メッセージ(バックナンバー)

 「男女共同参画基本計画改定」次の五カ年計画が閣議決定されました。
 ジェンダーという言葉が地方行政や教育の現場で非常識に用いられているケースが目立ち、ジェンダーという言葉を削除するか、あえて残して定義をはっきりさせて混乱を止めるか議論が激しくありました。結局、恣意的運用、解釈をしないよう22行にわたって、注意点と定義が記されました。次の通りです。

「社会的性別」(ジェンダー)の視点:
1. 人間には生まれついての生物学的性別(セックス/ SEX)がある。一方、社会通念や慣習の中には、社会によって作り上げられた「男性像」、「女性像」があり、このような男性、女性の別を「社会的性別」(ジェンダー/gender)という。「社会的性別」は、それ自体に良い、悪いの価値を含むものではなく、国際的にも使われている。
   「社会的性別の視点」とは、「社会的性別」が性差別、性別による固定的役割分担、偏見等につながっている場合もあり、これらが社会的に作られたものであることを意識していこうとするものである。
   このように、「社会的性別の視点」でとらえられる対象には、性差別、性別による固定的役割分担及び偏見等、男女共同参画社会の形成を阻害すると考えられるものがある。その一方で、対象の中には、男女共同参画社会の形成を阻害しないと考えられるものもあり、このようなものまで見直しを行おうとするものではない。社会制度・慣行の見直しを行う際には、社会的な合意を得ながら進める必要がある。
 
2. 「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる。
   例えば、児童生徒の発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育、男女同室着替え、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦等の事例は極めて非常識である。また、公共の施設におけるトイレの男女別色表示を同色にすることは、男女共同参画の趣旨から導き出されるものではない。
 
 上記1.2.について、国は、計画期間中に広く国民に周知徹底する。

 ジェンダーという言葉を使って、文化や家族の否定、フリーセックス、性差否定のジェンダーフリー教育を進めることがあれば、それは国の方針とは違うわけですから、おかしなことがあれば行政や議員に発言して正して下さい。自民党でも、真の男女共同参画社会づくりのために、おかしなジェンダー解釈が行われぬよう立ちあげた「過激な性教育、ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」(新体制 逢沢一郎座長・自民党幹事長代理、萩生田光一事務局長)で引き続きチェックしていくことを内閣部会に申し入れました。
 今も地方議会でジェンダーという言葉をはずした方がいいという意見書が出され続けています。それだけ、地方行政と教育現場での文化、家族否定運動が目に余るからです。個人の尊重は当然ですが、政府、自民党は国、家族との良きつながりがあってこそ、個人としての生き方が豊かに守られると考えています。国民が求める常識的な線をとり戻したいと思います。基本計画に22行も定義と具体例を書くのは前例がありません。削除して混乱がおさまるか、異例の定義をせざるを得ないことをむしろ表に出して、チェックをしていく方が混乱がおさまるか。
 後者を選択したわけですから、これから5年間しっかりと体制を取り直したいと思います。また、基本計画には、家族の大切さ、生命尊重の視点、人格、思いやり教育、母乳育児の推進などの視点が多く盛り込まれました。これを実行に移していくため、各省と政策づくりのための場を作ることを私の来年の大きな仕事の柱のひとつとしたいと考えています。
 たとえば、
出産を望みながらも、妊娠について悩んでいる者に対する相談・支援を実施する。
母乳育児の推進に取り組む自治体の取組等の紹介などにより、母乳育児の普及に努める。また、母乳育児普及率の調査を行う。
働く父親や母親が参加しやすい時間帯等にPTAの活動を開催することを進める。
などの施策が入っていますので、父親が教育にしっかり目を配り、母性が尊重される方向への具体的変化が生まれるよう、みなさんのお声をおあげくだされば幸いです。

平成17年12月27日 山谷えり子

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