平成15年度活動報告

〔主張〕堂本案の廃案を評価する
平成15年3月3日 産経新聞掲載記事
 
【男女共同参画】
 全国の男女共同参画条例から、表現の自由侵害や中絶容認につながる規定が見つかり、問題が指摘される中で、最も“進歩的”とされる千葉県の条例案が廃案になった。行き過ぎた条例制定の流れに歯止めがかけられたものと評価すべきだろう。
 千葉県が議会に提出した男女共同参画促進条例案は、堂本暁子知事の肝いりで、国の男女共同参画社会基本法作成にかかわった大沢真理・東大教授らを条例専門部会委員に招いて策定され、堂本知事が「日本一」と“自負”していた。だが、その条例案には、子供にまで「産む、産まない」の自由(性の自己決定権)を教えようという性教育の促進(十七条)など、バランスを欠いた規定が盛り込まれた。
 これに対し、自民党県連は堂本案の過激な部分を削除・修正した独自の条例案を提出し、県議会で議論された。結局、双方が廃案となり、統一地方選後に議論は仕切り直しとなったが、堂本県政の行き過ぎを是正しようとした自民党県連の努力を評価したい。
 国会の衆院予算委員会でも、男女共同参画条例が問題になり、保守新党の山谷えり子議員は水戸市や岡山県新見市の条例が男女の固定的な役割分担を否定するだけでなく、それを「連想させる表現」まで禁止している点について、言論・表現の自由を侵害する恐れがあることを指摘した。これらの問題を抱えた条例が制定された自治体の首長は、国会の参考人招致に応じ、経緯を説明する責任がある。
 男女が互いの違いを認め、それぞれの役割を十分に発揮するという意味での男女共同参画は必要である。だが、男らしさや女らしさまで否定するジェンダーフリー(性差否定)教育を奨励し、それに少しでも反した表現を禁止しようという条例は、憲法違反の疑いがある。
 きょう三日は桃の節句。江戸・元禄時代に庶民の生活が豊かになったことに伴い、それまで労働力とだけ見なされがちだった女の子の健康を願い、町人や下級武士の家でも、競ってお雛(ひな)さまを飾るようになった。地方自治体に浸透している過激なフェミニズムはこうした日本の伝統行事にも目くじらをたてるが、そんな思想にこだわらず、女の子は女らしく育ってほしい。

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山谷えり子事務所
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