「ふりーせる保育」についての山谷質疑 |
平成14年11月22日 産経新聞掲載記事 |
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松戸「ふりーせる保育」保護者から批判続出
行き過ぎジェンダーフリー
自由・安心 実態は放任・指導放棄 |
ジェンダーフリー」や「子どもの権利条約」をベースに千葉県松戸市が実施する「ふりーせる保育」をめぐり、保護者から「行き過ぎではないか」といった批判が相次いでいることが、二十一日の衆院青少年問題特別委員会で取り上げられた。ジェンダーフリーの行き過ぎが指摘されるなか、内閣府も指導の徹底を約束。松戸市は非を認め、保育園の信頼回復に努める方針だ。 |
「ふりーせる保育」は平成十年三月に策定した「こども育成計画」を踏まえ、松戸市が同年五月、市内の三保育所に試験的に導入した。「ふりーせる」は「自由」「安心」「自信」の英語の頭文字を取った同市独自の造語。「子どもの権利条約」「ジェンダーフリー」をベースに、「子供は権利を行使する存在で、大人と対等」との方針が運営に貫かれているのが特徴だ。 |
ところが保護者からの指摘で、「一歳以上の園児にはおやつの選択の自由がある。嫌いなら牛乳は飲まなくていい」「食事も選択の自由で、遊びに夢中で食事を抜くことがある」といった実態が表面化。言葉やはしの持ち方も指導が十分でなく、「言葉遣いが格段に悪くなった」といった苦情も相次いだ。 |
保護者が「子供たちの発表会がみたい」と申し入れると、保育士からは「それは保育士が決める問題ではなく子供たちの意思で決めるべきだ。各家庭で働きかけてほしい」。人気タレント、香取慎吾さんの「慎吾ママのおはロック」を運動会のダンスで踊る際も、「母親がごはんをつくる歌詞はジェンダーフリーに反する」として、カラオケで演奏された。保護者からは再三、申し入れが繰り返されたが一向に改善がみられないという。 |
この問題は、二十一日の衆院青少年問題特別委で山谷えり子氏(民主)が取り上げ、福田康夫官房長官(男女共同参画担当相)は「現実感覚から離れている。行き過ぎは良くない」と答弁。米田建三内閣府副大臣も「由々しき事態」として、行き過ぎたジェンダーフリーの実践例などに積極的に指導する意向を示した。 |
松戸市児童家庭担当部も「理想はともかく、子供への悪影響や保護者の信頼が得られなければ施策としては失敗だ。根本的に間違いといわれると承服しかねる面もあるが、行き過ぎをただし、保護者の信頼を回復したい」と話している。 |
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