予算委員会で小泉首相に質問 |
平成15年2月20日 |
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-藤井委員長 |
本日は、特に政治資金問題等について質疑を行います。 |
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 |
次に、山谷えり子君。 |
-山谷委員 |
保守新党、山谷えり子でございます。 |
評論家の大前研一さんが立候補をなさろうとしたときに、お子様が、おやじがそんな汚い人種とは思わなかったと言われた。よく聞いてみると、政治家というのは悪いことをしてお金を集めるという、そういう職業だというふうに思われている。私は、そのとき笑ったんですけれども、私自身が立候補しようとしたときに、やはり周囲からそのように言われて愕然といたしました。 |
今、高校生がなりたくない職業は政治家だといいますし、それから、大学の政治学科の人たちも政治の話をしたくないというこの現状を非常に憂えております。これでは政治にいい人材が集まってこない、国の未来も非常に暗いというふうに考えております。 |
しかしながら、学生さんで永田町で研修に来られた方たちは、その実態を見て、メディアと全然違うじゃないか、報道と、本当に朝から夜中までよく働いていると。休日も地元に帰って人々の苦しみを聞いて、政策の激論をして、本当にこんなによく働いているのかというような感想をお持ちでお帰りになられる。本当に、傲慢になってはいけませんけれども、私たちはこの思いを新鮮な気持ちで受けとめて、緊張感を持って働いていかねばならないと考えております。 |
政治というのは、特定の利益あるいは不利益、それを調整して公の利益にしていくわざでございますけれども、対立するさまざまなことを合意形成していくためには、政治と政治家に対する信頼関係が国民との間になければ、それができないわけでございます。けれども、今、政治活動には非常にお金がかかる、そのことに対して国民の理解が得られない。それは政治家自身も反省するところがあるわけでございます。 |
二月三日、衆議院本会議で、野党の幹事長から、小泉政権で幹事長は七億一千万円、これは政治資金収支報告書によれば使っているとの発言がございまして、小泉総理に改めるつもりはないかと問い詰められました。しかしながら、政党の政治活動はエネルギーであり、民主主義のコストであります。政治にどれぐらいお金をかけるべきかという議論はあっていいわけでございますけれども、現実には野党も、共産党で組織活動費四億二千四百万円、自由党は、幹事長名で、平成十二年で九億八千四百万円、政治資金収支報告書で組織対策費に充てたと報告しています。これが民主主義のコストであります。活力ある市民社会を支えるために、あるお金が要る |
企業献金、個人献金、政党助成金、日本の現実を見てどのようなバランスがいいというふうにお考えになられるか、総理の見解をお伺いしたいと思います。 |
-小泉内閣総理大臣 |
政治活動にお金がかかるというのは、まず候補者になってみればわかると思いますよね。人に、一票投票してくださいとお願いするのもきついですよね。まして、政治資金をお願いします、お金も寄附してくださいと言うのも、これまたつらいことです。しかし、そうしない限りには議員活動ができない、政治活動ができない、これも現実であります。 |
そういうことから、余り個人に負担をかけるのはどうかということで、政党本位の選挙にしようじゃないかということで、小選挙区制度が導入された。政党として、余り議員個人、候補者個人に資金を調達する苦労をかけないで、政党がそういう政治活動を手助けしていこうという趣旨だと思うのであります。 |
しかし、それにしても、政党に全部おんぶにだっこしたら議員の自由度が少なくなる。やはり議員活動を、政党に余り縛られないで個人の自由度を発揮したいというためには、政党だけの資金に頼っていては議員活動についても支障が出るということにおいて、個人でやはりある程度努力して、個人も資金調達に努力しなければならないというのも、これまた現実であります。 |
そういう点において、今、政党助成交付金というものが税金で手当てされておりますが、それだけでは当然足りないから企業献金、団体献金、個人献金、それぞれ資金調達しているわけでありますが、この苦労はどこの国でも民主主義である限り似たり寄ったりです。 |
こういう苦労を乗り越えて、地域をよくしていこう、あるいは人の助けになりたい、国をよくしていきたい、社会をよくしていきたい、この世の矛盾を解消していきたいという、やりがいのある仕事だから、本来だったらこういう苦労をしないで政策活動、政治活動ができればいいなというのは、どの議員も思っていると思います。 |
しかし、それだけでは当選できない。地域に帰って選挙民の中に入って選挙民の信頼を得る、そしてまた、その声を聞いて国会へ出てこういう議論を重ねて、この苦労は、もう政治家である限り避けられないと思うんであります。それをどうやってお互いがこれから、その政治活動に見合うだけの資金を調達しなきゃならないか、国民に理解を求めなきゃならないかということは、これは私、永遠の課題でありますが、できるだけ理解を得られるような資金調達方法を、各党各会派でいい案を出していくよう努力するべきではないかなと思っております。 |
-山谷委員 |
英国型の政党主体の選挙というような形で政治改革が行われたわけですけれども、実際には不徹底であったということ、制度自体が。それから、日本の民族性これありで、どの議員も本当に個人後援会主体になっている部分がある。もう、バスの旅行だとか、ゲートボール大会。新年会、ことしどのぐらい出ましたかと言うと、二百回、二百五十回、二百八十回。六百回という方もいらっしゃるわけですね。本当に、政治改革も含めて、大きなフレームワークの中で私は議論しなければいけないのではないかというふうに思うわけでございます。 |
自民党が設置いたしました有識者懇談会報告書によれば、公共工事の受注比率が一定割合を超えた企業について献金額に上限を設ける、現金による寄附を禁止して振り込みや小切手に限定してお金の流れを透明化する、アメリカで行っているようなインターネットを利用した政治資金収支報告書の公開などが提唱されておりますけれども、現在の議論の進み方、またどのように具体化していかれるおつもりか、御所見を伺いたいと思います。 |
-小泉内閣総理大臣 |
今私は、山谷議員が言われたような改善策について幹事長に、よく党内外の意見を聞いて案としてまとめながら、なおかつ、与野党協議して、一歩でも前進できるような措置を講じてもらいたいと指示しております。いずれ党でも議論が始まりますし、各党各会派との協議もなされると思います。そういう状況を後押ししていきたい。 |
また、これからの政治資金活動のあり方、あるいは資金の調達活動のあり方についても、それらの意見、各般識者の意見も参考にしながら進めていかなきゃならない。 |
また、各国でも、私、いろいろ日本にもアメリカからもイギリスからも訪問される、その際にたまに聞くことがあるんです。政党本位の小選挙区しかないアメリカでもイギリスでも、本当に個人活動しなくていいのかと聞いてみましたら、そうじゃないですね。やはり政党より個人活動の方が最近強くなってきたと言うアメリカの議員もかなりいます。やはり、当選するためには、政策はもちろん大事なんですが、政党も大事ですが、その個人全体を選挙民は評価しますから、それだけに、いかにその地域の有権者、選挙区の有権者に理解し協力してもらうかについて、日本だけじゃない、各国もそれぞれ苦労しているなということを痛感しております。 |
これからそういう面におきましても、やはりその活動を支えるのは、資金がなきゃ活動できない、もう何をするにしても資金が要るということも現実でありますので、その資金調達方法につきましては、今後も各党が真剣に、今のいろいろな状況を受けとめて、改善できる方法を考えていかなきゃならないと思っております。 |
-山谷委員 |
本当に、アジアが変貌を遂げ、また北朝鮮の問題がシリアスであります。そしてまた、肝心な国のさまざまな社会保障制度、安全保障制度、それから教育改革、進めようとしますと国論が二分する。やはりスケールの大きな政治家を育てて、意思決定能力を高めていかなければいけないわけで、今回のこの政治と金の問題、政治改革、政治資金改革の問題を一歩、二歩、三歩前進させていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 |
-藤井委員長 |
これにて山谷君の質疑は終了いたしました。 |
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