メッセージ(バックナンバー)

 本日参議院本会議で可決した一般会計予算(79兆6,860億円)のポイントです。
 平成18年度予算は、平成14 年度以来4年ぶりの減額予算。80 兆円を下回ったのは平成10 年度以来8年ぶりであり、財政健全化に大きな一歩を踏みだしました。
 今回の予算の特徴の1つ目は、3年連続基礎的収支を改善し「財政再建」を着実に進めていることです。国債発行額が30兆円を下回ったのは5年ぶりであり、公債依存度は37.6%と4年ぶりに30%台となりました。
 2つ目は、「国民の安全・安心に配慮」した予算ということです。
 警察OBの助けを借りてスクールガイドの増員、「地域安全安心ステーション」モデル事業の拡充といった、子どもたちの生命を守る対策などを取っています。
 3つ目は、「子育て支援への積極的な取組み」ということです。
 児童手当の支給対象を小学校6年までに拡大、出産育児金の引き上げや、放課後児童クラブの拡充を行ないます。
 4つ目は、「医療制度改革」への取組みです。
 超高齢化社会の到来に備えた医療保険制度への一里塚となる予算といえます。
 小泉内閣はこれまで「改革なくして成長なし」の方針の下、構造改革に取り組んできました。わが国経済は、設備投資、輸出、個人消費が増加して、民需主導の景気回復に歩みを進めています。そして国民は、新しいことにチャレンジする意欲、そして自信を回復しつつあります。セイフティーネットを整備しながら、構造改革の歩みを止めないことが大切と考えます。
 4月からは行政改革の特別委員会設置による、ムダ使いのない効率的な政府づくりへとテーマは移ります。政務官として私の担当ですので、シェイプアップと活力ある日本づくりの議論が充実したものになるよう走りたいと思います。
 今週はロシアやアメリカの関係者と両国内のことについて話しを聞きます。また、外国人労働者の現状やインターネット関連の問題、ひきこもりなどの会合もあります。
 
 ところで、日曜日の産経新聞に「再生」という詩がありました。
再生
和歌山市 田中邦彦 52
自転車を手に入れて
僕は歩くのをやめた
原付を手に入れて
僕はこぐのをやめた
車を手に入れて
僕は土を忘れた
プールに親しんで
僕は海を遠ざけた
エアコンを手に入れて
僕は大気を疎んじた
文明を一つ手に入れて
便利を一つ手に入れて
道具を一つ手に入れて
僕は心を失った
今、僕はこつこつと
慎重に心を
もとに戻していく
出典:産経新聞 平成18年3月26日
 
 また、日本経済新聞には漫才師の島田洋七さんが、佐賀県の祖母の家で過ごした小中学生時代の貧乏についてのお話がありました。
 貧乏な暮らしの中でおばあちゃんは底抜けに明るかったといいます。「腹減った」と訴えると食べるものがない中で「気のせいや」という返事が返ってくる。
 「貧乏には【明るい貧乏】と【暗い貧乏】の二通りあることを学びました。焦り、ねたみは厳禁。これもばあちゃんの教えです。」と洋七さんは語っておられます。
 今、格差社会が政治の場でも議論されます。私もいろいろな国を歩いてきましたが、日本は教育のチャンスがあり、国民に対し、生活保護や保険、年金のセーフティーネットも世界でトップクラスだと思います。
 政治的には、“失敗してもチャレンジしやすい環境整”備などにさらにつとめていかねばなりませんが、それでも、最終的には、人生観や心のもちようも大きいのではないでしょうか。
 金持ちになって、モノに囲まれても、健康や情愛や美しい時間に恵まれない人はいます。出世しても、間違った方向に人々や社会を導いたり、周囲の人や後輩を育てないのは、神仏の眼から見れば貧しく淋しい生き方です。金銭的に貧しく、病にあっても、人の幸せを祈る心を持った豊かな人はおられます。
 格差社会のモノサシは、金、地位だけではないことを語れるのは、中高年者の特権であり、お役目なのかもしれません。
 私の祖父母は朝3時起きで新聞配達をしていました。休日には私も新聞折り込みの手伝いをいたしました。祖母は「みんな仲良く生きるんやで。商店街はまんべんなく、どの店からでも買うてやってや」と言っていました。
 私が「趣味の悪い洋服屋では買う物がない」と言い返すと「靴下か下着を買うたらええ」と言われました。
 祖父母は、偉大な教育者です。重ねた年月が人生の儚さを思い知らせたゆえに、真実の道を説くことが、つぶやくことが出来るのだと思います。

 長男が卒業しました。この春から授業料3人分が2人分となります。
 卒業式の朝“かあさん、ありがとう”と私をハグしてくれました。身長の高さに改めて驚きます。ユーミンの卒業写真を皆で歌って号泣したと帰宅後に報告がありました。
 「これまでの、どの卒業式より悲しかった。♪卒業写真のあの人はやさしい目をしてる♪というフレーズで、突然父さんと母さんが中学の卒業式にそろって来て写真におさまったこと、父さんのテレた眼を思い出してしまって…」と言いました。
 隣家の庭の垣根の紅かなめが赤く燃えています。こぶしの花が白く空に飛び立つように咲いています。春の息吹は何とあでやかな色彩のハーモニーとコントラストを見せてくれることでしょう。
チューリップ 喜びだけを 持ってゐる (細見綾子)

平成18年3月27日 山谷えり子

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