メッセージ(バックナンバー)
 先の日朝実務者協議で北朝鮮が「解決に向けての再調査」を行うことを約束し、それを受けての日本政府の方針について、議論をしています。
 私は超党派の拉致議連副会長をつとめ、また自民党北朝鮮外交を慎重に進める会のメンバーとして、議論し、また党の外交部会でも政府への要望を議論しているところです。
 6月16日、拉致議連役員会からの要望として、

対北朝鮮制裁緩和に関する声明
(1) 政府は具体的進展が確認できない限り、制裁の緩和は絶対に行わないこと。
(2) 政府はよど号犯人の帰国について、制裁緩和とは全く無関係である旨、明確にすること。
(3) 政府は具体的進展がない場合には、北朝鮮による従来からの引き延ばし、若しくは騙しであるので、直ちにより強固な制裁を行うこと。
(4) 政府は引き続き米国に対し、日米同盟に鑑み、拉致問題の具体的進展が明確とならない限り、テロ支援国家指定解除を行わないよう強く要請すること。
 
平成20年6月16日
北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
会長 平沼 赳夫

 6月17日、自民党北朝鮮外交を慎重に進める会では、緊急要望として、

- 対北朝鮮経済制裁の一部解除に対する緊急要望 -
 先の日朝実務者協議において、北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」という従来の立場を変更し、「解決に向けての再調査」を行うことを約束した。
日本政府はこれを「一定の前進」と見なし、北朝鮮に対する経済制裁の一部を解除する方針を打ち出した。
具体的には、北朝鮮との間の人的往来、北朝鮮からの航空チャーター便の乗り入れ、万景峰号による人道物資の積み込みを認めることが決まっている。
我々は拉致問題解決に向けた話し合いの糸口をつかむために福田総理が下したギリギリの決断を理解する。
加えて、政府の拉致問題解決に向けた真摯な努力については、今後とも支持していきたいと考えている。
しかしながら、実際に「制裁の一部解除」を実行するにあたっては、政府に対して次の3つのことを強く要望したい。
1. 制裁解除のタイミングは、北朝鮮の約束した「再調査」の具体的な内容を見極めた上で慎重に検討すること。
  「再調査」の内容が日本側に受け入れられないものであったり、「再調査」に具体的な進展が見られない場合には、経済制裁解除に踏み切るべきではない。
  状況によっては、解除措置そのものを見直すか、いったん制裁を解除しても、北朝鮮側が約束を果たさない場合に「制裁を元に戻す」ことは当然だと考える。
2. 米国政府に対して「拉致問題を含む日朝関係の進展がない限り、北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除しないよう」引き続き強く要請していくこと。
  今回、日本政府が日朝協議に「一定の前進があった」と認めたことで、米国政府に「誤ったメッセージ」が伝わるようなことがあってはならない。
3. 今後も対北朝鮮外交における「対話と圧力」の原則を維持すること。
  拉致、核、ミサイル問題で日朝間に「目に見える進展」がない状況下で「北朝鮮との国交正常化を急ぐこと」は、けっして日本の国益に繋がらない。
 
 最近、某新聞社が行った世論調査によれば、今回の「制裁一部解除」という政府の方針を「評価しない」という回答が55%を占めた。
 政府においては「こうした国民感情」にも十分に配慮した上で北朝鮮との外交交渉を進めていただくよう、重ねて強くお願いしたい。
 
平成20年6月17日
北朝鮮外交を慎重に進める会

を出したところです。

平成20年6月17日 山谷えり子

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