メッセージ(バックナンバー)

 活字文化議員連盟総会が開かれ、作家の林真理子さんがいらっしゃいました。
 「読書とは、内にこもる作業でなく、外にあこがれ、出ていくエネルギーをくれるもの」「ひきこもりの方に多くお会いしたが、本を読んでほしい」「この国の少子化問題も深刻ですが、母国語を大切にせず、本を読まないことは、ゆゆしき問題。私は7才の娘に可能な限り読み聞かせをしている。小学3〜4年生以上になると読まなくなってしまう。このことを何とかしたいと考えている」「ことばの力が人を育てる」「娘とは伊勢物語を今読んでいるが、TVを消して、まずお母さんは子どもと本を読んでほしい」と訴えられました。
 読み聞かせキャンペーンを国民運動としてやっていくため、政治も知恵を出し、作家の皆さまともつながっていきたいと思います。
 また、国際的NGOに関する小委員会では、オリンピックメダリスト有村裕子さんをお招きし、カンボジアで行っているマラソン大会10年の歴史や、NGO法人「ハート・オブ・ゴールド」というNPO法人を立ちあげて、スポーツによる国際貢献、社会貢献活動していく中で、考えたことをお話下さいました。
 出来る人が出来る限り、出来る角度でやってほしいが“できる角度”が違うからとバラバラになってしまうもったいなさを悲しく思っていることをおっしゃられましたので、私は外務省がNGOと定期協議会をつくり、顔の見えるODAをすべく動き始めているが、自民党の小委員会でもしっかりと政治リードすべく受けとめたいと申しました。
 以前有森さんのお母さまと講演をしたことがあります。岡山の自宅で子供のための図書室を作っておられるお話でした。“できる人ができる限り、できる角度で”はお母さまからのバトンかもしれません。
 なお、本日サザエさんについて私のコメントが新聞に載っています。
 別の日、家族問題をライフワークの一つとする参議院議員、山谷えり子さん(55)を内閣府の政務官室にたずねた。
 テーブルの上には、国会図書館から借り出した「サザエさん」の単行本がごっそり。本の小口からのぞくおびただしい付箋が取材に臨む気合を感じさせる。
 「いいですね『サザエさん』って。登場する人々誰もが、自分に与えられたものを十分だと受け止め、それに満足している。《ほど》を知っていると言い換えてもいいかもしれません」
 「サザエさん」を語るとき、人は決まって笑顔になる、普段から笑顔の多い山谷さんの顔がさらにほころんだ。
 戦争も、戦時下の緊張も、靖国神社なるものが戦時下で果たした役割も、まったく知らない人が圧倒的多数を占めているときに、参拝を続けたほうがいいか、悪いかと問い掛けることにどれほどの意味があるというのか。
 靖国神社に一度も参拝したことがなく、所在地さえ知らないという人が増えてきた昨今、近隣諸国の人々が小泉首相の靖国参拝に抗議していると聞けば、他人の嫌がることは避けたほうがいいという単純な日本的道徳律で「止めたほうがいい」と答える人は多いに決まっている。
 「大学生の息子の感想なんですが、いまの社会の基数は1なのに、『サザエさん』の世界の基数は2ではないか、と。なるほどと思いました。安定感があるんですよね」
 現代社会の病理の根は、人間の原子化にあるといわれる。山谷さんの言葉でいえば「基数1」。地域共同体は崩壊し、家庭さえも個(原子)がばらばらに存在する場に成り果てようとしている。夫婦の関係を表現する「比翼の鳥」「連理の枝」という言葉はほとんど死語。「子はかすがい」も死期が迫りつつある。
 山谷さんは続ける。
 「磯野家にはまとまりがありますが、家族が密着するのではなく、ほどよい距離感を保ちながら結びついています。だから風通しがいい。これって、とても大切なことだと思います」
出典:産経新聞 平成18年4月13日

平成18年4月13日 山谷えり子

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