平成14年度活動報告

健全な教育を考える会…「性差解消」待った
―民主党78議員 行き過ぎ教育を批判―
平成14年6月28日 産経新聞掲載記事
 
 行き過ぎたジェンダーフリー(社会的・文化的な性差の解消)教育や性教育から子どもたちを守ることを目指して、民主党の有志議員78人が27日、「健全な教育を考える会」を発足させた。出席者からは「行き過ぎた教育は、いい意味での女らしさや男らしさまでも否定している」などの指摘が相次いだ。
 考える会には、ベテランから若手まで民主党国会議員(百八十三人)の四割が参加。衆院第二議員会館で開いた初総会では、会長に松崎公昭氏、代表幹事に山谷えり子氏、事務局長に金子善次郎氏の若手衆院議員を選んだ。
 会の発足に奔走し、三人の子供の母親でもある山谷氏は、ジェンダーフリー教育の問題点について、文部科学省の委嘱で二月に発行されたパンフレット「新子育て支援・未来を育てる基本のき」を例にあげて指摘。女の子に「さくら」などかわいい名前をつけ、ひな祭りをしたり、男の子に「翼」など強そうな名前をつけ、節句祝いをすることなどを、「女らしさや男らしさを押しつける子育て」と説明しているが、山谷氏は「いい意味での女らしさ、男らしさまで否定するのか。文化や生き方へのテロリズムでは」と訴えた。
 性教育では、厚生労働省所管の財団が作成した中学生向け小冊子「思春期のためのラブ&ボディBOOK」が、ピルの利点だけを記述している点を取り上げ、「環境ホルモンの原因とされることや副作用に触れていない。女の子への人権侵害では」と批判。フリーセックスを勧めるような教育も行われ、「自己決定権の確立、女性の自立といった誰も反対できないスローガンのもと、ゆがんだ教育が行われている」と述べた。
 出席者からは「二十一世紀は文化多元主義の時代で、人間の最大の個性は性差。個性尊重の新しい社会を目指すなら、ジェンダーフリー教育は時代遅れ」(鈴木寛参院議員)「(行き過ぎた教育で)個人のアイデンティティーが失われ、家庭の崩壊など社会の乱れが起きているのでは」(松原仁衆院議員)などの意見が相次いだ。
 事務局長の金子氏は「国会質疑で政府へ是正を促したり、教育関係者へ問題提起するなど、子供たちのために行動したい」と意気込んでいる。
 
平成14年6月28日 産経新聞社説
教育を考える会…野党に生まれた平衡感覚
 家族を大切にし、行き過ぎたジェンダーフリー教育や性教育などを改めていこうという民主党の有志議員の集まり「健全な教育をかんがえる会」が発足した。最大野党の中に、このようなバランス感覚をもった文教グループが生まれたことを評価したい。
 同会の設立趣旨は「近代法による国家は、法律とともに、文化、伝統、倫理の体系があってこそ、美しい姿が保てる」としたうえで、「子供たちが健全に育つための教育のあり方を責任をもって考えていきたい」と呼びかけている。おおかたの国民から賛同を得られる趣旨ではないか。すでに、民主党の衆参両院議員の四割を超える七十八人が呼びかけ人となり、さらに増える勢いだという。
 最近、学校教育の現場には、男らしさや女らしさまで否定するジェンダーフリーの思想が「男女平等教育」の名の下に、急速に浸透している。男女とも五十音順に並べて「さん」付けで呼ぶ男女混合名簿や、男女混合の騎馬戦、駈けっこなどである。だが、これらの性差を否定した教育は、男女平等の理念と何の関係もない。
 男女共修の家庭科教科書には、「女の子らしく」「男の子のくせに」といったしつけ方を批判した記述や一方的なジェンダーチェック表が載っている。事実婚やシングルマザーを暗に奨励する一方、良妻賢母を否定した教科書もある。子育ての現場にも、“三歳児神話”からの解放を呼びかけたり、母性を否定するような極端な教材が自治体から配布されている。「健全な教育を考える会」には、こうした学校教育や家庭教育におけるさまざまな歪みや行き過ぎに目を向け、それらを是正するための大きな力になってほしいと思う。
 二十七日に開かれた設立総会では、家庭愛をはぐくむ教育の必要性が求められた。これも大切なことである。
 個人主義が徹底している欧米でも最近、家族の価値が再認識されようとしている。英国のブレア首相は両親そろった健全な家庭づくりを訴え、米国では州によって、家族や結婚生活を維持するための教育が中高生に義務づけられているという。日本も、社会の最小単位としての家族の価値をもっと重視するような教育が必要である。

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