メッセージ(バックナンバー)
12月15日
 「アジアの子供たちに学校をつくる議員の会」のメンバーとして、タイのチェンマイに行ってきました。
写真:「アジアの子供たちに学校をつくる議員の会」のメンバーとして、タイのチェンマイに訪問
 64名の自民党議員が毎月一人1万円ずつ積み立てて、1年に1校ずつ学校を作っていく会で、本年は9校目です。贈呈式のため安倍晋三会長と遠藤利明代議士、私の3名でまいりました。
 チェンマイから車に乗ること片道5時間。うち1時間半は大荒れの海を行くような悪路の山道を四駆で右に左に頭を車の屋根にぶつけそうになりながら進み、山のてっぺんにあるファイコーン小・中学校に到着した時は、体がガタガタ、頭はクラクラ。でも山の景色と子供たちの笑顔でいっぺんにこちらも笑顔となりました。
 64名の自民党議員が毎月一人1万円ずつ積み立てて、1年に1校ずつ学校を作っていく会で、本年は9校目です。贈呈式のため安倍晋三会長と遠藤利明代議士、私の3名でまいりました。
 山岳民族カレン族(47万人ほどがタイに住む)の子供たち。遠いため寮生活の子も多く、寮と校舎、トイレを贈呈しました。この地の中心校になる立派な施設となり、子供たちから“良い環境で学べてうれしい”と言われ、こちらこそ嬉しくなりました。朝4時半から起床して、子供たち自身で食事の仕度を始めるとか。生徒325人ですが、240人ほどが遠くの村の子供たちです。
 贈呈式をすませ、綱引き大会など運動会もいたしました。
写真:贈呈式をすませ、綱引き大会など運動会
 先の大戦で、カレン族の人々は、病に倒れた日本人にやさしくしてくれました。村人との友情物語も残っています。父が“村人が食料を分けてくれたこと、村の犬を皆でかわいがったこと”など話してくれたものでしたが、カレン族の人々をみて、父の話が少しわかったような気がします。
 
12月16日
 「タイ・ビルマ方面戦病歿者追悼の碑」慰霊。
 昭和16年から19年にかけて、日本軍はインド独立義勇軍と共にビルマに入りインパール作戦を戦いました。その時チェンマイの道を通ったのですが、7〜10数万人の死者が出たといわれています。遺骨や遺品は放置されたまま。こうした中でタイの方は負傷した兵、マラリアにかかった兵を看病し、また日本兵も村の農作業を手伝ったり、子守りなどしたといわれています。
 戦後、遺骨収集活動で発掘された1万8000名の日本兵、関係者の追悼碑はバーンガートウィタヤーコム中・高校の敷地にあります。平成5年慧燈財団が建立してくださったものです。
 父と亡き戦友の思いをこめて、苦労をしのび、安らかにと祈らせていただきました。
 日本語を学んでいるタイの高校生たちが追悼碑の前で「昴」「上を向いて歩こう」をきれいな声で歌ってくれました。将来は日本語のガイドや先生になりたいという子もいます。
 大梵鐘もあり、朝5時と夕方5時に鐘を鳴らし、この地の鎮魂を願っているとのことでした。
 梵鐘には昭和天皇の「みほとけのおしえまもりてすくすくと生い育つべく子らに幸あれ」の御製(佐賀県因通寺の戦争孤児引揚養護施設を訪問された際賜りなされた)と元遺族会会長橋本龍太郎元首相の揮毫による「安らかに」の言葉が刻まれています。
 安倍元総理、遠藤代議士、私と3人で鐘をつかせていただきました。“ゴーン”…心にしみる良い音でした。追悼供養をタイの子供たちとできるなんて、出発前は考えてもいなかったこと。
写真:安倍元総理、遠藤代議士、私と3人で鐘をつかせていただきました
 戦没者の多くの命を背に、日タイ交流の思いを深めることが出来ました。
 この中・高校とは、教材の充実、先生の研修、留学生の受け入れなど、今後進めていきたいことを話しました。
 
12月17日
 バンコクで、日本のもの作り技術を学ぶ泰日工業大学に視察と意見交換にまいりました。1973年にタイ日経済技術振興協会が設立され、活発な活動を行い、タイには日本企業がたくさん増えました。
 日本の各界からの支援により2007年6月に私立大学として「自動車工学」「コンピュータ工学」「日本語経営学」など大学院もある泰日工業大学として創立、開講。2011年には3000人規模となりそうな人気私立大学となっています。日系企業への就職支援もていねいにしていく方針で、私立大学としてはランキングトップの人気校となっているということで嬉しく思いました。
 学生たちは日本語が上手で「はじめまして…エンジニアになりたいです」などと次々と話しかけてきます。
 安倍元総理はキャンパス内に記念の植樹。
 北朝鮮製の地対空ミサイルや武器がバンコク空港でアメリカの情報により調査、押収された件は、現在取り調べ中で、どうやら中東向けであったと言われています。国連にどう報告するか、タイ国内でも注目されていました。
 日本の鳩山政権の動き海外に出ると、まことに危ないことこの上なしです。

平成21年12月15-17日 山谷えり子

<< 前のメッセージへ 次のメッセージへ >>

山谷えり子事務所
〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館611号室
TEL:03-3508-8611/FAX:03-5512-2611