2011年4月30日
森下洋子さん

森下洋子さんといえば日本を代表するプリマバレリーナ。
3才の頃からレッスンを始め、63才の今も毎日お稽古をしておられるとか。

我が家の2人の娘たちも小さい頃は近所のレッスン場に通わせていただいていました。
廊下ですれ違う森下さんは妖精そのものでいらっしゃいました。

その森下さんが連休5月3、4日に上演する新「白毛女」を前に4月28日の日経新聞にこんなエッセイを書いておられました。

『幼いころからとても不器用だったので、何度も何度も繰り返し繰り返し稽古をする。そうするとできるようになるということが身体にしみこんでいる。今も日に5、6時間は基本練習やリハーサルに取り組む。たまの休みもストレッチは欠かさない。怪我や病気で稽古を休んで筋肉が落ちないよう体調には人一倍心をくだく。バレエと出合った最初から、この素晴らしいものを続けたいという思いが強かった。「今日もつつがなく稽古ができてよかった」。日々の思いは変わらない。
先人たちの声が聞こえてくる。「毎日が1年生、謙虚に、感謝をもって稽古しなさい」と。』

日本人の生き方そのもののように思えます。
観客が目にするライトのあるステージは一瞬です。そのために日々のお稽古。しかし、そのお稽古そのものをこんなにも理解し感謝しながら積み重ねておられるなんて。
人間は馴れやすくあきやすい存在です。

森下さんは『バレリーナの素足は豆だらけで、爪も黒くなる。現役を引いた方から足がきれいになったと聞いたことがあるが、私がそうなることはないだろう。』とも書いておられます。

足がきれいになることはもうない、森下さんのレッスンとステージがずっと喜びの日々でありますように。
そうして、どの人もいろいろな鍛錬、繰り返すことの喜びを実は神から与えられており、多くの人がそれに気づかぬか、意識的に意欲しないかのどちらかなのかも知れません。

被災地のがれきの町に大漁旗を掲げて前に進もうとする漁業組合の皆さまの姿と森下さんのお稽古の姿が重なりました。
そして、国会議員は繰り返し審議を重ね、良い政策を生み出すことにもっと喜び、希望を感じなければならないと思います。

国会は明日5月1日より10月31日までクールビズです。