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20才の長女と16才の次女との母娘対談
生命尊重ニュース 2002年春号
 
何が親の愛か
子どもたちは、早いもので、長女が20才、長男が18才、次女が16才になりました。アルバイトや音楽バンド活動、部活動などでそれぞれ忙しいのですが、親子の会話は年令を重ねて個性が出てきた分、刺激的です。
先日、次女が“学校でみんなに大笑いされちゃった”と帰宅しました。高校2年生になるのを前に、将来の進路希望を書きなさいと言われ、彼女は“整体師、料理の先生、ダンスの先生、新聞記者、国会議員、心理カウンセラー”と6つも書いて、あまりにバラバラの職業なのであきれられ、先生から“大学名は?”とさらに尋ねられて口から出まかせに、砂漠とサボテンが好きだったので、“アリゾナ大学”と答えてしまったというのです。
私も聞きながら吹き出しました。とはいえ、両祖母が整体師と心理カウンセラーをし、部活で料理とダンスをし、両親が記者と議員に縁のある彼女としては、他人から見ればバラバラの職業名が実は何の矛盾もないのです。
「他の子たちはね、大学名は学部まで細かくいっぱい書いたの。それなのに職業のところは、何も書かないの。で、友だちは私のことを幼稚で笑えるって」
「あら、望めば叶うってものだって、この頃お母さんますます思うわ。作家になるといっていた幼馴染の藤田宣永君は直木賞作家となったし、高校時代に映画監督になると言ってた根岸吉太郎君は日本アカデミー監督賞をとったし、スキーヤーになると言っていた村里敏彰君は日本オリンピックの役員として今ソルトレイクにいるわ」
横から二十歳の長女が声を出しました。
「私は夢をなくしたなぁ。アナウンサー、幼稚園の先生、流行プランナー、いろいろあったのに全部なくした。自分は何もできないって思っている子も多いし、私も二十歳をすぎてそうなっちゃった」
「ある中学3年生対象のアンケートで“あなたは自分のこと好きですか…いいえ47%”“あなたは将来役に立てると思いますか…いいえ46%”っていう調査結果が出てる」
と私が言うと、長女は
「うっ、悲しいね。この国で大人になるのって難しい。若い人がダメになるのもしょうがないか。友だちで母親になった子もいるけど、ダメ。子育て教わらないからホント子どもがかわいそう。1才にならない子にファーストフード食べさせたり、音楽がガンガンのクラブに連れて行ったり、危なっかしくてこっちがつらいね。私も昔は20才で結婚、21才で出産って考えていたけど、今考えるとあり得ないなぁ」
と続けてきました。次女は、床をゴロゴロしながら、
「ディズニーが言ったよぉ。夢はもち続ければ必ず叶うって。ディズニーも昔から笑われたけれど結局ディズニーランド作ったよぉ」
と、歌うようにのどかに応えました。
 目標があったり、人の役に立とうとする生き方は苦労も伴います。けれど、それは、充実であり豊かさでもあります。子育ても同じです。しかし長女に言わせれば“私たちの年令は苦労は損、ラクはイイって考える子が多いのよ”。私が少しムキになって“それはうすっぺらな考え方”と反論を始めようとすると、再び次女がニヤニヤ。
「親が考えてほしいように子どもは考えないのよ。そこが異世代チャットのいいところ」
と、間に入ってきました。まったく、言ってくれちゃいます。
過日、日本青少年研究所が日米仏の中高生に人生の目標を聞いたところ、日本の生徒でもっとも多かったのが“人生を楽しむ”米国は“地位と名誉”仏国は“円満な家庭”でした。また“必ず結婚しなければならない”と答えたのは日本が2割、米国は8割…意見の合わない異世代チャットを面白がりつつも、時にソフトに家族や育児の尊さ、夢を持つ大切さなどの普遍的な価値は人生の先輩として伝えるのが愛情という気がするのです。
「私たちの年令は苦労は損、ラクはイイって考える子が多いのよ」と長女が言えば、次女がニヤニヤ「親が考えてほしいように子どもは考えないのよ」。まったくモー

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