メッセージ(バックナンバー)

 天皇陛下の71才のお誕生日の朝、わが家の庭に水仙の花が咲きました。
 お昼、宮中に参りました。天皇、皇后両陛下、皇太子様、秋篠宮様、紀子様、紀宮様などおそろいで国会議員夫婦らと共にお昼をいただきました。陛下の子供たちの健やかな成長を祈るお言葉と雅楽の音を聞きながら、はるかつながれてきた日本の生命のみずみずしさ、人々の喜びと悲しみの歴史を受け止め、抱きしめ、いただきました。
 メニューは、巻鯉の白味噌碗、鮃と松笠烏賊のお造り、鯛の塩焼き、茶碗蒸し、かやくご飯などでした。
 お誕生日に先立ち、記者会見された天皇陛下のお言葉の中でこの一年間で起きた災害での被災者への思い、公務についての考え方、雅子様へのお気遣いなど、さまざまなことが頭をよぎりました。
 そして、皇后様が国際児童図書評議会のニューデリーでの大会開催(平成10年)にあたり、基調講演(「子供の本を通しての平和」)なさった時の一節が鮮やかによみがえりました。
 お父上が子供時代の皇后様に贈られた本の中の倭建御子(ヤマトタケルノミコ)と后の弟橘比売命(オトタチバナヒメノミコト)のお話に言及されているところです。ヤマトタケル皇子が遠征に出た荒海でオトタチバナヒメが海に入り、海神の怒りを鎮めるという場面のお話です。
 海に入る前に、火の燃える枯野にあった時、タケルはオトタチバナの安否を気遣うのですが、その時の感激を忘れずにオトタチバナは「さねさし相武の小野に燃ゆる火の火中にたちて問ひし君はも」と愛を歌って海に入り、タケルの使命遂行を願うのです。このくだりに関して、皇后様は「弟橘の言動には建と任務を分かち合うような、どこか意思的なものが感じられ、弟橘の歌は・・・あまりにも美しいものに思われました。・・・愛と犠牲という二つのものが、私の中で最も近いものとして、むしろ一つのものとして感じられた。不思議な経験であったと思います」というものです。
 両陛下が寄り添われ、微笑み合われながら、いつまでも祈り、公務を捧げてくださいますことを、また皇太子様、雅子様におかれましては笑顔と希望と安定の日々が、取り戻されるときが時みちてきますことを願いました。

平成16年12月23日 山谷えり子

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