メッセージ(バックナンバー)
 自民党は本日、「スポーツ立国調査会」「青少年を違法・有害情報から守るための法制度検討会」を立ちあげました。
 全国学力・学習状況調査でも、家庭や地域社会のありようと子供の学力や考え方が深く関わっていることがわかりました。スポーツ環境、社会環境など大きな視野で子供を守り育むことに全力投球するよう、いろいろな場が立ちあがっていくことが大切です。
 国会の文部科学委員会でも、本日午前、午後開かれた中で、全国学力、学習状況調査をいかすことやスポーツ振興などについて大臣、副大臣と活発なやりとりがありました。
 教育再生会議の委員会視察で杉並第七小学校に体育の見学に行きました。
 体育といっても普通の体育ではありません。(財)日本テニス協会がNPO法人を作り小笠原流礼法の先生と協力し、「マナーキッズプロジェクト」というプログラムを幼稚園や小学校で、全国展開しているのです。
 先生たちは地元や元大学のテニス部OBボランティア60代70代の方々(アクティブシニアというそうです)がいっぱいです。また小笠原流の先生があいさつや美しい身のこなし方、心のありようを親たちにも同時に教えてくださり、徳育、親学の場にもなっているのです。
 私も改めて良い勉強になりました。ちょっと日常を見直すヒントになるかもしれませんので、教えていただいたこと、ご紹介します。
 朝のあいさつは、母から子へとすることが多いのですが、小学校入学を機会に、本来のあいさつは、目下から目上にするものなのですから「おかあさん、おはようございます」と子供のほうからさせたほうがいいというのです。
 また「ございます」まで言うことが大切で、こうしたことにより、ていねい語、尊敬語の使い方、また育てる者と育てられる者、といった秩序感覚がとぎすまされ謙虚な心など豊かな情操が育つというのです。
 「朝に見て、昼には呼びて、夜触れて、確かめおらねば子は消ゆるもの」と昔の人は言いました。
 消ゆるとは存在がなくなるというのではなく、絆が細く、ついには消えてしまうかも、という意味でしょう。子供の顔を見て「おはよう」を返したいものです。
 また先生は、学校へ行く子や夫を見送る時も、玄関を出て見送ってあげてくださいと言われます。
 5、6歩歩いたところで“行ってらっしゃい、気をつけて”と声をかける。子や夫は、まあるい、あたたかいものを抱いて出かけ、一日中その気持ちが持続するというのです。
 ああホントですね。昔「母さんが行ってらっしゃいと言ってくれた。行ってらっしゃい、行ってらっしゃい、行ってらっしゃい…母さんの声が学校の門までついてきた」という小学生の詩を読んだことがありました。
 さらに「夫の悪口は言わないで。“遅いわね”というなら“お父さん大変ね、こんなに遅い”と冒頭に言葉を添えてくだされば。母の唇からは美しい言葉以外発しない、と決心なさって下さい。そうすれば子供は、父親も母親も尊敬します」と言われました。
 これもアイタタ。昔中学生がよんだ詩を思い出しました。
 「14年、父の無能を吹きこまれ、ようやくわかった母の愚かさ。共通の話題これっぽっちもありません。父さんいつも家で寝るだけ」…50人ほどのお母さん達が熱心にメモをとりながら聞いておられます。
 私は小谷実可子委員に“うーん、後悔…”という仕草をしてしまいました。
 躾は、身のほどこし方だけでなく、心のあり方が根っこにあってこそと言われ、穴に入りたいような、いやいや今日からでも遅くないぞ、との気持ちになりました。
 最後に、美しく見えるごあいさつの形を教えていただき「上半身を、腰を折る時は、心も一緒にていねいにさげて。そして上半身をあげても、心は残心(ざんしん)。ていねいなままで残しておいて…」に「うーん、深い」と親も子も納得の顔が体育館いっぱいに広がりました。
 親と子が、テニスだけでなく、こうしたマナー、心のありようまで学ぶ一日は、宝のような一日です。
 親や学校は、こうした体育と徳育の親学の融合授業で「子供をほめる場面がふえた」「マナーという視点で子供を見つめ直すだけで、生活面、学習面の全ての領域を網羅することが分かった」子供たちは「朝食をしっかり食べるようになった」「地域や校内ですれ違う時のあいさつがよくなった」「明るい顔、声、腰の折り方等、本当によくなった」などの声がよせられています。

平成19年10月30日 山谷えり子

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