2012年5月17日
自民党領土に関する特命委員会決議

米国ニュージャージー州のいわゆる慰安婦記念碑及び
ソウル市の「平和の碑少女像」、「慰安婦博物館」に関する決議

平成24年5月15日
                       自由民主党政務調査会
領土に関する特命委員会

 2010年10月23日、韓国系米国人が住民の過半数を占める米国ニュージャージー州パリセイズ・パーク市においていわゆる慰安婦記念碑が建てられ、2011年12月14日にはソウル市の日本大使館前に、平和の碑少女像が建てられた。それらの碑文には、「20万人少女拉致」や「性奴隷」という文言が記されている。さらに本年5月5日には同じくソウル市にいわゆる「慰安婦博物館」が開設され、展示物の中には平和の碑少女像のレプリカ等が含まれている。
 こうした現状を受け、わが党国会議員がパリセイズ・パーク市に赴き、記念碑に記されている「20万人少女拉致」や「性奴隷」は歴史的事実に反する旨を説明し、また在米ニューヨーク総領事も同市長に記念碑の撤去を申し入れたが、市側は偏った歴史解釈に拘泥し、これら申し入れを拒絶した。
今般のような一連の韓国側の動きのように、歴史的事実でないことを世界に宣伝してわが国政府の補償や更なる謝罪を要求することは、国際法上の正義に反し両国の友好関係を著しく損ねるものである。
そこで、いわゆる慰安婦に関する韓国側の主張は全く歴史的根拠がないものであることを国際社会に向けてより明確にし、わが国の国益がこれ以上害されぬように、政府に対し下記事項の実施を強く要請する。
 
1)米国のニュージャージー州パリセイズ・パーク市の慰安婦記念碑に関しては、設置主体である市に対し、碑文の内容に関する学術的、歴史的根拠を明確に示すよう求めるとともに、早期の撤去を強く求めること。なお、わが国として、このような主張が学術的・歴史的にも事実無根である旨を反証出来うる十分な資料を整理・作成して国内外に示し、諸外国の理解を得るよう外交努力に万全を期すこと。

2)在米ニューヨーク総領事がパリセイズ・パーク市長に申し入れを行った際、記念碑を撤去する代価として経済的支援を行うことを提案した旨の報道がなされているが、そのような事実は全くないことを明確に表明し、報道に訂正を求める等の然るべき措置を講ずること。

3)米国において韓国系団体による同様の動きがこれ以上拡大しないよう、訴訟など法的対抗措置を講ずるなどの毅然とした対応を検討し、政府の万全の支援体制のもとに実施すること。

4)ソウル日本国大使館前の平和の碑少女像設置は、ウィーン条約上からも許されるべきものでなく、強く抗議を行い、早期の撤去を求めること。また、ソウル市に建設された「慰安婦博物館」の展示品の中には、平和の碑少女像のレプリカを始め、極めて偏向したものが目立つ。それらの展示物を精査するとともに、学術的・歴史的根拠のないものについては徹底して反駁すること。また、日韓首脳会談等の際には、必ずわが国の立場を明確に主張し、これらの撤去を申し入れること。

5)いわゆる慰安婦に関しては、2007年3月5日参議院予算委員会において、安倍晋三内閣総理大臣が「狭義の意味の強制性は、それを裏付ける証言はなかった」と答弁をしているが、河野談話との関係性も含め、いわゆる慰安婦に関する政府見解について再度整理し、国民に示すこと。

 
   以上、決議する。