衆議院文部科学委員会での質問について |
平成14年2月28日 平成14年2月27日 産経新聞掲載記事 山谷えり子衆議院文部科学委員会での質問について |
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産経新聞…平成14年2月28日 道教委と教組 確認書 制度発足時 法令違反の可能性…教員加配 |
北海道小樽市の小中十九校が、不正に国のチームティーチング(TT)加配を受けていた問題で、TT加配制度がスタートした平成五年当時、北海道教育委員会と北海道教職員組合(北教組)間で、同制度について「配置については北教組と協議する」とする内容の文書が交わされていたことが二十七日、わかった。 |
教員の配置など、学校の管理運営事項は法令で組合との交渉対象にしてはならないとされており、文部科学省は違法な確認書にあたる可能性があるとみてい小樽市の不正加配との関連を調べている。 |
関係者によると、この文書は五年一月二十七日付け。「『指導方法の改善に伴う教職員定数等について』に関する北教組書記長の質問に対する道教委企画管理部長回答」のタイトルで、十数項目にわたって北教組側の質問と、道教委側の回答が文書化されていた。 |
「この配慮にかかわる具体については、北教組と協議することとし、実施に当たって問題が生じた場合は、本部・本庁間で解決を図ることでよいか」との質問に対しては、「そのように考えます」と回答。また、「実施計画の記入はあくまで計画であって、変更はありうると考えるかどうか」との質問に、「変更はあり得るものと考えている」と回答していた。 |
道教委は産経新聞の取材に対し、「確認書ではなく、制度について各方面から寄せられた質問に対する回答。内容的には問題はなく、また実質的に破棄されている」と説明している。 |
しかし、文部科学省は違法な確認書にあたる可能性が強いと判断。また、破棄されたとするならば関係先への周知徹底を行うよう求めた。 |
小樽の教員加配 「徹底的調査を」 文科相、国会答弁 |
北海道小樽市の小中十九校が国のチームティーチング(TT)加配を教員の授業時間の削減にあてていた問題で、遠山敦子文部科学相は二十七日の衆院文部科学委員会で、「子供のために措置したものが、教員の負担軽減に使われ、聞けば聞くほど許せない」と述べ、徹底的な調査を行う意向を明らかにした。山谷えり子氏(民主党)の質問に答えた。 |
遠山文科相は「国民感情としても、決して許されず、ゆゆしき問題。実態の解明、責任の所在など徹底的な調査を、北海道教育委員会に指示して行っており、厳正に対処する」とした。 |
同省の矢野重典初等中等教育局長は小樽市に対する調査の時期について、まず今年度分の不正の全容を三月中旬までに明らかにした上で、平成八年から十二年の五年間についても調査を広げ、五月までに結果を得たいとした。 |
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産経新聞…平成14年2月28日 許されない国の制度悪用 教員加配不正 |
教育委員会と教職員組合の癒着などが指摘されていた北海道の教育現場で、新たな不正が発覚した。小樽市の小中学校が教員の加配(増加)に伴う人件費を国から支給されながら、それを目的通りに使っていなかったというのだ。国の教育制度を悪用した事例である。 |
教員の加配措置は、クラスの授業を複数の教員で行うチームティーチング(TT)や少人数指導のため、平成五年度から始まった制度である。増えた人件費の半分は国庫負担金、残り半分は地方交付金でまかなわれる。 |
小樽市の場合、この制度の恩恵を受けながら、大半の加配教員を申請書に記載したTTには使わず、他の教員の持ち授業時数を減らすなど労働軽減にあてていた。教員が楽をしたいために加配申請したようなものだ。しかも、国に対し、TTの授業を行ったかのように虚偽報告をしていた。 |
雪印食品は狂牛病(牛海綿状脳症)対策の国産牛買い上げ制度を悪用し、解散に追い込まれたが、今回の小樽市のケースは、これによく似た悪質な手法といえる。だが、小樽市教育委員会は目的外使用を認めながら、生徒指導の充実や選択履修幅の拡大など「子供たちのために使った」と学校をむしろ弁護している。小樽市教委には自浄能力を期待できない面もあり、文部科学省の調査が待たれる。 |
今回の不正は、小樽市議の指摘をきっかけに発覚した。税金の使い道をチェックするのは、納税者の代表である議会である。三月から始まる小樽市議会などで、不正受給の実態がさらに明らかになることを期待したい。 |
最近、学級崩壊への対応や習熟度別授業の実施などのため、TTや少人数授業の必要性が増し、教員の加配を求める自治体が増えている。小樽市の不正発覚を機に、他の自治体の教育委員会や議会も、加配教員の活用方法や人件費の使い道などを改めてチェックする必要がある。 |
北海道の教育をめぐっては、学校での組合支配を許す結果になった北海道教育委員会と北海道教職員組合との違法協定、鉛筆で年休簿に記入した後に消しゴムで消す「鉛筆年休」などの不正が次々と明らかになっている。小樽市についても、市教委や校長の指導のあり方が問われることになろう。 |
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