2012年9月14日
廃炉への道のり

ローマから車で70km、ラティーナという町の原子力発電所を視察。
イタリアはチェルノブイリの事故をうけて、国民投票で脱原発を決定。
そのため、ヨーロッパで1964年当時最大の原発だったラティーナ原子力発電所は廃炉とすることになりました。
1986年から作業に入り、廃炉になるのは2020年頃。つまり、34年間もかかるわけです。
故郷敦賀の原発のタイプと似ているので大きな関心を持って訪ねました。

燃料棒は取り出しても、土壌汚染、機器の汚染、建屋の取り壊しなど作業は大仕事です。
これが終わっても最終の貯蔵設備を作れるのは2040年頃を目標と考えているということです。
原子力発電というエネルギーはあまりに大変なものであること。
日本人はその自覚が足りなかったと思います。
3時間ほど説明を受け、見学しました。

ローマに戻り会議。
「タブレット等による情報及び文書の配信」
「IT環境の保護及び外的脅威の最小化」
各国からサイバーテロにどのように対処しているかの発表がありました。
日本からは衆議院議員の石井登志郎先生が現状と対策を発言されました。

イタリア国会、下院見学。
現在のモンティ内閣は閣僚全員が国会議員でないという不思議な状況です。
金融市場と欧州の危機に対応するための非常事態ということではありますが、民主主義にもいろいろあるものだなぁと思いました。

夜、日本大使館の方々と懇談。
イタリアには外務省だけでなく、経産省、農水省、警察など多くの役所からの出向者がいます。
国際植物貿易条約(International Plant Protection Convention)など国際機関で働いておられる日本人もいます。
今回は(というかいつものことながら)大使館の皆さまには本当にお世話になりました。
優秀な方々にさらに活躍していただくためにも、政治家は頑張らねばなりません。
行き過ぎた官僚叩きはそろそろやめにしたいものです。