メッセージ(バックナンバー)
 早稲の刈りとりが始まっている列島を走りながら「二宮尊徳全集」を読んでいます。各地でお会いする農家の皆さんの美しい表情が、思わず全集を読みたくさせたのです。
 1878年神奈川県の酒匂川のほとりに生まれた。二宮金次郎は16才で両親共に先立たれ、洪水や天災に次々苦しみます。それでも本を読みつづけ、俳句グループにも入り詩情豊かな俳句をよみます。
「きじ鳴くや七里並木のみぎひだり」
「春雨やぬれて耕す人心(ひとごころ)」
「ちょうちょうや日和うごいて草の上」
 天保の飢饉の時はなすの味から凶作を予感し、畑にひえをまくように村人にすすめ、村人を餓死から守ります。「貧富盛衰は道の盛衰があるから。道義ある時、国は栄え、道義衰えれば、国は衰える」二宮尊徳の言葉、行政官として年々状況を見て次々結果を出していく足どりは、教えられます。
 先日、福井の九頭竜川のほとりで、知人からこんな話を聞きました。
「昔、このあたりは“命保水”という地名だったの。白山水系、九頭竜川の伏流水の豊かな地。最近、中国の人が“命保水”という名を商標登録したいと動き始めているの。中国は水の大切さ、命の源を理解しているのね。もちろんお断りし、命保水の名はご先祖さまからのあづかりものとして私たちが大切にしていきます」
 日本は資源のない国と長年言われる中で、実は古来から美しい森と水に恵まれている生命の資源大国であったのである。
 森と水は日本のこころ、道義を育ててくれた父であり、母であったのです。

平成21年8月23日 山谷えり子

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