メッセージ(バックナンバー)
 福沢諭吉は、家庭教育にも熱心だったといわれています。子供たちに教えたこんなメモが残っています。

「ひゞのをしへ」
1. うそをつくべからず。
2. ものをひらふべからず。
3. 父母にきかずしてものをもらふべからず。
4. ごうじゃうをはるべからず。
5. 兄弟げんくわかたくむよふ。
6. 人のうはさかたく無用。
7. ひとのものをうらやむべからず。

 本当に具体的。
 小学生の低学年の子供に教える時は、短く、具体的でなければなりません。
 世界が賞賛した、日本の昔の道徳の教科書(修身)も読みなおしてみると、まことにうまく子供の心をつかんでいます。

精撰尋常小学修身書
ー明治・大正・昭和…親子で読みたい (小学館文庫) (文庫) 八木秀次
基本(「尋常小學校修身書」二一頁から三七頁)
だい一 おやこ
 おとうさんが、とおいところへ、いきます。おたけは、おかあさんといっしょに、みおくっています。
だい二 おかあさん
 おたけのおとうとが、よなかに、なきだしました。おかあさんは、だきあげて、いろいろと、なぐさめています。おかあさんのごおんを、わすれてはなりません。
だい三 おとうさん
 おたけが、かわいそうなこをみています。 このこには、おとうさんがありません。おとうさんのごおんを、わすれてはなりません。
だい四 じぶんのこと
 いちろうが、おかあさんのいうことをきて、ほんやふでをそろえて、がっこうへ、いきます。じぶんのことは、じぶんで、せねばなりません。
だい五 きょうし
 せんせいが、「ちこくしてはなりません。」と、いちろうに、いってきかせました。おかあさんは、「せんせいのおしえを、よく、おききなさい。」と、いいつけています。せんせいのおしえをきかんと、よいひとになれません。
だい六 としより
 おうめといちろうとが、としよりのおとしたぜにを、ひろってやっています。としよりを、だいじにせねばなりません。
だい七 きょうだい
 いちろうのげたのはなおがきれました。おうめは、そのはなおをすげています。きょうだいは、なかよくせねばなりません。
だい八 たべもの
 おかあさんが、「あおいうめのみを、たべてはなりません。」と、いってきかせています。たべものに、きをつけねばなりません。
だい九 せいけつ
 からだを、きれいにせねばなりません。からだをきたなくしておくと、びょうきになることがあります。
だい十 しょうじき
 しょうじきなでっちが、たんものに、きずのあるのを、おきゃくにしらせています。このこは、おとなになってから、りっぱなあきんどになりました。
だい十一 きまりよくせよ
 おつるは、おきぬのうちで、あそんでいましたが、十二じにちかくなったので、かえりました。なにごとにも、きまりよくせねばなりません。
だい十二 ことばづかい
 ひとりのこが、ぶれいなことばをつかいました。ほかのこどもが、それをとがめました。ことばづかいを、つつしまねばなりません。
だい十三 やくそく
 ぶんきちは、あめのふるのにえほんをかえしにいきます。やくそくしたことを、ちがえてはなりません。
だい十四 ひとのあやまち
 こたろうが、ぶんきちのまりをなくして、わびました。ぶんきちは、「あやまちはしかたがない」といって、とがめませんでした。ひとのあやまちは、ゆるさねばなりません。
だい十五 わるいすすめ
 「こやにかくれていて、とおるひとをおどそう。」と、ともだちが、すすめました。ぶんきちとこたろうとが、それをとめました。わるいすすめに、したがってはなりません。
だい十六 ともだち
 こたろうが、ぶんきちのつかれたのをみたので、ふろしきづつみをもってやっています。ともだちは、たすけあわねばなりません。
だい十七 ものをそまつにあつかうな
 このこが、べんとうばこをなげだしたので、こわれました。「ものを、そまつに、あつかってはなりません。」と、ねえさんが、おしえています。
だい十八 あやまち
 まさおが、ひばちにつまづいて、どびんをひっくりかえしました。あやまちをせんように、きをつけねばなりません。
だい十九 ひろいもの
 まさおが、ひろったかねを、おとしたこどもに、かえしています。ひろいものを、じぶんのものにしてはなりません。
だい二十 いきもの
 まさおのいもうとが、ねこをいじめているのを、まさおがみつけて、とめています。いきものをいじめてはなりません。
だい二十一 ひのまるのはた
 ひのまるのはたは、にっぽんのしるしであります。よいはたではありませんか。
だい二十二 きそく
 ひとりのこどもが、どてに、のぼります。ともだちが、たてふだをみて、それをとめています。きそくにしたがわねばなりません。
だい二十三 ひとにめいわくをかけるな
 このこが、みちばたに、ごみをすてようとするのを、おとうさんがとめています。せけんのひとに、めいわくをかけてはなりません。
だい二十四 よいこども
 このふたりのこどもは、せんせいにおしえられたことをまもりました。おとうさんとおかあさんとが、それをほめて、えほんをあたえています。


平成21年6月8日 山谷えり子

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