしないという方針でありますので、その方針から逸脱した私は行為だというふうに思っております。
○山谷えり子君 鎮魂、慰霊というのは日本の国の中心にあることです。そのことを大切にこれからもしていただきたいというふうに思います。
 平穏かつ安定的維持管理のためとおっしゃられましたが、そうなんですか。八月十五日、上陸を許して。どんな基本方針で。上陸を阻止しよう、領海侵犯を阻止しようという基本方針ではなかったと見えますね。どういう基本方針を総理は指示あるいはオーケーと言われたんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 八月十五日というのは本当に特別な日になります。その日に残念ながら上陸を許したということは遺憾であります。
 ただし、我々の基本的な方針というのは、海上において上陸をさせないようにすることに全力を挙げるということが第一の原則でありました。それは御承知のとおり、その結果が出なかったことは、先ほど申し上げたとおり遺憾であります。その上で、万が一上陸をさせてしまった場合には、その中できちっと万全の体制で対応するということと、あるいは銃刀法や公務執行妨害等々ほかの事案、いわゆる犯罪になるような要件があるかどうかしっかりチェックをしながら、適正に日本の法令に基づいて対応すること等々の事前の方針は固めておりました。
○山谷えり子君 海上保安庁は、上陸を阻止するだけの力はあります。今回の基本方針は、接続水域に入ったら警告を出す、そして領海に入ったら放水をして進路変更させると、しかし、公務執行妨害に問わないために強制接舷とか立入検査をわざとしていないんですよ。どういうことですか、これ。
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。
 海上保安庁といたしましては、上陸をさせないという方針の下でいろんな手段を尽くしました。まず、警告を行い、進路規制といいまして、前を横切るような規制を行いまして、その後、更に領海に侵入いたしましたので、放水規制と接舷規制というのも実施をいたしました。放水は放水銃で水を掛ける規制でありますし、接舷というのは本当に真っすぐ進む船に船べりをぶつけて無理やり強制的にコースを変えるという、これはかなり危険な規制でありますが、これも実施をいたしました。
 ただ、接舷規制をずっとやれませんもので、それからまた離れるとまた更に突っ込むというような形で最終的には強行上陸をされてしまったということでありますが、そのときに、言い訳ではないんですが、気象条件もかなり影響しておりまして……(発言する者あり)いや、実は、台湾の南西方面を台風が通過しておりまして、その影響で魚釣島から東からの風がかなり強く吹いておりました。そうなりますと、向かう方向は向かい風になりますので、かなり波も立っておりまして、向かい波が立っておりまして、縦揺れが激しくて、接舷規制もかなり相当慎重にやったという状況であります。上陸した後、逃走を図ったときに二隻の巡視船で挟み打ちして停船させましたが、こちらの場合は追い風で、波も追い波で、そこは非常にやりやすかったという部分がございます。
 そういういろんな気象・海象条件も加味しながら海上保安庁としてはできる限りの規制を行ったと、それがこういう結果だということで御理解いただきたいと思います。
○山谷えり子君 強制接舷はしていません。接舷規制は、香港の活動家たちによると、二、三回あるいは三、四回、自分たちは本来上陸できないと思っていたのに、全然やってこないから上陸できてしまったんだとメディアに香港の活動家たちが答えているんですよ。
 私は、上陸させまいという基本方針であったならば、海上保安庁は必ずそれを成し遂げてくれたはずなんですよ。ということは、野田総理がそういうことをするなとおっしゃられたとしか思えないんです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今のはちょっと暴言じゃありませんか。私が上陸させることを許したということですか。
○山谷えり子君 そうではありません。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) そんなことあるわけないでしょう。冗談じゃありません。海上で全力阻止するようにというのが第一の原則でした。それに基づいて海保も一生懸命やったと思います。結果的に上陸させたことについては、これは遺憾であります。そういうことにならないような再発防止をしなければならないと思いますが、上陸を甘んじて受けるような指示なんか出すわけないでしょう。(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 委員の皆様に申し上げます。御静粛にお願いをいたします。
○山谷えり子君 基本方針の中に、絶対に上陸させるな、領海侵犯を許すなという基本方針がなかったからこういうことになったと、これ御理解いただきたいと思いますよ。
 それから、強制送還の判断は総理が政治判断でなさったと藤村官房長官が昨日お答えになられていますが、強制送還の判断、何の根拠でなさったんですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) その都度、こういう情報が入ってから、そしてこういう具体的な動きがあってから、香港の活動家の船が、乗った船舶の動き、そして我が方の対応等々、逐次危機管理監そして秘書官から連絡を受けておりまして、先ほどの対処の方針についても私が最終的に確認をさせていただいております。
 その上で、今御指摘のあった最終的な対応でありますけれども、入管法六十五条の適用については、これは第一義的には捜査機関が判断したものでありますが、その捜査機関の方針について危機管理監等から報告を受けた際、これは八月の十六日の夕刻だったと思いますけれども、このときに、報告を受けた際、捜査機関の判断を踏まえ、総理としての立場から様々な事柄を総合的に考慮して最終的な判断を下したということであります。
○山谷えり子君 公務執行妨害で立件すべきではなかったかと、石破委員も昨日、石をぶつけて、当たらなかったけれどもこれ公務執行妨害に問われたケースが、最高裁判決があったのに、なぜしなかったのかと。それから、ほかに罪を犯したという嫌疑がない場合、あるいはいろいろ国益上の観点等々、強制送還の判断というのは重かったのに、いかにも軽々しく、事務手続上のように総理はお認めになられてしまったんです。
 そして、実は強制送還していませんよ。その前日、八月十七日、強制送還された日に領土議連の宇都隆史議員がその現場を見ていたんです。テロ対策上入れてはいけない場所にわざわざメディアを入れたんですよ。そして、海上保安庁の巡視船の上にまで乗せたんですよ。そのときメディアは三十社いました。中国、香港のメディア、十社いました。三十分にもわたってヒーローインタビューをさせたんですよ。で、宇都議員が騒いだんです。何やっているんだ、テロ対策で禁止区域になっているところに何で入れたんだと。ましてや巡視船の上にまで入れて、甲板に上げて三十分。それで初めて、あらあらあら、ざわざわざわといって撤収になった。
 強制送還していませんよ。凱旋帰国させたんですよ、民主党政権は。そういうことでしょう。
○政府参考人(鈴木久泰君) 活動家十四人のうち七名は飛行機で帰還いたしましたが、残りの七名は乗ってきた船で石垣港から帰ることになりました。
 その際の状況について申し上げますと、活動家が乗った船舶は、私どもの大型巡視船が石垣港まで曳航してまいりまして、SOLAS岸壁といいまして、フェンスで囲まれたテロ対策のための管理された岸壁に大型巡視船をまず着けまして、その外側に横付けする形で、要は、大型巡視船がこれを隠すような形で係留をしておりました。そこから出港するわけでありますから、マスコミの方々が出港の取材をするには、私どもの巡視船の上からしか出港の絵が撮れないわけであります、映像や写真が。これを許可しないと、船をいろいろチャーターしたりして海上から取材をするとか混乱が予想されましたので、一定の区画を区切って、甲板上の一番後ろのところをロープで区切って、そこから取材をしていただいたということでありまして、その際に……(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 自民党の理事のお二人、お静かにお願いします。
○政府参考人(鈴木久泰君) その際に、出港までに多少の時間がありましたので、二十五分ほど要しましたので、少し離れた距離でありますが、会話がなされたということであります。
 ある程度管理した中で、取材はやはり内外無差別でさせなければならぬということで、我々の現地の石垣保安部が対応したということでございます。
○山谷えり子君 まあ、国民はあきれていると思います。便宜供与して、凱旋インタビュー、ヒーローインタビューさせて、お帰しになった。なっていないですね。
 私は港に戻りましてインタビューを受けましたが、一部メディアが、中国の反発、心配じゃないかなんてことを言われたんですね。これはおかしいと思いますね、だって、日本の島なんですから。(資料提示)
 例えば、これ、大正九年、一九二〇年に中華民国福建省の漁民が遭難したんです。日本人が一生懸命助けました。日本帝国沖縄県八重山郡魚釣のところで遭難して、みんなが助けてくれた、ありがとうという感謝状なんですよ。こういうのをきちんと中国語、英語で外務省は発表したりして、中国のデモをなさる方が、あっ、恥ずかしいなということを分かるような国際社会に向けたアピールが必要だと思います。
 それから、フィリピンも困っていますよ。去年の五月に中国は、フィリピンの島に中国の島だと標識立てちゃったんですよ。三週間後、フィリピンは軍隊出して、その標識引っこ抜きましたね。
 フィリピンも困っている。ベトナムも困っている。ブルネイ、インドネシア、シンガポール、あるいはインドの方も、中国が覇権主義的で国際ルールを守らない。これ、日本は平和主義で、そしてアジアのお兄ちゃんとして尊敬されている国であります。シーレーン、海の安全をみんなで守ろうじゃないかと、日本がむしろリーダーシップを取っていくべきだというふうに思います。
 この魚釣島のきれいな島々、そしてすばらしい鎮魂の慰霊祭、私たちの御先祖様がずっと守り続けてきてくれた島でございます。アジアのお兄ちゃんとして、連携しながら、中国に法と正義に基づいてきちんとやろうよと。玄葉大臣、どうですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) アジアのお兄ちゃんと、こういう話がありましたけれども、日本は、このアジア太平洋の海洋の秩序、世界全体の海洋の秩序もそうなんですけれども、南シナ海、東シナ海含めて、このアジア太平洋の海洋秩序のためのルールを作るのに主導的な役割を果たさなければならないというのはそのとおりであります。先般、カンボジアで開かれた会議でも、私から相当、この法の支配、UNCLOSの話については、具体的に何回かにわたって話をしました。それは南シナ海も含めてでございます。
 ですから、この法の支配の重要性含めて、まさに国際法を遵守する中で、力によってただ支配が決まっていく、そういうことではなくて、法の支配、国際法の遵守、そのことを重要視しながらこのアジア太平洋の海洋秩序のルール作りをしていくということに日本は積極的な役割を果たしていきたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 本当に意味が分かりませんし、さっきも領土には領土をって岸信夫委員に答えられたんですけれども、何を考えて……(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 閣僚席で応答するのはやめてください。
○山谷えり子君 領土には領土をってさっき答えられたのはどういう意味ですか。(発言する者あり)
○委員長(柳田稔君) 今注意したでしょう、今。今注意したでしょう、おやめくださいと。
○国務大臣(玄葉光一郎君) それじゃ、もう一度言いますけれども、だって、アジアのお兄ちゃんという言い方をされました、で、ベトナムの話をされて、そしてフィリピンの話をされたんでしょう。それに対して、まさにアジア太平洋で、まさにこれは海洋秩序の話ですから、その海洋秩序の話で、ルール作りでリーダーシップを発揮していくということが何で分からないんですか。
○山谷えり子君 実際に発揮していらっしゃいませんし、外務省のホームページの尖閣に関するホームページもなっていませんよ。一回点検してごらんなさい。アジアの国々と連携できるような、外務省は発信していますか。もう結構です。
 私は、八月十七日、前日なんですが、実は北海道の開拓の村々を歩いていたんです、遠軽、白滝。そして、ああ、明治の皆さんというのは、本当に国土防衛、北の守りのために、そして開拓地を広げながら食料を生産して、そして自然の恵みの中で感謝しながら生きていこうとしたこの気概、不屈の精神、そして志、すばらしいなと思いました。
 そして、十九日、魚釣島の前に、洋上でかつおぶし工場を見たときに、これは開拓者の心なんだと思ったんですね。明治二十九年に古賀辰四郎さんが明治政府から魚釣島を無償で貸してもらいました。そして、かつおぶし工場を造ったり、缶詰工場を造ったり、羽毛の採取をしたり、牧畜をしたり、多いときには二百五十人ぐらいが魚釣島に住んでいらっしゃいました。住居の跡も今も見えます。しかし、もう廃墟になっています。私はそのことは知っていました。でも、魚釣島の本当に近くまで行って海の上から見たときに、こんなに困難伴うところ、ビジネスでやったんじゃないんだと、開拓の心でやったんだということが分かりました。古賀辰四郎さんは藍綬褒章も受けておられます。
 実は、東京に戻ってから地権者の方がお電話くださいまして、山谷さん、ありがとうと、そして、僕ね、古賀辰四郎さんの開拓の心、顕彰したいんですよと、それを皆さんまだ分かってくださっていないとおっしゃられたので、私は、いや、実は私もそれを感じて帰ってきたんですと。開拓の心で、南の守りで、そして海の恵みをいただきながら、日本国を守りながら発展させていこうという営みが昭和十五年まであった。
 野田総理は、東京都知事が、都が買う、十四億円寄附が集まっています、慌てて国有化なんておっしゃられましたが、国有化してどう活用していくか、全然ビジョン語られないじゃないですか。さっきも一部おっしゃられたけど、抽象的。国有化してどうやって活用していくんですか、島を。おっしゃってください、野田総理。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 遠方離島をしっかり国有財産化して、そして有効支配をしていく、管理をしていく、名前をちゃんと付けていこうということは、我が政権になってからこれは一生懸命取り組んでおります。そういう全体像をまず御理解をいただきたいというふうに思うんです。
 今の尖閣の話でありますけれども、これは、東京都が尖閣を買おうとされているその計画について、よくその中身を御説明をいただいていると同時に、これは平穏かつ安定的に維持管理をするという視点の中で、様々なレベル、様々な交流、意見交換をしながら判断をさせていただきたいと思っております。今はそのプロセスでございますので、具体的に何か言う段階ではございません。
○山谷えり子君 かつおぶし工場をもう一回再開させたいなと思いましたね。あの船の上でカツオを釣って刺身にして食べましたけれども、本当においしかったですよ。尖閣カツオ、尖閣マグロ、超ブランドですね、十五億円も漁獲量があった年もあったんですから。そして、灯台をきっちり造り直す、港を整備する。そして、気象レーダーとか観測所とか海上保安庁の職員の常駐、これは石垣市長も望んでおられます。そうした具体的なビジョンがいまだにない。どういうことなんでしょうね。これ、どこかに部署をつくって作業を始められているんですか。
 それから、国境に、島々に名前を付けるというのも、領土議連が何回も何回も官邸に行って、やっとやったことじゃないですか。
 きちんと部署をつくっていただきたいと思います。内閣府に領土を守るための関係部署をつくって、領土特命担当大臣を置いて、今ばらばらに付けられている予算をしっかりまとめて、戦略的に領土、領海守っていく。これを概算要求作業と同時に、野田総理、最後に総理がやる仕事ですよ。いいことやって。どうでしょうね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 領土、領海、主権というものをしっかりと守るということは、これはどの政権でもしっかりやらなければいけないことだと思っております。
 その上で、そのための体制整備については、先般の、今はちょっと尖閣のお話がございましたけれども、竹島に関係する閣僚会議のこの場において体制整備を、領土、領海についてどうするかという議論をしていこうということは、これは提起をさせていただきました。
 その上で、尖閣に関連をして言うならば、今、海保の機能強化のための法案をこの国会で出しておりますけれども、是非これは参議院でも早急に御審議いただいて成立をさせていただきたいと思います。
 そして、その海保の機能の強化のためには、装備であるとか、当然のことながらそれに伴う予算も出てまいりますので、それはしっかり対応していきたいと考えております。
○山谷えり子君 平時のときの海上の自衛隊、警備できないんですね。ですから、海上保安庁法の改正は当たり前ですけど、それだけしたって全然不十分です。
 領域警備に関する法案の整備とか、それから今、中国や韓国のいろんな外国の漁船がいろんな違法操業をする、それの対策のための、国内の漁業組合に安全操業してもらえるように、経営安定するようにということで予算付けていたんですが、年々削られてきて、ついに今年で終わりというんですよ。こういうことだってあり得ないと思いますよ。もう少し細かく目配りしながら人を集めたらいいと思います。何が今足りないんだ、どこをどうすればいいんだって、口だけじゃなくて行動で示してほしいと思います。
 それから、あそこにはセンカクモグラ、センカクサワガニ、希少生物があるんです。でも、全く昭和五十年から調査が行われていないんです。今どうなっているんでしょうね。野生のヤギが千匹、もう森を荒らしているということも言われています。環境省や農水省や総務省や、石垣市長が固定資産税とか生態系の保護のために上陸させてくれと言っているのに、全く許可しない。東京都も八月二十八、二十九日、行きたいから許可してくれと言っても、まだ返事出さない。東京都に上陸許可出さないなんてあり得ないですよ。国民の皆さんが十四億円寄附して買う具体的な作業に入るために上陸をして調べたいというのは、これは当たり前の話ですよ。
 今日、今ここで、総理の判断で、当然のことだから平穏かつ安定的維持管理のために東京都の上陸を、調査を認めるというふうにおっしゃっていただけませんか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 平穏かつ、そして安定した管理を、維持管理する、継続をするという観点での判断を、これは過去の政権もやってまいりましたけれども、基本的には私どもの政権もその視点で判断をしていきたいと思います。
 東京都からの申請はおととい受理しておりますので、これ二十九日にという上陸許可の申請でありましたけれども、検討をさせていただきたいというふうに思います。
○山谷えり子君 海上保安庁巡視船、今あの付近は六隻、七隻でやっていますね。しかし、中国は大型の監視船を造る、今建造中ですね、そしてそれを常駐させるんだと言っているんですね。しっかりと情報収集して日本の海が守れるような体制というものをつくってほしいというふうに思います。
 それから、無人国境離島だけではなくて有人の離島ですね、それは離島振興法可決しましたから一歩前進なんです。しかし、予算が付かなければこれ実現しませんので、日本というのは本当に島々に人々が住んでくださることによって国土が守られているわけでございますから、しっかりと対応をしていただきたいというふうに思います。
 私が法案提出責任者になって出しております、自民党から無人国境離島を管理する、守る法律、これも国土交通委員会で早く審議してほしいんですよ。ところが、民主党に、私は政調の部会に説明に行きたいと言っても、何日に来いと全然言ってくださらないんです。もう二か月たっています。今の答弁と全然やっていること違いますよね。無人国境離島、まだちゃんと調査終わっていません。きちんと調査をする、そして内閣が基本方針を作る、そして標識とか、必要ならば灯台、港を造る、護岸工事をする、定期巡回をする、環境上必要なときは自然保護のための何かを、政策をする、そして特に必要な島は国が収用することができる、当然の法律を今出しているんですよ。なぜ民主党は、邪魔あるいはサボタージュして、きちんとした手続を進めてくれないんでしょうかね。
 野田総理、この話聞いていますか、お耳に入っていますか、いかがですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと事情が分かりません。
 法案の中身は、今御趣旨をざくっとお聞かせいただいたので、中身としては私は問題意識は共有できる部分はあるように思いました。
 なぜそういう形できちっとヒアリングできていないかはちょっと分かりませんのでコメントしようがありませんけれども、様々な法案の中身、本当に具体的に出すものがあるならば、よくお聞きをしていかなければいけないと思います。
○山谷えり子君 私は、この法案を石原都知事にも説明に行ったんですよ。まず開口一番、都が買うことを邪魔する法律じゃねえんだろうなと言われるから、いやいやそうじゃありませんと、都が保有していただくその方向はそれでいいですと、しかし、都だけでは守れるものじゃない、やはり国が更に基本方針の中で守っていくんだという、そういう法律なんですということを言いました。
 民主党は国家観がなく、外交、防衛の基本方針がなく、したがって、この三年間でここまでひどい状況になってしまいました。国民の皆様は、今考え抜かれて国防は大事だなと、そしてまた、もちろん近隣諸国と友好を深めながら、しかし主権、領土を守る、これに対しては毅然とした対応、予算付け、法整備、これが大事だなと考えていらっしゃると思います。次の内閣ではそうした内閣をつくっていきたいと思いますので、野田内閣には早期の解散を求めます。
○委員長(柳田稔君) 以上で山谷えり子君の質疑は終了いたしました。(拍手)