福井次期日銀総裁所信表明 |
平成15年3月18日 |
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3月18日、衆議院財務金融委員会で参考人質疑が行われました。福井次期日銀総裁が参考人として出席してこれからの日銀総裁として取り組む所信を表明しました。その所信に対し、山谷が質問を行いました。 |
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■現状認識 |
「デフレ脱却の見通しが立たず、金融システムも立て直しの途上にあり、経済再生までに相当な距離がある」 |
巨額の不良債権を抱える銀行がリスクをとって貸し出しを増やそうとはしない上、民間企業に活力がないため、日銀が供給した資金が金融市場で「空回り」している。 |
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■非伝統的手法 |
「ETF(株価指数連動型上場投資信託)などに限定せず、より幅広く買い入れ対象を検討していきたい」 |
新たな資産購入など非伝統的な手法に前向きな姿勢を示した。中小企業やベンチャー企業の活性化が経済再生に必要と主張。 |
「この措置の意味を前向きに受け止めながら考えていきたい」銀行保有株の直接買い入れ枠の拡大にも前向きな姿勢を示した。 |
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■国債偏重是正 |
「インフレ目標は中央銀行にとって重要な道具の一つ。(導入の)条件が整っているのか議論したい」 |
波及過程が明確ではないとT即導入Uには慎重。 |
「無制限に国債を引き受けることへの歯止め、規律を守る意思表示として、(国債買い入れ額の上限は)保持したい」 |
財務省が国債買い入れ額(現在月額1兆2千億円)増額、買い入れ額を日銀券の範囲内としている上限撤廃を要求しているが拒否の姿勢を示した。 |
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■システム維持 |
「(大手銀行に対する)公的資金の必要性は引き続き感じている」 |
公的資金を再投入してでも、不良債権問題を解決すべきだ、というのは福井氏の持論。 |
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■政府との関係 |
「(政府との定期会合は)自分も望んでいたことだ」 |
小泉首相や経済閣僚との定期会合の開催にも前向き。 |
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