メッセージ(バックナンバー)

 「平和を願い 真の国益を考え靖国参拝を支持する若手議員の会」が設立されました。入会者は、本日のところ116名です。
 参拝をめぐり、日中間に波が立っていますが、国内も二分しているかのような状況は悲しいことです。“国よ安らかに”と平和を祈り、御霊と話し、励まされ、良き生き方を求めて参拝しているのであって、軍国主義を賛美しているというのは、とんでもない誤解です。真の日中友好のために、今後日本が国際社会の中で主権国家として外交を展開していくために、中国、そして世界に向けてもっと説明していくことが諸外国との友好と国益にかなうことでしょう。近隣への配慮と真の友好は矛盾どころか、両立するものです。
 日本の領土内に首相が行けない場所があっていいはずがありません。日本は、どこの国の属国でもない主権国家です。日本は和を以て貴しとなし、むつみ和らぎ暮らしてきた長い長い歴史をもった国です。人権、民主主義、自由を大切に戦後歩んできました。
 昭和26年日本はサンフランシスコ講和条約で東京裁判の判決を受け入れ、昭和27年4月28日主権を回復して独立国として歩みました。インドのパール判事が日本無罪論を主張し、東京裁判が司法行為でなく、占領下の軍事行為であったことを国際法学者の多くは知っています。出版された本はベストセラーとなりました。
 しかし、それはそれとして、日本はあの状況下で判決を受け入れ異議申し立てを対外的にすることをしないと決断しました。国内的には、その後東京裁判の不当性を知る国民の間で戦犯者釈放の国民運動が起き、最終的には4000万人の署名が集まったとされ、国会で釈放の決議、赦免決議、恩給法の改正など次々と可決して、名誉回復、援護法、恩給法の対象としています。A級戦犯として終身刑とされた賀屋興宣氏は池田内閣で法相に、禁固7年の判決を受けた重光葵氏は鳩山内閣で外相になり、国連加盟の時、大いに働かれました。国内法では戦犯はいないとしたことを国際社会が認め、励ましたからです。
 日本は深く反省し、天皇、総理級の公式謝罪は18回に及びました。
 国のために戦った兵士のお参りは、どこの国でも当然のこととしてなされています。6月3日、インドネシアのユドノヨ大統領は“お参りは当然のことだと思う”と言われ、5月30日アーミテージ前国務副長官も「主権国家である日本の総理大臣が中国に限らず他の国から靖国神社に参拝してはいけないと指摘されるようなことがあれば、逆に参拝すべきだと思います。なぜなら内政干渉を許してはいけないからです。もう一つは全ての国が戦死者をまつりますが、それぞれのやり方で良いのだと思います」と語っています。
 日本人は、あっさり、さっぱり水に流しやすい国民ですが、ここはひとつ、6年8ヶ月の占領時代にあったことを思い出し、平和を愛する私たちの文化、国民性に誇りをもち、戦後の平和の歩みに自信をもち、自国の事情と思いを説明していくことが大切でしょう。先の大戦で世界に向けて説明しようとしなかったこと、国内で問題をきちんと分析しなかったこと、情報収集が甘かったことが、失策につながったということもこの際思い出し深く反省すべきではないでしょうか。尊い生命を捧げられたみ霊は、日本のあちこちで大らかにあたたかく、気長に、静かなほほ笑みをうかべ、私たちをなぐさめ励ましてくださっていると思います。
 みたまは平和を求め、一致を求め、希望を求め、光を求めて、諸外国との協和の中で輝く自由と民主主義の国として、世界に心を開いて歩む私たちを見守ってくれていることでしょう。
 東京裁判により不当な判決を下され処刑された人々の辞世の句や遺書を読みました。不当であっても恨みごとを言わず、日本の未来を信じて礎石となるため愛の証として命を差し出す覚悟がよみとれます。中国万歳、日本万歳と、中国の人々のことを思って中国で亡くなられた先輩たちもおられます。
 私たちは日本の幼な子を抱くように、中国の幼な子も抱きしめたいと両国の平和と繁栄を祈っています。
 梅雨空に咲く花々の美しさに感謝しながら、議員としてのつとめが果たせますよう、どうぞ皆さまも心をお寄せ下さいませ。

平成17年6月28日 山谷えり子

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