2004年度活動報告

第161回国会 参議院 外交防衛委員会
平成16年11月9日(火曜日)
 
平成十六年十一月九日(火曜日)
午前十時開会

 出席者は左のとおり。
委員長 林  芳正君
理 事 浅野 勝人君
三浦 一水君
山本 一太君
齋藤  勁君
榛葉賀津也君
委 員 岡田 直樹君
柏村 武昭君
桜井  新君
谷川 秀善君
山谷えり子君
今泉  昭君
喜納 昌吉君
佐藤 道夫君
田村 秀昭君
白  眞勲君
荒木 清寛君
澤  雄二君
緒方 靖夫君
大田 昌秀君
国務大臣  
外務大臣 町村 信孝君
国務大臣  
(防衛庁長官) 大野 功統君
副大臣  
防衛庁副長官 今津  寛君
外務副大臣 谷川 秀善君
(以下 出席者省略)

 本日の会議に付した案件
- 政府参考人の出席要求に関する件
- 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ
 合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)

- 委員長(林芳正君)
 経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
- 山谷えり子君
 自由民主党、山谷えり子でございます。
 日本・メキシコ経済連携協定、EPAは我が国とメキシコ合衆国との貿易・投資の自由化、ビジネス環境整備、中小企業支援など、幅広い分野で連携が強化されるというものですが、具体的にはどのような発展が我が国にもたらされるとお考えでございましょうか。
- 副大臣(谷川秀善君)
 先生も御存じのように、メキシコはその人口また経済規模において世界でも大変有数な市場でございます。その経済規模も年々拡大をいたしておりまして、我が国にとりましては重要な貿易投資相手国となってきておるところでございます。
 こうしたメキシコとの経済連携を強化することは、我が国にとりまして大きな利益につながるだけではなくて、これによりましてアメリカ市場への橋頭堡を築くものであるというふうに我々は期待をいたしております。
 また、メキシコにおきましては、完成品の輸入や進出日本企業による部品の輸入に対する関税、あるいはまた政府調達市場におきまして日本企業が大変不利益を被っておりますが、日・メキシコ経済連携協定を通じまして、こうした問題が解決されますことは我が国の経済の更なる発展につながるというふうに考えているところでございます。
- 山谷えり子君
 先日、経団連の経済ミッションが帰国しました。東南アジア四か国、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシアをEPA締結の後押しになればと回ったものでしたけれども、各国から、省庁の縦割りによって非常に交渉しにくい、窓口が不親切である、もう中国はもっともっとすごい勢いで行っているんだぞというようなことがございまして、窓口を一本化してほしい、官邸がもっとリーダーシップを取ってほしいというような意見がありましたが、いかがお考えでございましょうか。
- 副大臣(谷川秀善君)
 御指摘のような報道がなされていることは承知をいたしておりますが、我々は、EPA交渉につきましては、従来より、官邸を中心に閣僚レベル及び事務レベルの関係省庁連絡会議を設置をいたしまして、関係省庁が緊密に協議しつつ、政府一体となって取り組んでいるところでございます。
 したがって、我が国の交渉体制は各省庁の縦割りであり相手国が交渉しにくいと感じているという報道は当たらないものと考えておりまして、現時点では新たな体制を取るという必要はないと考えております。
- 山谷えり子君
 私、ミッション側の人から、ちょっと取材をいたしまして、そのような意見を聞いて、報道からということよりも、そちらの声でございますので、是非謙虚に御検討いただきたいと思います。
- 副大臣(谷川秀善君)
 十分、連絡を密にするようにいたしたいと考えております。
- 山谷えり子君
 よろしくお願いします。
 中国は日本にとって大切な関係国です。建設的な信頼関係を作らねばなりません。日本の高校生の海外修学旅行で、近年一番多く訪れるのは中国です。両国の生徒が行き来して、お互いに理解、信頼を深めることは将来、非常に両国にとって意義のあることだと考えます。
 しかしながら、サッカー・アジアカップ大会で中国側が六万七千人もの警備関係者を増員し、不測の事態に備えたにもかかわらず、試合中の反日ブーイング、その後、公使の車が壊されたり、また日本人サポーターが午前二時近くまで会場から出ることができなかった、大変残念な出来事がございました。
 私も、中国政府高官とお話ししましたとき、このような反日行動に対して遺憾の意を示され、相互理解から一歩進んだクロス理解というような表現をなさったんですが、クロス理解の必要性、また様々な階層の人たちが相互交流を重ねることが大切であると言っておられました。
 ところで、中国人の反日感情の一つに、学校での反日教育や中国各地の抗日記念館の存在が大きいと思います。記念館は外国の旅行者も訪れるので、世界各国の人に誤った日本観、日本人観、歴史観を持たれる危険性がございます。北京の抗日戦争記念館は千二百万人余りの人が、南京大虐殺記念館、入口に三十万犠牲者と書かれておりますが、一千万人余りの人が訪れたと言われております。私も北京の記念館に行ったことがありますが、本当にたくさん、子供たちもたくさんおりました。
 各地での記念館を訪問した複数の人から内部の様子を聞きました。日本軍の残虐さ、史実ではない史料、キャプション、写真があったというジャーナリスト、学者も複数います。人骨などを展示し、エモーショナルな仕掛けが施されております。
 外務省に伺います。二百を超えていると言われているこのような愛国主義基地、抗日記念館はどのような目的で設営されていると考えておられますか。
- 政府参考人(西宮伸一君)
 中国におきまして、一部の博物館、歴史旧跡などが愛国主義教育基地として指定されております。主な目的は青少年の愛国主義教育に活用することであるというふうにされております。この数は二百三か所でございますが、このうち御指摘のいわゆる抗日戦争を明らかに題材としたような施設は六か所というふうに聞いております。
 中国の指導者は、中国愛国主義教育を行っているが反日教育は行ったことはない、一貫して、大多数の日本人は侵略戦争の被害者であり、日本人と友好的に付き合い、代々友好を続けるよう教育している旨、述べております。
- 山谷えり子君
 内容を見ればそのような中国側の言い方というのに首をかしげざるを得ないような状況があるんですけれども、抗日記念館に外務省自身が出向いて、事実確認をして調査すべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。
- 副大臣(谷川秀善君)
 おっしゃることもそのとおりであろうというふうに思いますが、我々政府といたしましては、現在、在中国関係公館を通じまして、中国の国内情勢に関する情報収集等の一環といたしまして、御指摘の施設も含めまして、鋭意、中国国内の状況の把握に努めているところでございます。
 また、政府といたしましては、御指摘の施設等の状況にも注意を払いつつ、両国の国民感情について的確に把握いたしますとともに、国民レベルの交流を強化をいたしまして更なる一層の日中間の相互理解、相互信頼を深めていきたいというふうに考えているところでございます。
- 山谷えり子君
 今、日本と中国の間で修学旅行生を増やしていこう、未来の日中関係を良くしていこうという声と動きがございます。私は本当に日本にたくさん中国の修学旅行生来ていただいて、もうホームステイでもしていただいて本当に真の日本の姿を、実態を知っていただきたいというふうに思うものでございますけれども。
 文部省にお伺いします。所管の財団法人日本修学旅行協会をお持ちでございますので修学旅行の実態を調べておられると思いますが、抗日記念館を訪れている修学旅行生、何校、何人ぐらいでございましょうか。
- 政府参考人(樋口修資君)
 お答え申し上げます。
 修学旅行は、御案内のとおり学校教育活動の一環として行われているものでございますが、文部科学省では高等学校等における国際交流状況調査というものを隔年実施をさせていただいております。これによりますと、直近の平成十四年度におきます中国への修学旅行を行った中学校は五県六校、参加生徒数は七百八人となっております。また、高等学校につきましては二百一校、四十都道府県にまたがっておりますが、二百一校で参加生徒数は三万六千六百七人となっております。
 修学旅行におきます個別具体的な訪問先につきましては、すべてについて私ども把握しているわけではございませんが、事例として、中国への修学旅行を実施しております三県に照会をさせていただきましたところ、平成十四年度におきまして中国を訪問した高等学校八校中二校において抗日戦争記念館を訪問をされたとお聞きをいたしているところでございます。
- 山谷えり子君
 二〇〇八年北京オリンピックには多くの外国人が北京だけでなく中国各地を訪れることでございましょう。その人たちが、さきにも述べましたけれども、誤った内容の展示、英語のキャプションもかなりこう、ひどいキャプションが付いていたりということが指摘されております。日本の国益にとって大変マイナスでございますし、また中国にとっても日本人への憎悪の増幅というのは日中友好を壊し、中長期的に見ても大変マイナスだというふうに考えております。
 外務大臣にお尋ねしたいと思います。二〇〇八年北京オリンピックまでにこの問題に何か対応する必要があると考えます。外務省は、先ほどもお聞きしましたが、抗日記念館に出向いて事実確認をすること、いつごろまでにしていただけるのかということと、政府高官との中国との協議の中でこの記念館の在り方、それから、日本は戦後大変良い外交、平和外交をしているわけです。ODAもたくさん協力しているわけでございますので、そういったことを国民に伝えることも必要であるのではないかということなど、日中相互理解、いかにあるべきかということを議題としていただきたいんですけれども、いかがでございましょうか。
- 国務大臣(町村信孝君)
 山谷委員御指摘のとおり、日中両国間でそれぞれが正しい理解をするところから本当の友好は始まるんだろうと、私もそのように思っております。
 今、修学旅行の学生も非常に多いという話もありました。三万数千人。韓国に私、先週末行ってきたんですが、やはり韓国にも三万数千人やっぱり行っておりまして、ほぼ同じ数の高校生あるいは中学生の修学旅行が行っているということだろうと思います。
 一つは、まず、我が方高校生にも正しいそういう歴史認識といいましょうか、事実をいかに持ってもらうかということで、せっかく中国に行くんですから、中国との、日本との関係にスポットライトを浴びせたきちんとした資料などを行く高校生には事前に渡してよく勉強をしておいてもらうと、そんなことも必要なのかなと思っておりまして、まだ文部省とよく相談したわけじゃございませんが、元文部大臣という経験も踏まえながら、一つは、きちんとしたそういう、一方的なそういう情報が日本の高校生の頭に植え付けられないように何か資料を配布する等々の工夫の余地があるのではないかなと思って、まず一つそこは検討をさせていただきたいと思います。
 それから、今の抗日記念館の話を含めて、どうしてもそれぞれの国の考え方というのがこの辺一番違いが出てくる分野だろうと思います。それがこの間のサッカーの、あれが何が原因でああいうふうになるのか必ずしもよく判然としないところはありますけれども、一部にはそういう行き過ぎた愛国心教育というものがあるのではないかという御指摘もあるわけでございますので、私も先般、ある中国の有力者と話をしたときに言ったらば、やっぱり彼らも、いや、絶対反日教育はやっておりません、愛国心教育なんですと、こういう説明なんですね。ですから、それはしかし愛国心には愛国心でいいけれども、しかしそれはややもすれば反日教育になってしまうんじゃないかということは大分強く申し上げておきました。
 いずれにしても、互いの正しい理解をきちんとしていく中でいい意味の愛国心、そしていい意味の国際交流の気持ちがないと、これはやっぱりオリンピックが大失敗するとこれ中国にとっても困るんですよということを彼らにははっきり言っておきました。それはもちろんよく分かっておりますと、あの事件は本当に遺憾でしたと今委員が言われたようなことでありまして、そういう意味でやっぱり彼らにも正しい国内での政策を取ってもらうように今後機会あるごとに申し入れていきたいと思います。
 なお、御指摘の抗日記念館等々の在り方、全く我々は中身を知らないわけではありませんし、かなりの事実は知っておりますし、過去においてこれは事実と反するのではないですかという是正方、事実関係の是正方を申し入れたこともございます。それに基づいてどう変わったかどうか、余り変わっていないのかもしれません。この辺も引き続き外交努力をしていきたいと思いますが、最終的にはそれはしかし彼らの中国の主権の問題だということで限界はあるのかもしれませんけれども、できるだけの努力をしたいと、こう思っております。
- 山谷えり子君
 史実に基づいたものではないという申入れをしてその後どう変わったかというチェックをまたしていただきたいのと、互いにその理解が深まるよう、史実に基づいた正しい理解が中国側に深まっていくように御努力をお願いしたいというふうに思います。
 昨日も種子島沖で中国海軍の艦艇が不審な行動を取りました。尖閣、沖ノ鳥島周辺でも問題は穏やかならず、防衛庁がまとめた文書には、中国は交渉による解決ではなく、海洋調査の実施や海軍艦艇の展開など既成事実化を進めることで支配権を作ろうとしている可能性があるというような文書もまとめていらしたこともございましたけれども、春暁ガス田の採掘についてお伺いしたいと思います。
 日中の中間線をまたいでいるというデータがあって、中国に出してほしいと言ってもそれが出てこないと。日本側としてはとても納得できない状況であります。また、中国のホームページには、中間線を越えて複数鉱区、日本側に設定、鉱区設定が書き込まれているということもございまして、これは領有権と資源の問題、また安全保障の問題に深くかかわってくる問題でございます。日本の民間会社も鉱区許可を申請しているけれどもなかなか下りないということもございます。
 そしてまた、今、日本はノルウェーの民間船を借りて物理探査を始めているわけでございますけれども、よその国の民間船を借りなきゃいけないと、これ日本は非常に情けない状況でございます。中国は探査船十二から十六隻持っている、韓国は四隻持っている、しかしながら日本はまだ一隻もないと。予算要求して再来年ぐらいにはできるようではございますけれども、これ試掘、どういうふうになさるのか、また、ここ、どういうふうにこの領有権、資源の問題を考えていらっしゃるのか。非常にこう、のらりくらり、日本側の対応が遅い、それから緊張感がないのではないかと感じられますが、いかがでございましょうか、町村外務大臣にお伺いいたします。
- 国務大臣(町村信孝君)
 委員の御指摘の問題、今物理探査はやっておりますけれども、試掘についての具体的な計画は今のところないというふうに私も聞いております。
 先般の中国との話合い、私も結果はお聞きしましたけれども、誠にこれまた不十分な先方の対応であったということで、中川経済産業大臣とも相談をして、今後どういう対応をしていくのか今相談をしているところでございます。先方は第一回目の会合ですからという言い方をしているようでありますから、どっかの国の交渉と何か似てるなという印象も持ったりもいたしましたけれども。
 いずれにしても、第一回目ということもあるでしょう。したがって、また少し作戦を考えながら第二回目を開いてきちんとしたデータ等々の提供を求めていくということにしたいと思いますし、いずれにしても、我が方も必要な資源開発というのは、これやらなければならないわけでありまして、この辺は実際にやる民間の方々ともよく相談をし、経済産業省ともよく相談をしながら、我が方も必要な資源開発というのはやっぱりやらなきゃいけないなと思っております。ただ、それが本当にあるのかないのか、多分あるんだろうと思いますけれども、その辺をしっかり踏まえながら対応できるようにしていきたいと、こう思っております。
- 政府参考人(近藤賢二君)
 資源・燃料部長の近藤でございます。
 今御指摘のあった点の中の海洋調査船の方の点について少し御報告をしたいと思います。
 我が国は御指摘のとおりこういった船を持っておらないわけでございます。私どもこういう中で、我が国、国として三次元の物理探査船を保有するべきかどうかということにつきましては、中長期的なニーズがどのぐらいあるのか、維持運営費がどのぐらい掛かるのかといったことの分析、把握をした上で決定をしなければいけないと、このように今思っておるところでございます。
 東シナ海の現在の状況を踏まえますと、こういう分析を非常に急いで行いまして、国が三次元物理探査船を保有するべきか否かということについてできるだけ早く結論を出したいと考えておるところでございます。その結果を踏まえまして、財政当局とも相談をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
- 山谷えり子君
 大野長官にお伺いします。
 専守防衛と自衛権の発動についてでございます。
 石破前防衛庁長官は昨年二月十三日、衆議院予算委員会で、ミサイル攻撃に対する自衛権発動について次のように答弁されました。「これから日本に向けて撃つぞ、そのためにミサイル燃料を注入し始めたぞということになれば、それは一つの要素たり得るのではないか。」という発言でございましたけれども、大野長官はこの御発言、専守防衛とそれからその防衛的な打撃力というんでしょうかね、抑止力というんでしょうか、この辺についてはいかがなお考えをお持ちでございますか。
- 国務大臣(大野功統君)
 結論から申し上げますと、石破前長官の御意見と私の考え方、変わりません。
 一般的に言いまして、山谷先生御存じのとおり、自衛権発動の三要件というのがありまして、一つは急迫不正の侵害の存在、二つ目は他に代替する手段がない、それから三つ目が必要最小限の実力行動、こういうことでございますけれども、燃料を注入してというだけではまだ、どういうふうな判断があるか、これは別問題といたしまして、相手が武力攻撃に着手したとき、これは自衛権発動、つまり急迫不正の侵害の存在になると思います。ただ武力攻撃のおそれがあるということだけでは不十分だと、これはもう当然のことであると思います。
 また、現実に弾が撃ち込まれて損害が発生した、これでは遅過ぎます。ですから、準備をした段階、じゃ、どういうときが準備をした段階なのか、ここが問題になりますけれども、これは、一つは、相手国がどういう意思表明をしているのか、そのときの国際情勢はどうなんだろうか、ミサイルだけじゃなくて、例えば護衛艦、船の場合にはどの程度まで来たらそういう急迫不正の侵害が発生したのか、やっぱり攻撃の手段によってもその判断は変わり得ると思います。
 そのように様々な対応、事情を総合的に勘案いたしまして、まあ一概には言えませんけれども、個別的、具体的に判断するとしても、やはり相手の意図、もうミサイルに燃料を注入した、日本を向いているぞと、こういう場合は当然自衛のための武力行使ができる段階と、こういうふうに判断さしていただいております。
- 山谷えり子君
 侵略的なことは日本はもちろん行いません。守るための最低の打撃力の整備というのは、やっぱりいろいろなことを検討していくべきだろうと思います。この中には日米同盟の質的強化とか戦略的対話を重ねていくというようなことも含まれるというふうに思います。
 専守防衛というのが政治的造語であってはならず、実態が本土決戦で座して死を待つというのでは困るわけでございまして、この辺は昭和三十一年に鳩山一郎総理もおっしゃっていらっしゃるわけで、憲法上否定されていないということで、やはり具体的に国民は不安を持っておりますので、御検討をお願いいたします。
 続きまして、防衛力の装備の違いもございますので、人数だけでは比較できませんけれども、周辺諸国、例えば北朝鮮は百万人、中国は百七十万人、韓国は五十六万人の軍事力を保持しております。こうした中、政府が十一月末に策定する防衛計画の大綱をめぐって、防衛庁は常備自衛官七千人増員を要望していますが、財務省は四万人削減を要求して十二万人体制とするという新聞報道がございました。
 領海、領有問題、外国からの侵入の心配もございます。北東アジアの状況は決してのんきではいられません。与那国島の住民から自衛隊の駐屯の要望があったとも聞いております。阪神大震災クラスの地震が南関東で起きたら十七万人の陸自要員が必要であるという指摘もございます。陸上自衛隊十二万人体制では国の守り、テロや大規模災害、それからまた国際協力に対応できないのではないか。
 大野長官、周辺諸国との軍事力のバランス、そしてまた今の状況についてどのようにお考えでございましょうか。
- 国務大臣(大野功統君)
 報道でいろんな報道があります。御質問は、十二万人となったらどうなんだろうかと。私は大変、山谷先生いろんな面からこの点を御心配なされていらっしゃると評価さしていただきたいと思うんです。
 それはなぜかといいますと、自衛隊の評価、例えば、もちろん国を守るということはもう主要任務、本来任務でございますけれども、例えば災害派遣活動ですね、これは今、今阪神・淡路のことをおっしゃいましたが、新潟県の中越地震でも一日当たり最高四千四、五百人の自衛隊が派遣されております。今減りまして三千数百人になっておりますけれども、それでも四千数百人が一日あそこで働いて救援活動をしているんですね。
 そういうことを思いますと、本当に日本国全体にわたってきちっとマンパワーを配置してなきゃいけない、自衛官を派遣してないと即応態勢が取れない、こういうことは非常に我々考えていかなきゃいけない問題だと思っています。何といっても、政治の要諦というのは国民の皆様に安心と安全をお届けする、こういうことですから、そこは本当にマンパワーというものの重要さを考えていかなきゃいけない。
 それから、山谷先生おっしゃいましたけれども、もう一つは国際協力義務であります。国際協力義務はこれまでは付随的、自衛隊の付随的業務とされておりましたが、今度の安全保障と防衛力に関する懇談会、総理の私的諮問機関でありますけれども、その諮問機関で、これは本来業務にしたらどうかと、こういうような御示唆があります。
 正に国際協力業務というのは、日本の場合、戦争に参加することではありません。事前に予防的措置をするために協力する、あるいは紛争が起こった後いろんな復興作業、人道支援活動を行う、こういうことで大変重要なことでありまして、例えばイラクでも数百人行っている。一つの部隊を構成するとなるとまたマンパワーが必要なわけであります。そしてまた、その背景には世界の平和は日本の平和、こういう考え方があるわけですから、本当にマンパワーの重要性というのはこれから考えていかなきゃいけない大変大きな問題だと思っております。
 また、脅威というのが本格的な国対国の戦争ということでなくて、例えば島嶼部のこの安全を確保する、あるいはテロに対処する、こうなりますと、正にそういう問題も人間、マンパワーが本当に対処していってくれるわけですから、そういう意味で本当にこのマンパワーの大切さ、それを認識しながらこの防衛大綱、中期防作りをやっていかなきゃいけない、こういうふうに思っております。
 それから、周辺事態、周辺諸国の軍事力とのバランスの問題でございますけれども、特定の国の脅威を念頭に置いているわけではありません。しかしながら、やはり、明快な言い方ではありませんけれども、周辺諸国の軍備には配慮しながら種々の要素を総合的に判断して定めていかなきゃいけない、こういうふうに思っております。
- 山谷えり子君
 どうぞよろしくお願いいたします。
 春暁のガス田のデータもなかなか中国から出してもらえないということで、そのODAの外交カードが十分に機能していないのではないかということも感じますけれども、我が国も財政状況厳しい折ですね、また中国は有人宇宙船を打ち上げたり、軍事費が二けたの伸びだったり、あるいは核兵器を所有していたり、またアフリカやミャンマーなどに援助を出しているというようなことも言われておりまして、これまでの六兆円の日本のODA関係費ですね、これはちょっと見直したらいいんではないかというのが国民感情なわけでございますけれども。
 町村外務大臣、例えば中国はどこの国に援助しているのかとか、あるいはまた、その例えば環境プロジェクトといって日本がODAを出したけれどもそれが別の意図に使われているとか、そういうことは実際に調べていらっしゃるのか、今後のODAについて御所見をお聞かせください。
- 国務大臣(町村信孝君)
 中国に対するODA実績でございますけれども、一九九八年の二千二百四十億円、これは有償、無償、技術協力含めてですが、が二〇〇三年には一千八十億円と半分以下になっております。二〇〇四年は一千億を切るということで、傾向としては私はそろそろ卒業に近付いたなと、こう思っております。したがいまして、いつまでも中国に対するODAを続ける必要はないと、こう思っております。
 ただ、ODAのプロジェクトについては、環境案件とか教育案件を中心に、かつては北京空港とかかなり大規模なインフラ整備にもやっておりましたが、今やっているのは専らそういう環境あるいは教育訓練、人材、こういう分野でございまして、それらについても外務省あるいはJICAあるいはJBIC、こういうところでそれぞれの評価をやってですね、本来の目的どおり進められているかどうかということについての評価をやっておりますけれども、さらにまた第三者の視点を入れたりですね、これは対中国のみならず全体のこのODAの評価をしっかりやっていきたいと、こう思っております。
 なお、中国は、必ずしも正確にはよく分からないところあるんですけれども、二〇〇三年に約五十二億元、六百八十億円の援助予算というものが計上されておりまして、アフリカ諸国を、アジア・アフリカ諸国を中心に百五か国、それから機関と、百五の国又は機関に対して二百十六の援助協定を締結しているというふうに聞いておりまして、中国の対外援助、不透明なところもありますので、今年の四月の川口外務大臣と先方大臣との間でより透明性を高めるような申入れもしたりしておりまして、引き続きそういう働き掛けをしていきたいと、こう思っております。
- 委員長(林芳正君)
 山谷君、時間でございますのでまとめてください。
- 山谷えり子君
 はい。
 関係各方面への御努力を引き続きお願いし、質問を終わります。ありがとうございました。

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