男女共同参画条例行き過ぎに「待った」
不明瞭な表現規制、家事を金銭で評価
水戸市長ら参考人招致要請 |
平成15年2月28日 産経新聞掲載記事 |
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衆院予算委 山谷議員 官房長官が調査約束 |
自治体の男女共同参画条例に表現の自由の侵害や中絶容認ともとれる規定がある問題が二十七日の衆院予算委員会第一分科会で取り上げられ、保守新党の山谷えり子氏は岡田広・水戸市長と石垣正夫・岡山県新見市長を参考人招致するよう委員会に求めた。福田康夫官房長官(男女共同参画担当相)も「男女共同参画が逸脱していないか、観察したい」と全国の実態調査を約束した。 |
山谷氏は表現の自由などを侵害する恐れがある例として、新見市の条例が禁止行為として「新聞、雑誌、ポスター等により、情報を表示するすべての場合は、固定的な性別や役割分担、女性に対する暴力及び性的羞恥心等助長し、又は連想させる表現」を規定していることを挙げ、「連想してもいけないとは何を意味するのか」とただした。 |
米田建三内閣府副大臣は「何が固定的な性別役割分担か誰が判断するのか。表現の自由の抑圧にならないよう相当な注意が必要だ」と疑問を表明した。 |
山谷氏はさらに、水戸市の条例が新見市と同趣旨の規定に加え「家事労働、育児、介護等、従来女性が担ってきた無償労働に対し、必要に応じて経済評価をあたえること」と、家族生活を金銭価値でとらえていることを批判。両市長の招致を委員会に要請した。 |
福田官房長官は「男女共同参画社会基本法がどのように定着しているか、自治体の意見を聞くのはいいことだ。逸脱していないか観察したい」と述べた。 |
米田副大臣は、中絶の容認につながる「性の自己決定権」規定について「中絶には法律で限定的な枠があることを踏まえた理念規定なのか、条例制定者に確認してみなければ分からない」と答弁。 |
福岡県福間町の条例が公共事業の入札希望者に社内の男女共同参画推進状況の届け出を義務付けていることについては「受注の決定要件なら問題だ」との認識を表明した。 |
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板橋区 苦情処理委に強い権限 申し立てできず区民批判 |
東京都板橋区議会で審議中の男女平等参画基本条例案に、男女平等に関する苦情処理機関に強い権限を与える異例の規定があり、区民から批判の声が上がっている。条例案は三月三日の本会議で採決される。 |
板橋区の条例案は「男女共同参画」ではなく「男女平等参画」の名称を使用。「男女平等参画社会の形成を阻害すると認められる事項」などについて苦情処理委員会が是正などを勧告できるとしているが、委員会の判断には苦情の申し立てはできない。 |
男女共同参画条例に基づく苦情処理機関のあり方をめぐっては各地で議論になっている。 |
埼玉県の苦情処理委員は、公立の男子高五校と女子高十一校を共学化するよう県教委に勧告。生徒やPTAなどの間で大規模な反対運動が起きている。また愛媛県ではミスコンテストへの県の関与を中止するよう助言があり、県は後援や審査員派遣を取りやめる方針だ。 |
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