メッセージ(バックナンバー)
 あけまして、おめでとうございます。
 牛の年。闘牛のようにまいります。
 1月1日は、娘に着付を手伝ってもらって、朝5時より元朝式に出席。美しい朝を迎えられたことに感謝です。
 世界同時にいろいろな所で変化が起きていく年ですが、日本は積極財政で、世界で一番早く立ち直ると、麻生政権は第一次、第二次補正予算と本予算で事業規模75兆円の経済・金融対策の予算を組みました。(財政措置は約12兆円で、GDP比2%程度となっています。対GDP比1%台のアメリカの経済対策を上回っています)。
 是非、1月5日よりの国会で早く成立させて、市場にお金が回り、人々の力が発揮できるようにしたいと思います。暮れには、中川昭一財務大臣と、元朝には、河村建夫官房長官と与謝野馨経済財政担当大臣から、経済と国会運営の見通しなどお聞きしました。
 中国もアメリカも国内の雇用を優先させ、内需拡大策をとりたいところでしょうが、さまざまな国が試練に合っている中で、困難を希望に変えていく戦略が必要です。
 9時半、支援して下さる皆さまに新年のごあいさつと国政報告をいたしました。
 10時半には皇居にあがり、天皇、皇后両陛下に新年のごあいさつをいたしました。昨年秋の園遊会でごあいさつした時より、体調も良いご様子で、嬉しく感じると同時に、両陛下が現在の私たちの暮らしに本当に心を傾けてくださっている強い力と緊張感を感じました。
 父の墓参りをし、夜は姑の家に義妹たちや20代のめいやおいの若者が総勢12名が集まり、毎年の書き初め大会です。書き初め四文字創造熟語競争で燃えるのは面白くてなりません。どんなに複雑な年でも、社会でも、家族の絆は、人々の心のよりどころですものね。おいしいおせちを用意して、毎年待ってくれる姑、小姑家族に感謝。
 
1月2日
 地元の氏神さまへ初詣で。家族づれで大にぎわいです。
 
1月3日
 支援して下さる皆さまの新年の会。国政報告をし、励まされました。若い人々の出しものに初笑い、大笑い。若いウィットやジョークは本当に楽しいもの。息子は高尾山に、娘は日光東照宮にそれぞれ友人達と初詣で。栃木ではいちご狩りをしてきたといいます。初詣でにもいろいろバラエティがあると妙にナットク。
 
1月5日
 通常国会スタート。議員総会、本会議。和装議員連盟のメンバーなので、天皇陛下をお迎えしての開会式は、私は例年和装です。
写真:和装議員連盟メンバー
 陛下のお言葉。「本日、第171回国会の開会式に臨み、全国民を代表する皆さんと一堂に会することは、私の深く喜びとするところであります。国会が、永年にわたり、国民生活の安定と向上、世界の平和と繁栄のため、たゆみない努力を続けていることを、うれしく思います。ここに、国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」。
 支援してくださる皆様と昼食。こういう時こそ日本人が日本の心をとりもどすチャンスとおっしゃられます。そうですよね。
 自民党仕事始め。党本部で充電バッチリの麻生総裁がごあいさつ。“やることはすべてやった”というお気持ちのあらわれか、通常国会のスタートを当然のことながらむしろ前向きにとらえておられます。野党がパフォーマンス政局で第2次補正予算と本予算の審議を遅らせるようなことは良識としてなさらないと信じたいと思います。
 拉致特別委員会と自民党の党大会運営委員会と講師の準備、打ち合わせに一日中和装でしゃっしゃと走り回った一日でした。参議院の拉致特別委員会の理事を引き続きつとめることになりました。
 今年の干支「丑」は、私の福井の小学校の大先輩、碩学白川静先生によれば、「手の指先に力を入れて曲げ強くものを執る形、爪を立てている形」(字通より)とあります。また、友人に教わったのですが、「漢書」では、「丑」は「紐」(ひもの意味)で、芽が種子の中にある状態。つまり今年は芽が出ればそれをしっかり爪を立ててつかみましょうという年。百年に一度の危機を千年に一度のチャンスへと、日本人の民族性に訴えかけるではありませんか。
 役員連絡会、総務会、執行部会、文部科学・文教制度調査会合同会議と引きしまった会議が続きます。
 
1月6日
 ところで正月休みは、論語と安岡正篤先生の本を読み通しました。(お孫さんの定子さんとは年明けにお会いし、おしゃべりいたします)。安岡先生は、多くの政財界の人物を磁石のように吸い寄せアドバイスなさった方です。
“深重厚重なるは是れ第一等の資質”と考えられ、“陰徳を積む”ことを大切に考えられました。
 岸信介総理や佐藤栄作総理ともよくお話されたということです。ある時、佐藤総理はケネディ大統領と5分間だけ会うが、何をどう話したらいいだろうと安岡先生に話されます。安岡先生は「シュバイツアー博士は第二次世界大戦後、“戦勝国は、対戦国に対し喪の礼をもって服す”という老子の言葉を読み祈ったというエピソードから話されたらいかがですか」と言われます。
 佐藤総理がそのようにしたところケネディ大統領は、そのような話をする日本の総理はただものではないと敬意を感じ、驚き、ケネディ大統領との会談は短い予定時間をこえて数時間に及んだというエピソードがあるくらいです。そしてその信頼関係は沖縄返還に結びついていったという見方をする人もいます。
 野党も、100年に1度の世界経済の厳しさにあるなら、深重厚重に日本の経済と人々の暮らしを考え、祈り、行動してほしいと願います。麻生総理は新年の両院議員総会で、“今こそ責任与党の力をお見せできる。そう思って進む”と言われました。私は女性局長として、“闘牛で行きますヨ”と握手すると、総理は“女性局長は闘牛か!”と言われました。
 なお、論語の中より抜き出した私のメモをご紹介します。
君子は本を務む、本立ちて道生ず。孝弟なる者は其れ仁をなすの本か。
(何事でも先ず本を務めることが大事である。本が立てば、進むべき道は自ら開けるものだ。従って孝弟は仁徳を成し遂げる本であろうか)
 
子曰わく、巧言令色、鮮し仁。
(ことさらに言葉を飾り、顔色をよくする者は、仁の心が乏しいものだよ)
 
曾子曰わく、吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交りて信ならざるか、習わざるを伝うるか。
(私は毎日、自分をたびたびかえりみて、よくないことははぶいておる。人の為を思うて、真心からやったかどうか。友達と交わってうそいつわりはなかったか。まだ習得しないことを人に教えるようなことはなかったか)
 
子曰わく、千乗の国を道(みち)びくに、事を敬して信用を節して人を愛し、民を使うに時を以てす。
(兵車千台を有するような諸侯の国を治めるには、政事を慎重にして民の信頼を得、国費を節約して民を愛し、民を使うのは、農閑期を利用するように心掛ける)
 
子曰わく、之を導くに政を以てし、之を斉うるに刑を以てすれば、民免れて恥ずること無し。之を導くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥ずる有りて且つ格し。
(国を治めるのに、政令や法律のみにより、統制するのに刑罰をきびしくすれば、民は要領よく免れて何ら恥じることがなくなる。一方国を治めるのに道徳を基本とし、統制するのに礼によれば、自ら省みて過を恥じ、そうして自ら正していくようになる)
 
子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず。五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず。
(私は、十五の年に聖賢の学に志し、三十になって一つの信念を以て世に立った。然し世の中は意のままには動かず、迷いに迷ったが、四十になって物の道理がわかるにつれ迷わなくなった。五十になるに及び、自分が天のはたらきによって、生れ、又何者にもかえられない尊い使命を授けられていることを悟った。六十になって、人の言葉や天の声が素直に聞けるようになった。そうして七十を過ぎる頃から自分の思いのままに行動しても、決して道理をふみはずすことがなくなった)
 
子曰わく、学びて思わざれば即ち罔く、思うて学ばざれば則ち殆し。
(学ぶだけで深く考えなければ、本当の意味がわからない。考えるのみで学ばなければ、独断におちて危ない)
 
子曰わく、異端を政むるは、斯れ害のみ。
(本筋からはずれた学問をするのは害があるだけだ)
 
子曰わく、由、女に之を知るを誨えんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。
(由よ、お前に『知る』ということを教えようか。知っていることは知っている、知らないことは知らないと素直にいえるのが、本当に知るということだ)
 
子曰わく、約を以て之を失う者は鮮し。
(つつましくて、行き過ぎがないように心掛けて、失敗する者は少ない)
 
子曰わく、君子は言に訥にして、行に敏ならんと欲す。
(君子は、たとえ口は重くても、行はきびきびしようと思うものだよ)
 
子曰わく、徳は孤ならず、必ず隣有り。
(報いを求めず、陰徳を積んでいる者は、決して一人ぽっちではない。必ず思わぬところにこれを知る者がいるものだ)
 
子曰わく、君子は坦かに蕩蕩たり。小人は長えに戚戚たり。
(君子はいつも平安でのびのびしている。小人は、いつでもくよくよして落着きがない)
 
子、 温にしてし。威にして猛からず。恭にして安し。
(先師は、おだやかでいてきびしく、おごそかであってもたけだけしいところはなく、うやうやしくて、しかも安らかな方であった)
 
子曰わく、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。
(知者は物事の道理を弁えているので迷わない。仁者は私欲をすてて天理のままに生きようとするので、心に悩みがない。勇者は意志が強いので何物もおそれない)
 
子貢政を問う。子曰わく、食を足し兵を足し民之を信にす。子貢曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於て何れをか先にせん。曰わく、兵を去らん。曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於て何れをか先にせん。曰わく、食を去らん。古自り皆死有り、民信無くんば立たず。
(子貢が政治の要諦を尋ねた。先師が答えられた。「食を豊かにし、兵を充実し、民に信を持たせることだ」。子貢が尋ねた。「どうしてもやむなく捨てなければならないときに、この三つの中どれを先にすればよいでしょうか」。先師が言われた。「兵を捨てよう」。子貢が更に尋ねた。「どうしてもやむなく捨てなければならないときに、この二つの中どれを先にすればよいでしょうか」。先師が言われた。「食を捨てよう。昔から食の有無にかかわらず、人は皆死ぬものだ。然し人に信がなくなると社会は成り立たない」)

平成21年1月 山谷えり子

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