メッセージ(バックナンバー)

 自民党の企業統括委員会でライブドアの堀江貴文社長とフジテレビジョンの日枝会長が講師として話をされました。
 堀江社長はブルーのTシャツの上に白シャツ、コットンパンツ姿で「時間外取引でのニッポン放送株取得は、もともと抜け道だがルールを順守したもの」「(抜け道を)利用しないと、相手に利用される。「こうしたことが起こらなかったら何もかわらなかった。法改正の継起となった。」「日本は会計制度ノレン分けなどが外国に比べて透明性が十分でなく、価格決定のメカニズムをもっとオープンにしなければ」「企業価値とは株価×株数。これが国際的にわかるバリュー。会社は株式を所有している者のもの。働いている従業員も精神的にはそう思っているだろうが、会社のオーナーといえば、株主のものと考える」「説明が不十分といわれるが、私は十分説明したつもり。未来がわかっている一部の人が先にうまくやっていくのが商売というもの。皆がわかってしまったら、それは商売にならない」「外資脅威論は理解不能。高い法人税、そして脅威論を言っていたのでは、日本はとり残される。お金には色も国境もないことが理解されていない。外資を使って国を豊かにしていくことを考えて」「放送界の魅力とは少ない局で客を独占していること。コンテンツより客をかかえていることが重要」と持論を展開しました。
 また、クールビズでなくオーソドックススーツ姿の日枝会長は金融庁の姿勢に不満をにじませつつ、M&Aに反対しているのでなく、日本における制度上の問題が多いことを指摘しました。「企業の価値があがり、将来の事業戦略をふまえたM&Aは否定すべきでないが、経営者が悪で株主が善という風潮がある感じがする。アメリカでは結果的に敵対的M&Aは失敗し、友好的M&Aの流れを作ろうとする動きがある。アメリカは買収する側に規制はなく、買収される側に有効な防衛手段を認めている。そして監視を厳しく。たとえていうなら、銃をもった保安官のような機構を作っている。ヨーロッパは買収する側に厳しく、買収される側にも防衛手段を認めず、そのかわり、城壁を高くして外敵を入れぬような体制を作り、市民に武器をもたせないというやり方をしている。日本は信頼をベースに低い壁でやってきたのが伝統、歴史、文化だった。しかし自由化の波がきている中で日本的規律づくりが必要。日本の常識でないことが今回おきて、方向性が出ていない故に百家争鳴状態になった」とし、「TOBルールの確立、大量保有報告書のルールに穴があること、外資による放送局の間接規制、日本らしい法制度を立法府のテーマとして議論が進むことを期待している」とし、「会社は株主のものであるが、同時に従業員、地域社会、取引先など社会的責任あってのもの。会社と株主を対立的にとらえるのはいかがなものか」と言われました。
 私は、放送マスコミは民主主義のベースを支えるものであり、国民と密接なかかわりをもち、外資によって、プロパガンダに利用される危険もある分野なので、間接規制は必要なことであると考えます。
 いずれにしても、ホワイトナイト、グリーンメール、ポイズンピルなど、それまで一部業界人しか知らなかった言葉が茶の間で話され、国会で遅まきながら企業価値について、法の整備について、深く考える議論がスタートしたことは確かです。

平成17年6月20日 山谷えり子

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