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| 兄は櫻の木に咲いて居る |
| 海軍少尉 服部壽宗命 |
| (中略) |
| 兄は常に九段の社の櫻の木の枝に咲いて居る。裏の元屋敷の櫻の木にも咲きますよ。櫻が咲いたら兄だと思って見て下さい。 |
| さやうなら。母上を御願ひ致します。 |
| 出撃前夜 |
| 親愛なる妹 節子殿 |
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| 立派な人になつて下さい |
| 海軍大佐 堀内豊秋命 |
| (前略) |
| お父様に対する孝行は、ただ勉強して立派な人になることです。特に一人息子の一坊は一家の柱です。呑気すぎてはなりません。それでこせこせしたり、卑しくなつてもいけません。 |
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| 愛児に遺す言葉 |
| 陸軍憲兵軍曹 上田貢命 |
| 昭和二十一年四月二十八日 |
| 恵子が物心つく様になつたら次の事を良く教へて呉れ給へ。 |
| 1. |
恵子の父さんは国に殉じた立派な人であつた事。 |
| 2. |
恵子の母さんも祖父母さんも共に立派な人で、父さん無き後は、祖父母・母さん達の云はれる事を良く守つて、勉強して立派な日本女性となる事。 |
| 3. |
父さんは何時も恵子と一緒に居るのだから、少しも淋しがらずに素直に生長する事。 |
| 以上を未だ見ざる我子に遺して行く。良く教へ導いて呉れ給へ。 |
| 見ざる子故に、尚さら瞼にはつきりと恵子の生長した姿が映じて来る。素直に生きよ。 |
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| 弱きを助ける人となれ |
| 陸軍少佐 海野馬一命 |
| (前略) |
| 「弱きを助ける人となれ」これが父の言葉だ。汝未だ五才と雖も父の言を忘るゝ勿れ。 |
| 瑞子様はお姉様だから父の心がよく判るであらう。和幸や誠子が成長するに従ひ父の心を傳へて下さい。 |
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「英霊の言乃葉-社頭掲示集第九輯」 編集兼発行所 靖国神社社務所より |
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