2010年2月8日
歌人河野裕子さん

出張先で地元紙を読んでいると、今年の「歌会始の儀」で選者となられた京都の歌人河野裕子さん(63)のインタビューがのっていました。

「白梅に光さし添ひすぎゆきし歳月の中にも咲ける白梅」

皇居で朗詠された歌です。
河野さんは、2000年にがん発症し、治療、再発の現実の中で、ますます美しい歌を詠まれておられます。

「大泣きをしてゐるところへ帰りきて あなたは黙つて背を撫でくるる」
「いのちには限りがあるが限りとは 何であろうか卯の花教へよ」
「何年もかかりて死ぬのがきっといい あなたのご飯と歌だけ作って」
「たくさんの朝顔とコスモスの種を蒔く 良き季節は育ちながら来る」

良き季節は育ちながら来る…
落ち着いて、まわりをよく見なさい。感謝なさい。
素直でありなさい。覚悟をもって生きるのよ。言葉を大切にね。
あなたなら、きっと出来るわ…河野さんの歌にひたればそんな声が聞こえてきそうです。